シニア犬(老犬)のシャンプーはどうする?頻度ややり方、注意点を解説
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愛犬がシニア期に入り、「シニア犬のシャンプーは今までと同じ頻度でいいの?」と悩んでいるのではないでしょうか。
シャンプーは単なる汚れを落とすための作業ではなく、皮膚や被毛の健康を守り、体調を整えるための大切なケアです。
しかし、体力が低下するシニア犬にとって、シャンプー自体が大きな負担となり、無理に行うと体調に影響を与えてしまうこともあります。
そこで今回は、高齢の愛犬たちと暮らしてきた動物介護士・メディカルトリマーの私が、シニア犬のシャンプーの頻度ややり方、注意点について解説します。
シニア犬のシャンプーが難しい理由は?心身にかかる負担が大きい
トリミングサロンの多くが、10歳や11歳以上のシニア犬の新規利用をお断りしています。
実際、私が引越しをしてトリミングサロンを変えたときに、「10歳以上の子はお受けできません」と断られました。
「10歳なんて、まだまだ若く元気なのに」と思うママさん、パパさんも多いでしょう。
しかし、トリミングサロンがシニア犬の新規利用をお断りするのは当然で、それだけシニア期の犬は慎重にシャンプーを行う必要があるのです。
愛犬のためにも、シニア犬のシャンプーが難しい理由を理解しておきましょう。
シニア犬は体力が落ちている
シニア犬になると、少しずつ体力や筋力が衰えていきます。
若い頃は平気だったシャンプーやドライヤーの作業も、シニア犬にとっては大きな負担です。
特に浴室は滑りやすく、立っているだけでも関節や筋肉に負担がかかることを考えてあげなければいけません。
また、関節炎や心臓病、呼吸器疾患などの持病がある場合は、シャンプー中の体温変化や水温の刺激が体調に影響することもあります。
皮膚の状態が変化する
もともと犬の皮膚は人間の皮膚の約3分の1ほどの厚さしかなく、とてもデリケートです。
年齢を重ねてシニア犬になると、皮脂や水分の分泌が減り、皮膚がさらにデリケートな状態になります。
そのため、強くこすったり、洗浄力の強いシャンプーを使ったり、熱めのお湯で洗うだけでも、かゆみや赤み、フケなどのトラブルを起こしやすくなるのです。
感覚器の衰えによるストレス
シニア犬は、視覚や聴覚、嗅覚といった感覚器も徐々に衰えていきます。
目が見えにくくなることで、浴室や洗面台の段差に気づかず不安を感じたり、音に敏感になってパニックを起こすことも珍しくありません。
また、耳が遠くなると、ママさん、パパさんの声掛けや指示が届かず、不安や緊張が強まる場合もあります。
こうした感覚器の衰えにより、シャンプー中に落ち着かず動き回ったり、体を硬直させてしまうことがあり、若い頃のようにスムーズに洗うことが難しくなるのです。
シニア犬のシャンプー頻度は?愛犬の状態によって異なる
成犬は月に1〜2回のシャンプーが目安ですが、シニア犬は若い頃と同じ頻度でシャンプーをすることは必ずしも適切とは言えません。
ここでは、プラチナドッグのシャンプーの頻度について解説します。
シニア犬のシャンプーは2ヶ月に1回が目安
シニア犬のシャンプーは、体にかかる負担を考慮して2ヶ月に1回が目安になります。
ただし、シニア犬の状態によって1ヶ月に1回が良い場合や、3ヶ月に1回が良い場合もあるため、獣医師に確認しながら行うことが大切です。
シニア犬の状態に合わせた柔軟な頻度
愛犬の状態や汚れ具合に応じて、シャンプーの頻度を調整することも大切です。
寝たきりや動きにくいシニア犬の場合、全身を毎回洗う必要はありません。
汚れやニオイの強い部分だけを拭き取り、必要に応じて部分的にシャンプーする方法もあります。
こうした工夫をすることで、シニア犬の体への負担を大幅に減らすことができるでしょう。
また、被毛を短めにカットしておくと、シャンプーの頻度を減らせるだけでなく、汚れの管理もしやすくなります。
シニア犬のシャンプーのやり方
