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老犬が凶暴化する理由とは?原因から対処法・病気の見分け方まで解説

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「あんなに穏やかだった愛犬が、急に唸るようになった」
「触ろうとしたら本気で噛み付かれてしまった」

長年連れ添った愛犬の突然の豹変に、ショックを受けて悩んでいるママさんパパさんもいるのではないでしょうか。

実は、老犬の攻撃的な行動は「性格が悪くなった」わけでも「ママさんパパさんを嫌いになった」わけでもありません。

その多くは、病気や身体の痛み、あるいは脳の老化による可能性が高いのです。

この記事では、元訓練士の私が愛犬の凶暴化の原因と自宅でできるチェックポイント、そしてお互いが安全に過ごすための対処法を解説します。

なぜ老犬は凶暴化するのか?考えられる4つの原因

老犬の攻撃的な行動は、病気や老化に伴う「痛み・不安・認知機能の低下」が背景にあることが多いとされています。

ここからは、愛犬が攻撃的になる主な原因を4つ解説します。

愛犬の最近の様子と照らし合わせながら、原因を探っていきましょう。

原因①身体的な痛みや不快感

老犬が突然怒り出す原因として多いのが、体のどこかに慢性的な痛みを抱えているケースです。

触られたり抱き上げられたりしたときに、防衛本能から反射的に噛みついてしまいます。

特に関節炎や歯周病など外見からはわかりにくい病気は、ママさんパパさんが気づかないうちに進行している場合がよくあります。

老犬に多い痛みの原因とサインは、以下のとおりです。

痛みの原因 具体的な病気・症状 よく見られるサイン
関節・骨の痛み 変形性関節症、椎間板ヘルニア ・抱っこや段差を嫌がる
・足や腰を触ると唸る
・散歩に行きたがらない
口内の痛み 重度の歯周病、口内炎、歯の動揺 ・口周りを触らせない
・食事中に奇声を上げる
・食べこぼしが増える
内臓の痛み 膵炎、腫瘍、腹痛など ・お腹を触ると怒る
・背中を丸めて震えている
・特定の姿勢でじっとしている

今まで平気だった場所を触って怒る場合は、その部位に痛みがある可能性が高いといえます。

原因②視力・聴力の衰えによる恐怖や不安

視覚や聴覚が衰えると、愛犬は周囲の状況を正確に把握できなくなり、不安による防衛本能から攻撃的になる可能性があります

例えば、耳が聞こえにくい犬はママさんパパさんの足音や呼びかけに気づきません。

その状態で突然背後から触られると、驚いて反射的に噛みついてしまう場合が多くあります。

また、視力低下がしている愛犬の場合、目の前で急に手を動かしたり、影がよぎったりすると過剰に反応して噛もうとするケースも少なくありません。

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原因③認知機能の低下による混乱

犬も人と同じように高齢になると認知症を発症する可能性があります。

認知症は、記憶や学習能力が低下し、性格が変わったように攻撃的な一面を引き出す原因となります。

認知症による凶暴化の主な原因は以下のとおりです。

  • 認識障害
    …ママさんパパさんがわからなくなる
  • 場所の失当
    …自分の寝床やテリトリーがわからなくなり、近づくものに攻撃する
  • 自制心の低下
    …今までは我慢できていた嫌なことに対して、衝動的に激しく怒る

夜泣きや徘徊といった他の認知症の症状を併発している場合は、認知機能の低下が攻撃性の原因である可能性が高いでしょう。

原因④脳の病気やホルモンバランスの乱れ

痛みや認知症以外に、脳やホルモンの病気が直接的に性格を変えてしまうケースもあります

病気による凶暴化は、しつけや環境の工夫だけでは対処が難しく、獣医師による協力が不可欠です。

性格を変える可能性のある病気は、以下のとおりです。

    • 脳腫瘍(のうしゅよう)
    • 甲状腺機能低下症
    • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

