老犬が目を開けたまま寝る原因とは?寝たきりで目を閉じない時のケア
「うちの子、目を開けたまま寝てる……もしかして体調が悪いのかな?」
このように、愛する老犬の姿を見て、ママさんパパさんが不安になるのは当然ですよね。
特に高齢になってからの「目開け寝」は、「目が乾燥しないか」「病気が隠れていないか」と心配でしょう。
結論からお伝えすると、老犬が目を開けたまま寝る現象の多くは、犬の習性や体の構造による自然なことなのです。
しかし、病気や老衰が原因で目を閉じられないケースもあるため、「危険なサイン」を知り、適切なケアをする必要があります。
この記事では、老犬が目を開けて寝る「問題のない理由」と「すぐに病院に行くべきサイン」、そして寝たきりになった愛犬の具体的なケア方法を解説します。
ぜひ最後まで読み進めて、愛犬にどんなケアが必要なのかを明確にしましょう。
老犬が目を開けたまま寝る原因とは?

老犬が目を開けたまま寝る姿は心配ですが、多くの場合、犬の生理現象や習性によるものです。
犬の睡眠は浅い眠り(レム睡眠)の時間が長いため、目を開けたままになることが多くなります。
まずは、目を開けたまま寝る原因を見ていきましょう。
老犬が目を開けて寝るのは本能的な警戒心とレム睡眠が原因

犬が目を開けて寝る理由の一つは、オオカミだった野生時代の名残、防衛本能によるものです。
彼らは外敵を警戒し、すぐに動けるよう意識的に目をわずかに開けていることがあります。
また、老犬が目を開けたまま寝るのは、夢を見ているレム睡眠中によく見られます。
犬の睡眠の約8割がレム睡眠であり、この時、眼球が活発に動く(急速眼球運動)ため、目が半開きになったり、白目をむいたりするのです。
| 目を開けて寝る主な理由 | 詳細 |
| 防衛本能 | 野生時代の習性で、警戒心から目をわずかに開けている。 |
| レム睡眠 | 夢を見ている浅い眠りで、眼球運動により目が半開きになる。 |
短頭種(パグやシーズー)は構造上目を閉じにくい

パグやシーズー、ブルドッグなどの「短頭種」は、顔の構造的な特徴から目を完全に閉じることが難しい傾向にあります。
彼らは目が大きく突出しているため、まぶたで覆いきれないのです。
【目を閉じにくい主な短頭種】
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しかも、老犬になるとまぶたを閉じる筋肉が衰えるため、さらに目を開けて寝やすくなります。
短頭種の場合は、目が乾燥しやすいというデメリットも伴うため、注意が必要です。
第三のまぶた「瞬膜」で目が保護されている

犬の目には、人間にはない「瞬膜(しゅんまく)」という第三のまぶたがあります。
これは、目が開いている状態でも、目を覆い、乾燥や異物から眼球を保護する役割を担っています。
そのため、愛犬が目を開けて寝ていても、瞬膜が働いていればある程度は守られています。
しかし、瞬膜の働きだけでは乾燥を防げないこともあるため、目の表面が乾いていないか、注意深くチェックしてあげましょう。
要注意!老犬が目を開けたまま寝る病気のサイン

老犬が目を開けたまま寝ることの多くは自然な現象ですが、病気や体調不良が原因で目を閉じられないケースもあります。
老犬の場合、病気のサインを見分けることが非常に重要です。
「夜間性兎眼」や「顔面神経麻痺」で目を閉じられない状態

「夜間性兎眼(やかんせいとがん)」とは、夜間だけ瞼(まぶた)を完全に閉じることができなくなる病態のこと。
まぶたを動かす「顔面神経」に麻痺が起こり、目を閉じられなくなってしまうのです。
この状態が続くと、目が外気にさらされ、ドライアイや角膜炎、炎症のリスクが高まります。
【病気のサイン】
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このような症状に気づいたら、深刻な目の病気を防ぐために、早急に動物病院を受診することが大切です。
激しい痙攣や発作はすぐに動物病院を受診すべき

