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【老犬が歩き回る】落ち着かないのはなぜ?徘徊が止まらない理由と対処法

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老犬を介護で夜中に愛犬が歩き回る姿を見ると、「どうして落ち着かないんだろう?」と不安になりますよね。

また、徘徊が止まらない状態が続くと、ママさんパパさんの睡眠不足になり、心身ともに疲弊してしまうものです。

しかし、ご安心ください。適切な知識と対策さえあれば、愛犬もママさんパパさんも負担を減らし、穏やかな日々を取り戻すことができます。

この記事では、老犬が歩き回る原因から、今すぐできる具体的な安全対策、そして専門家への相談タイミングまでを解説します。

読み終える頃には、愛犬の様子を正しく理解し、安心して介護を進めるための道筋が見えているはずです。

【老犬が歩き回る】落ち着かないのはなぜ?3つの原因を解説

老犬が歩き回る、落ち着かないといった行動には、いくつかの原因が考えられます。

主な原因は「認知症」「不安・ストレス」「他の病気」の3つです。

1.徘徊が止まらないのは認知症のサイン

こちらを見上げる老犬

老犬の徘徊行動で最も知られている原因は「犬の認知機能障害(認知症)」です。

【特徴的な症状】

  • 目的なくウロウロと歩き回る(徘徊)
  • 同じ場所をぐるぐる回る(旋回)
  • 壁や角で行き詰まる
  • 昼夜逆転
  • 夜鳴き など

これらの行動は、認知機能の低下による不安から生じているため、結果として徘徊が止まらない状態になってしまいます。

特に、夜間に落ち着かない様子で歩き回る行動が見られる場合は、昼夜逆転や夜鳴きなどの症状も伴いやすく、認知症の可能性が非常に高いと言えるでしょう。

2.視覚・聴覚の衰えや環境変化による不安とストレス

老犬が歩き回るのは、認知症だけが原因ではありません。

老化に伴う感覚器官の衰えやストレスが原因となることもあります。

【主な発生要因】

  • 五感の衰え
  • 生活環境の変化
  • スキンシップ不足
  • 運動不足

視覚や聴覚などが鈍くなると、愛犬は周囲の状況を把握しにくくなり、強烈な不安感に襲われます。

この不安を紛らわすため、ウロウロと落ち着かない様子で歩き回る行動が見られるのです。

優しい声やマッサージで不安を軽減してあげるとよいでしょう。

3.てんかんや体の痛みなど病気が隠れている可能性

不安な顔の老犬

徘徊が止まらない行動の中には、認知症以外の病気が原因となっている場合もあります。

「老犬だから」と見過ごすと、病気の発見が遅れるリスクがあるのです。

【その他の病気・症状】

  • てんかん
  • 脳腫瘍
  • 前庭疾患(一方向への回転)
  • 関節の痛み

脳腫瘍や体の痛みなどが原因で歩き回ることもあります。

特に平衡感覚の異常である「前庭疾患」では、一方向にクルクルと落ち着かない様子で回る症状が見られます。

命に関わる病気が隠れている可能性もあるため、以下の違いを参考に愛犬を観察してください。

症状 歩行パターン 見分けポイント
認知症による徘徊 ランダムに歩き回る。 特定の方向にグルグル回る(旋回)ケースもある。 回る向きは個体差があり、決まっていない。
前庭疾患(平衡感覚の異常) 特定の方向にグルグルと回る。 顔の傾きがあり、傾いている方向に回る。

老犬が歩き回る「徘徊」で今すぐやるべき安全対策とケア

愛犬が老犬になり歩き回るようになったら、「無理に止めない」ことと「安全確保」が重要です。

ここでは、安心して歩き回るための具体的な対策を解説します。

老犬が歩き回る際、転倒や衝突を防ぐ環境整備が最優先

徘徊が止まらない老犬にとって、ケガは大きなリスクです。特に夜間は衝突や転倒の危険が高まります。

愛犬が歩き回る範囲から危険な要素をすべて取り除くことを最優先に考えましょう。

たとえば、小さな段差でもつまづいて重傷につながる恐れがあるため、床材の変更やクッションの設置といった工夫が欠かせません。

具体的な安全対策は以下の通りです。

  • 危険物の撤去:コード類や倒れやすい置き物を片付ける。
  • 滑り止め対策:床全体に滑り止めマットを敷き詰める。
  • 衝突防止:壁や家具の角にクッションを設置する。
  • 階段/段差対策:階段の上り口にはベビーゲートを設置する。

サークルなどで行動範囲を限定し安心感を与える

徘徊が止まらない老犬に対し、ママさんパパさんが24時間付き添うのは困難ですよね。

安全確保と安心感を与えるために「行動範囲の限定」は有効な手段です。角のない形状のサークルを活用し、愛犬の行動範囲を限定しましょう。

認知症の老犬は角で行き詰まるため、コーナーをなくすことで止まらずスムーズに歩き回れるようになります。

昼夜逆転を防ぐための生活リズムの見直し方

夜中に徘徊が止まらない原因の多くは、「昼夜逆転」です。そのため、昼夜逆転を改善するだけで、夜間の落ち着かない行動を減らせる可能性があります。

日中に適度な刺激や運動、日光浴を取り入れ、体内時計をリセットすることが重要です。

逆に、昼間に寝過ぎると夜に眠れなくなり、夜間に歩き回る行動が増えますので注意してください。

【生活リズムを整える具体的な方法】

対策 目的
日光浴 窓辺で15~30分ほど日光浴をさせ、体内時計を整える。
適度な散歩 歩行補助具を使って軽く歩き回る時間を作る。
刺激と遊び 昼寝ばかりせず、適度に声をかけたり、遊んだりして刺激を与える。

