老犬にラム肉を与えても大丈夫?メリットや注意点を専門家が解説
老犬になると、思ったようにフードを食べてくれないこともあり、トッピングにラム肉を使ってみようと思うこともあるのではないでしょうか。
また、これまでのフードから変更しようと思ったときに、ラム肉が使用されていると「老犬にラム肉は合うの?」と疑問がわきますよね。
実際、若い頃は問題なく食べられたものでも、老犬になると消化機能や体質、持病の影響で合わなくなることがあります。
そこでこの記事では、老犬にラム肉を与えるメリットや注意点、与える量について犬の管理栄養士が解説します。
【結論】老犬にラム肉を与えても大丈夫!

ラム肉は、老犬が食べても大丈夫な食材です。
ラム肉には良質なタンパク質をはじめとするさまざまな栄養素が含まれます。
必須アミノ酸のバランスが良く、消化吸収に優れているので、犬の体内で無駄なく利用されやすいという特徴があります。
特に老犬は消化機能が衰えてくるため、消化しやすい良質なタンパク質を選ぶことで、胃腸への負担を抑えやすくなるでしょう。
ただし、ラム肉は部位によって脂質量に差があり、脂身が多い部分を与えすぎると消化不良や肥満につながることがあるので注意が必要です。
老犬にラム肉を与える5つのメリット

ラム肉は、老犬にとってたくさんのメリットがある食材です。
ここでは、老犬にラム肉を与えるメリットを見ておきましょう。
①良質なタンパク質が筋肉の維持をサポート

ラム肉には、老犬の筋肉維持に欠かせない良質なタンパク質が含まれています。
老犬は加齢によって少しずつ筋肉量が低下していきますが、筋肉が落ちると足腰が弱くなったり、寝ている時間が増えたりしやすくなるため、良質なタンパク質を摂取することが大切です。
また、老犬は若い頃より食事量が少なくなるため、少量でも効率よく栄養を摂取しやすい動物性タンパク質は嬉しい存在でしょう。
②亜鉛や不飽和脂肪酸が加齢による皮膚・被毛の変化をサポート

ラム肉には、亜鉛や不飽和脂肪酸など、皮膚や被毛の健康維持に関わる栄養素が豊富に含まれています。
老犬は、皮膚のターンオーバーが若い頃よりゆるやかになったり、皮脂の分泌量が変化したりすることで、被毛のパサつきや毛ヅヤの低下、皮膚の乾燥などが起こることも少なくありません。
こうした栄養素を補えることは、加齢によって皮膚や被毛の状態が低下しやすい老犬のサポートになるでしょう。
③ビタミンB群が活力をサポート

ビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をサポートし、食べた栄養をエネルギーへ変える際に関わる重要な栄養素です。
老犬では、加齢によって基礎代謝が低下しやすく、若い頃よりエネルギーを作ったり使ったりする力が落ちやすくなります。
そのため、食事から摂った栄養を体内で効率よく利用するためにも、代謝に関わる栄養素をきちんと摂取することが大切です。
④香りやうまみで食欲を刺激しやすい

ラム肉は、比較的香りが強めでアミノ酸由来のうまみもあるため、食欲が落ちてきた老犬でも興味を示しやすいです。
海外の研究では、鶏肉や馬肉より牛肉や豚肉、ラム肉のほうが犬の嗜好性が高かったという報告もあります。
老犬は、加齢によって嗅覚や味覚が低下し、食への反応が鈍くなることも珍しくありません。
特にラム肉は甘みを感じやすい肉なので、老犬も食べてくれやすいでしょう。
⑤鶏肉や牛肉が合わない老犬の選択肢にもなる

鶏肉や牛肉などに食物アレルギーがある老犬では、ラム肉を使うことで食事の選択肢を広げられることがあります。
ただし、牛肉もラム肉も4本足の動物由来の肉であり、タンパク質の性質が似ている部分もあるため、必ず大丈夫とは言えません。
とはいえ、老犬は食べられるフードが限られると、好みや体質に合う食事を見つけにくくなります。
ラム肉を主原料にしたフードやトッピングを選択肢に入れられれば、「食べられるものがない」という状況を避けやすくなるでしょう。
老犬がトッピングやおやつで1日に食べてもいいラム肉の量

ラム肉は老犬にとってメリットのある食材ですが、与えすぎは肥満や栄養バランスの偏りにつながります。
そのため、トッピングやおやつとして与える場合は、愛犬が1日に必要なカロリーの10%程度にとどめましょう。
以下に体重や愛犬の状態、ラム肉のカロリー(約164kcal)を入力すると、自動で10%の量が算出されるので参考にしてください。
※【ラム】もも 脂身つき 生:100gあたり164kcal
※【ラム】ロース 脂身つき 生:100gあたり287kcal
上記を目安に、愛犬の体調や便の状態を見ながら調整しましょう。
また、おやつやトッピングを与えるときは、そのカロリー分のフード量を減らすことも忘れないでくださいね。
カロリー計算については、以下の記事で詳しく解説しています。
老犬にラム肉を与えるときの注意点

老犬にラム肉を与えるときは、注意してあげたいこともあります。
安心して取り入れられるように、気をつけたいポイントを覚えておきましょう。
食物アレルギーに注意する

老犬に初めてラム肉を与えるときは、ごく少量から試してみてください。
もしラム肉に食物アレルギーがある場合、食べてから30分~48時間で以下のような症状が現れます。
【犬の食物アレルギーの主な症状】
- 皮膚の赤みや痒み
- 目の周りや口の周り、耳を痒がる
- 足先を執拗に舐めたりかじる
- 下痢や軟便、便の回数が増える
- 嘔吐
もちろん、症状は老犬によって異なりますが、上記のような症状が現れたときは獣医師に相談しましょう。
特に老犬は皮膚のバリア機能が低下していることもあり、症状が出やすくなることがあります。
必ず加熱してから与える

ラム肉は、必ず加熱してから与えてください。
生肉には細菌や寄生虫が付着している可能性があり、消化機能や免疫力が低下する老犬では、食中毒のリスクが高まります。
老犬に与えるときは、中心部までしっかり火を通し、食べやすい温度(人肌程度)まで冷ましてから与えましょう。
細かく刻んだり柔らかくなるまで煮込む

老犬にラム肉を与えるときは、細かく刻んだり、やわらかく煮込んだりして食べやすくしてあげましょう。
老犬では、加齢によって噛む力や飲み込む力が低下していることも少なくありません。
大きいまま与えると、食べづらいだけでなく消化に負担がかかったり、のどに詰まらせてしまう恐れもあり注意が必要です。
持病がある犬は事前に獣医師に相談する

持病がある老犬にラム肉を与える場合は、事前に獣医師へ相談しましょう。
病気の状態やステージによっては、タンパク質や脂質、ミネラル類などの制限が必要になることがあります。
また、療法食を食べている場合では自己判断でトッピングはNGです。必ず獣医師に確認してから与えるようにしてください。
まとめ

ラム肉は、老犬の食事に変化をつけたいときや、いつものフードに少し風味を足したいときにも取り入れやすい食材です。
ただし、老犬の体に合うかどうかは、愛犬の体質や健康状態によって異なります。
「体に良さそうだから」ではなく、少量ずつ様子を見ながら、愛犬に合った形で取り入れていきましょう。
<参考文献>
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
Can Vet J.「Taste Preferences and their Relation to Obesity in Dogs and Cats」


















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