老犬にさつまいもを与えても大丈夫!与えるメリットや量、注意点を解説

COLUMN

老犬になると、「最近あまりごはんを食べなくなった」「おやつも選り好みするようになった」と感じることもあるのではないでしょうか。

そんなとき、甘くてやわらかいさつまいもを見て、「これなら食べてくれるかも」「体に悪くないかな?」と考えてしまいますよね。

結論から言うと、さつまいもは犬が食べても問題のない食材で、上手に活用すれば老犬の心強い味方になります。

しかし、与え方を間違えると、消化不良や体調不良につながることもあり、正しい与え方を知っておくことが大切です。

そこでこの記事では、動物介護士や犬の管理栄養士の私が、老犬にさつまいもを与えるメリットや注意点について解説します。

老犬に1日に食べさせていい量についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

老犬がさつまいもを食べる3つのメリット

さつまいもは、老犬にとって「おいしいだけのおやつ」ではありません。正しく取り入れることで、体のサポートにもつながります。

ここでは、老犬がさつまいもを食べる3つのメリットを見ていきましょう。

①エネルギー源になる

さつまいもは、効率の良いエネルギー源です。

さつまいもには炭水化物が豊富に含まれており、体の中でブドウ糖に分解され、筋肉や内臓を動かすためのエネルギーとして使われます。

老犬は筋肉量が減り、体力も低下しやすくなりますが、エネルギー不足になると、自分の筋肉を分解して補おうとします。

筋肉が分解されるとどんどん痩せてさらに体力が低下し、回復力の低下や免疫力の低下、歩けなくなるリスクが高まるなどのことが起こるのです。

さつまいもの消化しやすい炭水化物を適量取り入れることで、体に必要なエネルギーを確保しやすくなり、こうしたリスクを防ぎやすくなります。

②お腹の健康をサポートできる

さつまいもは 老犬のお腹の健康をサポートしてくれる食材です。

さつまいもには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれています。

水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内細菌のバランスを健康に保つ働きが期待できるのです。

また、不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸を刺激してくれるため、スムーズな排便をサポートする働きもあります。

老犬は加齢とともに腸内環境が乱れがちになったり腸の働きが弱くなりやすいため、適量のさつまいもを取り入れることでお腹の調子の安定に役立ちます。

※参考:Transition of the intestinal microbiota of dogs with age

③食欲アップにつながる

さつまいもは、老犬の食欲を刺激しやすい食材です。

さつまいもは加熱することで自然な甘みが増し、香りも立ちやすくなるため、嗅覚や味覚が衰えやすい老犬でも「おいしそう」と感じやすくなります。

また、やわらかく調理することができるので、歯やあごの力が弱くなった老犬でも無理なく食べやすい点もメリットでしょう。

そのため、おやつとしてだけでなく、食欲が落ちてきた老犬のご飯のトッピングとして活用することで、食事への意欲を高めることが期待できます。

老犬が1日に食べていいさつまいもの量

老犬が1日に食べていいさつまいもの量は、その犬が1日に必要なエネルギー量の10%程度です。

主食の栄養バランスを崩さないためにも、多くても20%以内にとどめましょう。

老犬が食べていいさつまいもの量は、体重や避妊・去勢の有無にもよって異なるため、目安を体重別にまとめてみました。

体重 避妊・去勢なし 避妊・去勢済み
2kg 13g 11g
3kg 17g 15g
4kg 22g 18g
5kg 25g 22g
6kg 29g 25g
7kg 33g 28g
8kg 36g 31g
9kg 40g 34g
10kg 43g 37g
15kg 58g 50g
20kg 72g 62g
25kg 85g 73g
30kg 97g 84g

※さつまいも(蒸し)100gあたり129kcal(参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

上記はあくまでも目安です。愛犬の便の状態や体調を見ながら、調整してください。

より愛犬に合った量を知りたい場合は、以下の記事をチェックしてみてくださいね。

シニア犬の1日のカロリーは?老犬の年齢・体重別の目安と活動係数を解説

老犬におすすめのさつまいもの調理方法【蒸す・焼く・茹でる】

老犬にさつまいもを与える場合は、調理方法によって栄養価や水分量に違いがあります。

  • 蒸しさつまいも
    …水分や栄養が残りやすい。
  • 茹でさつまいも
    …栄養がやや茹で汁に流れやすい。
  • 焼きいも
    …栄養は残るが水分が少ない。蒸しや茹でよりも甘みが強くなる

基本的にどの与え方でも問題ありませんが、加熱が不十分だと硬く消化に負担がかかるため、しっかり柔らかくなるまで加熱しましょう。

老犬にさつまいもを与えるときの注意点

さつまいもが好きな老犬は多く、メリットもありますが、与えるときには注意してあげなければいけないこともあります。

ここでは、老犬にさつまいもを与えるときの注意点を見ておきましょう。

①必ず加熱する

さつまいもを与えるときは、必ず加熱しましょう。

生のままだととても消化が悪く、下痢や嘔吐の原因になります。

特に老犬は消化機能が低下しやすいため、しっかり中まで加熱してから与えてください。

指で簡単に潰せる程度の柔らかさが目安です。

②食べやすいように刻んだり潰す

さつまいもは、細かく刻んだりつぶす、ペースト状にするなど、老犬が食べやすいようにしてあげましょう。

たとえ柔らかくしても、大きな塊のままだと喉に詰まらせてしまう恐れがあります。

また、刻んだりつぶすことで消化への負担が軽減できますよ。

③味付けはしない

さつまいもは味付けをせず、そのまま与えるようにしましょう。

調味料を使用すると、塩分や糖分が過剰になり、老犬の体に負担がかかってしまうことがあります。

さつまいもは蒸したり焼いたりするだけでも甘みがあるため、そのままで食べさせてあげてくださいね。

④持病がある老犬は獣医師に確認する

病気の種類や進行状態によっては、栄養素の制限が必要になることもあるため、持病がある老犬は獣医師に確認してから与えましょう。

老犬のさつまいもに関するよくある質問

ここでは、さつまいもに関するよくある疑問について解決していきましょう。

Q1.毎日さつまいもをあげていい?

A.適量であれば、毎日与えても問題はありません。

実際、さつまいもを使用しているドッグフードもたくさんあります。

もちろん、与え過ぎは栄養バランスの偏りや肥満の原因となるのでNGですが、適量をおやつやトッピングとして取り入れる分には大丈夫です。

Q2.さつまいもで便秘は治る?

A.改善することもありますが、必ず治るわけではありません。

さつまいもに含まれる食物繊維は、腸の動きをサポートしてくれるため、便通に役立つ可能性はあります。

しかし、便秘は病気によって引き起こされていることもあるため、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

Q3.皮ごとあげてもいい?

A.老犬には、皮をむいて与えるほうが安心です。

さつまいもの皮は食物繊維が多く消化しにくいため、老犬では下痢や消化不良の原因になることがあります。

基本的には皮を取り除き、やわらかくなるまで加熱してから与えましょう。

まとめ

さつまいもは、老犬にとってエネルギー補給や食欲サポートに役立つ食材のひとつです。

しっかり加熱したり与え過ぎないように配慮は必要ですが、おやつやトッピング、手づくりご飯の食材など、さまざまな使い方ができるので取り入れやすいでしょう。

さつまいもがきっかけで普通のご飯が食べられるようになったという老犬もいるため、上手に活用してみてくださいね。

たかだ なつき(高田菜月)

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4匹の愛犬と暮らすペット専門ライター×ペットの専門家。長年人間の介護に携わっていたが、愛犬の介護をきっかけにペットライターに転身。犬の飼育歴は20年以上。こ...

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