スキンシップやマッサージで精神的な不安を和らげる

老犬が落ち着きなく歩き回る行動の背景には、不安や孤独感といった精神的な理由が強く影響しています。

そのため、飼い主さんからの優しいマッサージやスキンシップは、愛犬の不安を和らげ、落ち着かない気持ちを安定させる最も効果的な方法です。

実際、「夜中の徘徊が止まらない時でも、マッサージをしてあげると静かに横になってくれるようになった」という声も多く聞かれます。

精神的なケアとして、日頃から積極的にスキンシップを取り入れてみましょう。

老犬が歩き回る行動を認知症と断定する前に

老犬が歩き回るのを見ると、多くのママさんパパさんは「認知症だ」と考えがちです。

しかし、自己判断は命に関わる病気の発見を遅らせることもあります。まずは獣医師に相談してください。

「認知症だから仕方ない」と決めつけずに診断を受ける

徘徊が止まらないからといって、「老犬だから仕方ない」と決めつけてしまうのは非常に危険です。

認知症と似た症状を示す病気の中には、治療可能なものや、早期治療が必要な病気があります。

たとえば、脳腫瘍などは投薬が必要です。

自己判断は避け、動物病院で全身の健康チェックと、重い病気の除外診断を受けることが、愛犬への最善のケアにつながります。

脳疾患や他の病気の除外は早期治療のために重要

愛犬の歩き回る行動について、動物病院では認知症以外の可能性も含めて多角的に検査を行います。

獣医師は問診や各種検査を通して、徘徊が止まらない真の原因を慎重に見極めます。

これは、早期に適切な治療を開始するために非常に重要です。

仮に認知症と診断された場合でも、進行を遅らせるサプリメントや、夜間の落ち着かない状態を緩和するための薬など、様々な補助療法があります。

治療・ケアの選択肢 具体的な内容
診断・検査 認知症か、前庭疾患、脳腫瘍などの除外診断。
内科的治療 認知症の進行を遅らせる薬や、不安を和らげる薬の処方。
補助療法 漢方やサプリメントなどの相談。

このように、ママさんパパさんが病院で相談できる治療やケアの選択肢は多岐にわたります。

病院に行く前に徘徊の様子を動画や記録に残す

動物病院を受診する際、愛犬の歩き回る様子を正確に伝えるための「準備」が的確な診断につながります。

相談に行く前に、愛犬が落ち着かない様子で歩き回る時の動画を撮影したり、行動記録をつけたりしておくことが重要です。

特に、以下の項目を記録しておくと診断の精度が格段に上がります。

  • 時間帯:いつ歩き回ることが多いか?
  • 頻度・持続時間:どれくらい徘徊が止まらないか?
  • 行動内容:ぐるぐる回るか、壁にぶつかるか、鳴き声はどうか?

老犬ホームの利用など飼い主の負担軽減も検討する

愛犬が老犬になり歩き回るようになると、介護負担は想像以上に大きくなります。

一人で抱え込まず、外部サービスを利用することも視野に入れてください。

老犬介護サービスをうまく利用することで、ママさんパパさんは以下のメリットを得ることができます。

サービス名 主な利用目的 ママさんパパさんのメリット
老犬ホーム(ショートステイ) 飼い主の入院や心身のリフレッシュ。 夜間介護から解放され、睡眠時間を確保できます。
ペットシッター 外出中の散歩、給餌、排泄介助。 落ち着かない愛犬の世話をプロに任せられ、外出中の不安がなくなります。

ママさんパパさんの健康こそが愛犬の幸せな未来に直結しています。どうか、ご自身も大切にしてあげてくださいね。

まとめ|老犬が歩き回る原因を突き止めて穏やかな生活を取り戻そう

老犬の徘徊が止まらない行動は、ママさんパパさんにとって大きな心労となりますが、原因を正しく理解し、対策を講じれば改善の余地があります。

この記事で解説した重要なポイントを再確認しましょう。

  • 原因は認知症だけではない:不安、ストレス、脳疾患など複数の原因が考えられます。自己判断せず、必ず獣医師に相談しましょう。
  • 最優先は安全対策:老犬が歩き回る中で怪我をしないよう、環境整備(滑り止め、衝突防止)と行動範囲の限定が不可欠です。
  • ご自身のケアも重要:介護負担軽減のために、外部サービス(老犬ホームなど)の利用も視野に入れ、休息を確保してください。

愛犬の「落ち着かない」サインを見逃さず、適切なケアと愛情をもって接することで、きっと愛犬との穏やかなシニアライフを取り戻すことができるでしょう。

大場聖也

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保有資格「JKC愛犬飼育管理士」。幼い頃から犬が大好きで、幼稚園の頃には犬の図鑑をボロボロになるまで読み込んでいた。 10歳のとき、不登校だった私を支えてく...

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