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老犬の看取りを迎える前に知っておきたいこと|症状・ケア・心の準備ガイド

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長く一緒に過ごしてきた愛犬との時間は、何よりもかけがえのないものですね。

しかし、年齢を重ねるにつれて少しずつ体の機能が衰え、最期の時期を意識する瞬間も訪れます。

看取りの時期に入ると、「どんな変化が起こるのか」「何をしてあげられるのか」と不安を感じるママさん、パパさんは少なくありません。

大切なのは、焦らずに今の状態を正しく理解し、適切なケアを行うことです。

この記事では、老犬の看取り期に見られる身体的な変化、快適に過ごすための介護ケア、そして家族として心の準備を整えるためのヒントをわかりやすく解説します。

愛犬とあなたが後悔のない看取り期を迎えるための一助となれば幸いです。

老犬の看取り期とはいつ?日々の生活に明らかな変化が現れる時期

「看取り期」とは、老犬の体の機能がゆっくりと最終段階へ向かい、日々の生活に明らかな変化が現れる時期を指します。

医学的に明確な境界があるわけではなく、年齢だけで判断できるものでもありません。

看取り期は老犬の「終末期」と呼ばれる期間に含まれます。ただし、どのくらい続くかは犬によって大きく異なり、数日〜数週間、長い場合には数か月続くこともあります。

大切なのは、この変化は愛犬が最期に向けてゆっくり準備をしているサインと受け止め、日々のケアを無理なく整えていくことです。

ただし、看取り期ではなく単なる体調不良のこともあるため、獣医師に確認することが大切です。

老犬の看取り期に見られる身体のサイン5つ

元気がないトイプードル

看取りの時期に入った老犬の体は、徐々に生命活動を終える準備を始めていると言われています。

その変化は、もちろん個体差がありますが、多くの犬に共通して見られるサインがあります。

こうしたサインを理解しておくことで、適切な対応がしやすくなるので一つずつみていきましょう。

1.食欲の低下・水をあまり飲まなくなる

老犬は体の代謝が落ち、内臓の働きがゆるやかになると、食事や水分を取る量が減ります。

無理に食べさせようとせず、少量でも口にしやすいもの(流動食・スープ・ミルクタイプ)を与えるなど、体の負担を減らす工夫が大切です。

2.睡眠時間が長くなる

老犬は体力の消耗を防ぐために、1日の大半を寝て過ごすようになります。

これは自然な変化であり、無理に起こしたり散歩に連れ出したりしないことが重要です。

愛犬が静かな環境で、深く眠れるようサポートしましょう。

3.排泄のコントロールが難しくなる

筋力低下や神経の働きの衰えにより、老犬がトイレに間に合わない、寝たまま排泄するケースも増えてきます。

トイレシートを広めに敷き、吸収力の高いシートや介護用オムツを活用すると、清潔を保ちやすくなるでしょう。

4.体温調節が難しくなる

老犬は体温を一定に保つ力が弱くなります。これは、筋肉量の低下や血流の衰え、体温を調節する自律神経の働きが弱くなることが主な原因です。

特に手足の冷えはよく見られるため、ブランケットや湯たんぽなどで適度な保温を行いましょう。

ただし、温めすぎは逆効果になるため、触れてぬくもりを感じる程度が目安です。

5.呼吸のリズムや脈の変化

老犬の看取り期には、呼吸が浅くなったり、不規則なリズムになることがあります。これは、体の機能がゆっくりと低下していく過程でよく見られる変化です。

終末期の犬では、人の終末期で知られる「チェーンストークス呼吸」に似たパターンが見られることがあると一部の獣医師が報告しています。(※)

