老犬に負担をかけないブラッシング方法|道具選びからコツまで解説
「昔は気持ちよさそうだったのに、最近は急にブラッシングを嫌がるようになった…」
「痩せて骨ばってきた体に、ブラシを当てて痛くないか心配」
シニア期に入った愛犬のケアについて、このような悩みを抱えていませんか?
体力が落ち、皮膚がデリケートになる老犬にとって、若い頃と同じやり方でのブラッシングは負担になってしまうことがあります。
しかし、寝ている時間が増えるシニア期こそ、ブラッシングは欠かせないケアです。
この記事では、トリマーの資格を持つ私が、老犬の体に負担をかけないブラッシング方法や、老犬に適した道具選びの方法などを解説します。
老犬がブラッシングを嫌がるのは体の変化が原因!

老犬がブラッシングを嫌がる背景には、加齢による体の変化が関わっています。
老犬によく見られる体の変化は以下のとおりです。
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若い頃と同じ道具や力加減では、刺激が痛みにつながることがあります。
また、過去に引っ張られたり痛い思いをしたりした記憶が残っていると、「ブラッシング=怖い」と感じて嫌がるケースも少なくありません。
ブラッシングを行う際には、老犬の状態に合わせた道具を選び、苦痛を感じさせないように進めることが大切です。
老犬にブラッシングを行う3つのメリット

運動量が減り、寝ている時間が増えるシニア期こそ、ブラッシングは身だしなみ以上の役割を持ちます。
ここでは、シニア期の愛犬にブラッシングすることのメリットを3つ紹介します。
理由①血行促進が期待できる

老犬になるとどうしても運動不足になる傾向があり、筋肉量も低下し、全身の血行が悪くなりがちです。
血行不良は代謝の低下や、体の冷え、免疫力のダウンにもつながりますが、ブラッシングをすると、ブラシのピンが皮膚に適度な刺激を与え、血流が促進されます。
血流が良くなることで、老犬にとって心地よいリラックスタイムにもなるでしょう。
特別なマッサージ技術がなくても、柔らかいブラシで優しく撫でてあげるだけで十分なケア効果が得られます。
理由②皮膚トラブルの予防につながる

シニア期は皮膚のターンオーバーの周期が遅くなり、古い角質やフケが溜まりやすくなります。
ブラッシングで抜け毛や汚れを取り除くと皮膚の通気性の確保ができ、雑菌が繁殖しにくくなるため、皮膚トラブルの予防につながります。
また、汚れやフケをブラッシングで取り除くことは、ダニやノミの繁殖の予防にも効果的です。
特に、季節の変わり目は抜け毛が多くなるため、体に負担をかけない範囲でこまめに取り除いてあげることが大切です。
理由③体の異変を早期発見できる

ブラッシングを通じて全身をくまなく触ることは、目視だけでは気づけない以下のような体の異変を早期に発見できます。
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病気の早期発見は、愛犬の健康寿命を延ばせます。
ブラッシングで、小さなサインを見逃さないようにしましょう。
老犬のブラッシングに適したブラシの選び方

シニア期に入ると皮膚が薄くなり、骨が浮き出てくることがあるため、これまで使っていたブラシでは、皮膚を傷つけたり骨に当たって痛みを与えたりする恐れがあります。
愛犬に「ブラッシング=痛い・嫌なこと」と思わせないためには、肌への優しさを重視して道具を見直すことが不可欠です。
ここでは、老犬のためのブラシ選びの3つの基準を解説します。
皮膚への刺激が少ない「素材」

まずはブラシの素材そのものが、低刺激であるかを確認しましょう。
短毛種の場合、肌への刺激がおさえられる「ラバーブラシ」や「獣毛ブラシ」がおすすめです。
マッサージ効果が高く、皮膚を傷つけるリスクが低いため安心して使えます。
一方、長毛種の場合、ピンがナイロン製などの「ピンブラシ」や、ピンが柔らかくしなる「ソフトタイプのスリッカーブラシ」を選びましょう。
これらのブラシは、長い毛の根元までピンが届き、かつ肌当たりが優しいため、皮膚を傷つけずにもつれをケアできます。
地肌を傷つけない「形状」

ピンブラシやスリッカーブラシなどを使用する場合は、ピンの先端を確認してください。
先端が切りっぱなしの金属になっているものは、デリケートな老犬の皮膚に刺さるリスクがあります。
ピンの先端が丸く研磨されているものや、先端に樹脂などの小さな球がついているものであれば、皮膚への負担を軽減できます。
購入する際は、自身の腕の内側にブラシを当てて動かしてみてください。
そこで少しでも痛みを感じるものは、老犬にとってもストレスとなる可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。
体に当たっても痛くない「クッション性」

痩せて骨ばってきた老犬にとって、クッション性のないブラシがゴツゴツと骨に当たり、苦痛に感じます。
ブラシを選ぶ際は、ピンだけでなく土台の柔軟性も重視しましょう。
たとえば、ピンが植えられている土台部分に空気穴があるブラシは、弾力があり、痛みを感じにくいと言えます。
ブラッシングを心地よい時間にするために、クッション性は重要なポイントです。
老犬への負担を最小限にするブラッシングのコツ

