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老犬の抜け毛が増える原因と対策|病気との見分け方とケア方法を解説

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愛犬がシニア期に入り、「床に落ちる毛が増えた」「ブラッシングしても抜け毛が減らない」「毛が薄くなってきた気がする」と心配になっていませんか?

老犬の抜け毛は、「もう歳だから仕方ない」と見過ごされがちです。

しかし、抜け毛が多くなるときは加齢による生理的な変化だけでなく、皮膚のトラブルや内臓疾患といった病気が隠れている可能性も少なくありません。

この記事では、トリマーの資格を持つ私が老犬の抜け毛が増える主な原因を解説します。

その上で、危険な脱毛のサインから自宅でできる具体的なケア方法まで紹介します。

老犬の抜け毛が増えるのはなぜ?主な原因を解説

老犬の抜け毛が増えてきた場合、その背景にはシニア犬特有の体質の変化があります。

若い頃と同じように見えても、体内では皮膚や毛の健康を維持するメカニズムが徐々に変化しているのです。

まずは、老犬の抜け毛を引き起こす4つの主な原因を見ていきましょう。

原因①毛周期(ヘアサイクル)の乱れと毛質の変化

犬の毛は「成長期」「退行期」「休止期」という毛周期を繰り返して生え変わっています。

老犬になると新陳代謝の機能が低下し、この毛周期が乱れるケースが珍しくありません。

具体的には、新しい毛が生える成長期が短くなったり、毛が抜けるのを待つ休止期が長くなったりします

その結果、毛が十分に成長する前に抜けてしまったり、一度抜けた毛穴から次の毛がなかなか生えてこなかったりするため、全体的に毛が薄くなったように感じられるのです。

原因②栄養不足・血行不良

健康な被毛は、十分な栄養素とそれを運ぶ血液によって作られます。

しかし、シニア犬は加齢に伴い、栄養不足や血行不良になりがちです。

若い頃と同じフードを食べていても、消化吸収率が低下したシニア犬は、皮膚に必要な栄養素を効率よく吸収できなくなる場合があります。

栄養が不足すると毛がもろくなり、抜け毛が多くなる原因となります。

また、心機能の低下や運動量の減少による全身の血行不良も抜け毛が増加する原因の1つです。

原因③皮膚の乾燥とバリア機能の低下

ぐったりしている老犬

シニア犬になると、皮脂の分泌量が減少し、皮膚の水分を保持するセラミドなどの細胞間脂質が作られにくくなります

その結果、皮膚は乾燥しやすくなり、アレルゲンや細菌などの刺激から身を守るバリア機能が低下します。

乾燥してバリア機能が弱まった皮膚は、フケやかゆみを引き起こしやすくなるだけでなく、毛をしっかりと支えられず、抜けやすい不安定な状態になるのです。

原因④ホルモンバランスの変化

老犬はホルモンバランスを崩しやすくなります。

ホルモンバランスが乱れると、症状として抜け毛や脱毛が見られる場合があります

代表的な病気は「甲状腺機能低下症」です。

これは甲状腺ホルモンの分泌が減る病気で、新陳代謝が極端に低下するため、元気消失や体重増加、そして脱毛を引き起こします。

また、「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」も抜け毛が増える原因となります。

「換毛期」と危険な「脱毛」の見分け方

老犬の抜け毛には毛周期の乱れや栄養不足、内臓の病気など、さまざまな原因が潜んでいます。

一方で、犬の抜け毛には「換毛期」という生理的な生え変わりもあります。

問題なのは、シニア犬になると代謝の変化で換毛期が不規則になりがちで、「心配な脱毛」なのか「正常な換毛期」なのか、見分けがつきにくくなる点です。

