シニア犬にヨーグルトは与えていい?効果・適量・注意点を専門家が解説
シニア犬になると、これまで問題なく与えていた食べ物でも、「同じように与えていいのかな?」と迷うことが増えてきますね。
ヨーグルトもその一つでしょう。
シニア犬は加齢によって消化機能の働きが低下するため、ヨーグルトを与えることで負担にならないか心配ですね。
また、ヨーグルトにはさまざまな種類があるため、どんなヨーグルトを選べばいいか悩むこともあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ペットフーディストや動物介護士の私が、老犬にヨーグルトを与えるメリットや選び方、注意点を解説します。
シニア犬にヨーグルトを与えても大丈夫!

結論から言うと、適量であればシニア犬にヨーグルトを与えても大丈夫です。
ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌などが含まれており、お腹によさそうなイメージが強いのではないでしょうか。
実はそれだけでなく、ヨーグルトは栄養バランスに優れた栄養豊富な食べ物ということはあまり知られていないかもしれません。
【ヨーグルトの主な栄養】
| カロリー | 56kcal/100g |
| タンパク質 | 3.6g |
| 脂質 | 3.0g |
| カルシウム | 120mg |
| β‐カロテン | 3μg |
| ビタミンB2 | 0.14mg |
| 葉酸 | 11μg |
また、ヨーグルトは発酵によって消化・吸収しやすいタンパク質になっていたり、乳酸によって吸収しやすいカルシウムになっています。
そのため、消化・吸収の働きが低下するシニア犬にとって、取り入れやすい食べ物なのです。
シニア犬にヨーグルトを与える4つのメリット
ヨーグルトはシニア犬にも取り入れやすいものですが、ほかにも嬉しいメリットがあります。
腸内環境の健康をサポート

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内環境の健康をサポートする働きが期待できます。
シニア犬は加齢とともに腸内の乳酸菌が減少しやすいことが報告されており、腸内環境が乱れやすくなっています。(※1)
そのため、積極的に乳酸菌を補ってあげることで、腸内環境を良好に保つことにつながるのです。
また、乳酸菌などのプロバイオティクスを毎日継続して摂取することで、体内の抗酸化力が増加するという報告もあるため、ヨーグルトなら手軽に取り入れやすいのではないでしょうか。(※2)
※1参考:Bioscience of Microbiota, Food and Health「Transition of intestinal microbiota of dogs with age」
※2参考:ペット栄養学会誌「プロバイオティクスの継続投与が高齢犬に与える影響について」
免疫維持のサポート

犬の腸内には免疫細胞の約70%が存在するため、腸内環境を良好に保つことは免疫維持のサポートに役立ちます。
腸内細菌は、さまざまな働きを担っていますが、その1つに免疫を活性化したり過剰な反応を抑えるといった免疫のバランスを調整する働きがあります。
【腸内細菌の主な働き】
- 消化・栄養吸収をサポートする
- 腸のバリア機能を保つ
- 免疫機能の調整
- 有害菌の増殖を抑える
- 栄養の利用やエネルギー産生に関わる
腸内環境のバランスが保たれることで、過剰な炎症を抑えたり、体を守る反応を適切に働かせたりすることにつながるのです。
食欲が落ちたときのサポート

ヨーグルトは発酵による独特の香りや風味があり、なめらかな食感で食べやすいため、食欲が低下したシニア犬でも受け入れられやすい食べ物です。
シニア犬は加齢にともない、嗅覚や味覚の変化、消化機能の低下などにより、食事への興味が薄れることも珍しくありません。
そんなときにヨーグルトを与えることで、食べるきっかけになることもあります。
水分補給のサポート

ヨーグルトは約87〜88%が水分のため、水分補給のサポートにも役立ちます。
シニア犬は加齢によって喉の渇きを感じにくくなるだけでなく、関節の痛みや筋力の低下によって動くこと自体が負担になり、水飲み場まで行く回数が減ることで飲水量が低下しがちです。
水分摂取量が不足すると脱水につながり、体内の血液量が減ることで、臓器に十分な血液が行き渡りにくくなったり、腎臓への負担が増えたりすることがあります。
そのため、食事から水分を取り入れる工夫が必要になりますが、ヨーグルトのようにシニア犬が口にしてくれやすいものなら与えやすいでしょう。
シニア犬におすすめのヨーグルトの選び方

