シニア犬の1日のカロリーは?老犬の年齢・体重別の目安と活動係数を解説
愛犬がシニア期を迎え、寝る時間が増え、食事量は今のままで良いのか不安を感じているママさんパパさんはいませんか?
シニア期は代謝が落ち、若い頃と同じ食事を与え続けると肥満になったり、逆にカロリー不足で筋肉が減ったりするリスクがありますよね。
しかし、安心してください。この記事では、シニア犬1日カロリーの正確な計算方法と、愛犬の体重・活動量に合わせた必要カロリーの目安を解説します。
これを読めば、ママさんパパさんは愛犬に最適な給餌量がわかり、健康と長寿を支えるための自信が持てるでしょう。
シニア犬の1日のカロリーは?老犬の体重別目安

シニア期(一般的に7歳以上)の犬は、基礎代謝や活動量の低下に伴い、必要なシニア犬1日カロリーは若い成犬期に比べて約7〜8割程度に減少します。
適切なカロリー管理は、肥満予防や関節・内臓への負担軽減のために非常に重要です。
まずは、愛犬の体重から必要なカロリーの一般的な目安を確認しましょう。
この数値はあくまで健康なシニア犬の目安であり、より正確な計算は後述のRER/DERの式で行います。
【小型犬・中型犬・大型犬の必要カロリー早見表】
| 体重カテゴリ | 体重の目安 | 1日の必要カロリー目安 |
| 小型犬 | 5kg前後 | 約200〜300kcal |
| 中型犬 | 10〜15kg | 約400〜600kcal |
| 大型犬 | 25〜30kg | 約800〜1000kcal |
たとえば、「うちのトイプードルは体重5kgだから、約250kcalを目安にすればいいのか」と考えられます。
大まかな目標値を知ることは重要ですが、愛犬の体型や活動量によって、この数値は大きく変わる可能性があるということを忘れないでくださいね。
シニア犬の1日カロリー計算方法と手順

愛犬の健康管理において、適切な給餌量は非常に重要です。
特にシニア犬は代謝が落ちるため、若い頃と同じ量を与えていると肥満の原因になりかねません。
ここでは、愛犬に必要な1日あたりのカロリー(DER)を求めるための具体的な計算ステップをご紹介します。
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1. RER(安静時エネルギー要求量)の計算
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まず、RER(安静時エネルギー要求量)を計算します。
RERとは「犬が寝ているだけでも生命維持に必要な最低限のカロリー」で、RERの計算式計算には以下の式を使います。
| RER = 体重の0.75乗 × 70 |
電卓で簡単に計算する方法電卓を使う場合は、「体重 × 体重 × 体重 = √ √ × 70」で求めることができます。
ちなみに、スマホの電卓に「∧」の記号がある場合は「体重∧0.75×70=RER」でも算出が可能です!
【RER計算のイメージ】
| 体重 | 計算結果(RER) |
| 5kgのシニア犬 | 約234 kcal |
2. 活動係数(老犬の目安:1.0〜1.4)の把握

RERが算出できたら、次に活動係数を選びます。
活動係数とは、愛犬の活動量やライフステージに応じてRERに乗じる調整値です。
シニア犬の活動係数は約1.0〜1.4が目安です。
| 活動レベル | 活動係数の目安 | 特徴 |
| 低い | 1.0 | 散歩が少ない犬、肥満気味の犬、ほとんど寝て過ごす犬 |
| 普通〜やや低い | 1.2〜1.3 | 標準的なシニア犬、避妊去勢済みの犬、適度な散歩がある犬 |
| 比較的活動的 | 1.4 | シニア犬としては活発で、散歩もしっかり行う犬、避妊去勢なしのシニア犬 |
愛犬の生活習慣に合わせて、1.0~1.4の間で調整しましょう。
3. DER(1日あたりのエネルギー要求量)の算出

RERに活動係数をかけることで、愛犬が1日に必要とするDER(1日あたりのエネルギー要求量)が算出されます。
| DER = RER × 活動係数 |
【DER計算例】
| 愛犬の条件 | 計算過程 | 1日あたりの必要カロリー(DER) |
| 体重5kgの 避妊去勢済みシニア犬 |
RER(234 kcal)× 活動係数(1.2) | 約280.8 kcal |
このように、計算を通して具体的な給餌量がわかると、ママさんパパさんの不安も和らぎますよね。
4. 犬の年齢別の必要カロリー:子犬・成犬・シニア犬の違い

