シニア犬の運動不足を防ごう!やさしい運動方法と環境づくりを徹底解説
シニア期を迎えると、若いころには当たり前だった動きが少しずつ難しくなってきます。
足腰の衰えや体力の低下によって、立ち上がって動き回ることが少なくなり、寝ている時間が長くなりますね。
体の機能が衰えることはシニア犬にとって自然なことですが、寝ている時間が長くなってきた愛犬を見て、「もう運動は必要ないのでは」と考えてしまうママさん、パパさんは多いのではないでしょうか。
しかし、シニア犬にも適度な運動が必要です。無理のない範囲で体を動かすことは、足腰の筋力や関節の維持だけでなく、気分転換や生活の質の向上にもつながります。
この記事では、シニア期を迎えた愛犬のために、「なぜ運動が必要なのか」を改めて知るとともに、安心して取り入れられるやさしい運動の仕方と環境づくりについてご紹介します。
シニア犬の運動不足がもたらすリスク

シニア犬の運動不足には、さまざまなリスクがあります。
運動をしなければ筋肉量が減るため、筋力や体力の低下を早めてしまうことに。足腰が弱り、少しの段差でもつまずきやすくなるため、転倒や骨折のリスクも高まってしまうでしょう。
さらに、筋肉が減ると基礎代謝が落ちて消費カロリーが減るため、肥満になりやすく、それがさらなる運動不足を招くことにもつながります。
また、寝たきりになるリスクも否めません。寝てばかりいると骨がでっぱっている部分、肩甲骨、大腿骨などの辺りに床ずれができてしまいます。
そして運動不足は、心や脳の健康にも影響します。
例えば、散歩に行かないと外で得られる色々な情報や刺激が絶たれてしまいますね。心や脳に刺激がない生活は、シニア犬にとってとても退屈なものです。
脳への刺激が少ない生活が続くと、認知機能の低下を早め、認知症になるリスクが高くなります。
シニア犬の適度な運動のメリット

愛犬の様子を見ながら意識的に適度な運動をさせてあげることは、シニア犬にとってさまざまなメリットがあります。
少しでも立ち上がって歩くことで、筋力の低下が緩やかになり、足腰の機能を長く保つことが可能です。
血流が促されて内臓機能も活性化にもつながります。
さらに、短い時間でも散歩に行って外の空気を吸ったり、景色や匂いを感じることは良い刺激となり、認知機能の低下予防や気分転換にも効果的です。
無理なく続けられる「ちょっとした運動」を心がけることで、シニア犬の運動不足を防ぐことができるでしょう。
シニア犬の運動の仕方

年齢を重ねた愛犬には、若いころのような激しい運動は必要ありません。
ここでは、簡単にできるシニア犬にやさしい運動の仕方を紹介します。
1. 立たせてあげる

自分で立ち上がることが難しくなったシニア犬を立たせてあげるだけでも、適度な運動になります。
後ろ足が弱くなっている愛犬は、腰と後ろ足の辺りをそっと支えて立たせてあげましょう。
1日に1〜2分でも立ち上がることで、足腰の筋力維持につながります。
2. 足の曲げ伸ばし

横になった状態で前足・後ろ足の膝を手で支え、優しく曲げ伸ばしをします。
それが終わったら肉球を手のひらにあて、曲げ伸ばしをします。
嫌がる場合は、どこか足の痛みがあるかもしれませんので、獣医師に相談しましょう。
3. 座り立ち運動

お座りと立ち上がる動作を繰り返すもので、人間のスクワットに似た効果がある簡単な運動方法です。
おやつを使用し、愛犬のモチベーションを上げて、無理をさせない程度に数回繰り返します。
4. 適度な散歩

朝晩に、5分でもいいので若い時に行った散歩コースを歩いてあげましょう。
短い距離でも、外の空気や匂いを感じることが心身の刺激にもなります。
5. バランスボールで筋力トレーニング

シニア犬用のバランスボールを使った運動は、上に乗るだけで後ろ足と体幹を鍛えることができます。
バランスボールの上でオヤツを与えるなど、楽しみながら遊び感覚で運動してもらってもいいでしょう。
愛犬は、「この上に乗ることでママさん、パパさんが喜ぶし、オヤツももらえるから」とすすんで筋トレをするようになるかもしれません。
6. カバレッティレール

「カバレッティレール」は、愛犬が楽しみながら後ろ足の筋肉などを動かすことができる障害物をまたぐ運動方法です。
丸めたタオルなど棒状の障害物を並べ、おやつを使って愛犬を誘導し、障害物をまたぎながら歩かせます。
注意することは、障害物が高すぎると怪我の危険性がありますので、愛犬のサイズに合わせます。
大型犬に対しては10cm以下、小型犬に対しては3cm以下の高さが目安です。
シニア犬の運動に補助グッズも活用しよう!

後ろ足の踏ん張りが弱くなったシニア犬には、歩行補助グッズを活用することで安全に運動を続けやすくなります。
特におすすめなのは、腰を支えるコルセットや歩行補助ハーネスです。
腰や後ろ足を支えてあげることで、立ち上がりや歩行が安定し、足腰への負担を軽減できます。また、散歩の際に飼い主さんが支えやすくなるため、愛犬も安心して動くことができるでしょう。
また、床が滑りやすい場所では「すべり止め靴下」や「ドッグシューズ」もおすすめです。足裏のグリップを助け、転倒防止につながります。
シニア犬が安心して運動できる環境づくり

シニア犬が安心して運動できるようにするためには、安全な環境づくりも欠かせません。
足腰が弱っていると、ちょっとした段差や滑りやすい床でも転倒の原因になってしまいます。
室内では、フローリングにマットやカーペットを敷いて滑りにくくしましょう。
屋外での運動には、人工芝を敷くことで足への負担をやわらげ、安全に歩かせてあげることができますよ!
また、段差のある場所にはスロープを設置するなど、日常生活の中で無理なく体を動かせる工夫を取り入れると安心です。
シニア犬の運動に無理は禁物

シニア犬の運動不足は心配ですが、無理は禁物です。
息が上がっていないか、足を引きずっていないかなど、日々の変化を観察しながら運動の方法や頻度を調整してあげましょう。
元気そうに見えても、長時間の散歩やハードな運動は負担になります。愛犬が楽しく動けることが一番の目安です。
何より大切なのは、愛犬のペースに合わせてあげること。無理のない運動を継続することが、健やかなシニアライフを支える秘訣。
くれぐれも無理のない範囲で、「適度な運動」を心がけましょう。
シニア犬の運動で獣医師に相談すべきタイミング

無理に運動させてしまうと、かえって症状を悪化させることがあります。
シニア犬は心臓疾患や関節疾患を患っていることも多いので、少しでも気になることがあれば、獣医師に相談しましょう。
気になるサインが出たら、早めに獣医師に相談し、愛犬に合った運動量や方法を指導してもらうことが大切です。
まとめ

シニア犬にとって、やさしい運動習慣と環境づくりは大切です。
安心できる環境を整え、無理のない範囲で体を動かし、補助グッズを取り入れるなど工夫をすることで運動不足の解消につながり、快適で健やかなシニアライフを送ることができます。
また、運動は体だけでなく、愛犬の心の健康にもつながります。毎日のちょっとした歩行やコミュニケーションを取りながら行うトレーニングを、楽しみながら続けてみましょう。
ぜひ今日から、やさしい運動習慣を取り入れて、愛犬と一緒に安心で健やかな日々を送ってくださいね。


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