老犬の夜泣きが耐えられない…|認知症や病気への対策と介護の負担を減らす方法

COLUMN

暗闇の中で響く老犬期に入った愛犬の夜泣き。

「明日も仕事なのに眠れない……」「毎日寝不足でもう限界……」と、つらい気持ちでいっぱいになっていますよね。

共働きや一人暮らしだと代わってくれる人もおらず、精神的にも肉体的にも追い詰められてしまうでしょう。

結論からお伝えすると、老犬の夜泣きはママさんパパさんの努力不足ではなく、加齢に伴う脳や体の変化が原因です。

私も20年以上犬と暮らし、3匹を見送ってきたのですが、そのうち1匹は夜泣きがひどく、とても悩まされました。

この記事では、その経験とJKC愛犬飼育管理士としての知識から、ママさんパパさんの生活を守りつつ、愛犬と穏やかに過ごすための具体的な解決策をお伝えします。

最後まで読めば、今夜から試せる工夫や外部サービスの頼り方が分かり、心に余裕を取り戻せるようになるでしょう!

老犬の夜泣きが耐えられない時の認知症や病気の対策

吠える老犬

愛犬が夜中に鳴き続けるのには、必ず理由があります。

まずは、なぜあんなに激しく鳴いてしまうのか、その正体を突き止めることから始めましょう。

原因を知るだけで、イライラしていた気持ちが少しだけ和らぐかもしれません。

老犬の認知症による夜泣きは脳の機能低下が原因

老犬の認知症による夜泣きは、脳の神経細胞の減少によって起こります。

人間と同じように、犬も高齢になると時間の感覚が分からなくなったり、自分の置かれている状況に混乱したりするからです。

以前は静かに寝ていた子が、夜中に突然「ワンワン」と鳴き続けたり、部屋の隅で立ち尽くして鳴いたりするのは、認知機能の低下の可能性があります。

実際、環境省が発行している資料でも、夜泣きなどの無駄吠えは認知症の代表的な兆候として挙げられています。

犬の認知症の症状
異常な食欲、異常な吠え声、徘徊、ぐるぐる回る、排泄の失敗 など必要な介護:歩行・排泄(おむつ)・給餌の介助、投薬 など
引用:環境省「捨てず 増やさず 飼うなら一生」PDF 524KB

このように、夜泣きは性格の変化ではなく、脳の物理的な変化が考えられます。

医学的なアプローチやサプリメントの活用で症状を緩和できる可能性が高いため、まずは脳の変化を受け入れることが解決への第一歩です。

脳のスイッチがうまく切り替わらず、夜なのに活動モードに入ってしまうことが原因だと理解してあげましょう。

老犬が寝ないのは痛みや不快感を感じているから

不安な顔の老犬

老犬が夜になかなか寝ない理由は、体に痛みや違和感を抱えている可能性が高いといえます。

これまで3匹の愛犬を見送ってきましたが、そのうち1匹は晩年は床ずれの痛みや下痢などとの戦いでした。

特に関節炎を患っている場合、同じ姿勢で寝続けることが苦痛になり、何度も体勢を変えようとして夜起きる回数が増えてしまいます。

「ハァハァ」と荒い呼吸をしていたり、頻繁に寝返りを打とうとしたりしているなら、どこかが痛いのかもしれません。

確認すべき不調のサイン 具体的な様子
関節の痛み 立ち上がるのが辛そう、足が震える
お腹の不快感 下痢や便秘、お腹が張っている
皮膚の違和感 床ずれができている、同じ場所を舐める