犬の年齢別で必要なカロリーは、ライフステージによって活動係数が大きく異なるため、適切なカロリー管理にはこの違いの理解が不可欠です。
| ライフステージ | 活動係数の目安 | 主な特徴 |
| 子犬期 | RER × 2.0~3.0 | 成長・発達のため最も高いカロリーが必要。 |
| 成犬期 | RER × 1.4~1.8 | 体重維持と活動のためのカロリーが必要。 |
| シニア期 | RER × 1.0~1.4 | 代謝低下と活動量減少により、低めの調整が必要。 |
ご覧の通り、シニア期は若い頃に比べて必要なエネルギーが最も低く設定されています。
このことから、「若い頃と同じ量をあげていたら、太ってしまうのも当然だったんだ」と、ママさんパパさんも腑に落ちたのではないでしょうか。
カロリー不足と過剰がシニア犬にもたらす健康リスク

シニア犬の食事管理において、カロリー過剰による肥満リスクはよく知られていますが、実はカロリー不足も深刻なダメージを与える可能性があります。
カロリー不足の状態が続くと、犬は筋肉を分解してエネルギーを得ようとします。
その結果、筋肉量の減少を招き、体力低下や免疫力低下につながるのです。
シニア犬にとって筋肉の減少は、歩行が困難になるなどのダメージを生み出します。
一方、カロリー過剰は肥満になり、関節疾患(関節炎など)や、糖尿病、心臓病などのリスクを増加させます。
このように、適切な量のカロリー摂取が、シニア犬のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上に重要です。
フードのカロリーからシニア犬の1日の食事量を正確に計算する方法

DER(1日あたりのエネルギー要求量)が分かれば、愛犬が実際に食べるフードの量も簡単にわかります。
フードのパッケージに記載されている「100gあたりのカロリー」を使います。
| 1日あたりのフード量 = DER ÷ 100gあたりのカロリー数 × 100 |
この計算によって、1日何グラムのフードが必要か導き出されます。
【フード量計算例:DERが280.8kcal、フードが321kcal/100gの場合】
| 1日のフード量 = 87.5g |
この数値が、愛犬に毎日与えるべきドライフードの正確な量です。
シニア犬(老犬)の1日カロリー目安|消化・健康を守る具体的な食事の与え方

シニア犬は消化機能や食欲にも変化が見られるため、給餌の仕方にも配慮が必要です。
カロリー計算が終わったら、次は「どう与えるか」という実践的な方法について解説します。
消化負担を減らすための食事回数と与え方の工夫

シニア犬は消化器官の働きがゆっくりになるため、一度に大量のフードを食べると負担がかかります。
そのため、食事回数を増やし、少量ずつ与えることが推奨されます。
| 工夫のポイント | 具体的な方法 | メリット |
| 回数を増やす | 1日3~4回に分けて与える。 | 消化器への負担が減り、吐き戻しを防ぐ。 |
| 温度を調整 | フードを人肌程度に少し温める。 | 嗅覚が刺激され、食欲増進につながる。口当たりが優しくなるため、歯が悪い犬も食べやすい。 |
| 食事姿勢 | 食器台を使い、少し高い位置から与える。 | 食道を通る際の負担が減り、飲み込みやすくなる。 |
この方法を取り入れれば、「食後の息切れのような様子がなくなった」といった変化が現れるケースもあります。
おやつは総摂取カロリーの10〜20%以内に抑える

計算したDERに基づきメインのフードを適切に与えている場合でも、おやつを与えすぎてしまうと、結果として栄養バランスが崩れてしまうというデメリットがあります。
おやつを与える際は、1日の総摂取カロリーの10〜20%以内に抑えるようにしましょう。
与えたおやつ分は、メインのフードからカロリーを差し引くという調整が必要です。
これにより、愛犬は喜ぶおやつをもらいながら、シニア犬1日カロリーのバランスを崩すことなく健康を維持できるでしょう。
まとめ|シニア犬の健やかな生活のためにもカロリー管理が大切

この記事を通して、ママさんパパさんはシニア犬の1日カロリーを正確に計算する方法や、犬の年齢別で必要カロリーがどう違うのか、さらにはカロリー不足や過剰がもたらすリスクについて深く理解できたはずです。
計算したDERを基に、フードの量を算出し、食事の回数を工夫して愛犬に与える。
このシンプルなステップを踏むことで、愛犬は適切な栄養を摂取し、関節や内臓への負担が減り、健康で元気なシニアライフを送れます。
愛犬の健康は、ママさんパパさんの知識と行動にかかっています。
今日から早速、計算して、愛犬の健康チェックを始めてみませんか?


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