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シニア犬が喜ぶ遊び方│室内・屋外できる簡単な遊びや注意点を解説

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愛犬の寝ている時間が増えたり、若い頃のように夢中で遊ばなくなったりする姿に、「あまり構わない方がいいのかな?」「どうやって遊んだらいいんだろう?」と、寂しさや戸惑いを感じていませんか?

体力が落ちてきた愛犬を見ると、つい静かに過ごさせてあげたいと思ってしまいますよね。

しかし、シニア犬にとっての「遊び」は、心と体の健康を保ち、ママさんパパさんとの絆を深めるための大切なコミュニケーションです。

この記事では、シニアの愛犬と暮らす元ドッグトレーナーの私が、シニア犬の体力や体調に合わせた室内・屋外での具体的な遊び方から、安全に楽しむために欠かせない注意点まで解説します。

大切な愛犬との絆を深め、いきいきとしたシニアライフを送るために、ぜひ最後までご覧ください。

シニア犬(老犬)にとって「遊び」が大切な3つの理由

シニア犬は運動量が減り、寝ている時間が増えがちです。

だからこそ「遊び」の時間は、愛犬の心と体の健康維持に欠かせない重要な役割を持っています。

遊びにどのような効果があるのか、具体的に見ていきましょう。

①寝たきりのリスクを減らす

適度な運動は、筋力の低下を防ぐために欠かせません。

シニア犬は意識して体を動かさないと、筋肉が衰えていきます。

特に足の筋力が低下すると、自力で立ち上がったり、歩行したりすることが難しくなります。

遊びの中で楽しみながら体を動かすと、筋力の維持・強化に効果的です。

筋力が維持できれば、自分で体を支えることができ、将来的な寝たきりのリスクを軽減できるでしょう。

②認知症予防につながる

遊びは、シニア犬にとって「脳のトレーニング」になり、認知症の予防にも役立ちます。

匂いを嗅いだり、おもちゃを探したり、ママさんパパさんの声を聞いたりする遊びは、五感を刺激し、脳を活性化させてくれます

遊びによる適度な刺激で、認知機能の低下を緩やかにすることが期待できるでしょう。

③ストレスを解消する

シニア犬は、体の痛みや不調、視力・聴力の低下などから不安を感じやすく、ストレスを抱えがちです。

ママさんパパさんとの楽しい遊びは、愛犬にとって良い気分転換の時間です。

大好きなママさんパパさんに優しく声をかけられたり、触れ合ったり、褒められたりすることで、愛犬は安心感と幸福感を得られます

このポジティブな感情がシニア犬の心を安定させ、ストレスの解消につながります。

シニア犬の体調や運動機能を確認しよう

笑顔の老犬と飼い主

シニア犬との遊びで大切なのは「無理をさせないこと」です。

ママさんパパさんが「良かれ」と思ってやった遊びが、愛犬の負担になってしまうこともあります。

遊び始める前に、まずは愛犬の状態をしっかり観察しましょう。

その日の体調をチェックする

座ったまま口を開けて呼吸する老犬

毎日遊ぶ前には、愛犬にいつもと違う様子がないか確認しましょう。

体調を確認するために見ておきたいチェックポイントは、以下のとおりです。

  • 食欲はあるか
  • 下痢や便秘、血尿などはないか
  • 呼吸に異常はないか
  • 足を引きずったり、ふらついたりしていないか
  • ぐったりしていないか

1つでも当てはまる場合は、遊びは中止するか、軽いスキンシップ程度に留めましょう

愛犬の運動機能はどのくらい?

遊びを始める前に、愛犬の現在の運動レベルを把握してから、内容や強度を調整することが大切です。

たとえば、散歩が問題なくできて、段差の上り下りも問題ない愛犬の場合は、ボール遊びやおやつ探しなど、頭と体をバランスよく使う遊びが適しています。

自力での長時間の歩行が難しく、寝ている時間が多い愛犬には、寝たままでもできるスキンシップや手足のマッサージなどの遊びがおすすめです。

視力や聴力の低下も考慮する

シニア犬は、年齢を重ねるとともに目が見えにくくなったり、耳が聞こえにくくなったりします。

視力が低下している場合は、おやつ探しやかくれんぼなどの嗅覚や聴覚を使った遊び方がよいでしょう

また、聴力が低下している犬は声での指示が通りにくいため、ハンドサインを活用するとママさんパパさんの意思が伝わりやすくなります。

知育玩具を使用したノーズワークであれば、視力と聴力が低下した愛犬でも遊びやすくおすすめです。

【室内編】シニア犬が喜ぶ遊び方 

室内での遊びは、天候や気温に左右されず、シニア犬の体調に合わせて取り入れやすいのがメリットです。

ここでは、シニア犬が喜ぶ室内での遊び方を3つ紹介します。

嗅覚を使ったおやつ探しゲーム

犬は視力や聴力が衰えても、嗅覚は比較的最後まで機能すると言われています。

おやつ探しゲームは、体力をほとんど使わずに脳を刺激できるため、シニア犬に最適です。

最初は目の前で隠して、すぐに見つけられるようにします。

慣れてきたら、家具の陰やマットの下など、少し難易度を上げてみてください。

【遊び方】

  1. 愛犬に「待て」をさせる(できなければ、ママさんパパさんがおやつを隠す間、別室で待たせる)
  2. 部屋の中に、匂いの強いおやつやフードを隠す
  3. 「探せ!」などの合図で、愛犬に匂いを頼りに探させる
  4. 見つけたら、たくさん褒める

