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老犬の首が曲がる…左に曲がる・後ろに反る症状で見分ける原因と対処法

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「昨日まで元気だったのに、朝起きたら愛犬の首が急に傾いている……」

もし、大切な老犬の首が曲がる、特に左に曲がるといった斜めの姿勢になっていたり、ひどく後ろに反るような様子が見られたら、パニックになってしまうかもしれません。

愛犬の急な変化は、ママさんパパさんにとって計り知れない不安ですよね。

しかし、落ち着いてください。その症状は、老犬に比較的多く発症する「前庭疾患」をはじめとする神経系の病気のサインである可能性が高いのです。

この記事では、愛犬が示している「首が曲がる」「後ろに反る」といったサインから、一体どんな病気が考えられるのか。そして、命を守るためにママさんパパさんがすぐにすべきことをお伝えします。

最後まで読めば、ママさんパパさんは不安な状況でも冷静に対応できるようになり、愛犬にとって最適な行動をすぐに取れるようになります。

愛犬の健やかな未来のために、一緒に緊急性の見分け方と対処法を確認していきましょう!

老犬の首が曲がる…左に曲がる・後ろに反る症状で見分ける原因と対処法

老犬の首が曲がる(斜頸)や後ろに反る(強直性姿勢)という症状は、単なる寝違えや老化現象として見過ごすのは非常に危険です。

これらの症状は、平衡感覚を司る神経系のどこかに異常が発生している可能性があります。

特に老犬の場合は急性発症が多く、早急な獣医師による診断と治療開始が欠かせません。

愛犬が示しているのは「助けて」というサインだと受け止め、ママさんパパさんは迅速な行動をとりましょう。

老犬の首が曲がる・左に曲がる主な原因は「前庭疾患」

老犬で最も頻繁に見られる「首が曲がる」「左に曲がる」という症状(斜頸)の代表的な原因は「前庭疾患」です。

これは平衡感覚を司る前庭に異常が生じる病気です。

犬は激しいめまいを感じ、頭を傾けたり、同じ方向にぐるぐると回ったり、フラフラしたりといった行動をとります。

特に高齢犬で見られる「老齢特発性前庭疾患」は原因がはっきりしないまま突然発症しますが、適切な介護と対症療法により数日〜数週間で改善し回復が期待できることが多いです。

後ろに反る姿勢は特に危険!中枢神経系の病変が原因

斜頸と並び、特に注意が必要なのが、頭や首を「後ろに反る」ように固定する「強直性姿勢」です。

この姿勢は、前庭疾患の中でもより深刻な「中枢性」(脳幹など脳の異常)や、「髄膜脳炎」「脳腫瘍」といった中枢神経系の炎症や病変が原因となっている可能性があります。

強直性姿勢は中枢神経(脳)に原因がある場合が多く、単なるふらつきにとどまらない重篤な症状を伴うことがあります。

【強直性姿勢に加えて注意すべき重篤なサイン】

  • 意識障害:ぐったりして呼びかけに反応が鈍い
  • てんかん発作:全身が硬直したり痙攣したりする
  • 四肢の麻痺:足に力が入らず、歩けない、立てない
  • 呼吸・心拍の異常:脳幹が侵されている可能性を示す

このサインを見逃さず、迅速に対応することが愛犬の未来を左右します

中枢性の病変が疑われる場合は、一刻も早い獣医師の診察とMRIなどの詳細な画像診断が必要です。

前庭疾患の「末梢性」と「中枢性」の区別と緊急性の判断

前庭疾患は、異常が起きている場所によって「中枢性(脳・脳幹)」「末梢性(内耳・中耳)」にわけられます。

末梢性は比較的予後が良いことが多いですが、中枢性は重篤な病変の可能性が高く、緊急性が大きく異なります

ママさんパパさんが愛犬の状態を正確に伝えるためにも、意識状態や姿勢をよく観察してください。

病名 末梢性前庭疾患(内耳・中耳が原因) 中枢性前庭疾患(脳・脳幹が原因)
原因の場所 内耳、中耳(内耳炎など) 脳、脳幹(脳腫瘍、脳炎など)
意識状態 良好(意識ははっきりしている) 意識障害、発作を伴うことがある
主な症状 首が曲がる(斜頸)、眼振(水平・回転) 後ろに反る、姿勢反応の異常、麻痺
緊急性 比較的低い(特発性は自然回復も期待できる) 極めて高い(命に関わる重篤な病態)
予後 比較的良好 慎重な経過観察が必要

