シニア犬が寝ない!考えられる原因と今日からできる対処法を解説
愛犬がシニア期に入り、「夜になってもなかなか寝てくれない」「夜中に何度も起きてウロウロと徘徊する」といった行動に、悩んでいませんか?
かつてはぐっすり眠っていた愛犬が寝なくなると、「もしかして認知症?」「どこか苦しいの?」「お別れが近いのかな…」と、不安は尽きませんよね。
シニア犬(老犬)が寝ないのは老化現象だけでなく、認知機能の低下や体の痛み、不安感などさまざまな原因が考えられます。
この記事では、シニア犬が寝ない主な原因から家庭で実践できる対処法、ママさんパパさんが介護を乗り切るためのポイントまで解説します。
シニア犬が寝ないのはなぜ?考えられる5つの原因
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愛犬が夜に眠ってくれないのには、何らかの理由があります。
叱ったり焦ったりする前に、まずは「なぜ眠れないのか」を探ってみましょう。
①日中に寝すぎて夜に眠れなくなっている

シニア犬が夜に寝ない原因の一つが、昼夜逆転です。
加齢によって体力が落ちると日中の活動量が減り、ウトウトと寝て過ごす時間が長くなります。
日中にたっぷり寝てしまうと、当然ながら夜に眠れなくなってしまう愛犬は多いでしょう。
また、視力や聴力が衰えて昼夜の区別がつきにくくなることも、生活リズムが乱れる一因とされています。
②お腹が空いている・のどが乾いている

犬は人間よりも空腹を感じやすい動物です。
特にシニア犬は、一度に多くの量を食べられなくなるため、夜中から明け方にかけて空腹を感じて起きてしまうことがあります。
同様に、寝床から水飲み場が遠かったり、自力で水を飲みにくくなったりしていると、喉の渇きで起きてしまうケースも少なくありません。
③認知機能が低下している

人間と同じように、犬もシニア期になると認知機能が低下する可能性があります。
認知機能が低下すると見られる主な症状は、以下のとおりです。
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夜中に徘徊し、家具の隙間や部屋の隅など狭い場所で身動きがとれなくなってしまい、不安から鳴き続ける場合もあります。
④不安や孤独感を感じている
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シニア犬は、視力・聴力・嗅覚といった五感が衰えてくると、若い頃よりも不安や孤独を感じやすくなります。
ママさんパパさんの姿が見えなくなったり、物音が聞こえなくなったりすると、孤独や不安に襲われ、無駄吠えや徘徊などにつながる可能性があるでしょう。
特に夜間、ママさんパパさんが寝室に行ってしまい、自分だけリビングに残されると不安が強まるケースが多く見られます。
⑤体調不良や痛みがある

シニア犬は、体のどこかに痛みや不快感があると、眠れなくなることがあります。
寝ないシニア犬に多いのは、関節の痛みや呼吸の苦しさ、皮膚の痒みなどの症状です。
関節炎や椎間板ヘルニアなどの疾患がある場合、慢性的な痛みから楽な体勢が取れずに眠れないケースもあります。
また、心臓病や呼吸器疾患があると、横になると咳が出たり、息苦しくなったりするため、寝たくても寝られない状態になることも珍しくありません。
シニア犬が寝ないときに試したい5つの対処法
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愛犬が少しでも安心して眠れるように、ママさんパパさんができることがあります。
ここからは、家庭で今日から試せる5つの対処法を紹介します。
①日中に活動量を増やす

昼夜逆転を防ぐためには、日中に適度な活動をさせて「夜は疲れて眠る」というリズムを取り戻すことが大切です。
天気の良い日は、午前中に5分〜10分でも窓際やベランダで日光浴をさせましょう。
また、歩けないシニア犬の場合、ペットカートや抱っこで外に連れ出し、外の空気・音・匂いを感じさせるだけでも、脳への良い刺激となります。
②食事や排泄のタイミングを調整する
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空腹や排泄の要求で起きてしまう場合は、生活リズムの調整で改善する可能性があります。
食事は夜中の空腹を防ぐため、1日の食事量は変えずに回数を3〜4回に増やし、寝る前に少量を食べてもらうといった工夫もよいでしょう。
また、水は愛犬の寝床のすぐそばに移動させ、いつでも水が飲めるように設置します。
寝る直前にトイレに誘導して排泄をしておくと、深夜に排泄がしたくなって起きる頻度を減らせる可能性がありますよ!
③スキンシップやマッサージで安心感を与える