シニア犬のシャンプーは、若い頃のほうほうそのままを行うのではなく、体への負担を最小限に抑えてあげることが大切です。
ここからは、実際にシャンプーを始める前の準備や順序など、やり方のポイントを見ていきましょう。
事前準備
シニア犬のシャンプーは、事前の準備も重要です。
浴室や脱衣所、ドライヤーを使う場所の温度差を小さくして、ヒートショックや血圧の変化を防ぎましょう。
滑り止めマットを敷いて足腰への負担を軽減するのはもちろん、タオルやシャンプー、ドライヤーを手元に準備しておくことで、手早くすますことができます。
シャンプーの手順
お湯の温度は35〜36℃のぬるめに設定しましょう。あらかじめシャンプーを泡立てて、優しく洗います。
皮膚をゴシゴシこするのではなく、手で包み込むように洗うのがポイントです。
顔や耳、皮膚のひだ部分には水や泡が入り込まないように注意しましょう。
シニア犬は皮膚がデリケートなので、低刺激のシャンプーやリンス不要のタイプを使うと安心です。
すすぎとドライヤー
すすぎは丁寧に行い、シャンプー剤の成分が残って皮膚炎の原因にならないようにしましょう。
タオルで水分をしっかりと吸い取り、ドライヤーは弱風・低温で短時間に乾かすのが基本です。
乾かす際は、愛犬の呼吸や体調を観察しながら、体の冷えを防ぐために胸とお腹から乾かしましょう。
長時間のドライヤーは体力を消耗するので、タオルで水分を吸い取ってからできるだけ短時間で乾かしてあげるのがベストです。
シニア犬のシャンプーの注意点
シニア犬のシャンプーは、注意してあげることもたくさんあります。
ここでは、シャンプーの際の注意点について見ていきましょう。
無理をさせない
シニア犬のシャンプーで最も大切なことは、無理をさせないことです。
病気などで体調が悪いときはシャンプーを避ける、全身シャンプーではなく部分洗いを優先するなど、そのときの状態に合わせて対応しましょう。
また、水のいらないシャンプーを活用したり、濡れタオルで拭くといったケア方法も有効です。
無理にシャンプーを行うと、必要以上にストレスを与えてしまったり、体調不良につながることもあります。
愛犬の様子をよく観察しながら、シャンプーを行うことが大切です。
皮膚トラブルへの配慮をする
皮膚の乾燥や炎症がある場合は、低刺激のシャンプーを使用して皮膚への負担を抑えてあげましょう。
獣医師からシャンプー剤を指定されている場合は、そのシャンプーを適切な頻度で使用することが大切です。
また、シャンプー後は保湿ケアを行い、皮膚の健康をサポートしてあげることをおすすめします。
シニア犬の皮膚はとても弱いということを念頭に置き、ケアは丁寧に行いましょう。
安全対策を行う
浴室の滑り止めマットや温度管理、シャンプー後の体調観察は欠かせません。
シャンプー中は体調をよく観察し、異変があればすぐに中止できるように準備しておきましょう。
また、シャンプー後も体調の変化がないか見守り、必要に応じて獣医師に相談することも大切です。
シニア犬に無理のない範囲で行うとともに、体調を優先することが安全で快適なシャンプーにつながります。
まとめ
シニア犬のシャンプーは、若い頃と同じやり方では体や皮膚に負担をかけてしまいます。
体力や皮膚の状態、持病などを考慮し、無理をせずに必要に応じて部分洗いや拭き取りを取り入れることが大切です。
また、シャンプーの頻度も獣医師に確認すると良いでしょう。
私も愛犬たちが高齢になってからは、毎月の健康チェックの際に「今月はシャンプーしても大丈夫ですか?」と確認していました。
毎月シャンプーしても問題ない月もあれば、「今月は控えておきましょう」という場合もあり、そのときどきで判断してもらえとても安心でしたよ。
それだけシャンプーはシニア犬にとって負担がかかるものなので、愛犬に合わせたシャンプーの頻度で行ってあげてくださいね。
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