【シニア犬の筋力アップ】寝たきりを防ぐトレーニングと食事法
「最近、散歩の歩みがゆっくりになった」
「何でもない段差でつまずくことが増えた」
シニア期を迎えた愛犬に、このような変化は見られませんか?
歩くのがゆっくりになったり、段差でつまずいたりするのは、筋力が低下が原因の可能性があります。
筋力が低下したままになると、寝たきりになるリスクが高くなるため、シニア犬は、筋力の維持が欠かせません。
この記事では、自宅で無理なくできるトレーニングや散歩の工夫、効率よく筋肉をつける食事法について解説します。
愛犬が最期まで自分の足で歩き、笑顔で過ごせる時間を一日でも長く延ばすために、今日からできることを一緒に始めていきましょう。
シニア犬の筋力アップが必要な3つの理由

シニア犬の健康寿命を延ばすには、日々の筋力維持が欠かせません。
愛犬が最期まで笑顔で過ごすために、筋力アップが必要な3つの理由を見ていきましょう。
理由①寝たきりを防ぎ、自力で歩ける時間を延ばすため

自力で立ち上がり歩く力は、愛犬の生きる意欲につながります。
筋力を維持して自力で歩けると、愛犬が好きな場所に自由に移動できるため、ストレスの軽減が可能です。
筋力が低下すると体を支えきれなくなり、寝たきりになるリスクが高まります。
実際に、シニア犬は、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」を発症するケースが多くあります。(※1)
ロコモティブシンドロームとは、長期間の運動不足によって、筋力や関節の可動域が制限され、日常生活に支障が出る状態のことです。
ロコモティブシンドロームが進行すると、寝たきりのリスクが高まり、健康寿命を縮める原因になると考えられています。
愛犬に健康で長生きしてもらうためにも、日々の筋力アップが不可欠といえます。
理由②衰えやすい「後ろ足」を鍛えて転倒や関節痛を防ぐため

犬の筋肉は前足よりも後ろ足から落ちていくとされています。
後ろ足が弱ると踏ん張りがきかなくなり、室内での転倒事故につながります。
後ろ足の筋力低下が引き起こす具体的なリスクを確認しておきましょう。
|
とくにフローリングの床は滑りやすく、筋力の落ちたシニア犬には危険です。
日常生活での思わぬケガを未然に防ぐためには、後ろ足の筋力アップが不可欠です。
理由③基礎代謝を維持して老化のスピードを遅らせるため

筋肉は体を動かすだけでなく、熱を生み出すエンジンの役割もあります。
筋肉量が減ると基礎代謝が落ち、体温調整がうまくできなくなり、免疫力の低下を招いてしまうのです。
逆に筋力を維持できれば、血液循環が改善されるため、内臓の働きも活発になり、老廃物の排出も促されます。
病気に負けない強い体を作るためにも、筋肉はなくてはならない存在です。
自宅でできるシニア犬の筋力アップトレーニング

シニア犬になると、散歩の距離や時間が短くなり、どうしても筋肉量が落ちてしまいます。
しかし、散歩に長時間行けない日でも、自宅で少し体を動かすだけで筋力は維持できます。
ママさんパパさんと一緒に遊ぶ感覚で取り組めば、愛犬にとってもストレス解消や楽しいコミュニケーションの時間になるでしょう。
愛犬と自宅でできる簡単なトレーニング方法を3つ紹介します。
①「座って・立って」のスクワット運動

後ろ足の筋肉を効率よく鍛えるには、屈伸を取り入れたスクワット運動が効果的です。
「オスワリ」と「タッテ」を繰り返す単純な動作ですが、太ももやお尻の筋肉を刺激します。
正しいスクワットの手順を見ていきましょう。
|
最初は1日3回から5回程度を目安に始め、愛犬の様子を見ながら徐々に回数を増やしていきます。
膝や腰に負担がかからないように、必ず滑りにくいマットやカーペットの上で実施してください。
②丸めたタオルやクッションを使った足トレ

足腰が弱ると足が上がりにくくなり、わずかな段差でつまずいてケガをする恐れがあります。
足を高く上げる力をつけるには、障害物をまたぐトレーニングを取り入れてみましょう。
|
高さを出す場合は、クッションや重ねた雑誌を利用しても良いでしょう。
障害物をまたぐ瞬間、犬は意識して足を上げるため、腸腰筋などのインナーマッスルが鍛えられます。
また、後ろ足の位置を確認しながら歩くため、自分の体の幅や長さを認識する身体感覚を養う効果も期待できます。
リズムよくまたげるようになったら、障害物の数を増やしてコースを作ってみるのもおすすめです。
③クッションの上に乗って体幹を強化

体の中心にある体幹を鍛えると、ふらつきを予防し、正しい姿勢を保つ力がつきます。
最初は体を支えながら乗せ、慣れてきたら「マテ」をさせて数秒間キープさせます。
万が一バランスを崩しても転倒しないよう、必ずママさんパパさんがそばについて見守ってください。
毎日の散歩でシニア犬の筋力アップをする方法

