老犬にチーズを与えてもいい?安全な選び方と適量・注意点を専門家が解説
老犬になると、それまで勢いよく食べていたドッグフードを急に残すようになったり、食べ始めるまでに時間がかかったりと、食事の悩みが尽きませんね。
「少しでも食べてほしい」という一心で、トッピングにチーズを使いたいと考えることもあるのではないでしょうか。
しかし、若い頃では問題なかった食材でも、老犬では体のさまざまな機能が低下するため、与えるのは慎重になりますよね。
この記事では、4匹の高齢愛犬と暮らしていたペットフーディストや動物介護士の私が、老犬のチーズの選び方や適量、注意点について解説します。
老犬にチーズを与えていい?少量ならば大丈夫!

塩分量の低いチーズで少量であれば、老犬に与えても問題はありません。
チーズを使用してるドッグフードもあるように、適切に取り入れれば老犬の食事のサポートとして役立つこともあります。
ただし、脂肪分や塩分が多いチーズもあるため、与え方や種類には注意が必要です。
老犬にチーズを与えるメリット

チーズには脂肪分や塩分が含まれますが、人では体に必要な栄養がバランス良く含まれているともいわれる栄養豊富な食べ物です。
そのため、上手に活用することで老犬にもメリットがあります。
食欲がないときでも食べやすい

チーズは香りやコクが強く、嗜好性が高いため、食欲が落ちている老犬でも口にしやすい食材です。
そのまま与えるのはもちろん、いつものフードに少量混ぜることで食いつきが良くなることもあります。
栄養補給に役立つ

チーズにはさまざまな栄養が含まれており、老犬の栄養補給のサポートに役立ちます。
もちろん、チーズの種類によっても含まれる栄養素は異なりますが、以下の栄養素はどのチーズにもほぼ含まれていますよ。
【チーズの主な栄養素と働き】
- たんぱく質
…体を構成する重要な栄養素。酵素として働いたりエネルギー源にもなる - 脂質
…健康維持に欠かせない栄養素。効率的なエネルギー源になったり脂溶性ビタミンの吸収をサポートする - ナトリウム
…細胞の機能に必要不可欠な栄養素。体内の水分バランスを整えたり神経の伝達をサポートする - ビタミンA
…皮膚や被毛、粘膜を健康に保つために欠かせない栄養素。視力を正常に保つ働きにも関与する - ビタミンB12
…特定の酵素の働きに不可欠な栄養素の1つ。皮膚を健康に保ったり被毛の質を高める - カルシウム
…筋肉を動かすために不可欠な栄養素。骨や歯の健康を保ったり神経の伝達をサポートする
このほか、ナチュラルチーズ(乳を固めて発酵・熟成させただけの、加工されていないチーズ)であれば、生きた乳酸菌も摂取することができ、腸内環境の健康にも配慮してあげられます。
チーズはカロリーも高めなので、少量で栄養を補いたいときにも与えやすいでしょう。
※1参考:六甲バター株式会社「チーズの栄養素」
薬を包むなど使い勝手がよい

チーズはやわらかく形を変えやすいため、薬を包んで与えるときにも使いやすいでしょう。
老犬になると、薬やサプリメントを嫌がって飲んでくれないことも増えてきますよね。
包むことでチーズの風味でごまかされて飲みやすくなるため、投薬のサポートに役立ちます。
ただし、実際に愛犬たちで経験しましたが、毎回チーズで投薬をしていると、だんだんうまく薬だけを吐き出したり、チーズに興味を示さなくなってしまうこともありました。
そのため、毎回ではなく、さまざまな投薬補助おやつなどの1つとして、ローテーションなどで使ったほうがいいかもしれません。
老犬におすすめのチーズの種類と選び方

