犬の管理栄養士解説|シニア犬用フードの選び方!健康寿命をサポートするポイントは?
愛犬がシニア期になると、「このまま今のドッグフードでいいのかな?」と悩むこともありますよね。
もっと合うものがあるのではと思っても、どんなフードを選べばいいか分からないママさん・パパさんは多いでしょう。
そこでこの記事では、犬の管理栄養士がシニア犬のためのドッグフードの選び方を紹介します。
シニア犬専用フードが成犬用とどう違うのかも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
シニア犬専用フードの特徴は?成犬用との大きな違いは栄養バランス

シニア犬専用のドッグフードは、成犬用よりも低脂肪・低カロリーにつくられている傾向があります。
これは、シニア犬になると筋肉量や活動量が低下していくことが理由です。
代謝が落ちて太りやすくなるため、肥満を防ぎやすいくお腹にやさしい栄養バランスになっています。
また、消化吸収能力が低下していったり足腰が弱っていったりと、体の様々な部分が徐々に衰えていくため、若々しさをサポートする栄養素が強化されているものも多いのが特徴です。
成犬用よりも、体に負担をかけずに健康を維持することを重視していると言えるでしょう。
シニア犬専用フードに切り替えるタイミング

加齢のスピードには個体差があるので、成犬用のフードで健康を維持できている犬もいます。また、今のフードが愛犬の体質に合っているのであれば無理にシニア犬用に変える必要はありません。
ですが、愛犬が一般的にシニア期と言われる年齢であり、
- 最近太りやすくなった
- 食べづらそうにしている
- 食べる量が変わった
- 以前よりも下痢や便秘になりやすい
- 愛犬の見た目や行動から歳を取ったと感じる
などがあれば、シニア犬に配慮されたフードへの変更も検討してみましょう。判断に迷ったときは、かかりつけの獣医師に相談しておくと安心です。
シニア犬にドッグフードを選ぶ時に気をつけたいポイント

シニア犬用のドッグフードといっても様々なものがあるので、愛犬に合うものを見つけるために絞り込む必要があります。
以下のポイントをチェックしていきましょう。
シニア犬のドッグフードを選ぶときのポイント
- 消化のしやすさを考えてフードの種類を選ぶ
- 良質な食材を使用しているかチェックする
- 低たんぱくすぎないかチェックする
- ミネラルが多すぎないかチェックする
- 香りが強く、粒の大きさや食感が愛犬に合うものを選ぶ
- シニア犬にうれしい成分が入っていると安心
- 無添加がおすすめだが、こだわりすぎなくてもOK
各ポイントがなぜシニア犬にとって大切なのか、それぞれ詳しくみていきましょう。
※獣医師から食事に関して指導を受けている犬は、必ずその指示に従いましょう。
①消化のしやすさを考えてフードの種類を選ぶ

シニア犬のごはん選びで特に大切なのが、消化に良いフードかどうかです。
シニア期の愛犬の体の中では、各器官の機能が徐々に低下しています。そのため、栄養満点の食事を与えても体内で使えるかたちにうまく分解できないことも珍しくありません。
できるだけ消化に良い加工が施されたフードを選び、食べたものの栄養を体に取り込めるようにしてあげましょう。
実は、ドッグフードの種類(製造方法)ごとに消化率は異なります。あくまで目安になりますが、以下を参考にしてください。
| 種類 | 消化率の目安 |
| フリーズドライフード | ◎ |
| フレッシュフード | ◎ |
| エアドライフード | ◎ |
| ウェットフード | ◯ |
| セミモイストフード | ◯ |
| ドライフード | △ |
フリーズドライフードは、熱を加えずに急速冷凍するため栄養素の変化が起きづらく、体内で分解されやすい状態に仕上がることが消化の良さと関係しています。
フッレシュフードやエアドライフードは加熱加工をしていますが、高温ではありません。栄養素にできるだけ変化がないように工夫されているうえに、食事自体にも水分を多く含んでいるので消化に良い状態です。
このように、加熱加工や水分量の違いなどで少しずつ消化率が変わってきます。そのため、シニア犬にドライフードを与えるときは、ふやかしてから与えるようにするのがおすすめですよ。
②良質な食材を使用しているかチェックする

良質な食材を使用しているドッグフードは、素材それぞれの栄養価が高く、消化にもいい傾向があります。
そのため、健康に特に気を使ってあげたいシニア犬には、品質が明らかな食材を使用したフードがおすすめです。
中でも、体をつくる肉や魚などのたんぱく質は良質である必要があります。また、脂質も同じです。
細胞やホルモンの材料でありエネルギー源でもある大切な栄養素なので、良質なものを使用しているフードが望ましいでしょう。
ドッグフードは品質も価格帯も様々なので、購入を急いでいないのであれば、良質な食材を使っているか公式サイトをチェックしてみてください。
③低たんぱくすぎないかチェックする

