シニア犬が蒸しパンを食べても大丈夫?注意点やレシピを専門家が解説
犬に蒸しパンを食べさせてもいいのか気になって調べてみると、レシピや商品ばかり出てきますよね。
なんとなく与えても問題ない気もするけど、シニア犬が本当に蒸しパンを食べて大丈夫なのか気になっているのではないでしょうか。
そこでこの記事では、高齢の愛犬たちと暮らしていた動物介護士や犬の管理栄養士の私が、シニア犬に蒸しパンを与えてもいいのかを解説します。
シニア犬に蒸しパンを与える注意点や手作りするときのレシピもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【結論】シニア犬が蒸しパンを食べても大丈夫!

結論から言ってしまうと、シニア犬が蒸しパンを食べても大丈夫です。
基本的な蒸しパンは、小麦粉や米粉に卵や水など、犬にとって中毒性のある食材は使用されていません。
蒸しパンは柔らかくて食べやすいため、シニア犬にも与えやすいでしょう。
ただし、蒸しパンはあくまでも補助的なサポートとして使用するものであり、主食として与えることはおすすめできません。
シニア犬に蒸しパンを食べさせるメリット5つ
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シニア犬になると、病気でもないのに食欲が落ちたりして、食べてほしいのに食べてもらえないということもあるでしょう。
そんなときに、蒸しパンはちょっとしたサポートになってくれることがあります。
①食べるきっかけになる
②噛む力が弱くても食べやすい
③アレンジしやすく体調に合わせやすい
④投薬のサポートにも活用できる
⑤QOLのサポートになる
ここでは、シニア犬に蒸しパンを与えるメリットを見ていきましょう。
①食べるきっかけになる

蒸しパンは、シニア犬の「食べる」というスイッチを入れてくれることがあります。
ふんわりとした食感や香りは刺激となり、食べてみようという気持ちを後押ししてくれるでしょう。
シニア犬になると、それまでと違った嗜好性に変化したり、好き嫌いがはっきりと出てくることもよくある話です。
気分のムラやタイミングなどで食べたり食べなかったりすることもありますが、一口食べられればそのまま食が進むことも珍しくありません。
②噛む力が弱くても食べやすい

蒸しパンは柔らかくほぐれやすいため、噛む力が弱いシニア犬でも食べやすいと言えます。
高齢になると、歯や歯ぐきのトラブル、噛む力の低下などで硬いものを嫌がるシニア犬も珍しくありません。
蒸しパンは水分を含んだ生地を蒸して作るため、焼いたパンよりも水分が残りやすいという特徴があります。
やわらかい食感なので、シニア犬も無理なく食べてもらいやすいでしょう。
③アレンジしやすく体調に合わせやすい

蒸しパンは、かぼちゃやさつまいもを加えたり、米粉を使ったりと、シニア犬の体調や好みに合わせやすいのもメリットです。
市販品でも、さつまいも蒸しパンやチーズ蒸しケーキ、黒糖蒸しパンなど、さまざまなバリエーションがあるので選びやすいでしょう。
④投薬のサポートにも活用できる

錠剤タイプの薬やサプリメントを、器用に吐き出してしまうシニア犬も多いですが、蒸しパンに包むことで気づかれずに飲んでもらいやすくなります。
もちろん、それでも吐き出してしまう子もいるので状況にもよりますが、投薬の負担を減らす選択肢のひとつになるでしょう。
⑤QOLのサポートになる
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シニア犬にとって、食べることは生活の質(QOL)に直結する大切なことです。
高齢になると、食べる姿勢を保つことがキツくなったり、体調や気分のムラで食事そのものに興味が薄くなることも珍しくありません。
少しでも「食べたい」と思うものを食べさせてあげることで、気分転換や満足感につながる可能性があります。
シニア犬に蒸しパンを与える量の考え方

シニア犬に蒸しパンを与える場合、市販の蒸しパンは商品ごとにカロリーや原材料が大きく異なり、量を一律に決めるのは難しいのが実情です
ただ、蒸しパンを使う場面自体が「食べない」「元気がない」といった悩みを抱えているときなのではないでしょうか。
基本的な考え方としては、蒸しパンはお腹を満たすための食べ物ではありません。
食事のきっかけや補助として使う場合は、ちぎって数口程度から始めるのが目安です。
一方で、食欲が極端に落ちている時期や介護期では、カロリー計算よりも「何かを口にしてもらう」ことを優先する場合もあります。
シニア犬の場合では、一般的な考えが通用しないことも多く、必ずしも量だけで良し悪しを判断できるものではありません。
シニア犬に蒸しパンを与えるときの注意点

