老犬のダイエットはどうする?安全な減量方法と注意点を専門家が解説
愛犬が老犬になり、「太ってきたかも?」と感じているママさんパパさんもいるのではないでしょうか。
また、太り気味だった愛犬のシニア期の健康を考え、体重を落としたいということもあるでしょう。
しかし、老犬ということもあり、「この年齢でダイエットして大丈夫?」と不安になりますよね。
実際、老犬のダイエットは若い犬と同じように進めるのは注意が必要で、やり方を間違えれば体調不良や筋肉量の低下につながることもあります。
そこでこの記事では、高齢の愛犬2匹のダイエットを成功させた経験と、動物介護士・犬の管理栄養士の視点から、老犬に負担をかけずに体重管理を行う方法や注意点を解説します。
そもそも老犬のダイエットはなぜ必要?体への負担が大きい

老犬のダイエットが必要なのは、見た目の問題ではなく、肥満によって体にさまざまな影響が出やすくなるからです。
ここでは、太っている老犬にダイエットが必要な理由を知っておきましょう。
足腰への負担が大きくなる

老犬が太ると、まず影響を受けやすいのが足腰です。
体重が増えるほど、立ち上がる・歩く・階段を上るといった動作で関節や筋肉にかかる負担も大きくなります。
とくに老犬は、加齢によって筋肉量が落ちたり、関節の動きが悪くなったりしていることも珍しくありません。
そこに肥満が重なることで、痛みや違和感が出やすくなり、散歩を嫌がる、立ち上がりに時間がかかる、段差を避けるといった変化につながることがあります。
心臓や呼吸への負担が増える

肥満は、足腰だけでなく心臓や呼吸にも負担をかけます。
体脂肪が増えると、体に酸素や血液を送るために心臓への負担が大きくなりやすくなります。
また、胸まわりやお腹まわりに脂肪がつくことで呼吸がしづらくなり、少し動いただけで息が上がったり、疲れやすくなったりすることも少なくありません。
特に心臓や呼吸器に持病がある老犬では、体重増加が症状の悪化につながることもあります。
単なる「太りすぎ」と軽く考えず、息づかいや疲れやすさに変化がある場合は、早めに動物病院で相談しましょう。
動かなくなりさらに太る悪循環

老犬の肥満で特に注意したいのが、太ることで活動量が減り、さらに太りやすくなる悪循環です。
体重が増えると足腰への負担が大きくなり、散歩や日常の動きがつらくなります。
動く時間が減ると、当然体が使うエネルギーも少なくなります。
そのため、食事量を変えていなくても、消費しきれなかった分が脂肪として蓄積されやすくなってしまうのです。
この状態が続くと、運動量の低下によって筋肉量も落ちやすくなり、さらに動きづらくなるという悪循環に入ることも少なくありません。
肥満で治療ができない場合もある

老犬の肥満は日常生活だけでなく、治療にも影響することがあるため注意が必要です。
実際に私の愛犬も太りすぎていたことで、麻酔のリスクが高いと判断され、痩せるまで手術を受けられなかったことがありました。
体重が重いと、麻酔時の呼吸や心臓への負担が大きくなり、合併症のリスクが高まります。
命を落とすこともあるため、必要な治療であってもすぐに対応できないケースもあるのです。
老犬は病気にかかりやすい時期でもあるため、いざというときに適切な治療を受けられるように、日頃から体重管理を心がけておくことが大切です。
愛犬はダイエットが必要かまずはBCSをチェック!

愛犬にダイエットが必要かどうかは、体重の数字や見た目の印象だけで判断しないことが大切です。
特に毛量が多い犬では、実際には標準体型や痩せ気味なのに「太っている」と感じてしまうことも珍しくありません。
ダイエットが必要ない老犬の食事量を減らしてしまうと、栄養不足や筋肉量の低下につながるため、BCS(ボディコンディションスコア)で愛犬の体型を確認しましょう。

BCSでは、主に以下のポイントを見ます。
- 肋骨に軽く触れられるか
- 上から見たときに腰のくびれがあるか
- 横から見たときにお腹が軽く引き上がっているか
- 背中や腰まわりに脂肪がつきすぎていないか
理想は、肋骨がうっすら触れ、上から見たときにくびれがわかる「BCS3」の状態です。BCS3以外の場合は体重の管理を行いましょう。
慣れていないと判断しづらいこともあるため、最初は動物病院でBCSや筋肉量を見てもらうことをおすすめします。
なお、BCS5やBCS1は、獣医師の指導のもと食事管理が必要な状態なので、早めに動物病院を受診してください。
老犬のダイエットは食事管理が基本!注意したいポイント4つ

老犬のダイエットでは、まず毎日の食事を見直すことが大切です。
老犬は、代謝が落ちていて運動量も少なくなるため、若い頃と同じように食べていても体重が増えやすくなります。
かといって、食事を減らしすぎると必要な栄養まで不足してしまうため注意が必要です。
①フードは必ず計量する(目分量NG)