このように、体の不快感が原因で眠れないケースは非常に多いのです。

痛みの原因を特定し、適切なケアを行うことで、朝までぐっすり眠ってくれる可能性がぐっと高まります。

「ただのワガママ」と決めつけず、体からのSOSが出ていないか、愛犬の様子を目や耳を使ってじっくり観察してあげましょう。

小さな変化に気づき獣医師に相談できるのは、毎日そばにいるママさんパパさんだけです。

老犬が夜に無駄吠えするのは不安や孤独のサイン

老犬が夜に無駄吠えを繰り返すのは、視力や聴力の低下による不安感の可能性があります。

10歳の頃、不登校で孤独だった私を支えてくれた愛犬も、晩年は夜になると私を探して悲しそうに鳴くことがありました。

周りが暗くなると、ママさんパパさんの姿が見えず物音も聞こえにくくなるため、一人きりになったような恐怖を感じてしまいます。

「どこにいるの?」「寂しくて怖いよ!」という切実なメッセージが、あの大きな鳴き声の正体かもしれません。

【老犬が抱える不安の要素】

  • 視界がぼやけてママさんパパさんの姿が見えない
  • 耳が遠くなり周囲の状況が把握できない
  • 自分の体が思うように動かないことへの戸惑い

ママさんパパさんの声を聞かせたり、体を優しく撫でたりすることで、高ぶった神経が落ち着くことも多いでしょう。

ふと目が合った瞬間に鳴き止み、冷たい鼻先を手に押し付けてくる姿は、安心を求めている証拠です。

「そばにいるよ」という安心感を与えることが、不安からくる無駄吠えを抑える特効薬になるでしょう。

老犬の夜泣きが耐えられないなら|自分を責めず心を休める3つのマインド

一人暮らしや共働きで老犬を介護していると、逃げ場のない孤独感に襲われることがあります。

「私さえ我慢すれば」と自分を追い詰めてしまう前に、いまの状況を客観的に見つめ直してみましょう。

睡眠不足で仕事に支障が出るのは飼い主の責任ではない

毎晩の夜泣きで睡眠が削られ、仕事中に頭が働かなくなるのは人として当然の反応です。

脳が十分に休めていない状態で、ミスをしたり集中力が切れたりしても、決してママさんパパさんの能力不足ではありません。

とはいっても、ママさんパパさんが倒れては愛犬の支えがなくなります。

共倒れを防ぐためにプロを頼ることは、誠実で前向きな決断です。

環境省の指針でも、困ったことがあった際は専門家の力を借りた方がよいと記されています。

わからないことや困ったことがあれば、都道府県、指定都市、中核市の動物愛護管理担当部署、あるいは最寄りの動物愛護センター、保健所、獣医師会などに相談しましょう。
引用:環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」PDF,P.20

このように、質の高い睡眠の確保は介護を継続するための「最優先事項」です。

まずは、自分の睡眠不足を深刻な課題として認め、休息を取るために周囲や専門機関を頼る準備を始めましょう。

ママさんパパさんが倒れてしまうことが、愛犬にとって一番のリスクなのですから。

老犬の介護がつらいと思う自分を責める必要はない

「愛犬のことは可愛いはずなのに、鳴き声を聞くとイライラしてしまう」と、罪悪感に苛まれていませんか?

JKC愛犬飼育管理士として多くの飼い主さんの話を聞きましたが、つらいと感じるのはそれだけ真剣に愛犬と向き合ってきた証拠です。

迷路に迷い込んだような感覚になれば、心が折れそうになるのは当たり前でしょう。

【心の健康を保つための3つのポイント】

  • 負の感情を否定せずに「つらいよね」と自分に言ってあげる
  • 「完璧な介護」ではなく「ほどほどの介護」を目指す
  • 今日一日を無事に終えた自分を最高に褒める

