シニア犬の睡眠時間が変わった?安心して眠れる環境づくりと生活の整え方
最近、「うちの子、前よりよく寝ている気がする」「夜中に起きることが増えたかも」と感じたことはありませんか?
犬も年齢を重ねると、人間と同じように体や心の変化があらわれます。
特に「睡眠」は、シニア犬の健康を支える大切な時間です。
年をとるにつれて睡眠時間が長くなったり、反対に浅い眠りで夜中に目を覚ますようになることもあります。
この記事では、シニア犬の最適な睡眠時間や、ぐっすり眠るための環境づくり・生活の整え方を解説します。
毎日、愛犬が安心して心地よい眠りにつけるよう、今日からできる工夫を一緒に見直していきましょう。
シニア犬の最適な睡眠時間とは?

シニア犬の理想的な睡眠時間は、1日あたり14〜20時間が目安です。
これは、体力や代謝の変化に合わせて、若い頃よりも多くの休息を必要とするためです。
若い成犬では12〜15時間ほどの睡眠で十分ですが、年を重ねるにつれて次のような理由から睡眠時間が自然と増えていきます。
【睡眠時間が増える理由】
- 体力の低下で活動後の回復に時間がかかる
- 関節痛や持病によるエネルギー消耗
- 感覚の衰えによる安心・不安のバランス変化
- 脳の働きがゆるやかになり覚醒時間が短くなる
つまり「よく寝る=悪いこと」ではなく、体の自然なリズムの変化なのです。
また、睡眠の質を見極めるには、愛犬の「寝起きの様子」を観察してみましょう。
起きた直後に食欲があり、スムーズに歩き出せているなら、睡眠のリズムが整っているサインです。
逆に朝からぼんやりしている場合は、眠りが浅いかもしれません。
シニア犬の睡眠時間は適切?見極めるポイント
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シニア犬がたくさん寝ることは自然なことですが、次のような場合は少し注意が必要です。
- 眠りすぎの場合(20時間を超える・反応が鈍い)
→ 甲状腺機能低下症や貧血、痛みなどの病気のサインの可能性。 - 寝つけない・夜中に落ち着かない場合
→ 認知症の初期症状や、不安・トイレの問題、環境温度の不快感が原因のことも。
いずれも、「生活リズムの変化が数日続く」ようなら獣医師に相談しましょう。
それでは、次の章からシニア犬の快適な睡眠時間を支えるポイントについて紹介します。
シニア犬がぐっすり眠るための環境づくり3つ
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シニア犬が心からリラックスして眠るためには、「どこで眠るか」がとても重要です。
ここでは、シニア犬が穏やかに眠れる寝床づくりのポイントを一つずつ見ていきましょう。
①落ち着ける場所を選ぶ

シニア犬は若い頃よりも刺激に敏感になりがちです。音や光、家族の動きなど、少しの変化で眠りが浅くなってしまうことがあります。
ベッドは人の通り道やテレビの近くを避け、静かで落ち着いた場所に設置しましょう。
また、寒暖差の少ない部屋を選ぶことで、夜中の冷えや暑さによる目覚めも防げます。
さらに、家庭内の生活音にも注意が必要です。
洗濯機やテレビの音、玄関の開閉音などが多い時間帯は避け、静かな時間に寝かせてあげましょう。
最近では、防音マットや周囲の音をやわらげるペット用テントなどが市販されているので、取り入れてみるのも一つのアイディアです。
愛犬が心から落ち着ける空間を整えることが、ぐっすり眠るための大切なポイントです。
②ベッドの形と素材を見直す

シニア犬は関節や筋肉が弱くなるため、体をしっかり支える低反発マットや高反発ウレタン素材のベッドがおすすめです。
ふわふわすぎるベッドは立ち上がりにくく、シニア犬の関節に負担がかかる場合があります。
シニア犬にとって理想のベッドは、「沈み込みすぎず、体圧を均等に支えるマット」です。
そしてベッドカバーは、通気性と保温性のバランスが良い素材(コットンやボア素材など)を選ぶといいでしょう。
③安心感を与える工夫をする
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シニア犬は視力や聴力の低下から不安を感じやすくなります。
そんなときは、ママさん、パパさんの匂いがついた毛布や衣類をそばに置いてあげると安心できるでしょう。
また、夜間のトイレに備えて足元照明(ナイトライト)を設置するのもおすすめです。
シニア犬の快適な睡眠には季節に合わせたケアも必要!
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シニア犬の快適な睡眠を支えるには、ベッドだけでなく室内環境全体の整え方も重要です。
特にシニア犬は体温調整が苦手になるため、室温や湿度の管理を怠ると眠りの質が下がってしまいます。
ここでは、季節ごとの対策や日中の過ごし方のポイントを紹介します。
①適切な温度と湿度をキープ