老犬の首が曲がる症状が出た時の緊急性の判断基準

老犬の首が曲がる症状は緊急性の幅が広いため、ママさんパパさんが自宅で「これは急を要する」と判断できる基準を知っておくことは重要です。

目の前で愛犬が苦しそうにしている時、すぐに判断できる知識があるだけで、どれほど安心できるでしょうか。

ここでは、緊急性を見極める判断基準について解説します。

嘔吐・意識障害を伴う「老犬首が曲がる」症状は迷わず受診が必要

愛犬が首を曲げているだけでなく、以下の重篤な症状を伴う場合は、中枢神経系の炎症や病変の可能性が高まり、緊急性が非常に高いと判断できます。

  • 激しい嘔吐や食欲不振
  • ぐったりして呼びかけに反応が鈍い
  • 全身の痙攣(てんかん発作)を伴っている

特に、愛犬が立っていることもできず、横たわったまま激しい眼振と嘔吐が止まらない状態は、めまいによる脱水や体力消耗が激しくなります。

命を守るためにも、迷わずすぐに動物病院に連絡して診察を受けてください。獣医師による緊急の補液や対症療法が必要です。

正確な原因特定には動物病院で神経検査や画像診断(CT・MRI)を!

愛犬の「後ろに反る」姿勢が中枢性疾患を示唆している場合、画像診断なしに正確な原因特定はできません

「検査費用が高いから……」と躊躇する気持ちもわかりますが、早期の正確な診断こそが愛犬の命と治療の質を左右します。

動物病院では、斜頸の程度や眼振の動きを調べる神経学的検査に加えて、以下の検査が重要になってきます。

検査の種類 目的
血液検査・尿検査 全身性疾患や炎症の有無の確認
耳鏡検査 中耳炎・内耳炎の合併の有無
CT・MRI検査 脳腫瘍、脳炎、脳梗塞など中枢性の重篤な病変の有無の確認

老犬の斜頸・ふらつきに対する治療と自宅での介護ケア

病気の原因が特定されたら、いよいよ治療と介護に入ります。

老犬の首が曲がる症状が出ている愛犬の負担を少しでも減らすために、病院での治療と自宅でのケアを両立させていきましょう。

原因別!前庭疾患への対症療法と脳疾患への根本治療

獣医師による診断に基づき、治療方針が決定されます。

老犬の首が曲がる症状の原因が、特発性前庭疾患と診断された場合は対症療法が中心となり、脳腫瘍や内耳炎など他の病気が原因の場合は根本的な治療が必要です。

特発性前庭疾患(対症療法)
  • 特効薬はなく、愛犬が回復するまでのサポートが中心。
  • 制吐剤の投与:激しいめまいによる吐き気を抑える。
  • 点滴(補液):嘔吐や脱水、体力の消耗を防ぐ。
脳炎・脳腫瘍など(根本治療)
  • 内耳炎・中耳炎:長期間(数週間〜数ヶ月)の抗生物質投与。
  • 髄膜脳炎(脳炎):ステロイドや免疫抑制剤を用いた免疫抑制療法が中心。
  • 脳腫瘍:外科手術、放射線療法などを獣医師と検討する。

老犬の斜頸・ふらつきに対し自宅で脱水や怪我を防ぐ具体的なケア

愛犬が左に曲がるといった斜頸やふらつきで思うように動けない時、ママさんパパさんの介護が非常に重要になります。

ケアのポイント 具体的な方法
安全な環境作り 床に滑り止めマットを敷き、ふらつきによる転倒を防ぐ。ベッド周りはクッション材などで囲い、頭や体をぶつけないように保護する。
食事と水分補給 食器台の高さを調節したり、横から支えたりして、楽な姿勢で食事・飲水できるように介助する。食欲がない場合は、流動食や口の横からの水分補給を試す。
排泄と体位変換 自力排泄が難しい場合はオムツやシーツで補助。床ずれ予防のため、2〜3時間おきに優しく体位変換をしてあげる。

愛犬はひどい乗り物酔いのような状態になるため、ママさんパパさんの細やかな配慮が欠かせません。

まとめ|老犬の首が曲がる症状を見逃さず早期治療で愛犬を守ろう

老犬の首が曲がる、左に曲がる、後ろに反るという症状は、愛犬がママさんパパさんに送っているSOSのサインです。

これらの症状の多くは前庭疾患であり、特に老齢性の場合は回復が見込めます。

しかし、後ろに反るといった強直性姿勢は、脳炎や脳腫瘍といった命に関わる中枢神経系の病気の可能性も秘めています。

愛犬が急にふらつき始めたり、首を傾けたりするのを見たら、「年のせい」と片付けずに、すぐに動物病院を受診してください。

ママさんパパさんが「少しでもおかしい」と感じたその直感こそが、愛犬の命を救う最初の一歩になります。

愛犬はママさんパパさんの冷静で迅速な行動を待っています。

早期に正しい診断を受け、適切な治療と温かい介護をしながら、これからの時間をできるだけ穏やかで快適なものにしてあげましょう!

大場聖也

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保有資格「JKC愛犬飼育管理士」。幼い頃から犬が大好きで、幼稚園の頃には犬の図鑑をボロボロになるまで読み込んでいた。 10歳のとき、不登校だった私を支えてく...

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