頭を使う「おやつはどっち?」ゲーム

ママさんパパさんと1対1でコミュニケーションを取りながら、頭を使う簡単なゲームです。

【遊び方】

  1. 両手にフードやおやつを1粒ずつ隠し持つ
  2. 両手をグーにして、愛犬の前に差し出す
  3. 「どっち?」と声をかけ、愛犬がどちらかを選ぶのを待つ
  4. 愛犬が鼻先や前足で触れた方の手を開き、おやつをあげる

最初は両手におやつを持ち、どちらを選んでも正解にしてゲームのルールを教えてあげましょう。

リラックスにつながる室内散歩

こちらを見上げる老犬

外に散歩に行けない日や、歩行が難しくなってきた犬でも、室内を少し歩くだけで気分転換になります

ママさんパパさんが付き添い、ゆっくりと家の中を一周してみましょう。

途中で窓を開けて外の匂いを嗅がせたり、いつもと違う部屋を探検させたりするだけでも、良い刺激になります。

シニア犬の運動不足を防ごう!やさしい運動方法と環境づくりを徹底解説

【屋外編】シニア犬が喜ぶ遊び方

屋外の空気や太陽の光、風の匂いは、シニア犬の五感に良い刺激となります。

体力を消耗させないよう、「運動」よりも「リフレッシュ」や「五感を使うこと」を意識してみてください。

ここでは、屋外でできるシニア犬におすすめの遊び方を3つ見ていきましょう。

無理のないペースでの散歩

シニア犬にとって散歩は、運動のためだけでなく、ストレスを発散させるために大切な日課です。

若い頃のように長い距離を歩く必要はありません。

愛犬のペースに合わせ、短時間でも散歩に行きましょう。

また、散歩では、歩くことよりも「匂い嗅ぎ」の時間をたっぷり取ってあげてください。

シニア犬にとって匂い嗅ぎは、情報収集であり、脳トレにも効果的です。

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ボール転がし遊び

ボールを「投げる」のではなく、「転がす」遊びです。

若い頃のようにボールを投げて取ってこさせる遊び(レトリーブ)は、シニア犬の関節や背骨、心臓に大きな負担がかかります。

平坦な芝生の上などで、ママさんパパさんがボールを優しく転がし、愛犬がそれをゆっくりと追いかける程度にします。

ボールは柔らかい素材のものを選び、愛犬が疲れた様子を見せたら中断しましょう。

日向ぼっこ

歩くのが難しくなったシニア犬でも、外の空気に触れることは大切です。

カートに乗せて近所をゆっくり一周したり、庭先やベランダにマットを敷いて日向ぼっこをさせてあげたりしましょう。

日光浴は、ストレスの緩和や体内時計を整えるのに役立ちます

風の匂いや鳥の声、人や車の音を聞くだけでも良い刺激となり、気分の落ち込みを防ぐ効果が期待できます。

シニア犬(老犬)と安全に遊ぶための4つの注意点

シニア犬との遊びは、楽しさと同時に、若い頃にはなかった危険も伴います。

若い頃と同じ感覚で遊ぶと、思わぬ怪我や体調不良につながることもあるため、以下の4つの注意点を必ず守りましょう。

①短く、こまめに休憩を挟む

シニア犬は体力や集中力が持続せず、回復にも時間がかかります。

ハァハァと呼吸が速くなったり、動きが鈍くなったりしたら、それは「もう疲れた」というサインです。

遊び時間は5分〜10分程度を目安に、一度に長時間遊ぶのは避けましょう。

「もう少し遊びたいかな?」と思うくらいで一度切り上げ、しっかりと休憩を挟むのも大事です。

②滑り止め・段差対策をする

筋力が低下したシニア犬にとって、フローリングなどの滑りやすい床や高い段差は危険です。

遊んでいる最中に足を滑らせて転倒し、関節を痛めたり、最悪の場合、骨折するリスクもあります。

愛犬のケガを防ぐためにも、遊ぶ場所に必ず滑り止めのマットやカーペットを敷きましょう

また、足裏の毛を常に短くカットしておくと、滑ってしまうことを予防できます。

③体に負担のかかる動きは避ける

シニア犬の関節や背骨は、思っている以上に脆くなっています。

そのため、体に負担をかかかる動きは、絶対に避けましょう。

たとえば、ジャンプや急な方向転換、後ろ足のみで立たせるなどの動きはシニア犬の体に負担がかかります

無理をさせない範囲で、愛犬が楽しいと思う遊びを取り入れましょう。

④愛犬の「やりたい」気持ちを尊重する

吠える老犬

愛犬の体調や気分が乗らない日は、遊びたがらないケースもあります。

愛犬が乗り気でないときに無理強いをすると、遊び自体が「嫌なこと」「プレッシャー」になってしまう可能性があります

誘ってみて反応が薄い日は、「今日はゆっくりする日だね」と切り替え、スキンシップやマッサージなど、リラックスできる触れ合いを優先しましょう。

まとめ|シニア犬の遊び方は「安全・楽しく・継続」が大切

シニア犬との遊びで大切なのは、「安全に、楽しく、五感を刺激すること」です。

嗅覚を使った簡単なゲームや、ゆっくりとした散歩での匂い嗅ぎ、優しいスキンシップ。

そんな何気ないひと時が、愛犬の寝たきりや認知症の予防につながります。

この記事を参考に、ぜひ無理のない範囲で「遊び」を取り入れ、愛犬との穏やかで豊かな毎日を過ごしてください。

さかもとはるか

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元犬の訓練士・ペットライター 犬のしつけ・ケア・グッズ紹介などを中心に、現場経験を活かした記事制作が得意。 愛犬・愛猫・デグーたちと暮らし、ペットとの暮らし...

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