シニア犬の理想的な睡眠環境は、室温20〜25℃・湿度40〜60%が目安です。
特にシニア犬は体温調整が難しいため、エアコンや加湿器を活用して快適な環境を保ちましょう。
夏場は冷えすぎに注意し、冬場はベッドの下に断熱マットを敷いて底冷えを防ぐのがポイントです。
②季節ごとの寝具の見直し

- 夏
…ひんやりマットや接触冷感素材で熱を逃がす。 - 冬
…ふんわりとしたフリースや保温素材のブランケットを重ねる。 - 梅雨時期
…湿気対策として除湿剤やベッドの洗濯をこまめに行う。
季節ごとに寝具を替えるだけでも、シニア犬の睡眠の質は大きく変わります。
③日中の過ごし方も大切
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シニア期になっても、日中に日光を浴びたり、軽い散歩やストレッチで体を動かしたりすることが大切です。
こうした穏やかな運動は、夜の眠りを深くし、体内時計を整える効果があります。
ただし、夕方以降に活発に動かしすぎると、興奮が続いて夜に寝つきが悪くなったり、夜型のリズムになってしまうこともあります。
人間と同じように、昼間に適度な活動を取り入れることで、「昼は動く・夜は休む」という自然なリズムを保ちやすくなります。
シニア犬の睡眠時間のバランスを守るためにも、日中の時間を上手に使ってあげましょう。
シニア犬の睡眠時間を確保するための注意点
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シニア犬にとって良質な睡眠は、環境だけでなく生活リズムや精神的な安定にも深く関わっています。
ここでは、シニア犬の睡眠時間を確保するための注意点を見ていきましょう。
①規則正しい生活を意識する

食事や散歩、就寝・起床の時間を一定に保つことで、シニア犬の体内時計が整い、自然と眠りにつきやすくなります。
夜中に起きることが増えた場合も、昼間の活動量や休息時間を見直すことで、落ち着いた睡眠を取り戻せることがあります。
毎日をほぼ同じリズムで過ごすことが、シニア犬に安心感を与え、穏やかな日々を支えるポイントです。
②夜間の不安や認知症サインに注意する

シニア犬が夜鳴きしたり、落ち着かずに歩き回る場合、認知機能の低下が関係している可能性があります。
そんなときは叱らず、獣医師に相談することをおすすめします。
また、夜は部屋を完全に真っ暗にせず、薄明かりを残してあげことも工夫の一つです。
③積極的にスキンシップを取る

シニア犬にとってマッサージやブラッシングは、血行を促しながら安心感を与える効果があります。
特に就寝前の優しいマッサージは、副交感神経を刺激して自然な眠気を促すのでおすすめです。
ただし、関節炎や悪性腫瘍などを抱えている場合は、刺激が負担になることもあります。
とくに、悪性腫瘍の場合はマッサージによって広げてしまう恐れがあるので注意が必要です。
気になる症状があるときは無理に行わず、獣医師に相談してから取り入れるようにしましょう。
愛犬に「今日も一日がんばったね」と声をかけながら、ゆったりとした時間を過ごせるといいですね。
まとめ

シニア犬にとって「眠ること」は、ただの休息ではなく体と心を整える大切な時間です。
年齢を重ねた愛犬が快適に眠るためには、
- 静かで安心できる寝る場所
- 快適な室温・湿度の管理
- 規則正しい生活リズムと心のケア
この3つを意識することで快適な睡眠時間をサポートすることができるでしょう。
ただし、シニア犬の睡眠のリズムは一日で整うものではありません。
環境や生活習慣を少しずつ見直し、愛犬のペースに合わせて調整していくことが大切です。
毎日寄り添いながら、安心して眠れる時間を積み重ねていくことが、シニア期の幸せにつながります。
ママさん、パパさんのそばでぐっすり眠ることが、シニア犬にとっては何よりの安らぎなのです。


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