老犬が水を飲まない原因は?試してほしい4つの対処法を犬の管理栄養士が解説

フードボウルと老犬
COLUMN

愛犬がシニア期になると、水をあまり飲まなくなることがあります。

「病気のせい?」「こんなに飲まなくて大丈夫?」と不安になりますよね。

犬の管理栄養士である私も、14歳の愛犬の水分補給で悩んだことがあります。

この記事では、老犬が水を飲まない原因と試すべき4つの対処法を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

老犬が水を飲まないときに考えられる原因

チワワのシニア犬

シニア期は心や体の様々な変化や、病気の影響などで水を飲まなくなることがあります。

老犬が水を飲まない主な原因

  1. 精神的なストレス
  2. 加齢による体の変化
  3. 水の温度や慣れない器、水飲み環境の変化
  4. 病気の影響
  5. 気温の変化

ただ中には、ウェットフードや手作り食を食べていることで水分が足りている老犬もいることは覚えておきましょう。

それでは、それぞれの原因について詳しく説明します。

①精神的なストレス

元気がないチワワの老犬

犬も人と同じように、歳を重ねると感情のコントロールが難しくなってきます。

そのため、精神的なストレスを抱えやすくなり、ちょっとした変化でも負担となって水を飲まなくなることがあるため注意しましょう。

例えば、お留守番やトリミングなど、今までは問題なくこなせていたこともストレスになる可能性があります。

そのため、できるだけ日常を崩さず、常に落ち着いて水を飲める環境に置いてあげることが大切です。

②加齢による体の変化

歩くのが辛そうな柴犬の老犬

シニア期の愛犬は、加齢の影響で徐々に体内のあらゆる機能が低下している状態です。

特に以下のような変化は、飲水量に影響を与える可能性があります。

  • 関節の機能低
  • 脳機能の低下
  • 筋肉量の低下
  • 腎臓の機能低下
  • ホルモンバランス調整機能の低下など

上記のうち、関節や筋肉量の低下などは、水飲み場の工夫次第で水分をとりやすいようにすることが可能です。

ですがその他の機能低下については、病気が隠れていることもあるため、獣医師にも相談しながら対策をとりましょう。

③水の温度や慣れない器、水飲み環境の変化

新しい水飲み容器とポメラニアン

シニア期の愛犬はデリケートです。水の温度が冷たすぎたり、水が古くなっている、器が新しくなっているなどの理由でも水を飲まなくなることがあります。

暑い季節は程よく冷えた水を、寒い季節は冷たすぎない水を与えるようにしましょう。

また、お水を最低でも1日2回以上は取り替えて、できるだけ新鮮な状態のものを飲めるようにしてあげてください。

そして、水飲み容器を変更するときは、古いものと一緒に置いて徐々に慣らすようにするなどの配慮も大切です。

④病気の影響

ぐったりしているトイプードル

老犬になると、持病を持つ愛犬も多くなります。以下のような病気の影響で水を飲まなくなることがあるので、脱水にならないよう気を付けてみていてあげましょう。

  • 歯周病などの口腔内疾患
  • 慢性腎臓病などの内臓疾患
  • 認知症などの神経疾患
  • ヘルニアなどの整形疾患

また、このような病気以外でも、痛みなどの理由から水を飲みたがらない老犬もいます。

そういったときは、あまり様子を見ずに一度動物病院を受診するようにしておくと安心です。

⑤気温の変化

暑い時期から寒い時期へ移り変わるときに、老犬の飲水量も変化することがあります。

これは、気温が低くなると体温調節のためにとる水分量が減ることが理由です。

また、寒い時期に冷たい水を飲みたがらない老犬も珍しくありません。

ただ、冬は乾燥していますし、喉の渇きを感じづらいからといって水分が必要ないわけではありません。

気温が変化しても、愛犬が必要な水分をしっかりとれるようにしてあげることが大切です。

老犬がこのまま水を飲まないとどうなる?余命は?

シニア犬のミニチュアダックス

老犬がずっと水分をとれない状態が続くと、徐々に脱水症状が現れ、やがて命を落とします。

老犬は隠れ脱水も多く、体の水分が5%程度失われただけでも症状が現れる可能性があるため、特に注意が必要です。

脱水時に見られる症状

  • 皮膚にハリが無くなる
  • 目がくぼむ
  • 歯茎が白くなる
  • 呼吸が荒くなる
  • 痙攣する
  • 意識が低下するなど

水を飲めなくなってからの余命は、個体差があるので一概には言えません。

ですが、水を飲めない・食事もとれないときの余命は、数日から2週間程度と言われています。

愛犬が水を飲んでいないなと感じたときは、獣医師と連携を取りながらできる限りのことをしてあげるようにしましょう。

老犬が水を飲まないときに試すべき4つの対処法

水を飲むシニア犬

ここでは、老犬に水を飲んでもらうために試しておきたい対処法を4つ紹介します。

できることから取り入れてみてくださいね。

水を飲まない時の対処法

  1. ウェットフードやスープ、水分補給用ゼリーを使う
  2. 季節にあった温度の新鮮な水を与える
  3. 水飲み容器の高さを変え、水飲み場を増やす
  4. シリンジで水を与える

