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【ご飯を食べない老犬】水は飲む原因と対策|おやつは食べる犬の栄養補給

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老犬になるとご飯を食べない状態になり、「どうしてだろう」「体力は大丈夫かな」と不安な思いを抱えていませんか?

「水は飲むし、おやつは食べるから大丈夫だろう」と思っていても、それが長く続けば、栄養不足や病気の進行を招きかねません。

老犬がご飯を食べない背景には、加齢による体の変化や、ママさんパパさんの工夫次第で解決できる原因が隠されているものです。

この記事では、老犬がご飯を食べないが水は飲むという状況の原因を徹底的に解説し、おやつは食べるという嗜好性を利用した、安全かつ効果的な栄養補給の具体的な方法をご紹介します。

最後まで読めば、愛犬の食事に関する不安から解放され、最適なケアを自信を持って提供できるようになりますよ!

老犬がご飯を食べないが水は飲む原因と対策

老犬がご飯を食べないが水は飲むという状態は、「脱水はしていないが、食事に対する意欲が低下している」ことを示しています。

命に関わる緊急事態ではない場合が多いものの、放置すれば確実に体力を奪ってしまいます。

食欲不振の原因は多岐にわたるため、愛犬に当てはまる要因を見極めて、適切な対策を取ることが大切です。

  • 老犬は消化機能の低下で食欲が落ちる
  • 硬いご飯を食べないのは歯や顎の衰え
  • 病気や口内疾患でご飯を食べない

老犬は消化機能の低下で食欲が落ちる

加齢とともに老犬の消化機能は衰えます。具体的には、胃液や消化酵素の分泌が減ったり、胃腸の動きが緩慢になったりします。

その結果、消化に時間のかかるご飯を食べないという選択をとるわけです。

老犬の胃腸にとって、若い頃と同じドライフードを消化するのは大きな負担になります。

「なんだか最近、老犬のご飯の残りが増えてきた……」と感じるなら、食事の形状と成分を見直した方が良いでしょう。

特に高脂肪の食事は消化に負担をかけるため、低脂肪・高消化性なフードへの切り替えをおすすめします。

負担の少ない食事に変更して、老犬のお腹を優しくサポートしてあげましょう。

硬いご飯を食べないのは歯や顎の衰え

老犬がご飯を食べない理由として非常に多いのが、口の中のトラブルです。

老犬になると、歯周病などで口内が炎症を起こしたり、痛みがあったりする可能性があります。

また、顎の筋肉が衰えることで、硬いご飯を噛むこと自体が苦痛になるのです。

【老犬の口内トラブル例】

  • 歯周病や歯槽膿漏による痛み
  • 歯の欠損による咀嚼困難
  • 顎関節の衰え

ドライフードを皿に入れると、カチカチという硬い音がしますよね。その硬さを老犬は痛みとして感じているかもしれません。

「おやつは食べるのに、ご飯を食べない」という場合は、ご飯が硬すぎることが原因として考えられます。

後述する「ふやかした食事」「ペースト状のご飯」を試すことで、愛犬は痛みを感じずに食事を楽しめるようになるでしょう。

病気や口内疾患でご飯を食べない

老犬がご飯を食べない背景には、消化器疾患だけでなく、腎臓病、肝臓病、膵炎、甲状腺機能の低下、そして口内炎歯肉炎などの疾患が隠れているケースがあります。

これらの病気は、体内の代謝を乱したり、吐き気や不快感を引き起こしたりすることで、食欲不振という形で現れるのです。

「『水は飲むから大丈夫』と思っていたら、実は病気が原因で食欲がなかった……」というケースも少なくありません。

老犬は痛みを隠す傾向が強いため、ママさんパパさんが気がついた時には病気が進行している可能性も考えられます。

もし、ご飯を食べない状態に加えて、嘔吐、咳、元気がない、といった他の症状が見られた場合は、すぐに動物病院での診断が必要です。

老犬がご飯を食べないのに水は飲む時の危険なサイン

老犬がご飯を食べない状態が続くと、命に関わる重大なリスクが発生します。

特に脱水と栄養失調は、老犬の急激な体調悪化を招きます。

以下の危険なサインを理解し、見逃さないようにしましょう。

水は飲む状態から飲まなくなったら脱水に注意

老犬がご飯を食べない一方で水は飲む状態なら、まだ水分バランスが保たれている証拠です。

しかし、この状態から水を飲む量も減ったり、飲まなくなったりしたら、脱水症状の危険性が高まります。

特に、脱水は血液を濃くするため、腎臓に大きな負担をかけます。

皮膚の弾力性が失われたり、舌や歯茎が乾燥してネバネバしている場合は、脱水が進んでいるサインです。

【脱水のチェックリスト】

  • 皮膚チェック: 首筋の皮膚をつまんでみて、すぐに戻らない
  • 歯茎チェック: 歯茎が乾燥してネバネバしている
  • 目のチェック: 目が落ち窪んで見える