ただし、すべての老犬に当てはまるわけではなく、獣医学分野での研究もまだ限定的です。

この呼吸変化は、必ずしも苦しみを表すものではありません。ママさん、パパさんは慌てず、そばに寄り添うことで愛犬に安心感を与えられます。

※参考:犬の終末期呼吸変化の認識:コンフォートケアガイド – The Dog Pedia

老犬の看取り期にできるケアと環境づくり

看取りの時期に入った老犬にとって、最も大切なのは苦痛を減らし、安心して過ごせる環境です。

ここでは、身体のケア・生活環境の視点から、無理のないサポート方法を紹介します。

1. 身体への負担を減らすケア

看取り期の老犬は、自力で体勢を変えたり、体を清潔に保つのが難しくなってきます。

そのため、負担を減らしつつ快適に過ごせるようサポートするケアがとても大切です。

【体位変換(体の向きを変える)】

老犬は長時間同じ姿勢が続くと、床ずれや痛みが生じやすくなります。

2〜3時間ごとに、ゆっくりと体の向きを変えてあげましょう。そうすることで愛犬の血流が促され、呼吸も楽になります。

もし愛犬が嫌がる場合は無理に行わず、クッションやタオルを背中や腰に挟むだけでも姿勢を支えられます。

【口腔ケア・口元の清潔を保つ】

老犬にとって食事量が減る時期でも、口内が汚れていると不快感や口臭、炎症につながることがあります。

毎日、濡れタオルで口元を軽く拭いたり柔らかいガーゼで歯をなでたりするなどのケアをしてあげましょう。

【体を優しく温める】

看取り期の老犬は手足が冷えやすく、体の緊張が強まることがあります。

ブランケットや湯たんぽを使い、ほどよい温かさを保つことで心身ともにリラックスしやすくなるでしょう。

2.清潔で負担の少ない生活環境づくり

看取り期の老犬にとって、生活環境を整えることはケアの負担軽減と快適さの両方に直結します。

特に寝床まわりと排泄環境は、小さな工夫で老犬の過ごしやすさが大きく変わるポイントです。

【寝床を「ふかふか+通気性」で整える】

老犬は長時間寝て過ごすため、睡眠の質がとても重要になってきます。

そのため、ベッドは体を優しく受け止めるクッション性に加え、ムレにくさもポイントです。

おすすめは、

  • 介護用マット(低反発・高反発の中間程度)
  • 洗えるカバー+通気性の良い素材

複数のタオルを重ねると微調整もしやすく、汚れたらすぐ交換できるのでおすすめします。

【排泄ケアの負担を軽くする】

看取り期は、ママさん、パパさんが「片付けしやすい環境」をつくることが結果的に愛犬の快適さにもつながります。

  • トイレシートを広めに敷く
  • 寝床の近くに吸水マットをおく
  • 汚れたらすぐ交換できる配置にする

これだけで老犬が快適に過ごせ、ママさん、パパさんのストレスも大幅に減るのではないでしょうか。

老犬の看取り期は獣医師との連携が不可欠

老犬の看取り期は、体調の変化が短期間で大きく進むことがあります。

そのため、継続的に状態を把握している獣医師との連携体制を整えておくことが、適切なケアと苦痛の軽減につながります。

1.かかりつけ医を持つ重要性

高齢期の犬は、慢性的な疾患や複数の症状を抱えることが珍しくありません。

そのため体調の変化を早期に察知するためには、日頃からかかりつけの動物病院で診察を受け、健康状態の基準値を獣医師と共有しておくことが必須です。

【獣医師と共有しておくこと】

  • 普段の呼吸数や動きの変化
  • 食欲・排泄のクセ
  • 持病の進行状況

こうした「愛犬にとっての通常の状態」を把握している獣医師であれば、看取り期に起こる変化にも気づきやすく、適切な判断につなげやすくなります。

老犬の看取り期は、「いつ病院に行くべきか」「何が緊急なのか」といった判断が難しくなるため、長年のかかりつけ医は「判断の軸」として非常に有効です。

2. 診療方針に迷いがある場合のセカンドオピニオン

一方で、愛犬に対する診断や治療方針に疑問が残る場合もあります。

そんなときは、セカンドオピニオンを得ることも一般的な選択肢 です。

  • 持病の治療方針が複数あり迷う
  • 終末期ケアの説明が十分でない
  • 自宅ケアの方法がわからない
  • 苦痛緩和の選択肢を広げたい

このような事例では、別の獣医師に相談することで判断材料が増え、より納得してケアを進めることが可能になります。

セカンドオピニオンは、治療の方針が対立するものではなく、ママさん、パパさんが愛犬の最善を考えるための情報収集として広く認められている行動です。

3. 苦痛のサインがある場合はすぐに受診

看取り期の犬は、痛みや不快を隠すことが多いため、わずかな変化でも早めの相談が重要になります。

以下のような症状が続く、または急に現れた場合は、速やかに受診を検討してください。

  • ぐったりしたまま動かない
  • 呼吸が荒い、苦しそう
  • 持続する嘔吐や下痢
  • 明らかな痛みのサイン(触ると嫌がる、震えるなど)
  • 食事・水分をまったく取らない
  • 意識がもうろうとしている

看取り期においては、「緊急治療」よりも「苦痛を減らすための医療」が中心になります。

そのため、かかりつけ医や相談しやすい動物看護師の存在があると、必要な処置や方針を落ち着いて決めやすくなります。

老犬を看取る際の心の準備・家族の役割

老犬と過ごす時間が長くなると、避けられないのが「最期のとき」への向き合い方です。

歩行や食欲の変化、体力低下は単に日常の工夫で対応できるものもあれば、徐々に体が限界に近づいているサインの場合もあります。

①心の準備を整える

老犬の介護や看取りに向き合うには、ご家族自身の心の準備も必要です。

  • 「生きているものには、必ず別れが来る」という現実を受け止める
  • 痛みや不快をできる限り取り除いてあげることに集中する
  • 後悔のないよう、愛犬とのコミュニケーションを大切に過ごす

特に、最期まで自宅で過ごさせたい場合、かかりつけ医と相談しながら必要なケアやサポート方法を確認しておくことも心の整理につながります。

②家族それぞれの役割を決める

家族で分担して介護や看取りに向き合うことは、シニア犬の快適さだけでなく、ママさん、パパさん自身の負担軽減にもつながるでしょう。

【家族での役割分担例】

  • 食事や水分補給のサポート
  • 排泄の介助や清潔保持
  • 定期的な健康チェックの記録(メモや動画など)
  • 動物病院への送迎

家族で役割を分けておくと、誰がどのタイミングで対応すべきかが明確になり、急な変化にも落ち着いて対応できます。

しかし、近年では一人暮らしで介護を行うママさん、パパさんも珍しくありません。

その場合は、ペットシッターや動物病院の訪問サービス、老犬ホームなど、外部の力をうまく取り入れることもポイントです。

まとめ|老犬の看取り期は長年の絆を確認する時期

老犬の看取り期は決して「不安だけの時間」ではなく、長年の絆を確認し、最期まで愛犬にとって尊厳のある時間を過ごすための大切な段階です。

愛犬の状態に合わせたケアと環境づくりを行うことで、看取り期をより負担少なく、穏やかに過ごすことができます。

本記事が、愛犬との最期の時間をご家族にとってより良い形で迎えるための参考になれば幸いです。

シニア犬の寝たきり介護、何から始める?環境づくりとケアの基本を解説

植田陽子

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愛犬との暮らしから生まれる気づきを綴るライターです。 シニア犬ケアやライフスタイル記事を中心に執筆。 ペットセーバーの「トライアングルケア講習(終末ケア・祝...

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