これらの病気は血液検査やMRI検査などで発見できる場合があるため、ただの老化ではないと感じたらすぐに動物病院を受診することが大切です。

凶暴化の原因を見極める3つのチェックポイント

愛犬が急に攻撃的になったとき、それが「ただの老化(頑固になっただけ)」なのか、それとも「治療が必要な病気」によるものなのかを見分けるのは簡単ではありません。

しかし、攻撃的な行動の前後や普段の生活の様子をよく観察すると、ある程度の原因を絞り込むことは可能です。

ここでは、ママさんパパさんが自宅で確認できる3つのチェックポイントを解説します。

痛みによる攻撃の場合:特定の部位を触ると怒る・噛む

「普段は大人しいのに、抱っこしようとすると噛む」「ブラッシングで背中を触ると唸る」といった場合、性格の変化ではなくその部位に痛みがある可能性が高いでしょう。

犬は痛みを隠す動物ですが、限界を超えた痛みや、触られた瞬間の激痛には反応してしまいます。

特定の場所だけ触らせなかったり、触ろうとすると逃げたりといった反応が見られたら、無理に触らず、獣医師に診断してもらいましょう

認知症の場合:昼夜逆転・徘徊などの行動をする

吠える老犬

凶暴化しただけでなく、生活リズムや行動パターンにも異常が見られる場合は、認知症が疑われます。

認知症の犬は自分が置かれている状況が理解できず、常に不安を抱えています。

そのため、見慣れたはずのママさんパパさんを不審者だと思って噛み付いたり、何もない空間に向かって吠え続けたりするケースがあります。

以下は、凶暴化以外の認知症によくある症状です。

  • 昼夜逆転
  • 徘徊(はいかい)
  • トイレの失敗
  • 呼びかけへの無反応

これらの症状とセットで攻撃性が出ている場合は、認知症を疑い、不安を取り除くための治療を行いましょう。

脳やホルモンの病気の場合:食欲の変化・発作がある

フードを食べる老犬

痛みや認知症の症状がないのに突然凶暴化した場合、脳腫瘍やホルモン異常などの内科的・神経的な病気が隠れている可能性があります。

脳やホルモンの病気が原因の場合、攻撃性以外にもさまざまな身体的な変化が現れます。

とくにわかりやすい症状は、以下のとおりです。

  • 異常な食欲と食に対する執着
  • てんかん発作
  • 性格の変化

脳やホルモンの病気が疑われる場合、自然治癒することはないため、早めに動物病院の受診が不可欠です。

凶暴化した老犬への対処法

これまで解説してきたように、老犬の凶暴化はしつけで直せるものではなく、病気やケガ、認知機能の低下が原因であることがほとんどです。

そのため、直さなければと無理をする必要はありません。

ここでは、愛犬とママさんパパさん双方が安全に、少しでも穏やかに過ごすための6つの対処法を解説します。

①ママさんパパさん自身の安全確保を優先する

「愛犬だから大丈夫」という過信は危険です。

認知症やパニック状態にある犬は、相手が誰であるかを判別できずに本気で噛み付いてくる場合があり、大怪我につながる危険性があります。

まずはママさんパパさんが怪我をしないために以下のような対策を試してみてください。

場面 対策
日常のケア 口輪やエリザベスカラーを装着する
移動させるとき 直接抱き上げずに、キャリーケースに誘導するか、厚手の革手袋やバスタオルを使って体を保護する
愛犬が興奮しているとき 絶対に手を出さず、ゲート越しに見守るか、別の部屋に避難して落ち着くのを待つ