脱水の兆候に気づいたら、すぐに動物病院へ連絡し、適切な輸液治療を受けさせることが最優先です。

ご飯を食べない状態が続くなら獣医師へ

聴診される犬

一時的な食欲不振であれば、食事の工夫で乗り切れるケースも多いでしょう。

しかし、老犬がご飯を食べない状態が半日~1日程度続く場合は、必ず獣医師の診察を受ける必要があります。

これは、老犬の体力が人間よりも早く落ちてしまうからです。

また診察を受ければ、獣医師が口の中の炎症内臓疾患の有無を検査して、ご飯を食べない原因を特定してくれます。

愛犬の命を守るためにも「水は飲むから」と安心せず、早めに病院を受診しましょう。

食欲不振の裏にある病気の可能性を特定

老犬がご飯を食べない状態は、単なる老化現象ではなく、命に関わる病気のサインかもしれません。

ママさんパパさんが最も懸念すべきなのは、老犬の食欲不振の原因が慢性腎臓病や心臓病、腫瘍など、進行性の病気にある可能性です。

動物病院では、血液検査レントゲン、エコー検査などを行い、ご飯を食べない原因を特定します。

【獣医師による診断で判明する主な原因(例)】

  • 慢性腎臓病による吐き気
  • 消化管型リンパ腫(腫瘍)による痛み
  • 認知症による食事への意識低下

病気が特定されれば、老犬の状態に合わせた栄養補給や投薬治療を開始でき、愛犬の苦痛を和らげ、寿命を延ばすことにつながります。

ご飯は食べないがおやつは食べる老犬のための栄養補給法

老犬がご飯を食べないがおやつは食べるという状況は、ママさんパパさんにとってありがたい状況です。

この嗜好性を活かして、効果的な栄養補給と食事への誘導を行いましょう。

高消化性の柔らかい食事で栄養補給

おやつは食べるという事実は、老犬がご飯を「食べたくない」のではなく、「ご飯が食べにくい、美味しくない」と感じている可能性が高いことを示します。

その場合、老犬の栄養補給は消化しやすい柔らかい食事への切り替えが基本です。

ドライフードをふやかしたり、レトルトのウェットフードや高栄養価のペースト状の食事に切り替えたりしましょう。

これにより、老犬が食事を楽に感じ、再びご飯を楽しめるようになります。

フードをふやかすなど食べやすくする

老犬がご飯を食べない原因が、食事の形状や硬さにあるなら、ママさんパパさんのちょっとした工夫で解決できます。

前述のとおり、フードをぬるま湯でふやかして香りを立たせたり、ふやかしたフードに鶏肉のゆで汁を少量かけて温めたりしてみましょう。

老犬は嗅覚も衰えがちなので、食事を温めることで香りを強くし、食欲を刺激するのです。

【食事の形状を工夫する方法】

工夫のポイント 効果
ふやかす 歯や顎への負担が減る
ペースト化 流動食として消化吸収を助ける
温める 香りが立ち、食欲を刺激する

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良質なタンパク質を補給する

老犬は加齢により筋肉量が減少しやすく、食欲が落ちてご飯を食べないと、この筋肉減少がさらに加速します。

そのため、栄養補給では良質なタンパク質を積極的に与える必要があります。

食事のトッピングとして、茹でた鶏ささみや、骨に注意してほぐした魚などを少量混ぜてみましょう。

おやつを好む愛犬の嗜好を生かし、ご飯全体をより魅力的にすることが大切です。

少量ずつ与える分割給餌が効果的

老犬が一度にご飯を食べないのは、胃腸への負担を避けようとする本能かもしれません。

そのため、栄養補給を確実に行うには、1回の食事量を減らし、1日に3〜5回に分けて与える分割給餌が効果的です。

この方法は、胃腸への負担を軽減するだけでなく、老犬に食事への期待感を持続させます。

老犬のペースに合わせて、食事の回数を調整することで、愛犬は「少しなら食べられる」と感じてくれるでしょう。

【分割給餌のメリット】

メリット 愛犬の変化
消化負担を軽減 胃腸が穏やかになり不調が減る
血糖値を安定 活力や集中力が持続する
栄養補給が安定 体重減少が止まり筋肉が維持

まとめ|ご飯を食べない老犬にはちょっとした工夫を!異常時は即獣医へ

老犬がご飯を食べない一方で水は飲むという状態は、「脱水はしていないが、食事への意欲が低下している」ことを示しています。

おやつは食べるという嗜好性を活かし、高消化性で柔らかい食事への切り替え、良質なタンパク質による栄養補給、そして分割給餌が非常に有効です。

しかし、以下の危険なサインが見られた場合は、食事の工夫だけでは解決できません。すぐに動物病院を受診することが、愛犬の命を守るためのポイントです。

  • 水は飲む量が極端に減った、または飲まなくなった
  • ご飯を食べない状態が半日~1日以上続いている
  • 嘔吐、咳、下痢などの他の症状を伴う

老犬の健康をサポートできるのはママさんパパさんだけです。

不安を抱え込まず、獣医師と連携して最適な栄養補給とケアを行いましょう。

シニア犬の食事と健康管理|愛犬にいつまでも食べる喜びを。

大場聖也

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幼い頃から犬が大好きで、幼稚園の頃には犬の図鑑をボロボロになるまで読み込んでいた。 10歳のとき、不登校だった私を支えてくれたのが当時飼い始めた愛犬だった。...

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