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老犬の歯が抜ける原因と対処法|7歳・10歳・13歳の年齢別ケアと処置

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「愛犬の歯がグラグラしてる……もしかして歯が抜ける?」

老犬との暮らしの中で、このような不安を感じているママさんパパさんは多いでしょう。

実は、老犬の歯が抜ける最大の原因は加齢ではなく進行した歯周病です。特に7歳を過ぎるとリスクは急増!

しかし、適切な処置を知っていれば、歯がボロボロになるのを防ぎ、愛犬の健康寿命を延ばすことにつながります。

この記事では、老犬の歯が抜ける原因と7歳・10歳・13歳といった年齢別のケア、自宅でできる対処法までを徹底解説します。

早期に気づき、獣医師による適切な処置と日々のケアを行うことが、愛犬が美味しいご飯を食べ続けられる秘訣です。

老犬の歯が抜ける主な原因と対処法

老犬の歯が抜ける現象は、病気や外傷が潜んでいる可能性があります。

愛犬の痛みを防ぐためにも、原因を知り、正しい処置に進むことが大切です。

老犬の歯が抜ける最も多い原因は進行した歯周病

老犬の歯が抜ける最も一般的な原因は、歯垢・歯石による歯周病の進行です。

実は、3歳を超えた犬の80~90%が歯周病にかかっていると言われています。

ほとんどの犬が該当する身近な病気であるため、「うちの子は大丈夫」と思わず日頃から愛犬の口内をチェックしましょう!

この歯周病が進行すると、歯を支える骨が細菌によって破壊され、歯の土台が溶け、歯がグラグラしたり抜けてしまったりします。

特に、老犬は免疫力低下のため進行が早い傾向があります。

愛犬の口臭や歯茎の赤み・腫れは重症化のサインです。口臭や歯茎の異常に気づいたら、早急な獣医師への相談が愛犬を守る最優先事項となります。

歯がボロボロになる他の原因(老化・外傷・口腔内腫瘍)

歯周病以外にも、老犬の歯がボロボロと抜けたり、損傷したりする原因はいくつか存在します。

【老犬の歯がボロボロになるその他の主な原因】

原因 特徴
老化・栄養不足 加齢やカルシウム不足による歯の組織の衰え。
外傷 硬いおやつやおもちゃによる、歯の破損や欠損。

シニア犬は歯が弱いため、硬いおもちゃを噛んだ際に歯が折れるリスクがあります。

愛犬の永久歯を守るためにも、日々の観察を怠らないようにしましょう。

老犬の歯が抜けてしまった際の自宅での応急処置と対処法

もし愛犬の歯が抜けるのを発見した場合は、落ち着いた処置が重要です。

抜けた歯自体よりも、口の中の状態観察と、愛犬の痛みを軽減することに焦点を当てましょう。

まずは以下の手順で愛犬の状態を確認し、対処を試みてください。

【自宅でできる初期の応急処置】

  • 口内の状態観察:他の歯や歯ぐきに異常(腫れなど)がないか観察します。
  • 止血の試み:出血がある場合は、清潔なガーゼで数分間優しく圧迫し、止血を試みます。
  • 動物病院への連絡:抜けた歯を見つけたら、すぐに動物病院へ連絡し、今後の処置について指示を仰ぐのが最も安全な対応です。

もし、愛犬が痛みを感じているようであれば、すぐに食事の工夫をして、無理なく栄養を摂取できるようにサポートしましょう。

【痛みを軽減するための食事の工夫】

  • ドライフードをふやかす:ドライフードをぬるま湯でふやかして、硬さを和らげます。
  • ウェットフードに変える:柔らかく食べやすいウェットフードに切り替えます。

これらの工夫により、痛みを感じることなく食事を食べてくれる可能性があります。

老犬の歯が抜けるリスクが増加!7歳・10歳・13歳以上の処置

老犬の歯が抜けるリスクは、年齢を重ねるごとに増加します。

7歳・10歳・13歳という区切りは、口腔ケア戦略を見直す重要なタイミングです。

7歳頃:永久歯を守るための予防と歯が抜けるリスク

犬が7歳を迎えると、永久歯の歯周ポケットで病気が進行し始めます。

この7歳という時期は「予防」に重点を置くことが重要です。

なぜなら、歯周病が初期であれば、ブラッシングと定期的なクリーニングで進行を食い止められるからです。

逆に、この時期にケアを怠ると、後の人生で歯が抜けるという未来に繋がってしまいます。

【7歳からの口腔ケア】

  • 永久歯の温存:大好きな硬いおやつを噛める喜びが続く。
  • 口臭の軽減:嫌な嗅覚がなくなり、愛犬に顔を近づけられる。

愛犬の永久歯を守れるのはママさんパパさんだけです。

7歳を処置開始のサインだと捉え、今すぐにケアを始めましょう。

10歳頃:歯が抜ける重度化時期の治療(スケーリング・抜歯の処置)

愛犬が10歳を過ぎると、歯周病は重度化し、歯が抜けるリスクが最も高くなります。

状態が悪い場合は、「全身麻酔下での専門的な処置」を検討する必要があります。

なぜなら、自宅ケアだけでは、歯周ポケットの奥の細菌や歯石を取り除くことは不可能だからです。

獣医師による処置(歯石除去や抜歯)を行うことで、炎症が治まり、愛犬の慢性的な痛みが改善されます。

【獣医師による主な処置内容】

  1. 歯石除去(スケーリング):全身麻酔下で徹底洗浄。
  2. 抜歯:保存不可能な歯を外科的に抜く処置。
  3. 投薬:炎症を抑える抗生物質や痛み止めを使用。