老犬のダイエットでは、フードの量が重要です。
目分量で与えていると、カロリーオーバーになっていることも少なくありません。
まずは以下の自動計算機で愛犬に必要なカロリー量を把握し、適切なフード量を確認してみましょう。
※計算結果は目安です。体型・活動量・持病の有無に合わせて調整してください。
1日あたりのドッグフードの必要量
— g
2回に分けた場合:— g/回
3回に分けた場合:— g/回
4回に分けた場合:— g/回
1日あたりに必要なカロリー
— kcal
フードの量は少しの違いでも、毎日の積み重ねで体重に影響します。
上記で出た食事量を基準に1週間に1回は体重を測り、変わっていなかったり増えていた場合は2〜5%程度ずつ減らしていきましょう。
カロリー計算の方法については、以下の記事をチェックしてみてくださいね。
②食事量を大幅に減らさない

老犬のダイエットでは、食事量を大幅に減らさないことが大切です。
急に摂取カロリーを大幅に減らすと、体が大きな変化についていけず、体調を崩す原因になることも珍しくありません。
また、必要な栄養まで不足すると、脂肪だけでなく筋肉も落ちやすくなり、足腰の衰えを進めてしまうことにもつながります。
老犬のダイエットでは、1週間で今の体重の1%程度の減量を目安にしましょう。
実際、私の愛犬たちは、標準体型に戻るまでに2~3年かかりましたよ。
老犬のダイエットは時間がかかるため、焦らずじっくり取り組むことが大切です。
③おやつ・トッピング込みでカロリー管理する

老犬のダイエットでは、フードの量だけでなく、おやつやトッピングも含めて1日の摂取カロリーを考えることが大切です。
「フードは減らしているのに痩せない」という場合、原因がおやつやトッピングにあることは少なくありません。
おやつやトッピングを与える場合は1日の摂取カロリーの10%程度にとどめ、そのカロリー分のフード量を減らすことも忘れないようにしましょう。
私自身がやっていたのは、フードだけでなくおやつも1gあたり何kcalあるのか確認し、その日の体重に合わせて摂取カロリーの内訳を毎朝メモに書き出してその通りに与える方法です。
ここまで細かく行う必要はありませんが、「何をどれくらい与えているか」を見える化すると、カロリーの調整がしやすくなりますよ。
④良質なタンパク質をしっかり確保する

老犬のダイエットでは、カロリーを抑えるだけでなく、良質なタンパク質(肉・魚・卵)をしっかり確保することが重要です。
加齢とともに筋肉は落ちやすくなり、食事量を減らすことでタンパク質まで不足すると、脂肪だけでなく筋肉も減りやすくなります。
筋肉が減ると基礎代謝が下がり、エネルギーを消費しにくい体になるため、かえって痩せにくくなることも珍しくありません。
もともと老犬は成犬の時よりも多くのタンパク質を必要とするため、ダイエット中でも単に量を減らすのではなく、必要なタンパク質はしっかり確保できる食事を意識しましょう。
老犬のダイエットには無理なくできる運動も必要

老犬のダイエットでは、体を動かすことも大切です。
とはいえ、老犬は関節や筋肉に負担がかかりやすく、急に運動量を増やすとかえって体調を崩す原因になることもあります。
そのため、老犬に負担がかからない範囲での運動を取り入れましょう。
短時間の散歩を複数回に分ける

長時間の散歩を1回行うよりも、短時間の散歩を複数回に分けるほうが、体への負担を抑えながら活動量を確保できます。
その日の体調に合わせて距離や時間を調整し、老犬に無理のない範囲で続けることが大切です。
歩き方が遅くなった、途中で止まることが増えた、帰宅後にぐったりするなどの様子がある場合は、散歩の量を見直しましょう。
室内でも軽く動く時間を作る

天候や体調によって散歩が難しい日もあるため、室内でも体を動かす機会を作りましょう。
部屋の中をゆっくり歩かせる、おもちゃを使って軽く遊ぶなど、日常の中で自然に体を動かすことがポイントです。
乱雑に重ねた毛布やバスタオルの上を歩いてもらったり、適度に弾力のあるクッションの上を歩いてもらうと足をしっかり使う動きにつながり、筋肉の維持にも役立ちます。
ただし、滑りやすい場所や不安定すぎるものは転倒の原因になるため、必ず見守りながら行いましょう。
まとめ

つい早く痩せさせようと焦ってしまいますが、老犬のダイエットは、短期間で結果を出すものではありません。
体調や生活に合わせながら、無理のないペースで続けていくことが大切です。
体重の変化だけでなく、元気や食欲、歩き方などもあわせて確認しながら、愛犬にとって負担の少ない方法を選びましょう。

















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