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【老犬がずっと吠える】原因は認知症かも?夜泣き対策とやめさせる方法

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「うちの老犬がずっと吠えるようになって、夜も眠れなくて本当につらい……」
「突然始まった夜泣き、これって認知症なの?どうすればやめさせることができるの?」

老犬と暮らしているママさんパパさんも、愛犬の夜泣きに悩んでいませんか?

実は、老犬がずっと吠える行動は「わがまま」ではなく、加齢に伴う「痛み」「認知症による不安」というSOSの訴えなんです。

夜泣きをやめさせるには、まず原因を知り、環境と接し方の見直しが欠かせません。

この記事では、老犬がずっと吠える原因と、今日からできる具体的な対策を解説します。

最後まで読めば、愛犬の不安を取り除き、ママさんパパさん自身も穏やかな睡眠を取り戻すためのヒントが見つかりますよ!

老犬がずっと吠える4つの原因

老犬がずっと吠える行動には必ず原因があり、その多くは心と身体の加齢による変化です。闇雲に叱っても夜泣きはやめさせられません。

愛犬が何を訴えているのか、冷静にその背景を理解しましょう。

  • 原因1:認知症による昼夜逆転と徘徊
  • 原因2:痛みや不快感で吠えてしまう身体的な要因
  • 原因3:視覚・聴覚の衰えによる不安や孤独感
  • 原因4:要求吠えやストレスによる吠え

ここでは、それぞれ詳しく解説していきます。

原因1:認知症による昼夜逆転と徘徊

老犬がずっと吠える最も多い原因は「認知症(高齢性認知機能不全症候群)」です。

これは、人間の認知症と同様に脳の神経変性が進行することで、時間や空間の感覚が混乱し、昼夜逆転・徘徊・夜鳴きが生じる病態です。

【認知症による夜泣きの特徴】

行動 説明
遠吠え 夜間に抑揚のない「ウオーン!」という吠え声を繰り返す。
昼夜逆転 昼間は寝てばかりで、夜になると活発になる。
徘徊 狭い場所で円を描くようにグルグル歩き回る。

東京大学が発表した論文でも、「犬の認知機能不全は、見当識障害、睡眠サイクルの変化、不適切な排泄などの変化を呈する高齢犬の症候群である(※)と報告されています。

特に夜間、周りが暗くて静かになると、衰えた感覚しか持たない老犬は強い不安に襲われます。その不安が、孤独な夜泣きとして現れるのです。

※参考:東京大学博士論文「犬の認知機能不全の症候と病態メカニズムに関する研究」

原因2:痛みや不快感で吠えてしまう身体的な要因

認知症だけでなく、身体的な痛みがずっと吠える原因になっているケースも少なくありません。

特に、老犬に多い関節炎などは寒い夜間に痛みが強くなりやすいため、愛犬はその苦しさで吠えてしまいます。

【身体的な苦痛による吠えの例】

飼い主さんの体験談 愛犬の様子から感じ取れるサイン
「深夜に急に甲高い声で鳴き始めたんです。抱っこすると余計に「キャン!」と痛そうな声を上げて……」 急な甲高い吠え声
「夜中に床を掻きむしって落ち着きがない様子。寝床が冷たいのかなと思って」 ベッドや床を掻く、不快そうな体の動き

ずっと吠える姿を見て「早くやめさせる方法はないか」と悩む前に、「どこか痛いのかもしれない」と愛犬の気持ちに寄り添うことが解決への第一歩です。

原因3:視覚・聴覚の衰えによる不安や孤独感

ぐったりしている老犬

加齢で物を見る力や音を聞く力が衰えると、老犬は自分がいる場所や飼い主さんの気配を把握しにくくなり、強い恐怖を感じます。

この不安と孤独感から「飼い主さんはどこ?」と探すようにずっと吠えるのです。

やめさせるには、愛犬に寄り添い安心させてあげることが効果的です。

原因4:要求吠えやストレスによる吠え

吠える老犬

老犬が吠える理由には、要求吠えやストレスも含まれます。

愛犬が何かを求めている場合や、ストレスを感じている場合にも吠えることがあります。

特に、環境の変化や飼い主との距離が生じると愛犬は不安を感じ、吠えることでその気持ちを表現するのです。

愛犬が急にずっと吠えるようになったら、それはSOSのサインかもしれません。

「うるさい」と感じても、「愛犬は『どうしたらいいかわからない』とパニックになっている状態だ」と理解してあげてください。

老犬の夜泣きやずっと吠える行動をやめさせる方法

老犬の夜泣きを完全にやめさせるのは難しいかもしれませんが、原因に合った対策で吠える頻度を大幅に減らすことは可能です。

  • 獣医師に相談し認知症や痛みの診断を受ける
  • 昼間の活動を増やし生活リズムを整える方法
  • 吠えを悪化させる叱る行為は絶対に避ける
  • 不安を軽減する安心できる環境を整える

愛犬の不安を取り除き、あなたも安眠を取り戻すための具体的な方法を見ていきましょう。

獣医師に相談し認知症や痛みの診断を受ける

老犬がずっと吠える原因が病的なものか特定することが最も重要です。

自己判断せず、動物病院を受診しましょう。

【動物病院での診断が大切な理由】

理由 期待できる効果
痛みの除去 鎮痛剤の処方で、吠える原因そのものをやめさせるきっかけになる。
認知症治療 薬やサプリメント、睡眠導入剤で昼夜逆転の夜泣きを改善する。

適切な診断と投薬は、愛犬の不安や痛みを軽減し、結果的に吠える行動をやめさせる土台作りになるでしょう。

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昼間の活動を増やし生活リズムを整える方法

老犬の夜泣きをやめさせるための基本は「昼夜逆転」の改善です。

具体的な手段をご紹介します。

【昼夜逆転を防ぐための活動例】

  • 日光浴:午前中に窓際で温かい光を浴びる時間を作る。
  • 短い散歩:無理のない範囲で、ゆっくりと外の空気に触れさせる。
  • 軽い遊び:知育トイなどを使って脳に適度な疲労感を与える。

このように、日中に適度な刺激を与えて活動させ、夜の深い眠りを促しましょう。

昼夜逆転は、認知症の発症リスクを高めたり、進行を早める可能性もあるため、できる限り防ぐように心がけてくださいね!