足腰が弱り、体力も落ちてきた老犬にとって、長時間のブラッシングは体力を消耗します。
シニア期のケアで大切なのは、愛犬が心地よいと感じることです。
ここでは、愛犬の負担を最小限にして、リラックスした状態でケアを続けるための4つのコツを紹介します。
①寝たまま・座ったままの姿勢で行う

ブラッシングの際には、立ったままの姿勢を維持させる必要はありません。
愛犬が一番楽な姿勢に合わせて、ママさんパパさんが動くことで負担を軽減できます。
寝たきりの愛犬は、床ずれ防止マットなどの上でそのまま行いましょう。
お腹の下などブラシが届きにくい場所は、無理にブラシを使わず、蒸しタオルで優しく拭いてあげるだけでも十分なケアになります。
②皮膚をマッサージするように梳かす

老犬の皮膚は薄くデリケートです。
そのため、毛のもつれを取ろうとして力を入れると、皮膚が傷ついてしまう恐れがあります。
ブラッシングする際には、皮膚を優しく撫でるようなイメージで行いましょう。
まずは、自分の手の甲にブラシを当ててみて、練習することをおすすめします。
ママさんパパさんが気持ちいいと感じる強さを意識するのがポイントです。
獣毛ブラシやラバーブラシを使う場合は、円を描くように優しく動かすと、マッサージ効果が高まります。
愛犬が心地よいと感じられる力加減を探してあげてください。
③骨ばった部分は無理に梳かさない
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加齢により筋肉が落ちると、背骨や腰骨、肩甲骨などの骨がゴツゴツと浮き出てきます。
ここにブラシが当たるだけでも、老犬にとってはかなりの痛みです。
骨ばった部分をケアする際は、以下の方法を試してみてください。
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もしくは、骨ばっている部分はブラシを使わず、手袋タイプのブラシや直接手で撫でるだけでもケアできます。
④毛玉やもつれは毛先からほぐす

長毛種の老犬は、絡まった毛玉を根元から無理やり梳かそうとして皮膚を引っ張ってしまい、痛みや不快感を感じる場合があります。
毛玉やもつれを見つけたら、以下の手順で慎重にブラッシングしましょう。
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どうしても解けない頑固な毛玉は、プロのトリマーに相談することをおすすめします。
愛犬にできる限り痛みを与えないように、無理をしないことが大切です。
老犬がブラッシングを嫌がる場合の対処法

老犬になって急にブラッシングを嫌がったり、怒ったりするようになることは珍しくありません。
嫌がっているのに無理やり押さえつけて続けると、愛犬との信頼関係が崩れるだけでなく、思わぬケガの原因となります。
ここでは、ブラッシングを嫌がる老犬がストレスなくケアを行うための4つの対処法を見ていきましょう。
①手袋タイプのブラシを活用して撫でることから始める

ブラッシングが苦手な老犬は、ブラシの感触自体を不快に感じている可能性があります。
ブラシに苦手意識がある場合は、手袋タイプのブラシを活用しましょう。
手袋タイプのブラシは、ママさんパパさんに撫でられている感覚に近いため、警戒されにくいと言えます。
まずは道具を装着した状態で、ブラシ面は使用せずに手の甲や側面で撫でることからスタートします。
撫でることに抵抗がなければ、徐々にブラシ面でブラッシングをしていきましょう。
②短時間で切り上げる

体力が低下している老犬にとって、10分〜20分とかかる全身のブラッシングは負担が大きく、途中でイライラしてしまう場合があります。
老犬のケアは、無理に全身を一気に終わらせないことがポイントです。
ブラッシングする際には、「今日は背中だけ」「明日はお尻周り」と決めてから行いましょう。
愛犬が嫌がる前にやめると、ブラッシングは嫌なことではないと学習し、次回からの抵抗が少なくなります。
③おやつを与えながら行う

食欲がある老犬の場合は、ブラッシングを「おいしいものがもらえる楽しい時間」と関連付ける方法がおすすめです。
特に、ペースト状のおやつであれば、少しずつ舐めさせている間にブラッシングを終わらせることができます。
「食べている間だけブラシをかけて、食べ終わったら終了」を徹底すると、愛犬は「ブラシ=おやつ」とポジティブに捉えるようになります。
④無理に体勢を変えない
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ブラシをする際に、愛犬の体勢を無理に変えると、痛みや不快感を抱くケースが少なくありません。
そのため、もし愛犬が寝ているなら、寝ている姿勢のままで行いましょう。
下になっている側やお腹側は、その日に無理に行う必要はありません。
愛犬が自分で寝返りを打ったタイミングや、翌日にケアすれば十分です。
愛犬がブラッシングにネガティブな感情を持たないために、無理な体勢変更は行わないようにしてください。
まとめ|老犬のブラッシングは毎日少しずつが大切!

老犬のブラッシングで大切なのは、愛犬とのコミュニケーションを楽しむことです。
体力が落ちたシニア犬に、全身くまなく完璧なケアを求める必要はありません。
「今日は背中だけ」「嫌がったらすぐおしまい」といったように、愛犬のペースに合わせて気楽に進めていきましょう。
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この3つを意識するだけで、ブラッシングの時間は愛犬にとって心地よい時間になります。
今回紹介したブラッシング方法を意識して、愛犬とのコミュニケーションを楽しんでみてください。


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