このように、自分自身に優しくしてあげてください。

「早く泣き止んでよ!」と叫びたくなったとしても、それは限界まで頑張った心の悲鳴です。

「今日もこの子と一緒にいられただけで十分」と考えることが、心の健康を保つ秘訣です。

ママさんパパさんが少しでもリラックスしていることが、ワンちゃんにとっても一番の安心材料になるでしょう。

ゴールが見えない不安に襲われるのは一生懸命な証拠

介護における最大のストレスは、ゴールがいつになるか分からないという不透明さです。

「この生活があと数年も続くのか」と想像するだけで、つらい気持ちになることもあるでしょう。

老犬の夜泣きがいつまで続くかは原因によって異なり、適切なケアで数週間で落ち着くこともあれば年単位で続く場合もあります。

この不確実性が、共働きで多忙なママさんパパさんを絶望的な気持ちにさせるのです。

  • 「明日もまたこれが始まるのか」と、重い足取りで仕事へ向かう駅のホーム。
  • 遠くで聞こえる電車の音さえ、心を追い詰めるように感じてしまう。

もしこのような状態なら、精神的な疲労が限界を超えています。

未来を長期的に予想するのではなく、「今日一日をどう乗り切るか」に集中しましょう。

「いつまで」という問いを一度忘れることで、いまこの瞬間の負担を減らす具体的な方法に意識を向けられるはずです。

一歩ずつ、今日を乗り越えることだけを考えていきましょう。

老犬の夜泣きが耐えられない際にすぐ試すべき改善法

今夜もまた鳴き声が始まる……。

そんな心配を抱えているママさんパパさんへ、状況を好転させるための具体的なテクニックを提案します。

老犬が夜起きるのを防ぐには日中の活動と日光浴が有効

老犬になると一日の大半を寝て過ごしがちですが、これでは夜に体力が有り余ってしまいます。

夜しっかり眠ってもらうためには、日中に脳と体を適度に刺激して「昼夜逆転」を直すのが基本です。

午前中に数分でもいいので、外の空気に触れさせ日光を浴びさせましょう。

日光を浴びることで、体内時計を整えるセロトニンの分泌が促されます。

時間帯 おすすめのアクション 期待できる効果
午前中 5〜10分の日光浴 体内時計のリセット
午後 ブラッシングやマッサージ 適度な疲れとリラックス
夕方 短い散歩(抱っこでも可) 脳への刺激と適度な空腹感

無理に歩かせようとするのではなく、ベランダで一緒に外を眺めたり、窓越しに日差しを浴びたりするだけでもいいでしょう。

ただし、夏場は熱中症に注意し、無理のない範囲で行いましょう。

ママさんパパさんの生活リズムに合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてください。

寝床に飼い主の匂いを残す工夫で夜泣きを軽減できる

不安で鳴いている愛犬には、ママさんパパさんの匂いが染み付いたものをそばに置くのが非常に効果的です。

20年以上の愛犬生活で実感したのは、犬にとって大好きな人の匂いは、どんな薬よりも心を落ち着かせるということでした。

洗濯する前の古いTシャツなどを寝床に敷いてあげると、ママさんパパさんに抱かれているような感覚で眠りにつきやすくなります。

【安心感を与える匂い活用のコツ】

  • ママさんパパさんが数日間着用した衣類を寝床に敷く
  • ママさんパパさんのベッドのすぐ横に愛犬の寝床を移す
  • 鳴き始めたら、まずは優しく声をかけて匂いを確認させる

嗅覚は脳の感情を司る部分に直結しているため、リラックス効果が比較的早く現れやすいといわれています。

ママさんパパさんの存在を匂いで感じさせて、夜の孤独な恐怖から愛犬を救い出してあげましょう。

ちょっとした工夫ですが、これで安心感を得て静かになる夜がきっと増えるはずです。

夜泣きに対して無理に叱る対応は逆効果

どんなに眠くてイライラしても、夜泣きに対して大声で叱ったり叩いたりする行為は絶対に避けてください。

認知症や不安で鳴いている場合、叱られた理由は理解できず「怖いことが起きた」という恐怖心だけが残ってしまいます。

恐怖を感じると交感神経が刺激され、さらに興奮して鳴き声が激しくなるという悪循環に陥るからです。

また、不適切な対応は長年築いてきた愛犬との信頼関係を一瞬で壊す恐れがあります。

【注意】絶対に避けるべき対応

  • 「うるさい!」と怒鳴りつける(さらに興奮させる)
  • 無理やりサークルに閉じ込めて放置する(不安を増大させる)
  • 体を揺さぶるなどの乱暴な接触(怪我や恐怖心の植え付け)

もし怒りの感情が湧いてきたら、一度深呼吸をして隣の部屋へ移動しましょう。

冷静になれない時は、耳栓やノイズキャンセリングヘッドホンをして物理的に音を遮断し、自分を守る選択をすることも大切です。

まずはママさんパパさんの心が落ち着くことが、愛犬を落ち着かせるための第一条件です。

老犬の夜泣きが耐えられないなら専門家や施設を頼ろう

自力での対策に限界を感じたら、それは「外の力を借りるタイミング」の合図です。

一人で抱え込まずにプロのサポートを受けることで、驚くほど道が開ける可能性があります。

動物病院で睡眠を助ける治療やサプリの相談をする

夜泣きが激しく、ママさんパパさんの生活が破綻しそうな場合は、迷わず獣医師に相談してください。

「薬を使うなんてかわいそう」と抵抗を感じる方も多いですが、眠れずに鳴き続けるのは愛犬にとっても大きな負担です。

実は、国の啓発資料においても、動物を苦痛や不快から守ることは飼い主が守るべき大切な責任として示されています。

動物を適切に飼うための国際的な指標として「5つの自由」が挙げられています。
その中には、「不快からの自由」や「痛み・負傷・病気からの自由」が含まれており、病気の際には適切な治療を受けさせることが飼い主の責務であると記されています。
参考:環境省「考えよう、ペットがいきいきと生活するために」

