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【図解あり】老犬の便秘解消法|マッサージとツボ押しで腸を刺激する方法

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「うちの老犬、最近うんちが出なくて苦しそう……」

何日も便秘が続く愛犬の姿に不安を抱えていませんか?

シニア期の便秘は、食欲不振体調悪化につながる大きな問題です。獣医師に相談する前になんとか家で楽にしてあげたいですよね。

ご安心ください。老犬の便秘解消には、飼い主さんの温かい手によるマッサージが有効です。実践すれば腸の動きを活性化し、愛犬に安心感を与えながら便秘のつらさを和らげられます。

この記事では、老犬便秘を解消するマッサージのやり方や効果的なツボ、そして危険なサインまで解説します。

最後まで読めば、自信を持ってホームケアを提供できるようになりますよ!

※ただし、悪性腫瘍がある場合はマッサージがNGのことがある(部位や種類によってガンを広げてしまう可能性がある)ため、獣医師に確認してからにしましょう。

老犬の便秘にマッサージが効く理由|衰えた腸の動きを促進する効果

「老犬が苦しんでいる姿を見るのは本当につらい……」「でも、マッサージだけで便秘解消につながるの?」

この疑問を解消するために、まずマッサージが老犬の便秘に有効な理由を解説しますね。

老犬の便秘にマッサージが有効なのは、腸の「ぜん動運動」を物理的に促進するからです。

老犬は加齢で筋力が衰え、便を押し出す力が弱くなるため、便秘になりやすくなります。

優しくマッサージをすることで、外部から腸を刺激し、温めることが可能です。これにより、腸の動きを助け、スムーズな排便を促します。

また、触れ合いは老犬をリラックスさせ、便秘解消を後押ししてくれます。

老犬の便秘を解消するマッサージの具体的なやり方とツボ

老犬の便秘を解消するためには、体への負担を最小限に抑える準備と、特効性のある「ツボ」を刺激するやり方を覚えるのが効果的です。

具体的なマッサージの手順とツボの位置を解説します。

マッサージの準備と老犬が安心できる体勢

老犬にマッサージを行う際は、体への負担を最小限に抑えることが最も重要です。

なぜなら、老犬は関節が衰えているため、無理に仰向けにすると痛みや恐怖心を感じることがあるから。

まずは、愛犬がリラックスできる横向きや伏せた状態で行いましょう。この体勢なら、老犬は安心感に包まれます。

また、ご自身の爪は短く切り、必ず温かい手で、撫でるような軽い力で行うのが便秘解消の重要なやり方です。

老犬を安心させるマッサージの準備と姿勢は以下の通りです。

  • 手を温める:冷たい手で触ると驚くため、温めておく
  • 声をかける:「気持ちいいね」と優しく声をかけ、安心感を伝える
  • 体勢:無理に仰向けにせず、横向きまたは伏せた状態で始める
  • 撫でる:最初は全身を優しく撫で、警戒心を解く
  • 時間:長時間は避け、5分以内で切り上げる

詳しく見ていきましょう。

基本の腹部マッサージ:時計回りに優しくさする

※著者作成

腹部マッサージの基本は、優しく時計回りに行うことです。

これは、犬の腸の形に沿って便を出口の方向へ導く効果があるやり方です。

  • 手のひらを当てる:手のひら全体を愛犬のおへそ周辺に当てます。
  • 優しくさする:円を描くようにゆっくり優しくさすります。この際、「お腹を温めてあげる」という感覚で、手のひらの温かさを伝えるイメージで行います。
  • 力加減:強く押すと痛みを感じさせてしまうため、皮膚の表面を撫でるような軽い力で十分です。
  • 終了の目安:時計回りにゆっくり手を動かしているとき、愛犬がウトウトと眠り始めたら、それはリラックス効果が高まっているサインです。

このマッサージは、便秘解消の成功の秘訣なので、ぜひ実践してみてください!

便秘解消に効くお腹のツボ:天枢・中脘・関元を刺激

※著者作成

便秘解消を目的とするマッサージでは、お腹にある以下のツボを刺激するのが効果的なやり方の一つです。

ツボの名前 位置の目安 期待できる効果
天枢(てんすう) おへその左右1〜1.5cm外側 腸の働きを活性化する
中脘(ちゅうかん) みぞおちとおへその中間 胃腸の動きを整える
関元(かんげん) おへそから1〜1.5cm下 気や水分の流れを整える

これらのツボを、指の腹を使って順番に優しく押したり、ゆっくり圧をかけたりしてみてください。

ツボ押しはあくまで補助的な刺激です。決して強い力で押さえつけず、愛犬の表情を観察しながら行いましょう。

「老犬のデリケートな体だからこそ優しく」と心の中で語りかけながら行うと、愛犬も安心しますよ。

背中・腰のツボ:大腸兪と小腸兪のマッサージ

※著者作成

お腹だけでなく、背中や腰にも便秘や下痢の解消に役立つツボがあります。

背骨の両脇にある「大腸兪(だいちょうゆ)」と、その少し後方にある「小腸兪(しょうちょうゆ)」です。

  • 大腸兪:しっぽ側の肋骨から突起を5つ分しっぽ側に下りたところに位置します。背骨を挟んで両脇にあり、便秘や下痢など腸の働きを整えるのに効果的です。
  • 小腸兪:大腸兪からさらにしっぽ側に進んだ、骨盤に当たる部分に位置し、大腸兪とともに腸の働きを調整するのに役立ちます。

