シニア犬がいる家庭に新しい犬を迎えてもいいの?そのメリットと注意点
シニア犬と一緒に暮らす家庭で「新しい犬を迎えても大丈夫かな?」と悩む声を耳にすることがあります。
「寂しそうだから新しい犬を迎えてあげたい」
「若い犬と過ごせば元気になるかもしれない」
そんな思いで、新しい犬を迎えたいと考えるママさん・パパさんも多いのではないでしょうか。
ですが、シニア犬にとって、新しい犬を迎えることが必ずしも良いこととは限りません。
この記事では、シニア犬がいる家庭に新しい犬を迎えるメリット・デメリットと注意点、仲良く暮らすための準備と工夫、サポート方法を詳しく紹介します。
シニア犬がいる家庭に新しい犬を迎えるメリット

シニア犬が新しい犬と一緒に暮らすことで、良い効果が見られることがあります。
まずは、メリットから見ていきましょう。
シニア犬が元気になる

新しい犬との触れ合いやコミュニケーションが、シニア犬にとって良い刺激を与えることがあります。
活発に動く若い犬の姿を見て、シニア犬がつられて少し体を動かすようになったり、表情がいきいきしてくることも。
また、シニア犬が年齢とともに忘れてしまっていた「遊ぶことへの興味」や「誰かと一緒に過ごす楽しさ」を思い出して、気力や元気を取り戻してくれることもあるでしょう。
老化の防止につながる

シニア犬は年齢を重ねるにつれて体力や筋力が少しずつ衰えていきます。
身体だけでなく脳の働きもゆるやかに低下するため、反応が遅くなったり、周囲への関心が薄れたりすることもあります。
そんな中で新しい犬をお迎えすると、ほどよい刺激となってシニア犬の老化を防ぐきっかけになる場合があるのです。
「一緒に動く」「匂いを嗅ぐ」「相手の行動を観察する」といった新しい犬とのやり取りが、自然とシニア犬の脳を活性化させ、認知機能の低下を防いだり、心身の老化をゆるやかにする効果も期待できます。
寂しさが軽減される

シニア犬は若い頃に比べて、ママさん・パパさんの外出中に不安を感じやすくなります。
特に、ひとりぼっちでの長いお留守番が続くと、寂しさからストレスを溜めてしまうことも少なくありません。
そこに新しい犬が家族に加わると、ママさん・パパさんさんがいない時間も、新しい犬と一緒に過ごすことでシニア犬が安心できるようになる場合があります。
ただし、最初のうちはお互いの距離感をつかむまでに時間がかかることもあるので、慣れるまではふたりきりでお留守番をさせない方が良いでしょう。
シニア犬がいる家庭に新しい犬を迎えるデメリット

シニア犬がいる家庭に新しい犬を迎えることにはデメリットも存在します。
シニア犬に負担をかけないために、新しい犬を迎えると決める前にデメリットをしっかり理解しておきましょう。
シニア犬がストレスを抱えることがある

若くて元気な新しい犬の存在が、落ち着いて過ごしたいシニア犬のストレスになるケースは少なくありません。
シニア犬は体力や感覚が衰えているため、環境の変化がストレスにつながりやすくなります。
新しい犬を迎えたことによって家の環境や生活リズムが乱れると、シニア犬がストレスを感じてしまい、攻撃的な行動を見せたり、反対に甘えん坊になることも。
また、犬同士には相性の良し悪しがあるため、相性が悪い場合はトラブルになる可能性もあります。
新しい犬を迎えるときは、「シニア犬が心地よく暮らせるか」を第一に考えてあげることが大切です。
シニア犬が寂しいと感じてしまう

新しい犬を迎えると、どうしてもママさん・パパさんの関心がそちらに向かいやすくなります。
その変化を敏感に感じ取るシニア犬は、「自分が後回しにされた」と感じてしまうことがあるのです。
特に、長年一緒に過ごしてきたシニア犬は、ママさん・パパさんとの絆が強いため、愛情の変化に戸惑ってしまいます。
新しい犬を迎えたときこそ、シニア犬と過ごす時間を意識的に増やして、「あなたのことも大切だよ」という気持ちを伝えてあげてくださいね。
ママさん・パパさんの負担が増える

シニア犬がいる家庭に新しい犬を迎えるということは、しつけや健康管理、食事や散歩など、日々のケアが2倍になるということです。
さらに、相性が合わなければトラブルが起きることもあり、その都度の対応が必要となります。
特に新しく子犬を迎える場合は、トイレのしつけやいたずら防止などに時間と手間がかかるでしょう。
また、シニア犬の介護や通院が必要なケースもあるため、ママさん・パパさんへの負担が大きくなることは避けられません。
新しい犬を迎える場合は、ママさん・パパさん自身の生活や体力面を含めて、シニア犬と新しい犬に同時に向き合える環境が整っているか、確認しておくことが大切です。
シニア犬に負担をかけないために確認しておくこと

これまでお伝えしたように、新しい犬を迎えることにはメリットとデメリットの両方があります。
もし「新しい犬を迎えたいけれど、シニア犬に負担をかけないか悩んでいる」という場合は、今の状態や環境を見直してみましょう。
ここでは、シニア犬にできるだけ負担をかけないために、新しい犬を迎える前に確認しておくべきポイントをまとめました。
① シニア犬の性格と健康状態