薬やサプリメントは、決して愛犬を「黙らせるための道具」ではありません。

脳の興奮を鎮め、穏やかな眠りを取り戻すための助け舟です。

ただし、薬を自己判断で使用するのは絶対にNGなので、必ず専門家に相談しましょう。

専門家の知恵を借りて夜泣きをコントロールし、お互いに安眠できる環境を整えることは、愛犬への誠実な愛情表現といえます。

まずは一度、かかりつけの先生に現在のつらい状況を正直に話してみましょう。

老犬ホームの預かりサービスで飼い主の休息を確保する

「もう一晩も眠れない……」と限界を感じた時は、老犬ホームやペットホテルのショートステイを活用しましょう。

短期間でもプロに預けることで、ママさんパパさんは泥のように眠り、体力を回復させられます。

共働きで日中家を空ける不安も、デイケアサービスを利用すればプロの目が届く環境で安全に過ごさせることが可能です。

サービス名 主な内容 メリット
老犬ホーム 宿泊・長期預かり まとまった睡眠と休息が取れる
デイケア 日中の預かり 仕事に集中でき、夜の安眠に繋がる
ペットシッター 自宅訪問ケア 犬の環境を変えずにサポートを受けられる

このように外部のサービスを頼ることで、また明日からの介護の体力を温存できます。

「預けるのは見捨てること」という考えは捨てましょう。

ママさんパパさんが笑顔で愛犬に接するための環境づくりが、何よりの親孝行です。

プロの手を借りて、愛犬との穏やかな時間を少しでも長く保ちましょう。

防音対策と近隣への事前説明が心の余裕に繋がる

「苦情が来るかも」という恐怖は、夜泣きをより辛く感じさせる大きな要因です。

近所迷惑を恐れるストレスは、防音対策と誠実なコミュニケーションで軽減できます。

窓に厚手の防音カーテンを設置したり、壁に吸音パネルを貼ったりするだけでも、外に漏れる音量はかなり抑えられるでしょう。

また、近隣の住人にはあらかじめ状況を伝えておくことで、無用なトラブルを防ぎ、味方になってもらえるケースもあります。

【近隣への説明の例】
実は愛犬が認知症で夜泣きが続いていて、いま獣医師と相談しながら対策をしているところなんです。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

このように一言伝えておくだけで、周囲の反応は驚くほど優しく変わります。

「隠そうとするストレス」から自分を解放すれば、ママさんパパさんの精神的な安定に大きくつながるでしょう。

理解を得られている安心感があれば、夜の鳴き声に対するつらさも少しずつ和らいでいくはずですよ。

まとめ|老犬の夜泣きが耐えられない毎日から自分を救おう

老犬が夜中に鳴くのは、本人なりの一生懸命なサインです。

でも、それを受け止めるママさんパパさんが寝不足で倒れてしまっては意味がありません。

仕事や家事で忙しい中、今日まで愛犬を支えてきた自分を、まずは「よくやってる!」と認めてあげてくださいね。

そして、20年以上にわたり5匹の犬たちと暮らし、3匹を見送ってきた私から言えるのは「プロを頼るのは共倒れを防ぐための賢い作戦」だということです。

病院や施設に相談するのは決して楽をしているわけではなく、愛犬と穏やかに過ごすための前向きなステップです。

「これがいつまで続くんだろう」と先を考えすぎず、まずは「今夜の負担をどう減らすか」だけ考えてみませんか?

ママさんパパさんがホッとできる時間を作ることが、結果的に愛犬にとっても一番の幸せになるでしょう!

大場聖也

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保有資格「JKC愛犬飼育管理士」。幼い頃から犬が大好きで、幼稚園の頃には犬の図鑑をボロボロになるまで読み込んでいた。 10歳のとき、不登校だった私を支えてく...

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