10歳での麻酔には不安があると思いますが、麻酔前検査をしっかり行い、痛みを放置するリスクと天秤にかけることで、ママさんパパさんも安心して処置に踏み切れるはずです。

13歳以上:歯が抜ける前の麻酔処置が難しい場合の対応

愛犬が13歳を過ぎると、全身状態によっては麻酔下での処置が難しくなるケースがあります。

この場合、歯が抜けるリスクを理解しつつ、「麻酔を使わない処置」を中心に対処していくことが重要です。

理由は、内臓疾患などから麻酔が命取りになる可能性があるためです。

つまり、13歳になると根本治療ではなく、進行の抑制と痛みの緩和が主目的となります。

ただし、全ての犬が麻酔不可となるわけではありません。中には13歳を過ぎても全身麻酔を安全に行える子もいます

そのため、自己判断はせず獣医師に相談し、全身麻酔と歯周病のリスクを判断してもらいましょう。

永久歯を失わないための毎日のデンタルケアの方法

永久歯を最後まで守り抜き、歯が抜けるという事態を避けるためには、日々のデンタルケアが欠かせません。

大切なのは、「継続」と「慣れ」です。なぜなら、歯周病菌は毎日増殖するため、一日でもケアを怠ると進行してしまうからです。

まずは、愛犬が嫌がらないよう指に巻いたガーゼや、歯磨きシートで優しくマッサージするところから始めましょう。

【老犬のホームケア3ステップ】

  1. 慣れる練習:口周りを触る練習から始め、ご褒美をあげる
  2. 塗るケア:歯磨きジェルや液体歯磨きを指やシートで歯に塗布する
  3. 優しく磨く:嫌がらなくなったら、柔らかいブラシでブラッシングする

老犬の歯が抜けるのを防ぐ!日常でできるケア用品と工夫

老犬の歯が抜けるのを未然に防ぎ、愛犬が豊かな食生活を長く送るために、ケア用品選びと食事の工夫は非常に大切です。

歯磨きを嫌がる老犬に有効な液体歯磨きや歯磨きジェル

老犬の中には、口を触られるのが苦手で、なかなか歯磨きをさせてくれない子もいます。そのため、無理なく口腔ケア成分を取り入れることが重要です。

液体歯磨きやジェルは、飲み水に混ぜるだけ、または歯に塗るだけで、手軽に歯周病予防成分を届けられます。

これにより、歯が抜けるリスクを軽減することができます。

【老犬向け口腔ケア用品のメリット】

  • 水に混ぜるだけで手間がかからない
  • 歯磨きを嫌がる子でも使用可能
  • 口臭改善に即効性がある(嗅覚に訴える)
  • 歯茎の炎症を抑える成分を含む

歯がボロボロになるのを防ぐ歯磨きおもちゃの選び方

歯磨きおもちゃは便利ですが、選び方を間違えると歯がボロボロになる原因になってしまいます。

老犬には「硬すぎない」おもちゃを選ぶことが肝心です。硬すぎるおもちゃは、弱った永久歯に過度な負担をかけ、歯を折る外傷のリスクを高めるからです。

おもちゃを選ぶ際は、指の爪で押すと少し凹む程度の柔らかさを確認してください。

硬いおやつはNG!老犬の歯と咀嚼負担を守る食事の工夫

老犬が硬いものを噛むのを急にやめた場合、それは歯の痛みや歯が抜ける前兆かもしれません。

食事形態を工夫し、栄養と喜びを確保することが重要です。

なぜなら、硬いドライフードや骨のようなおやつは、歯周病でグラついた歯に大きな負担をかけ、ボロボロと抜けるのを加速させてしまうからです。

【老犬のための食事工夫リスト】

  • ドライフードをぬるま湯でふやかし、柔らかくする
  • ウェットフードや手作り食を取り入れ、咀嚼回数を減らす
  • 硬いジャーキーや骨のおやつは一切与えない

ママさんパパさんが食事を工夫することで、愛犬は痛みを感じることなくご飯を食べられるようになるでしょう。

まとめ|老犬期を迎えた愛犬の笑顔は健康な歯から生まれる

この記事では、老犬の歯が抜ける主な原因が歯周病であることを解説しました。

さらに、7歳・10歳・13歳といった年齢別の具体的な予防と処置についてお伝えしました。

  • 老犬の歯が抜ける原因のほとんどは歯周病。
  • 7歳を過ぎたら予防に注力し、10歳以降は獣医師による適切な処置を検討。
  • 歯がボロボロになるのを防ぐには、硬いおやつを避け、歯磨きや液体歯磨きで毎日のケアを継続することが必須。

愛犬が痛みなくご飯を美味しく食べられることは、何物にも代えがたい喜びです。

今日からできる小さな一歩が、愛犬の永久歯と健康な未来を守ります。

もし愛犬の口腔内に少しでも不安を感じたら、すぐに獣医師に相談しましょう。

大場聖也

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保有資格「JKC愛犬飼育管理士」。幼い頃から犬が大好きで、幼稚園の頃には犬の図鑑をボロボロになるまで読み込んでいた。 10歳のとき、不登校だった私を支えてく...

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