実は、犬用チーズであっても、人間用チーズよりも塩分が多いものも存在します。
そのため、老犬のチーズを選ぶ際は、「犬用かどうか」ではなく、塩分量や加工度を基準に選びましょう。
【老犬におすすめのチーズ】
- モッツァレラチーズ
- リコッタチーズ
- カッテージチーズ
- クリームチーズ
- マスカルポーネ
- プロセスチーズ(塩分が少ないもの)
上記のプロセスチーズ以外は、すべてナチュラルチーズです。
ゴーダチーズやパルメザンチーズ、カマンベールチーズ、ブルーチーズなどは、熟成によって塩分が高くなる傾向があります。
また、カマンベールやブルーチーズなどに含まれるカビは犬に適したものとはいえず、体調不良の原因となる可能性もあるため、これらのチーズは与えないようにしましょう。
【体重別】老犬が1日に食べられるチーズの量

チーズには脂質や塩分が含まれているため、与えすぎないようにすることが大切です
おやつやトッピング、投薬補助として使う場合は、その犬が1日に必要な摂取カロリーの10%程度にとどめましょう。
| 体重 | 避妊・去勢なし老犬 | 避妊・去勢済み老犬 |
| 2kg | 6g | 5g |
| 3kg | 8g | 7g |
| 4kg | 10g | 9g |
| 5kg | 12g | 10g |
| 6kg | 14g | 12g |
| 7kg | 16g | 13g |
| 8kg | 17g | 15g |
| 9kg | 19g | 16g |
| 10kg | 21g | 18g |
| 15kg | 28g | 24g |
| 20kg | 35g | 30g |
| 25kg | 41g | 35g |
| 30kg | 47g | 40g |
※モッツアレラチーズ / 100gあたり269kcal(参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」)
上記を目安に、愛犬の体調や便の状態などを見ながら調整してください。
より詳しく愛犬のカロリーを知りたい場合は、以下の記事をチェックしてみてくださいね。
老犬にチーズを与えるときの注意点

チーズは老犬に与えやすい食べ物ですが、与えるときには注意したいポイントもあります。
ここでは、老犬にチーズを与えるときの注意点を見ていきましょう。
食物アレルギーに注意する

チーズに限りませんが、初めて食べさせる場合は、ごく少量にとどめ、食べたあと30分~48時間は様子を見てあげましょう。
もしチーズに食物アレルギーがあった場合、以下のような症状が現れます。
【犬の食物アレルギーの主な症状】
|
もちろん、症状には個体差もありますが、こうした症状が見られるときは、自己判断せずに獣医師に相談してください。
レーズン入りは与えない

チーズによっては、レーズンが含まれているものもありますが、老犬には絶対に与えないようにしましょう。
レーズンは犬にとって中毒を引き起こすおそれがある食材であり、少量でも急性腎障害などの重い症状につながる可能性があります。
後遺症が残ったり、命を落としてしまうこともあるため、レーズンやぶどうが含まれているチーズは与えないようにしてください。
硬いチーズは与えない

チーズにはやわらかいものから硬いものまでさまざまな種類がありますが、老犬では硬いチーズは避けたほうが安心です。
老犬は加齢によって歯やあごの力が弱くなっていることが多く、硬いものをうまく噛むことができないことも少なくありません。
そのまま飲み込んでしまうと喉に詰まるおそれがあるほか、無理に噛もうとして歯や歯ぐきを傷めてしまう可能性もあります。
そのため、チーズを与える際はやわらかいものを選び、小さくちぎるなど、無理なく食べられる形で与えるようにしましょう。
持病がある老犬は獣医師に確認してから与える

チーズは栄養豊富な食べ物のため、病気の種類や状態によっては控えたほうがいい場合もあります。
特に栄養制限の指示を受けている場合は、必ず与える前に獣医師に確認しましょう。
ただし、心臓病だから食べられない、腎臓病だから食べられないというわけではありません。
病気のステージによって食べられる・食べられないが変わるため、獣医師に相談してから与えると安心です。
まとめ

チーズは、種類や量が適切であれば、老犬に与えても大丈夫な食べ物です。
たくさん食べられない老犬や、食欲が低下している老犬では、少量で栄養を補えるというメリットがあったり、投薬の補助に使えるのは助かりますよね。
正しい与え方を理解して、チーズを上手に活用しましょう。















この記事へのコメントはありません。