老犬のために最適なおやつの選び方|与える量や注意点も解説

COLUMN

老犬になると、いつまでも元気でいてほしいと若い頃よりも食べるものに気を遣うようになりますね。

実際、シニア期に入ると歯や消化機能の変化、内臓への負担のかかりやすさなど、配慮してあげることがたくさん出てきます。

だからこそ、老犬には何となく選ぶおやつではなく、体の変化を踏まえた選び方をすることが大切です。

そこでこの記事では、高齢の愛犬4匹と暮らしていた動物介護士やペットフーディストの私が、老犬の体に配慮したおやつの選び方を解説します。

与える量や注意点についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

老犬におやつを与えるメリット

老犬におやつを適切に与えることは、単なる楽しみだけでなく、食事への意欲を保ち、エネルギー不足を防ぐサポートに役立ちます

老犬は加齢によって食欲や嗜好が変化するため、主食を十分に食べられなくなることも少なくありません。

適量のおやつによって、食べたいという気持ちを刺激しやすくなります。

また、疫学調査では、まったくおやつをもらっていない犬よりも、おやつを与える習慣がある犬のほうが長生きする傾向にあったと報告されています。(※)

もちろん、これはおやつ自体が寿命を延ばすという意味ではありません。

しかし、おやつを含めた日々の健康管理を意識されている犬のほうが、長生きにつながりやすいと結論付けられているんですよ。

つまり、老犬にとってのおやつは、単なる嗜好品ではなく、食事・心のケア・健康管理を支える補助的な役割を持つ存在だと言えるのです。

※参考:獣医疫学雑誌「犬と猫における長寿に関わる要因の疫学的解析」

老犬のおやつを選ぶポイント3つ

老犬の体は、若い頃と同じ基準では対応しきれなくなります。

そのため、おやつを選ぶときは見た目や値段、評判ではなく、老犬の体に負担がかかりにくいかどうかを考えることが大切です。

ここでは、老犬に合ったおやつを選ぶポイントを見ていきましょう。

①愛犬が食べやすい形状のもの

愛犬が食べやすい形状のおやつを選びましょう。

老犬では、歯のすり減りや顎の筋力低下により、硬いものを噛みにくくなっています。

無理に嚙もうとしたり飲み込むことで、喉に詰まらせてしまったり消化不良につながることもあるため注意が必要です。

【老犬におすすめのおやつの形状】

  • 指で簡単につぶせる
  • 小さく割れる
  • 口の中で崩れやすい
  • ペースト状やゼリー状など噛む必要がない

もちろん、まだしっかり噛める老犬であればすぐに柔らかいおやつにする必要はありませんが、愛犬の状態を見ながらその都度判断していきましょう。

②消化しやすい原材料で作られているもの

老犬が消化しやすいように、主原料に動物性タンパク質(肉や魚、卵)が使用されているものや脂質が多すぎないおやつを選びましょう。

老犬は、加齢とともに、消化酵素の分泌量や腸の働きは低下しやすくなります。

その結果、若い頃は問題なかった原材料でも、負担になってしまうことも少なくありません。

動物性タンパク質は消化しやすく、体内に入っても無駄なく使われるため、老犬の体の負担を減らすことに役立ちます。

なお、「栄養強化」「機能性」などの表示よりも、原材料をしっかり確認することが大切です。

③余計な添加物が使用されていないもの

老犬では代謝機能が低下するため、余計な添加物が使用されていないおやつを選びましょう。

おやつには、保存性や嗜好性を高めるために、着色料や香料、保存料などが使われている場合があります。

すべてが直ちに問題になるわけではありませんが、中には腸内環境をマイナスに変化させてしまったり発がん性の懸念がある添加物もあるため、避けておいた方が安心です。

【避けたいおやつの添加物の例】
BHA、BHT、没食酸プロピル、エトキシン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ポリリジン、亜硫酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、プロピレングリコール、セレン化合物、ソルビトール、グリシリジン・アンモニエート、香料、調味料、膨張剤、二酸化チタン、赤色○号、黄色○号 など