ここでは、愛犬の抜け毛が様子を見て良いものか、病院へ行くべきものかの判断に役立つ見分け方のポイントを紹介します。

シニア犬の「換毛期」による抜け毛

ダブルコートの犬には、春と秋の年2回、被毛が生え変わる「換毛期」があります

これは、気温の変化に対応するためにアンダーコートの量を調節する生理現象です。

しかし、老犬になると新陳代謝やホルモンバランスが変化するため、換毛期が乱れがちになります。

若い頃のように短期間でごっそり抜けるのではなく、一年を通してダラダラと抜け毛が続いたり、換毛期の時期がずれたりすることも珍しくありません。

ただし、換毛期による抜け毛はあくまで「生え変わり」です。

かゆみや赤みを伴わず、毛をかき分けても健康的な色の地肌が見えているのが一般的です。

全体的に毛量は減っても特定の場所だけハゲることがない場合は、生理的な抜け毛の範囲内と考えてよいでしょう。

危険な抜け毛の目安

シニア犬のイボ

換毛期による抜け毛とは異なり、病的な脱毛には特徴的なサインが現れます

老犬の抜け毛が以下のような状態に当てはまる場合は、何らかの病気が隠れているかもしれません。

  • 特定の場所だけ毛が抜ける(背中、腰、尻尾、耳、お腹など)
  • 左右対称に毛が抜ける
  • 皮膚に異常がある(赤みや発疹、フケ、ベタつきなど)
  • 毛質が変化した
  • 毛を軽く引っ張るだけで抜ける

これらの症状は、病気が原因で毛周期がおかしくなり、毛が抜けている可能性があります

脱毛がひどくなる前に、動物病院を受診しましょう。

老犬の抜け毛が止まらないときに考えられる病気やトラブル

愛犬の抜け毛が止まらないときには、何らかの病気やトラブルが隠れている可能性があります。

ここでは、老犬の抜け毛が止まらないときに考えられる主な病気やトラブルについて見ていきましょう。

皮膚疾患(アレルギー・感染症・脂漏症)

前足を舐める老犬

抜け毛と同時に強いかゆみや赤み、フケなど、皮膚そのものに異常が見られる場合、皮膚疾患が疑われます

老犬に多い皮膚疾患の一例は、以下のとおりです。

  • アレルギー性皮膚炎
  • 細菌や真菌、寄生虫による感染症
  • 脂漏症(しろうしょう)

自宅でのケアだけでは完治が難しい疾患のため、抜け毛と同時に皮膚にも異常が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

内分泌系の病気(甲状腺機能低下症・クッシング症候群)

皮膚はきれいなのに体の左右対称に毛が抜けていく場合は、内分泌系(ホルモン)の病気が疑われます

甲状腺機能低下症は、新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが不足する病気です。

「元気がない」「寒がる」「太りやすくなる」といった症状と共に、背中や尻尾から毛が薄くなる症状が見られる場合があります。

また、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)も抜け毛を引き起こす病気の1つです。

副腎皮質ホルモンが過剰になり、多飲多尿やお腹が張るといった症状と共に、胴体に左右対称の脱毛が現れます。

どちらの病気も獣医師による診断と治療が必要です。

ストレスや不安による抜け毛

イボを舐める老犬

犬も高齢になると、環境の変化に適応しにくくなったり、不安を感じやすくなったりします。

引っ越しや家族構成の変化、長時間の留守番などが、犬にとって大きなストレスとなる場合があります。

ストレスを感じた犬は、不安を紛らわすために前足や脇腹などの舐めやすい場所を舐め続けて、脱毛を起こすケースが少なくありません

また、強いストレスは自律神経のバランスを崩し、皮膚の血行不良を引き起こすため、毛根に栄養が届かず毛が抜けやすくなる間接的な原因にもなります。

「老犬の抜け毛=死期が近い」は本当?