では、それぞれについて詳しく解説していきます。

①ウェットフードやスープ、水分補給用ゼリーを使う

ウェットフードを食べる柴犬

普段のごはんにウェットフードやスープを加えたり、水分補給用の犬用ゼリーを与えることで水分をとることができます。

ウェットフードやスープは嗜好性が高いものも多いので、食事量が少ない愛犬には特におすすめです。

また、ドライフードを食べている愛犬の場合は、ぬるま湯やスープでふやかして与えることで、自然と水分摂取量を増やすことができます。

②適温の新鮮な水を与える

新鮮な水とシニア犬のチワワ

水をまめに取り替えて、新鮮な水を与えるようにしましょう。

この時、夏なら適度に冷やした水を、冬なら少しぬるま湯を加えて飲みやすい温度に調整した水を与えるのがおすすめです。

水はミネラルウォーターではなく水道水で構いませんが、浄水器の水なら不純物の心配もなく、より老犬に安心して与えられるでしょう。

ちなみに、硬水のミネラルウォーターは体の負担となることがあるのでおすすめできません。

③水飲み容器の高さを変え、水飲み場を増やす

食事台を使うシニア犬

食事台などを使って、水飲み容器の高さを愛犬の飲みやすい位置に調整しましょう。

首を下げなくても飲めるくらいの高さがおすすめです。

また、愛犬が水を飲むために遠くまで動かなくても済むように、よく過ごしている場所に複数設置してあげるといいでしょう。

新しい器を使う場合は、今使っている器と素材や形ができるだけ近いものを選んであげると比較的慣れやすいですよ。

⑤シリンジで水を与える

シリンジで水を飲むシニア犬

老犬の中には、自力で水を飲むことができなくなってしまった子や、水分を取ってもすぐに足りなくなってしまう子もいます。

そういったときは、シリンジを使ってママさん・パパさんが水を飲ませてあげましょう。

ただし、シリンジは無理に飲ませたり、誤った方法で行うと誤嚥につながりとても危険です。

シリンジを使って水分補給をさせるときは、必ず事前に獣医師から正しい介助方法を教えてもらうようにしましょう。

老犬の脱水具合を自宅で確認する方法と受診の目安

動物病院にいるシニア犬

老犬の脱水具合を自宅で確認するときは、愛犬の背中側の首の皮を軽くつまみましょう。

つまんだ手を話したときに、皮膚が5秒位内にもとの状態に戻れば脱水を心配する必要はないと言えます。

もしこの時、皮膚の戻りが悪く、もとの状態に戻るまでに5秒以上かかる場合は注意が必要です。

5%程度脱水している可能性があるので、水分を補給させましょう。

また、他にも以下のような症状がある場合は、かかりつけの動物病院を受診するようにしてください。

動物病院を受診する目安

  • ぐったりしている
  • ハァハァして呼吸が荒い
  • まる1日以上水を飲まない
  • 下痢や嘔吐が見られる
  • ごはんを食べない
  • 尿の回数が少ない・または多すぎる
  • 尿の色がいつもと違う
  • よだれが大量に出ているなど

なお、老犬では様子を見ることが危険なケースもあります。病院に行くか迷ったときは、一度受診しておくようにしましょう。

まとめ

水分を摂るMIX犬の老犬

老犬は加齢の影響で心や体に多くの変化が起こり、飲水量が減ってしまうことがあります。

また、持病を抱えている子も多く、その症状のひとつとして水をあまり飲めなくなってしまうことも珍しくありません。

脱水状態が続けば命の危険もあるので、適度な水分摂取を日頃から心がけてあげましょう。

対処法には、以下のようなものがあります。

水を飲まない時の対処法

  1. ウェットフードやスープ、水分補給用ゼリーを使う
  2. 季節にあった温度の新鮮な水を与える
  3. 水飲み場を増やす
  4. 水飲み容器の高さを変え、水飲み場を増やす
  5. シリンジで水を与える

愛犬の状態によって最適な水分量は異なります。中には、毎日点滴をしても水分が不足してしまうような子も。

かかりつけの獣医師に相談しながら、愛犬が最適な量の水分を摂れるようお手伝いしてあげてくださいね。

たかはし ゆきな(高橋ゆきな)

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ペットライター・ドッグフード専門家。 「ペットと暮らすことの素晴らしさを世界中に伝えたい!」とwebライターを志し、ライティングの勉強をしながらペットフード...

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