蒸しパンはシニア犬のサポートとして役立つこともありますが、与え方に気をつけてあげないと体調に影響することもあります。
ここでは、シニア犬に蒸しパンを与えるときの注意点を見ていきましょう。
①チョコ・レーズンなど危険食材は絶対NG

蒸しパンの中には、チョコレートやレーズン、抹茶などを使用したものもありますが、そうしたものを使用している蒸しパンは絶対に与えないでください。
チョコレートやココアに含まれるテオブロミンは、犬が分解しにくく、少量でも中毒症状を引き起こす可能性があります。
また、レーズンやぶどうは、原因が明確でないものの、急性腎不全を起こすリスクがある食材です。
【犬が食べてはいけないもの】
- ネギ類(玉ねぎ、長ネギなど)
- ぶどう、レーズン
- チョコレート
- ココア
- コーヒー、紅茶、抹茶
- キシリトール
購入するときには必ず原材料表示を確認し、上記のようなものが少量でも含まれている場合は避けるようにしましょう。
②食物アレルギーに注意する

シニア犬に蒸しパンを初めて与える場合、少量から与え、その後48時間は体調に変化がないか様子を確認してあげることが大切です。
【食物アレルギーの主な症状】
- 皮膚の赤みやかゆみ
- 目の周りや口の周り、耳をかゆがる
- 足先を執拗に舐めたりかじる
- 下痢や軟便、便の回数が増える
- 嘔吐
蒸しパンは小麦や米粉を主原料としているため、体質によっては食物アレルギーを起こす可能性があります。
とは言え、食物アレルギーは食材に含まれるタンパク質に免疫機能が過剰に反応してしまうことで起こりますが、タンパク質が含まれていない食材はありません。
そのため、蒸しパンに限らず、常に食物アレルギーのリスクがあることは覚えておくと良いでしょう。
特に特にシニア犬になると若い頃よりも反応が出やすくなるため、どんなものでも食べた後は様子を見てあげてくださいね。
③基本は主食にしない

蒸しパンは、犬に必要は栄養がすべて含まれているわけではないため、基本的には主食として与えないようにしましょう。
蒸しパンは糖質が中心で、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが十分に含まれていないため、主食として続けると栄養バランスが偏ってしまいます。
蒸しパンをきっかけにフードや介護食を食べられるようであれば、ドッグフードに戻していくことを意識しましょう。
ちなみに、よく美味しいものを食べるとドッグフードを食べなくなると見聞きしたことがあるかもしれません。
ただ、必ずしもそうとは限らないので心配し過ぎなくてもいいでしょう。
実際、私は高齢の愛犬たちに蒸しパンを与えていましたが、食べられるようになったら蒸しパンには見抜きもせず、自然とドッグフードを食べていましたよ。
人間用が心配な場合は手作りを検討!シニア犬向け蒸しパンレシピ

人間用の蒸しパンは手軽な反面、砂糖や油脂の量、使われている材料が気になることもありますね。
そうした点が心配な場合は、材料や硬さを調整できる手作り蒸しパンを選択肢に入れてもよいでしょう。
手作りであれば、甘さを控えたり、体調や好みに合わせた食材を使ったりと、愛犬に合わせた蒸しパンをつくってあげることができます。
シニア犬向け手作り蒸しパン
【材料】
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【作り方】
- ボウルに卵1個を割り入れ、白身を切るように軽く混ぜる。
- ヤギミルクや無調整豆乳を加えて混ぜる。※しっとりさせたい場合は60mlでもOK。
- 米粉とベーキングパウダーを加え、ダマがなくなるまで混ぜる。
- かぼちゃ・さつまいも(ゆでて潰したもの)を加え、さっくり混ぜる。
- 耐熱容器(直径7〜8cm程度)に流し入れ、表面を軽くならす。
- フライパンや鍋に布巾を敷き、容器を置く。
- 容器の半分くらいまでお湯を入れ、フタをして弱火で10〜12分蒸す。
- 中央が少し揺れる程度で火を止める。※余熱で固まるので蒸しすぎない。
- 粗熱を取り、完全に冷めたら完成
少し手間はかかりますが、一度チャレンジしてみると良いでしょう。
まとめ
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シニア犬の食事は、元気な頃と同じ基準では判断できない場面が増えてきます。
蒸しパンについても同様で、「与えていい・悪い」で一括りにするのではなく、その時の愛犬の状態や目的に合わせて考えることが大切です。
シニア犬にとって食べることはとても重要な意味を持つため、蒸しパンを上手に活用してあげてくださいね。


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