②叱ったり大きな音で驚かせたりしない

老犬の攻撃行動に対して「ダメ!」と大声で叱ったり、叩いたりする行為は、余計に愛犬を興奮させる可能性があります。

痛みや認知症で混乱している犬にとって、ママさんパパさんが怒った声は恐怖の対象でしかありません

防衛本能が働き、余計に興奮して攻撃性が増す危険性があります。

もし、愛犬に噛まれそうになった場合、何も言わずに静かにその場を離れましょう。

また、愛犬が興奮状態の場合は、興奮がおさまるまで視線を合わせずに距離を取ることが大切です。

③老犬を落ち着かせる環境を作る

視力や聴力が衰えた老犬は、急な接触や気配に過敏に反応します。

そのため、愛犬が安全と感じられる場所を用意すると、パニックになる頻度を減らせるでしょう。

具体的な部屋作りのポイントは、以下のとおりです。

  • 寝床に目隠しをする
  • 人の出入りが少なく、落ち着いて過ごせる場所に寝床を準備する
  • 空調で室温を一定に保つ

室内の環境を見直して、愛犬が落ち着ける空間を作りましょう。

④安心できる生活リズム整える

認知症による攻撃性の場合、体内時計を整えると、症状が緩和される可能性があります。

昼夜逆転生活は、犬にとってもストレスになります

生活リズムを整える方法は、以下のとおりです。

  • 朝起きたらカーテンを開けて日光浴をさせる
  • 日中に散歩に行ったり庭で遊んだりと刺激を増やす
  • 毎日決まった時間にご飯を与える

生活リズムが整い睡眠の質が上がると脳の疲労が軽減され、攻撃性が和らぐケースもあります。

⑤動物病院で「痛み」や「病気」の有無を特定する

獣医師に抱かれる犬

動物病院での凶暴化の原因の特定は、大切な対処法の1つです。

「歳だから仕方ない」と諦めず、必ず動物病院を受診してください

もし攻撃の原因が痛みであれば、鎮痛剤を使うだけで穏やかになる可能性があります。

また、認知症やてんかんが原因の場合、脳の興奮を抑える薬や不安を取り除くサプリメントなどで症状をコントロールできます。

獣医師に相談する際は、以下の情報をメモや動画で持参すると診断がスムーズです。

  • どんな時に怒るか(触った時、食事中、夜間など)
  • 攻撃の様子(唸るだけ、本気で噛む、虚空を見つめるなど)
  • その他の変化(食欲、排泄、歩き方)

医学的な介入によって愛犬のつらい状態を取り除くと、結果として凶暴化を止めることにつながります。

⑥自分だけで抱え込まない

凶暴化した老犬の介護は、きれいごとでは済まないほど過酷です。

「噛まれるかもしれない恐怖」と24時間隣り合わせの生活は、心を疲弊させます。

しかし、ママさんパパさんが辛い表情をしていると愛犬もその気持ちに気付き、ネガティブになるケースも少なくありません。

辛い時は、以下のような専門家やサービスを頼るのも検討してみてください。

  • かかりつけの獣医師
    …鎮静剤の使用や入院管理について相談する
  • 老犬ホーム
    …一時預かり(ショートステイ)を利用して、休息を取る
  • ドッグトレーナー
    …老犬介護に詳しい専門家に、噛まれない介助方法を教わる

ママさんパパさんが笑顔を取り戻すことは、愛犬にとってもプラスになります

一人で抱え込まず、限界を迎える前に周りに助けを求めましょう。

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老犬の凶暴化は「死期が近い」サインなの?

老犬

愛犬が急に変わってしまった姿を見て、「もしかしてお迎えが近い前兆なのだろうか」と不安に思うママさんパパさんも少なくありません。

しかし、凶暴化が必ずしも「死期が近い(余命わずかである)」直接的なサインとは限りません

多くの場合、老犬の凶暴化は「認知症」や「慢性的な痛み」によるものです。

適切なケアや治療を行えば、そこから数ヶ月、あるいは数年単位で寿命を全うできる場合が多いのです。

「凶暴化=もう終わり」と諦めて放置してしまうと、愛犬は痛みや苦しみの中で過ごすことになってしまいます。

痛みを取り除く緩和ケアや、精神を安定させる治療を行い、愛犬が穏やかに過ごせるようにしましょう。

まとめ|凶暴化した老犬には安心できる環境を用意しよう

笑顔の老犬と飼い主

愛犬が凶暴化すると、ママさんパパさんは「愛犬が変わってしまった」という精神的な喪失感に襲われます。

しかし、その攻撃的な行動は、愛犬自身でもコントロールできない「痛み」や「不安」が原因の可能性もあります。

まずは、攻撃的になっている理由を突き止めることから始めましょう

動物病院で適切な治療やケアを受け、痛みが和らいだり、睡眠リズムが整ったりすれば、穏やかな表情を取り戻せます。

愛犬の変化を「病気のサイン」として認識し、専門家の力も借りながら、心穏やかに過ごせる環境づくりをしていきましょう。

【老犬がずっと吠える】原因は認知症かも?夜泣き対策とやめさせる方法

さかもとはるか

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元犬の訓練士・ペットライター 犬のしつけ・ケア・グッズ紹介などを中心に、現場経験を活かした記事制作が得意。 愛犬・愛猫・デグーたちと暮らし、ペットとの暮らし...

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