まずは、シニア犬の性格と健康状態をしっかり把握しておきましょう。
持病がある場合や体力が落ちている場合、また環境の変化に敏感だったりストレスに弱い性格の子は、新しい犬の存在が思った以上に負担になることがあります。
不安がある時はかかりつけの獣医師に相談し、新しい犬を迎えても問題がないかを確認しておくと良いでしょう。
シニア犬に負担がかかりそうな場合は、無理に新しい犬を迎え入れるよりも、今の環境と生活リズムを優先する方が安心です。
② 家の環境

次に、今の生活環境がシニア犬と新しい犬が一緒に暮らすのに向いているかを見直しましょう。
疲れてしまった時にシニア犬がひとりで静かに過ごせる場所があるか、生活リズムを乱さずに済むかなど、考えてみてください。
もし相性が合わなかった場合にも、それぞれが落ち着ける空間を確保できるかどうかがポイントです。
狭い空間で常に顔を合わせる環境は、シニア犬にとって大きなストレスになることもあります。
③ ママさん・パパさんの準備

そして、何より大切なのがママさん・パパさん自身の心構えです。
お世話の手間や医療費、時間的な余裕を考えたうえで、「本当に最後まで責任を持てるのか」を改めて考えておきましょう。
ママさん・パパさんが余裕を持ってお迎えできることで、新しい犬とシニア犬、どちらにとっても過ごしやすい環境をつくることができますよ。
シニア犬と新しい犬が仲良く暮らすための準備と工夫

新しい犬を迎える決心をしたら、シニア犬と新しい犬が仲良く暮らすための準備と工夫をしましょう。
シニア犬は環境の変化に敏感になっていますので、突然新しい犬が家に来ると、戸惑いやストレスを感じてしまうこともあります。
ここでは、新しい犬を迎える前にできる準備と、お迎え後に注意したいポイントを紹介します。
① シニア犬が落ち着ける空間を用意する

シニア犬は体力が落ちて疲れやすくなっているため、元気な新しい犬の存在に疲れてしまうことがあります。
新しい犬を家に迎える前に、シニア犬がひとりでゆっくり落ち着ける場所を用意してあげましょう。
シニア犬がいつもリラックスしているお気に入りのベッドやスペースを用意し、新しい犬が近づきすぎないように配慮してあげてください。
特に子犬を迎える場合は注意が必要です。
子犬は元気いっぱいなので、走り回ったりシニア犬にちょっかいを出したり、悪気はなくてもシニア犬が疲れてしまうことがあるので気をつけましょう。
② トライアル期間を設けて様子を見る
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可能であれば、トライアル期間を設けて様子を見ましょう。
保護犬を迎える場合であれば、多くの場合一定期間(だいたい2週間程度)のトライアル期間を設けることができます。
トライアル期間を設けることは、ママさん・パパさんにとっても、シニア犬と新しい犬のお互いにとっても重要です。
トライアル期間中はシニア犬と新しい犬の相性や生活リズムを慎重に観察し、仲良くできるかどうか、シニア犬がストレスを感じていないかを確認しましょう。
シニア犬と新しい犬の相性が良く、一緒に暮らしても問題なさそうであれば、そのままお迎えすることができるケースが多いです。
③ 初対面は短時間から少しずつ

新しい犬を迎える時は、いきなりシニア犬と同じ部屋で長時間過ごさせるのは控えましょう。
まずはお互いの匂いを嗅ぎ合うくらいの短時間から始めて、緊張や興奮が高まらないうちに切り上げ、最初の1週間ほどは生活スペースを分けて過ごすのが安心です。
もし空間を分けることが難しければ、サークルやベビーゲートを活用してみてください。
また、食事やおやつの時間は別々にして、シニア犬が安心して過ごせる環境を守ってあげることが大切です。
慣れてきたら、短時間から少しずつ一緒に過ごす時間を増やしてみましょう。
「一緒にいると楽しいことがある」と感じてもらえるように、お互いがリラックスしているタイミングで褒めたり、ご褒美をあげるのもおすすめですよ。
④ 新しい犬との接し方を決めておく

新しい犬を迎える前に、ママさん・パパさんとご家族みんなで「新しい犬とどう接していくか」を事前に話し合っておきましょう。
どちらかの子だけを特別扱いしたり、叱り方や声のかけ方に違いがあると、愛犬たちは戸惑って不安になってしまいます。
シニア犬と新しい犬どちらにも同じように愛情を注ぐことが大切です。
ルールや接し方を統一しておくことで、シニア犬と新しい犬が安心して新しい環境に馴染みやすくなるでしょう。
シニア犬へのサポートを忘れずに

新しい犬が家族に加わると、どうしてもママさん・パパさんのシニア犬に向き合う時間が少なくなってしまいます。
シニア犬が寂しさを感じないように、これまで通りたくさんスキンシップをしたり、優しく声をかけてあげてくださいね。
変わらない愛情がシニア犬の一番の支えになります。
また、食事の時間や寝る場所などはできるだけ今までと変えないようにして、生活リズムが乱れないように気をつけてあげましょう。
もし食欲が落ちたり、吠えが増えたり、下痢などのサインが見られたら、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
まとめ|シニア犬がいる家庭に新しい犬を迎えるときは慎重に

シニア犬のいる家庭に新しい犬を迎えるときは、シニア犬の気持ちと体調を最優先してあげることが何より大切です。
新しい犬を迎えるか決める前に、まずはシニア犬に負担がかからないかどうかをしっかり考えてあげましょう。
新しい犬を迎えることで、シニア犬が元気で笑顔になれるなら、それはとても素敵なことです。
ママさん・パパさん・家族みんなでしっかりと話し合いながら、慎重に考えていってくださいね。


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