シニア犬に与えるヨーグルトは、犬用に限らず、市販されている人間用のものでも大丈夫です。
ただし、以下のようなポイントで選びましょう。
【ヨーグルトの選び方】
- 無糖・プレーンを選ぶ
…砂糖や甘味料が含まれている製品は、カロリー過多になる可能性がある。また、犬が食べてはいけないぶどうやキシリトールが含まれているものもある - 低脂肪・無脂肪なものを選ぶ
…シニア犬は消化機能が低下していることが多く、高脂肪のものを多く与えると消化不良の原因になることがある
また、ヨーグルトはメーカーによって使用される菌が異なります。
| 使用されている菌 | 菌の特徴 | ヨーグルト名 |
| ・ブルガリア菌2038株 ・サーモフィラス菌1131株 |
・腸管のバリア機能を高める ・腸内の免疫細胞に働きかける |
ブルガリアヨーグルト(明治) |
| ・ビフィズス菌BB536 | ・悪玉菌の増殖を防ぐ ・O157の感染を防ぐ |
ビヒダス(森永乳業) |
| ・ガセリ菌SP株 ・ビフィズス菌SP株 |
・ガゼリ菌SP株が腸内に長くとどまる | ナチュレ恵(雪印メグミルク) |
| ・ビフィズス菌BifiX | ・腸内で菌が増える | BifiXヨーグルト(江崎グリコ) |
| ・1073R-1乳酸菌 | ・NK細胞(免疫システム)の活性増強 | 明治プロビオヨーグルトR-1(明治) |
どれを選んでも腸内環境の健康をサポートしてくれますが、目的に合わせて選ぶのも1つの方法です。
とはいえ、こうした菌はさまざまなものを取り入れたほうが良いので、ローテーションしてもいいでしょう。
【体重別】シニア犬に与えるヨーグルトの目安量

ヨーグルトはシニア犬にメリットのある食べ物ですが、与えすぎれば栄養バランスの偏りや肥満の原因となります。
シニア犬に与えるときは、その犬の1日に必要な摂取カロリーの10%程度にとどめましょう。
| 体重 | 避妊・去勢なし老犬 | 避妊・去勢済み老犬 |
| 2kg | 29g | 25g |
| 3kg | 40g | 34g |
| 4kg | 50g | 42g |
| 5kg | 59g | 50g |
| 6kg | 67g | 58g |
| 7kg | 75g | 65g |
| 8kg | 83g | 71g |
| 9kg | 91g | 78g |
| 10kg | 98g | 84g |
| 15kg | 133g | 114g |
| 20kg | 166g | 142g |
| 25kg | 196g | 168g |
| 30kg | 224g | 192g |
※ヨーグルト全脂無糖 / 100gあたり56kcal(参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」)
小さじ1杯が約5g、大さじ1杯が約15gです。
上記を目安に、愛犬の体調や状態、お腹の調子を見ながら調整してください。
シニア犬にヨーグルトを与えるときの与え方と注意点

ヨーグルトを与えるときは、注意しなければいけないこともあります。
乳糖不耐症の犬は少量から

過去に牛乳を飲ませて下痢になどになったことがある場合は、指先につけたものをなめさせるなど、少量から与えて様子を見ましょう。
ヨーグルトは牛乳に比べて乳糖が少なく、乳酸菌自体が乳糖の分解をサポートするため、そこまで深く心配する必要はありません。(※3)
しかし、まれに敏感に反応してしまう犬もいるため、少量で様子を見たほうが安心です。
※3参考:NPO法人チーズプロフェッショナル協会「乳糖不耐症の謎」
食物アレルギーに注意

ヨーグルトで食物アレルギー反応を起こす犬もいるため、初めて与えるときはごく少量にとどめましょう。
食べてから30分~48時間以内に以下のような症状が見られる場合は、食物アレルギーが疑われます。
【犬の食物アレルギーの主な症状】
|
症状に個体差はありますが、こうした症状が出た場合は自己判断せず、獣医師に相談してください。
冷たいまま与えない

ヨーグルトは、室温に戻すか電子レンジで10秒程度温めてから与えましょう。
冷たいままでは、お腹が冷えて下痢や軟便になることがあります。
体が冷えると免疫の働きも低下しやすいため、特にシニア犬では配慮してあげたいポイントです。
栄養制限のあるシニア犬は獣医師に確認

ヨーグルトにはさまざまな栄養が含まれているため、持病などで栄養制限を指示されているシニア犬は獣医師に確認してから与えましょう。
療法食を与えている場合も、与える前に獣医師に相談したほうが安心です。
まとめ

ヨーグルトは、シニア犬にとってもメリットがある食べ物です。
飲み水に少量を入れて味をつけたり、フードのトッピングにしたり、りんごやバナナなど細かく刻んだ果物を混ぜておやつにしたりと、アレンジも自在!
正しい与え方と注意点を守り、上手に活用してみてくださいね。















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