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吠えを悪化させる「叱る行為」は絶対に避ける

こちらを見上げる老犬

老犬が夜泣きでずっと吠える状況が続くと、つい叱ってしまうかもしれません。

しかし、これは愛犬の不安を増大させるため逆効果です。

【叱る行為が逆効果になる理由】

悪影響 詳細
不安の増幅 突然の叱り声は老犬にとって恐怖しかなく、さらに不安で吠えてしまう。
要求吠えの学習 「吠えると飼い主さんが来てくれる」と勘違いし、吠える行為が強化されてしまう。

ママさんパパさんが大変な気持ちはわかりますが、夜中に吠え始めても頭ごなしに怒ってはなりません。

優しく声をかけたり、そっと撫でてあげたりといった「安心感を与える接し方」を心がけましょう。

不安を軽減する安心できる環境を整える

老犬の夜泣きやずっと吠える行動は、暗闇や孤独への不安からくるものが非常に多いです。

寝床や生活環境を少し変えるだけで、愛犬の気持ちが落ち着き、吠えが軽減する可能性があります。

【安心できる環境づくりのチェックリスト】

項目 対策ポイント
寝床の位置 飼い主さんの気配が感じられるよう、寝室の近くに移す。
夜間の明るさ 真っ暗を避け、足元を照らす程度の小さな常夜灯をつける。
寝床の快適性 体圧分散マットを使い、床ずれや痛みを軽減する。
匂い 飼い主さんの匂いがついたタオルを置いて、孤独感を和らげる。

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老犬がずっと吠え続ける行動や夜泣きの対策になるサービス&アイテム

あらゆる対策を試しても夜泣きが改善せず、ママさんパパさん自身の疲労が限界に達しているなら、無理をしないでください。

介護サービスや専門施設に頼ることも大切な選択肢の一つです。

または、対策になるグッズもあるので活用してみると良いでしょう。

介護サービスや老犬ホームの活用

老犬ホームを利用すると、愛犬は専門的なケアを受けられて、ママさんパパさんは心身の負担を軽減できます。

【老犬介護サービスの種類とメリット】

サービスの種類 サービス内容の概要 ママさんパパさんのメリット
老犬ホーム(長期預かり) 昼夜の見守り、排泄介助など専門的な介護 睡眠時間と心身のリフレッシュを確保し、精神的な解放を得る。
デイケア/ショートステイ 日中または数日間の預かり、リハビリや脳トレを実施 短期的な夜泣きストレスから解放され、安心感の獲得につながる。

老犬ホームでは、経験豊かなスタッフが愛犬の健康管理や日常的な世話を行うため、安心して愛犬を預けられるでしょう。

これにより、ママさんパパさんは自分自身の時間を持てるようになり、愛犬との関係をより良好に保てるようになります。

ちなみに、自宅近くに老犬介護サービスがない場合でも、動物病院で預かってもらえるケースがあります。ぜひ、お近くの動物病院に相談してみてください!

防音対策グッズの検討

ご近所への騒音の対策として寝室に防音対策を施すのも有効です。

【夜泣き対策としての防音グッズ】

  • 防音カーテン/カーペット:窓や床からの音漏れを軽減する。
  • 防音ケージ/サークル:愛犬の寝床を防音性の高い構造にする。

ただし、老犬のずっと吠える行動は、認知症や痛みによる不安のサインです。

焦ってやめさせることだけを考えるのではなく、まずは「愛犬の苦痛を取り除くこと」を優先したうえで、「ご自身が倒れないこと」も大切にしてください。

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まとめ|老犬がずっと吠えるのはSOS!原因特定と安心感の提供が解決の鍵

老犬がずっと吠えるという問題は、決して「しつけの問題」「わがまま」ではありません。

その背景には、認知症による不安、身体的な痛み、孤独感といった愛犬からの切実なSOSが隠れています。

夜泣きをやめさせるための解決の鍵は以下の2点です。

  • 原因の特定:動物病院で痛みや認知症の診断を受け、薬や食事で身体的な苦痛を取り除くこと。
  • 安心感の提供:昼夜逆転を防ぐための生活リズムの調整と、夜間も飼い主の気配を感じられる快適な環境を整えること。

叱る行為は逆効果であり、愛犬の不安を募らせるだけです。

愛犬を責めずに、まずは優しく寄り添う姿勢が愛犬の穏やかな未来を築きます。

もし、介護に疲れてしまったら、老犬ホームや介護サービスに頼ることも選択肢の一つとして検討してくださいね。

大場聖也

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幼い頃から犬が大好きで、幼稚園の頃には犬の図鑑をボロボロになるまで読み込んでいた。 10歳のとき、不登校だった私を支えてくれたのが当時飼い始めた愛犬だった。...

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