「老犬の抜け毛がひどくなると、死期が近いのでは」と心配されるママさんパパさんもいますが、抜け毛がひどいことが直接死期が近いと結びつくわけではありません

確かに、末期がんや重度の腎不全などにより体が衰弱して全身の栄養状態が悪化すると、毛がパサパサになって抜け落ちてしまうことはあります。

しかし、それはあくまで抜け毛だけで判断できるものではありません。

シニア犬の体が衰弱している場合、必ず「ぐったりして動けない」「食欲が全くない」「急激に痩せた」など、命に関わる他の症状が伴います。

抜け毛だけで死期を心配する必要はありませんが、全身状態の悪化を伴う場合は、すぐに動物病院に相談してください

老犬の抜け毛のために自宅でできるケア方法

老犬の抜け毛の原因が加齢に伴う代謝の低下や皮膚の乾燥、栄養不足などである場合、日々のホームケアを見直すと抜け毛を軽減できる可能性があります。

シニア犬のデリケートな皮膚は、若い頃と同じケアでは負担が大きすぎるケースも少なくありません。

大切なのは、皮膚のバリア機能を守り、新陳代謝を優しくサポートすることです。

ここでは、老犬の抜け毛対策としてご自宅でできる5つの基本的なケアについて解説します。

①ブラッシングで皮膚の清潔を保つ

抜け毛の管理と皮膚の健康維持に欠かせないのは、毎日のブラッシングです。

ブラッシングは皮膚に適度な刺激を与えて血行を促進し、新陳代謝をサポートする効果があります

また、古い角質や汚れを除去し、皮膚を清潔に保つと皮膚炎の予防にもつながります。

ただし、シニア犬の皮膚は薄く傷つきやすいため、スリッカーブラシのような硬いブラシで強くこするのは避けてください。

ラバーブラシや獣毛ブラシなどの柔らかい素材を使用し、毛並みに沿って優しくマッサージするようにブラッシングを行いましょう。

②低刺激シャンプーで優しく洗う

皮膚の汚れや余分な皮脂、フケが抜け毛の原因となっている場合、定期的なシャンプーがおすすめです。

洗いすぎは必要な皮脂まで取り除き、乾燥を悪化させてしまうため、月に1回程度を目安に行いましょう。

使用するシャンプーは、洗浄力がマイルドかつ保湿成分が配合された犬用シャンプーが適しています。

お湯はぬるま湯にし、泡で優しく洗ってすすぎ残しがないように洗い流すことが大切です。

シニア犬(老犬)のシャンプーはどうする?頻度ややり方、注意点を解説

③保湿ケアで乾燥を防ぎ、皮膚のバリアを守る

老犬は加齢により皮脂の分泌が減り、水分を保持する力が弱まっているため、皮膚は乾燥しやすい状態になっています。

特にシャンプー後は汚れと共に皮脂膜も洗い流されるため、水分が蒸発しやすいといえます。

タオルドライの後は、犬用の保湿ローションやスプレー、オイルなどを使って皮膚バリア機能を補いましょう。

犬用の保湿剤は、被毛をかき分けて地肌に直接塗布します。

シャンプー時以外でも、日常的に背中や脇腹など乾燥が気になる部分に塗布すると、乾燥によるフケや抜け毛の予防に役立ちます

④食事内容を見直す

シニア犬は消化吸収能力が低下しているため、良質な栄養素を効率よく摂取できるように日々の食事内容を見直すことが大切です。

健康な皮膚を維持するために必要なタンパク質や必須脂肪酸、ビタミン・ミネラル類がバランス良く含まれているか、現在のフードを確認しましょう

シニア犬の皮膚・被毛の健康維持に配慮したドッグフードも多く市販されています。

食事内容の変更や、皮膚の健康をサポートするサプリメントの追加については、かかりつけの獣医師と相談しながら進めることをおすすめします。

⑤静かで安心できる環境を整える

シニア犬は体力の低下だけでなく、視力や聴力の衰えから不安を感じやすくなり、ストレスを抱えがちです。

ストレスがたまると、体を舐め続けて脱毛を引き起こすだけでなく、血行不良を招いて皮膚に悪影響を与えます

愛犬のストレスを少しでも軽減するために、安心してくつろげる空間を作りましょう。

たとえば、寝床を静かで温度変化の少ない場所に設置すると、愛犬がリラックスして休みやすくなります。

また、足腰が弱っている場合は、滑りにくい床材(マットやカーペット)を敷き、移動時の不安を取り除いてあげることも大切です。

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まとめ|老犬の抜け毛は早めのケアと観察が大切

老犬の抜け毛は単なる老化現象ではなく、毛周期の乱れや栄養不足、ホルモンバランスの変化など、さまざまな要因が関係しています。

大切なのは、抜け毛が「生理的な換毛期」なのか、あるいは「病気のサインである脱毛」なのかを見極めることです。

皮膚の赤みやかゆみ、左右対称の脱毛といった症状が見られる場合は早めに動物病院を受診しましょう。

日々のケアを続けながら、愛犬の毛並みや皮膚の状態、体調の変化をよく観察すると、愛犬の健康寿命を伸ばすことにつながります。

さかもとはるか

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元犬の訓練士・ペットライター 犬のしつけ・ケア・グッズ紹介などを中心に、現場経験を活かした記事制作が得意。 愛犬・愛猫・デグーたちと暮らし、ペットとの暮らし...

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