目を開けたまま寝ている時に、体全体が激しく動いたり痙攣したりする場合は、てんかんなどの神経系の発作である可能性があります。
もちろん、単なる夢によるピクピクとした動きというケースが多いので、その違いを見極めることが重要です。
【危険度が高い発作のサイン】
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ママさんパパさんに知ってほしいのは、「目を閉じない」という現象の背景に、脳の異常や神経系の問題が隠れている可能性がある点です。
特に老犬の突発的な発作には注意しましょう。
目の乾燥や炎症が見られたら眼科検査を推奨

目を閉じられない状態が続くと、老犬の目は非常に乾燥しやすくなります。
乾燥は、角膜炎や結膜炎といった炎症を引き起こし、視力に影響を及ぼす可能性があります。
特に寝たきりで目を閉じない状態が続いている場合は、目の状態を定期的にチェックし、必要に応じて眼科検査を受けることが望ましいです。
【寝たきりの老犬】目を閉じない時の具体的なケア

老犬が寝たきりの状態になると、「目を閉じない」という現象は、老衰や神経機能の低下など、全身の状態が大きく関わってきます。
寝たきりの老犬が目を閉じないのは、老衰の進行による意識レベルの変化が背景にあることが多いため、この時期の愛犬にはママさんパパさんによるきめ細やかなサポートが欠かせません。
老衰による意識の低下で目を閉じられなくなる
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寝たきりの状態が続き、老衰が進行すると、犬の意識レベルは徐々に低下していきます。
これにより、「まぶたを閉じる」という反射や筋肉の制御が難しくなってしまうのです。
この状態は、「意識が朦朧としている」「自力で目を守る力が弱っている」と捉えるべきです。
【老衰で見られる変化の例】
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愛犬がこのような状態にある時は、痛みや苦しみを取り除く「緩和ケア」の視点が重要です。
獣医師と密に連絡を取り、愛犬が快適に過ごせるようにサポートしてあげてください。
寝たきりで目を閉じない際の乾燥対策は点眼薬と保湿

寝たきりで目を閉じない愛犬にとって、目の乾燥は最も深刻な問題です。
目が長時間開いたままになっていると、炎症や潰瘍といった重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。
飼い主としてできる具体的なケアは、目の乾燥を防ぐための「保湿」です。
| 目の乾燥を防ぐ具体的なケア | 実施のポイント |
| 点眼薬(人工涙液)の使用 | 獣医師の指示に基づき、数時間おきにこまめに点眼する。 |
| 目の周りの保湿 | 刺激の少ない保湿剤を優しく塗布する。 |
| 環境の湿度調整 | 加湿器で部屋の湿度を45~55%に保つ。 |
「乾燥を防ぐためにママさんパパさんにできる最善のケアは何だろう?」と考え、行動することが愛犬の安心に繋がります。
呼吸が乱れるなど体調悪化時は獣医師に相談

寝たきりで目を閉じない状態に加え、呼吸が浅くなったり、痙攣が起こったりなど、目に見えて体調が悪化しているサインが見られた場合は、様子を見ずにすぐ獣医師に連絡しましょう。
老犬の急な体調変化は緊急を要することが多いため、夜間や休日でも対応できる動物病院を事前に確認しておくことが重要です。
ママさんパパさんは、最適なケアで愛犬が心地よくいられるようにサポートしてあげましょう。
まとめ|老犬になった愛犬の「目開け寝」を見守るために

老犬が目を開けたまま寝るのは、多くの場合は自然な現象です。
しかし、特に寝たきりの状態になって目を閉じない場合は、病気のサインや老衰の可能性があります。
愛犬の健康を守るために、ママさんパパさんがすべきことはこの3つです。
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適切な知識と優しいケアで、愛犬の快適な睡眠をサポートしてあげましょう。


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