愛犬が甘えん坊になった?シニア犬の性格が変わる理由と寄り添い方
「最近、前よりも甘えん坊になった気がする」
「ちょっとしたことで怒るようになった」
長年一緒に暮らしていると、愛犬の性格や行動の変化に気づくことがありませんか?
そんな時、「どうして性格が変わったの?」「どう接してあげたらいいの?」と戸惑うママさん・パパさんも多いですよね。
歳を重ねたシニア犬には、体の変化だけでなく、さまざまな理由による心の変化もゆっくりと訪れます。
落ち着いていた子が急に甘えるようになったり、反対に怒りっぽくなったりするのは、決して珍しいことではありません。
この記事では、シニア犬の性格が変わる理由や、よく見られる変化のパターン、寄り添い方、そして病気のサインとの違いを解説します。
シニア犬の性格が変わる主な理由

シニア犬も人間と同じように、年齢を重ねることで心身にさまざまな変化が起こります。
これまでと違った行動がみられると急に性格が変わったように感じるものですが、その多くは老化による体や心の変化が原因です。
ここでは、シニア犬の性格や行動が変わる理由を見ていきましょう。
① 体の不調や痛み

シニア犬は関節の痛み、内臓の不調、視力や聴力の低下など、慢性的な痛みや不調を抱えていることが少なくありません。
痛みを感じると、イライラしたり、触られるのを嫌がったり、場合によっては攻撃的になる場合もあります。
一方で、不安や痛みによって前よりもママさん・パパさんに頼るようになるシニア犬もいます。
「いつもより近くにいたがる」「触られるのを嫌がる」といった行動は、体の不調や痛みのサインかもしれません。
② 視力・聴力の低下

加齢による視覚や聴覚の衰えも大きな要因の一つです。
見えにくい、聞こえにくいことで周囲の状況を把握しづらくなり、シニア犬は「怖い」「不安」という感情が増します。
そのため、「そばにいてほしい」とママさん・パパさんに甘えるようになったり、不安から吠える・怒るといった行動が見られることもあります。
③ ホルモンや神経の変化

シニア犬になると、老化に伴いホルモンバランスや神経伝達機能が衰えてきます。
その影響でストレスを感じやすくなったり、眠りが浅くなることで情緒が不安定になることも。
夜中に起きてしまう、昼夜が逆転するなどの変化も、シニア犬の性格が変わることに影響を与えます。
④ 環境や生活リズムの変化

引っ越しや家族構成の変化、散歩コースの変更など、シニア犬にとって「日常の変化」は大きなストレスです。
環境や生活リズムの変化がきっかけで、性格が一時的に変わることもあります。
シニア犬によく見られる性格・行動の変化

性格が変わるといっても、その表れ方は愛犬によってそれぞれです。
ここではよく見られるシニア犬の性格・行動の変化の例を紹介します。
① 甘えん坊になる

シニア犬は「常にママさん・パパさんのそばにいたがる」「抱っこやなでてほしいとせがむ」など、以前よりも甘えん坊になるケースがよく見られます。
これは決してわがままではなく、安心を求めているサインです。
痛みや不調があったり、視覚・聴覚が衰えた分、ママさん・パパさんに甘えることで安心を得ようとしているのです。
② 怒りっぽくなる・神経質になる

シニア犬になると、昔と比べて神経質で怒りっぽくなる、噛むようになる、といったケースも少なくありません。
これは体のどこかに痛みがある、または不安が強くなっている可能性があります。
なでられるのを嫌がる、近づくと唸る場合は、「怒っている」のではなく「怖い・痛い」のサインかもしれません。
③ 1人になりたがる

以前はいつもそばにいたのに、シニア犬になったら別の部屋で静かに過ごすことが増えた──
そんな変化を感じることはありませんか?
少し寂しく思えるかもしれませんが、これは疲れやすくなった体を休めようとしているのかもしれません。
シニア犬になると、体力の低下によって疲れやすくなります。
無理にかまわず、安心してくつろげる静かな場所を用意してあげましょう。
④ 夜鳴きや徘徊