不安感から寝付けない様子のシニア犬は、優しくスキンシップを取ることで安心して眠りにつける場合があります。
寝る前に、愛犬の背中や胸元をゆっくりと一定のリズムで撫でてあげたり、優しく声をかけたりしてみましょう。
また、関節の痛みがある場合は、優しくマッサージをしてあげるのも効果的です。
④安心できる睡眠環境を整える
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シニア犬が寝ないときは、寝床の環境を見直しましょう。
ママさんパパさんの気配が感じられる、静かで落ち着ける場所が寝床として理想です。
ママさんパパさんのそばに居られるだけでも、愛犬の不安が解消されることがあります。
また、シニア犬は体温調節が苦手なので、エアコンで室温(夏場25〜27℃、冬場20〜23℃程度)と湿度(40〜60%)を快適に保ちましょう。
関節に負担がかからない適度な硬さの高反発マットや、体を包み込むようなベッドなどを用意すると、愛犬の快眠につながります。
⑤どうしても改善しない場合は病院へ

上記の対策を試しても改善しない場合や、息が苦しそう、体を痛がる、急に攻撃的になったなどの異常が見られる場合は、動物病院を受診してください。
認知症や体の痛みが原因の場合、サプリメントや内服薬で愛犬の苦痛を和らげ、睡眠の質を改善できる可能性があります。
「シニア犬が寝ない=死期が近い」は本当?

「老犬が寝なくなると、死期が近い」という話を耳にして、不安に思われる方もいるかもしれません。
確かに最期が近づくと、痛みや苦しさ、呼吸困難などから眠れなくなる状態になることはあります。
しかし、「寝ないこと」自体が直接的に「死期が近い」というサインになるわけではありません。
寝ない原因は「認知症」「昼夜逆転」「関節の痛み」「空腹」などが多く、適切に対処すれば改善できる可能性が高いといえます。
「もう歳だから」「お別れが近いから」と諦めてしまう前に、まずは寝ない原因を探り、動物病院に相談することが大切です。
寝ないシニア犬の介護を乗り切るためのポイント

シニア犬が夜寝てくれないとき、つらい思いをしているのは、ママさんパパさん自身かもしれません。
愛犬の介護でママさんパパさんが倒れてしまっては、共倒れになってしまいます。
ここからは、シニア犬の介護を乗り切るためのポイントを3つ解説します。
愛犬のためにも、まずは自身の心と体を守ることを最優先に考えましょう。
ママさんパパさんの睡眠を確保する
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夜通しの介護は、数日続いただけでも心身ともに疲弊してしまいます。
家族がいる場合は必ず役割を分担し、交代でまとまった睡眠を取れる時間を確保しましょう。
1人で介護をしている場合も、愛犬が寝ているうちに一緒に仮眠をとるなど、睡眠時間を確保する工夫が必要です。
介護に完璧を目指さない
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シニア犬の介護では、「夜泣きを絶対に止めさせなければ」「自分がすべて見てあげなければ」と、完璧を目指さないことが大切です。
時にはうまくいかない日があっても、「今日は仕方ない」「ご飯を食べてくれたからOK」と、肩の力を抜きましょう。
ママさんパパさんが思い詰めた表情をしていると、その不安は愛犬にも伝わります。
愛犬を不安にさせないためにも、息抜きを挟みながらお世話をしましょう。
ショートステイや介護サービスの利用も検討する

「もう限界かもしれない」と感じたら、ショートステイや介護サービスの利用を検討してみてください。
近年は、動物病院やペットホテル、老犬ホームなどで、一時的に愛犬を預かってくれるサービス(ショートステイやデイケアなど)を提供している施設が増えています。
専門家の助けを借りて、ママさんパパさんが心身をリフレッシュすることは、介護を長く続けるために不可欠です。
かかりつけの動物病院や、地域の情報を調べてみましょう。
まとめ|シニア犬が寝ないときは、原因を見極めて安心できる環境を

シニア犬が夜寝てくれないときは、「昼夜逆転」「体の痛み」「認知症」「不安感」など、さまざまな原因が隠されています。
まずは日中の活動を増やし、安心して眠れる環境を整えるなど、家庭でできる対処法から試してみてください。
自宅での対処で改善しない場合は、決して一人で抱え込まず、動物病院に相談してください。
薬やサプリメントの力で、愛犬もママさんパパさんも穏やかに過ごせるようになる可能性があります。
介護は長期戦になりがちです。
ママさんパパさん自身の健康も大切にしながら、完璧を目指さずに愛犬との穏やかな時間を見つけていきましょう。


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