シニア犬のドッグフードはたんぱく質が抑えられているものも多いですが、健康維持のためにたんぱく質は欠かせません。
体質や持病の関係で獣医師からたんぱく質を控えるように言われているシニア犬以外は、しっかりたんぱく質が含まれているものを選びましょう。
成分表の粗たんぱく質の数値が、成犬時と同程度か少し高いくらいのものがおすすめです。
ただ、たんぱく質が多ければ多いほど言いという訳ではないので注意してください。愛犬がきちんと分解できるような量でなければ、体の負担となってしまいます。
④ミネラルが多すぎないかチェックする

シニア犬になると、心臓や腎臓の健康維持に注意が必要です。脳機能の低下などから飲水量も低下しがちになるので、ミネラルが多すぎないフードを選びましょう。
あくまで目安になりますが、一般的に成分表の粗灰分が10%を超えるようなフードはミネラルが多めであると言えます。
もちろん、ミネラルは健康維持に欠かせない栄養素なので抑えすぎてもよくありません。
ですが、加齢により体の色々な機能が低下しているシニア犬には、控えめであるほうが安心だろうという考え方です。
灰分が低いフードは薄味になってしまう傾向があるので、フードの食いつきが悪いと感じる場合には、次章で紹介するポイントも参考にしてください。
⑤香りが強く、粒の大きさや食感が愛犬に合うものを選ぶ

シニア犬になると、嗅覚や食べ物を噛む力、飲み込む力なども低下していきます。
香りが強いフードで食欲を刺激し、その食べたい気持ちを最後まで維持できるように、粒の大きさや食感にも気を配ってあげましょう。
フードの香りは開封してみないと分かりませんが、購入前にチェックできるポイントとして以下のようなものがあります。
香りが強いフードの傾向
- 動物性たんぱく質の配合割合が多い
- 鰹節や内臓類が多く配合されている(原材料表記の前半にある)
- フードの水分量が多い
食べやすい食感には個体差があるため一概には言えませんが、小粒タイプのほうが、飲み込みやすく喉に詰まらせる可能性が低いでしょう。また、硬すぎるフードよりは柔らかいもののほうが負担なく食べられるはずです。
ただ中には、やわらかくても粘度の高いモタっとした食感のフードもあります。そういったフードは、飲み込む力が低下しているシニア犬では食べづらいと感じることもあるで、注意して見ていてあげましょう。
愛犬の食事中の様子をよく確認して、どのようなものであれば食べやすいのかを考えてあげることが大切です。
⑥シニア犬にうれしい成分が入っているか

シニア犬になると、健康で若々しい体を維持するために補っておきたい栄養素があります。
特におすすめなのは、プロバイオティクスや抗酸化成分、関節サポート成分、抗炎症成分などが入ったフードです。
どれもシニア犬に起きやすいトラブルに寄り添える成分になっています。ドッグフードにはよく以下のような表記で配合されているので、チェックしてみましょう。
シニア犬のサポート向き原材料の例
- プロバイオティクス
乳酸菌、ラクトバチルス、エンテロコッカスなど - 抗酸化成分
ベリー類、緑黄色野菜、マリーゴールドなど - 関節サポート
グルコサミン、コンドロイチン、MSMなど - 抗炎症成分
魚油、亜麻仁、クリルオイルなど
上記のような成分は、継続して摂取することが大切になるので、毎日のごはんで補えるとうれしいですよね。
また、もっと栄養素を強化したいときには、サプリメントで別途プラスするのもおすすめです。
⑦無添加がおすすめだが、こだわりすぎなくてもOK

ドッグフードには、栄養バランスを整えたり、美味しく食べられる状態を維持するために添加物が配合される傾向があります。
基本的には、どれも健康に害がないと証明されている量のみの使用ですが、デリケートなシニア期にはできるだけ添加物を使わずに高い品質を維持しているフードがおすすめです。
なぜかと言うと、添加物と犬の健康の関係については、今現在も十分に研究されているとは言えないからです。それに、多量に摂取すると体に悪影響となる可能性は否定できません。
ただ残念ながら、シニア犬になると添加物などを気にしていられない状況になることもあります。
「何でもいいから食べてほしい」という時期も出てくるので、その場合は無添加にこだわりすぎず、愛犬が食べてくれそうなものを探してみましょう。
シニア犬のドッグフードの選び方まとめ

シニア犬になると、消化吸収能力や筋肉量の低下をはじめ、体のたくさんの機能が衰えていってしまいます。
そのため私たち飼い主は、そういった変化をできるだけサポートできるような食事を選んであげることが大切です。
良質な食材を使った消化性の高いフーを選び、たんぱく質やミネラルの量をチェックしましょう。また、愛犬が喜んで食べてくれるような香りや食感であることも大切です。
そして、愛犬に合わせてプロバイオティクスやグルコサミンなどが入ったフードを試してみるといいでしょう。
ただ、もし愛犬が食べられるものが少なくなってきたときには、少しでも栄養を摂れるように、枠にとらわれずに色々なフードを試してみてくださいね。
食事は健康を維持するために何よりも大切です。できるだけこだわって良質なものを選んであげることをおすすめします。

















この記事へのコメントはありません。