ただし、「無添加」という表記にも注意してください。

たとえば、香料だけが無添加で、ほかの合成添加物がたくさん使用されているということも多々あります。面倒でも、原材料をよくチェックしましょう。

老犬のおやつの適量は?1日に必要なカロリーの10%程度

老犬のおやつは、1日に必要な総摂取カロリーの10%程度に抑えましょう。(多くても20%以内)

これは、主食の栄養バランスを崩さずに間食を取り入れられる上限と考えられています。

おやつの割合が増えると、必要な栄養素が不足しやすくなったり、カロリー過多になりやすいため適量にとどめることが大切です。

老犬が1日に必要なカロリーは、避妊去勢手術の有無によっても異なるため、目安を体重別にまとめてみました。

体重 避妊・去勢なし 避妊・去勢済み
2kg 165kcal 141kcal
3kg 223kacl 191kcal
4kg 277kcal 238kcal
5kg 328lcal 281kcal
6kg 376kcal 322kcal
7kg 422kcal 361kcal
8kg 466kcal 400kcal
9kg 509kcal 436kcal
10kg 551kcal 472kcal
15kg 747kcal 640kcal
20kg 927kcal 794kcal
25kg 1096kcal 939kcal
30kg 1256kcal 1077kcal

たとえば、体重5kgの避妊去勢済み老犬の場合、1日に必要なカロリーが281kcalなので、おやつは28kcal分、残り253kcalが主食分となります。

カロリーの計算方法については、以下の記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてくださいね。

シニア犬の1日のカロリーは?老犬の年齢・体重別の目安と活動係数を解説

老犬におやつを与えるときの注意点

おやつは老犬にメリットがある嬉しい存在ですが、与えるときには注意しなければいけないこともあります。

ここでは、老犬におやつを与えるときの注意点について見ていきましょう。

①主食の代わりにしない

おやつはあくまでもおやつなので、主食の代わりにしないようにしましょう。

おやつは総合栄養食のように、犬に必要な栄養素が計算されて作られているわけではありません

そのため、おやつ中心の食生活になると、栄養バランスが偏り、体調不良や病気の原因となってしまうことがあります。

もちろん、おやつの中には総合栄養食基準で作られているものもあるため、ご飯を食べずにおやつばかり食べたがる老犬ではそうしたおやつを選ぶといいでしょう。

②与え過ぎない

おやつは適量を守り、与え過ぎないようにしましょう。

与え過ぎは栄養バランスを乱してしまうだけでなく、肥満の原因にもなります

特に老犬は、基礎代謝が低下していて若い頃より太りやすくなるため、与え過ぎには十分に注意しましょう。

③家族全員で管理する

家族全員でおやつの管理を徹底しまよう。

複数人で飼育している家庭では、みんながそれぞれにおやつをあげていて、カロリー過多になって太ってしまったということがよくあります。

家族間で、1日の上限量や与える時間帯を共有しておくことで、無意識の与え過ぎを防ぐことができます。

④硬い・大きいものは避ける

老犬では噛む力や飲み込む力が低下しているため、硬すぎるものや大きなおやつは避けるようにしましょう。

硬すぎるおやつは歯の破折や口腔内トラブルの原因になり、大きすぎるものは誤嚥や窒息のリスクを高めてしまいます。

必ず愛犬の口の大きさや噛む力に合わせて、小さく調整してから与えることが大切です。

まとめ

老犬のおやつは、食べやすさや成分を確認しながら、できるだけ体に負担をかけにくいものを選んであげることが大切です。

おやつは適切に与えることで、老犬の生活の質(QOL)を維持することにもつながります。

与える量や与え方に気をつけながら、愛犬とのおやつタイムを楽しんでくださいね。

たかだ なつき(高田菜月)

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4匹の愛犬と暮らすペット専門ライター×ペットの専門家。長年人間の介護に携わっていたが、愛犬の介護をきっかけにペットライターに転身。犬の飼育歴は20年以上。こ...

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