シニア犬が夜になると落ち着かず、鳴いたり歩き回ったりするのは、不安や認知機能の低下かもしれません。
照明を薄くつけておく、近くで寝てあげる、寝る前に軽い運動をさせる、などの方法で改善することがあります。
シニア犬の夜鳴きは病気のサインである可能性もあるので、少しでも気になる場合は獣医師に相談しましょう。
シニア犬の性格の変化への寄り添い方とサポート

シニア犬の性格が突然変わったとき、ママさん・パパさんはどう対応すればいいでしょうか。
最初は驚いてしまい、つい怒ったり、厳しく接してしまうこともあるかもしれません。
ですが、シニア犬の性格の変化は、愛犬からの小さなサインであることが多いのです。
ここではシニア犬の性格の変化への寄り添い方と、そのサポートについてご紹介します。
① 安心できる空間を整える

シニア犬が静かに落ち着ける場所を確保して、安心できる空間を整えてあげましょう。
家具の配置を頻繁に変えないようにし、滑らないマットを敷いたり、段差の少ない環境をつくってあげると安心に繋がります。
不安を強く感じるシニア犬には、ママさん・パパさんの匂いがついたタオルや毛布を近くに置いてあげることも効果的です。
② スキンシップと声かけ

短い時間でも「触れる」「話しかける」などのスキンシップの習慣が大切です。
優しく撫でたり、ゆっくりと声をかけたりすることで、愛犬は「ここにいれば安心」と感じやすくなります。
シニア犬にとって、パパさん・ママさんと触れ合うことは大きな安心つながるのです。
③ 食事と運動の見直し

シニア犬は基礎代謝が落ちるため、消化に良く栄養バランスの取れた食事が理想的です。
また、適度な運動はストレス解消となり、心の健康につながります。
無理な運動よりも「短いけれど毎日続ける」ことを心がけましょう。
④ ママさん・パパさんの心のゆとりも大切に

シニア犬の性格や行動の変化に不安を感じるのは自然なことです。
「昔と性格が変わってしまった」と焦るよりも、今の姿も受け止めてあげましょう。
ママさん・パパさんの心のゆとりと穏やかな声や表情は、愛犬の安心につながります。
シニア犬の性格の変化と認知症の違い

シニア犬の「性格の変化」と、認知機能低下(認知症)は混同されやすいですが、原因と対処法が異なります。
| 見られる変化 | 性格の変化 | 認知機能低下(認知症) |
|---|---|---|
| 甘えん坊になる | ○ よくある | △ まれ |
| 攻撃的になる | ○ 体調や不安が原因 | ○ 見られることも |
| 夜鳴きする | △ 軽度の不安 | ○ 頻発する |
| 徘徊・方向感覚の喪失 | × ほぼない | ○ 典型的な症状 |
| 飼い主を認識しない | × | ○ 進行した状態 |
「なんとなくいつもと違う」と感じたら、早めに獣医師に相談しましょう。
認知症であれば、薬やサプリメント、生活改善で進行を遅らせることも可能です。
シニア犬の変化を獣医師に相談すべきタイミング

次のような変化が続く場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
- 攻撃的・不安行動が急に増えた
- 食欲の低下や体重減少が見られる
- 夜鳴きや徘徊が頻発する
- トイレの場所を忘れる
- 呼びかけに反応しづらくなった
シニア犬の性格の変化は、体の不調のサインであることも多いです。
少しでも不安を感じたら、早めに獣医師に相談して、愛犬の体と心を守ってサポートしてあげましょう。
まとめ|シニア犬の性格の変化は愛犬からのサイン!

シニア犬の性格が変わるのは、気まぐれやわがままではなく、体や心の変化を伝えるサインであることが多いです。
加齢によって痛みや不安を感じやすくなったり、環境の変化に敏感なるなど、そうした小さな違和感が「甘えん坊になる」「怒りっぽくなる」という性格の変化として現れます。
まずは「どうしたの?」と責めるのではなく、体調の変化が隠れていないかを丁寧に見てあげましょう。
健康に問題がなかったとしても、「年齢とともに性格が変わっていく」ことは自然なことです。
甘えん坊になるのも、怒りっぽくなるのも、愛犬がママさん・パパさんを一番に頼っているということ。
「昔はこうだったのに」と比べるのではなく、今の愛犬に合ったペースで寄り添うことが、シニア期を穏やかに過ごすいちばんのサポートになるでしょう。


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