毎日の散歩は、愛犬にとって一番身近な運動の時間です。
ただ漫然と歩くだけでなく、少し工夫するだけで立派な筋トレになります。
ここからは、効率よく筋力アップを目指すための、散歩方法を紹介します。
坂道や芝生、砂浜などの変化の多いコースを歩く

いつも同じ平坦なアスファルトの道では、使う筋肉が限定されてしまいます。
効率よく鍛えるには、あえて変化のあるコースを選んでみましょう。
わずかな高低差や足場の悪さが、普段使わない筋肉を刺激してくれます。
おすすめのコースと、それぞれの場所で期待できる効果は、以下のとおりです。
| 地面の種類 | 期待できるトレーニング効果 |
| 緩やかな坂道 | 重力に逆らって歩くことで後ろ足の筋肉を強化する |
| 芝生・草むら | 草をかき分けて歩くため足を高く上げる力がつく |
| 砂浜・土の上 | 足が沈み込むため踏ん張る力とバランス感覚を養う |
足腰への負担を考慮し、最初は短い距離から試してみてください。
毎日違う景色を見せることは、脳への良い刺激にもなるでしょう。
ゆっくり歩きと早歩きを繰り返す

歩くスピードに緩急をつけるだけでも、運動効果が高まります。
ママさんパパさんがリードして、以下の手順でリズムを作ってあげてください。
|
もし愛犬が息を切らしたり、歩くのを嫌がったりしたらすぐに休憩しましょう。
愛犬の表情を見ながら、無理をさせずにペース配分を調整するのを意識してみてくださいね。
シニア犬の筋力アップに役立つ食事と栄養
.png)
トレーニングの効果を高めるには、毎日の食事管理も欠かせません。
ここからは、効率よく筋肉をつけるために意識したい、食事のポイントを見ていきましょう。
動物性たんぱく質を積極的に摂取
.png)
筋肉の主成分となるのは、肉や魚に含まれる良質なタンパク質です。
犬はもともと肉食に近い動物なので、肉や魚の栄養をスムーズに吸収でき、食べたものを効率よく筋肉に変えられます。
シニア犬の筋力アップにおすすめしたい食材は、以下のとおりです。
| 食材 | 特徴とメリット |
| 鶏のささみ・胸肉 | 脂肪分が少なく高タンパクで筋肉を作る |
| 鹿肉(ジビエ) | 鉄分やビタミンを含み体を温める |
| タラなどの白身魚 | 脂質が控えめで胃腸に優しく消化が良い |
いつものフードに少し加えるだけで、栄養価と満足感が上がります。
ただし、腎臓の数値に不安がある場合は獣医師に相談してから与えましょう。
サプリメントの活用

食事量そのものが減ってしまった場合は、サプリメントがおすすめです。
サプリメントは、必要な栄養素をピンポイントで補給でき、胃腸への負担も減らせます。
とくに愛犬に与えたい成分は「BCAA」と呼ばれる必須アミノ酸です。
必須アミノ酸には、筋肉のエネルギー源となり、運動後の筋肉の修復を早める働きがあります。
錠剤や粉末などさまざまなタイプがあるため、愛犬に合うものを探してみてください。
自力で立つのが難しいシニア犬の筋力維持の方法

自力での立ち上がりが難しくなっても、筋力の維持は可能です。
寝たきりの状態が続くと、筋肉はあっという間に衰えてしまいますが、ママさんパパさんのサポートがあれば、筋肉への刺激は続けられます。
ここでは、介助が必要なシニア犬に向けた、無理のない3つのケア方法を紹介します。
補助ハーネスや車椅子を使ってサポートする

自力で立てなくても、補助具を使えば歩行動作でき、筋トレにも効果的です。
ハーネスや車椅子を使用して体を動かすメリットは、以下のとおりです。
|
歩行ができなくても、立つ姿勢をとるだけで筋肉は使われます。
愛犬のサイズや症状に合ったグッズを選び、自力での歩行をサポートしましょう。
肉球刺激や屈伸運動で神経を刺激する

寝ている状態でも、体への刺激は脳と筋肉を活性化させます。
|
上記のような刺激を続けると、関節が固まるのを防ぎ、全身の血行を良くする効果が期待できます。
愛犬の顔色を見ながら、リラックスした状態で実践してみてください。
水中トレーニングや病院のリハビリも検討する

自宅でのケアに限界を感じたら、専門家の力を借りるのもおすすめです。
動物病院では、専用の設備を使ったリハビリを受けられます。
とくに水中トレーニングは、浮力が働くため関節への負担を軽減できるため、陸上では歩けない犬でも水の中なら足を動かせるケースがあるのです。
愛犬の状態に合わせ、無理のないプランを獣医師に相談しましょう。
まとめ|シニア犬の筋力アップは日々の積み重ねが大切

シニア犬の筋力アップは、特別な道具や激しい運動が必要なわけではありません。
毎日の散歩でのちょっとした工夫や、食事の見直しなど、日々の積み重ねが愛犬の体を支えることにつながります。
|
これらを意識して、焦らず、愛犬のペースに合わせながら、スキンシップの一環として続けてみてください。
<参考文献>
※1:ハート動物クリニック 犬猫医療センター「ペットのロコモティブシンドローム」
















この記事へのコメントはありません。