マッサージは、 大腸兪から小腸兪までを両手の親指で背骨を挟むようにした状態で、5秒程度かけてゆっくりと20〜30回押すのが効果的です。

老犬は背中も凝りやすいため、このマッサージは便秘解消だけでなく、リラックス効果も高めてくれます。

これらのツボを刺激することで、腸をコントロールする神経系に働きかけ、便の調子を整えるのを助けます。

マッサージは食後30分以降に5分以内がおすすめ

老犬の便秘解消マッサージは、実施する時間帯と時間に配慮することで、より効果を高められます。

マッサージは、食事の直後に行うと消化の妨げになる可能性があるため、食後30分以上あけてから行いましょう。

また、老犬は集中力や体力が続きにくいので、1回あたり3〜5分程度の短時間で切り上げるのが理想的なやり方です。

長時間無理強いすると逆効果です。

毎日1日1〜2回「気持ちいい時間」として習慣化することが、長期的な便秘解消につながります。

老犬便秘の危険サインとマッサージ以外の便秘解消対処法

不安な顔の老犬

マッサージは老犬便秘の強力なサポートですが、万能ではありません。

愛犬の命を守るためにも、「これはマッサージだけではダメだ」という危険なサインを把握しておくことが重要です。

便秘が続く時や体調不良時はすぐに獣医師へ相談

老犬の便秘が何日も続いたり、マッサージを嫌がったりするようになったら、すぐに動物病院に相談してください。

便秘の背景には、腎臓病や腫瘍、激しい脱水など、マッサージでは解決できない病気が隠れている可能性があります。

「老犬だから仕方ない」と諦めるのは絶対にNGです。特に以下のようなサインが見られた場合は、一刻を争う事態かもしれません。

【危険なサイン(獣医師へ相談すべきタイミング)】

  • 便秘が2日以上続いている
  • 嘔吐やぐったりしている様子が見られる
  • お腹を触ると老犬が「キャン!」と痛がる
  • 食欲や元気がない、水を飲む量が極端に減った

「おかしいな」と感じたその直感こそが、愛犬を救う最速のサインです。

便秘解消のためにも、「マッサージは補助的なケア」と割り切り、早めに専門家の診察を受けましょう。

水分補給や適度な運動が便秘解消と予防の基本

マッサージ以外の日常的な便秘解消と予防策として、水分補給と適度な運動は欠かせません。

水分不足は便を硬くし、便秘を悪化させる最大の原因です。

また、老犬は喉の渇きを感じにくくなっている場合があるため、常に新鮮な水を用意したり、フードをぬるま湯でふやかしたりして、積極的に水分を摂らせてあげましょう。

【水分補給や運動量を増やすやり方の例】

  • 水分補給:ドライフードを鶏肉のゆで汁などでふやかし、飲水量を増やす。
  • 運動:短い散歩(10分程度)を1日数回に分ける。坂道は避ける。

「今日もマッサージと散歩で老犬と一緒に頑張ろう!」と、ポジティブな気持ちで日々のケアに取り組んでみてください。

この積み重ねが老犬の未来の健康を守ります。

まとめ|老犬の便秘解消は「優しいマッサージ」と「危険サインの見極め」が鍵

ここまで、老犬便秘のつらさを和らげるためのマッサージのやり方と、飼い主さんが取るべき対処法について解説しました。

老犬の便秘解消にマッサージがおすすめなのは、加齢で弱った腸のぜん動運動を、ママさんパパさんの温かい手で優しくサポートし、リラックス効果を与えられるからです。

マッサージを実践する際は、以下のポイントを日々のケアに取り入れましょう。

ケアのポイント 具体的なやり方
体勢 無理に仰向けにせず、横向きまたは伏せた状態で行う
基本動作 おへそを中心に、時計回りに優しくさする
ツボ刺激 天枢、中脘、関元など、便秘解消に効くツボを指の腹で刺激する
時間 食後30分以降に1回3〜5分の短時間で行う

しかし、マッサージはあくまで補助的なケアです。

便秘が2日以上続く場合や、嘔吐腹痛などの危険サインが見られた場合は、老犬の命を守るためにも、すぐに獣医師へ相談してください。

愛情のこもったケアと、適切な医療の判断が、老犬の健やかで快適なシニアライフを支える最重要なカギとなります。

不安を感じたら、一人で抱え込まず、専門家と連携して愛犬をサポートしていきましょう。

大場聖也

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幼い頃から犬が大好きで、幼稚園の頃には犬の図鑑をボロボロになるまで読み込んでいた。 10歳のとき、不登校だった私を支えてくれたのが当時飼い始めた愛犬だった。...

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