老犬に梨を与えても大丈夫?適量やメリット・注意点を犬の管理栄養士が解説
秋の味覚の梨。梨は自然な甘みがあり、シャリシャリとした食感がするため、好きな犬も多い果物です。
そんな梨を、老犬に食べさせたいと思うこともあるのではないでしょうか。
しかし、老犬は若い頃と違って体のさまざまな機能が低下していくため、「今までと同じように与えても大丈夫?」と心配になりますね。
老犬が梨を食べても問題はありませんが、与え方を間違えると体の負担となってしまうこともあるため、正しい与え方を知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、老犬に梨を与えるメリットや与えていい量、注意点について犬の管理栄養士が解説します。
老犬が梨を食べても大丈夫!ただし与えすぎには注意が必要

結論から言うと、適量であれば老犬が梨を食べても大丈夫です。
ただし、梨には糖質やソルビトール、食物繊維などが含まれているため、与えすぎると下痢や軟便、カロリーオーバーにつながる可能性があります。
とはいえ、梨には以下のような栄養素が含まれており、上手に活用すれば老犬にもメリットがありますよ。
【梨の主な栄養素】
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梨は特別栄養価が高いわけではありませんが、水分を多く含むため、老犬のおやつに取り入れやすいでしょう。
老犬が梨を食べる4つのメリット

老犬が梨を食べることで、得られるメリットは4つあります。
ここで、もう少し詳しく見ていきましょう。
水分補給をサポート

梨は水分が88%含まれているため、老犬の水分補給に役立ちます。
老犬は、水分バランスを調節する体の仕組みが年齢とともに変化し、喉の渇きを感じにくくなります。
さらに、活動量や食事量が減ることで、水を飲む機会や食事から摂る水分が減り、隠れ脱水を起こしていることも珍しくありません。
梨は、老犬がおやつ感覚で水分を摂れる、手軽な水分補給の方法のひとつです。
また、水そのものをあまり飲みたがらない老犬でも、甘みのある梨なら食べてくれやすいですよ。
スムーズな排便をサポート

梨には食物繊維やソルビトールが含まれているため、スムーズな排便をサポートしてくれます。
梨に含まれる食物繊維は不溶性食物繊維の割合が多く、不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸を刺激し、蠕動運動を促す働きがあります。
さらに、ソルビトールには腸管内の水分を保持する働きがあるため、便が硬くなりすぎるのを防ぎ、排便しやすい状態を保ってくれるのです。
老犬は活動量や飲水量が減って便が硬くなりがちですが、水分・食物繊維・ソルビトールを一緒に摂れる梨は、老犬の排便をサポートするおやつとして取り入れやすいでしょう。
抗酸化をサポート

梨に含まれるビタミンCやポリフェノールは、老犬の抗酸化をサポートする成分です。
こうした抗酸化成分は、体内で発生する活性酸素の働きを抑え、細胞が酸化ストレスによる影響を受けるのを防ぐ働きがあります。
老犬では、年齢を重ねるにつれて体内の抗酸化防御機構の働きが低下し、活性酸素による酸化ストレスの影響を受けやすくなります。
活性酸素は体内で自然に発生しますが、増えすぎると細胞や組織を傷つけ、老化やさまざまな病気の原因になることも珍しくありません。
もちろん、梨に含まれる抗酸化成分は特別多いわけではありませんが、老犬の健康を考えるうえで意識したい成分でしょう。
また、人を対象とした研究では、梨やりんごなどの果物の摂取は、一部のガンや心疾患、Ⅱ型糖尿病などの病気のリスクが低下するなどの報告(※1、2)もあり、さまざまな病気のリスクが高まる老犬にとっても、こうした効果に期待したいところです。
食欲をサポート

梨は水分が多く、ほどよい甘みと香りがあるため、食欲が落ちた老犬でも興味を示してくれやすいでしょう。
老犬では、嗅覚や味覚の変化、活動量の低下、口腔内のトラブルなどによって、食事が進まなくなることも少なくありません。
そんなとき、いつものフードに少量の梨を添えることで、食べるきっかけになることもありますよ。
老犬が1日に食べてもいい梨の量
老犬に与える梨は、ほかのおやつやトッピングを含めて1日の摂取カロリーの10%程度を目安にしましょう。
以下に、愛犬の体重や状態、梨の100gあたりのカロリー(38kcal)を入力すると、自動で目安量の上限が算出されます。
体重
kg
状態
おやつ・トッピング100g/mlあたりのカロリー
kcal
1日あたりに必要なカロリー:
— kcal
おやつ・トッピングの許容量(10%):
— kcal
おやつ・トッピングの目安量:
— g / ml
ただし、梨はカロリーが低く、水分やソルビトールが豊富に含まれているため、上限量いっぱいに与えるとお腹がゆるくなる可能性があります。
そのため上限の目安量以内で、愛犬の便の状態を見ながら、調整することをおすすめします。
老犬に梨を与えるときの注意点

梨は老犬の健康サポートに役立ちますが、与えるときは注意しなければいけないこともあります。
食物アレルギーに注意する

梨は犬の食物アレルギーの代表的な原因食材ではありませんが、どの食材でも体質によってアレルギー反応が起こる可能性はあります。
初めて与えるときは少量から始め、食後に皮膚の赤みやかゆみ、嘔吐、下痢などの変化がないか確認しましょう。
異変がみられた場合は与えるのを中止し、獣医師に相談してください。
皮・芯・種は取り除く

梨を老犬に与えるときは、皮・芯・種をすべて取り除きましょう。
梨の皮や芯は硬く、老犬の消化に負担がかかります。特に芯は大きなまま飲み込むと、喉や食道に詰まらせる危険もあるため、与えないようにしてください。
また、梨の種にはアミグダリンが含まれており、噛み砕かれることで有害なシアン化水素(青酸)が発生する可能性があります。
少量を誤って飲み込んだくらいでは、中毒を起こすケースはまれですが、中毒を起こすリスクがある以上与えないほうが安心です。
ただし、大量に食べた、種を噛み砕いて食べた、体調に異変があるといった場合は、動物病院を受診してください。
食べやすい大きさや形にして与える

老犬に梨を与えるときは、薄くスライスしたり細かく刻む、すりおろすなど、食べやすい形にしてあげましょう。
老犬は、歯が少なくなったり噛む力が弱くなったりして、食べ物を十分に噛まずに飲み込んでしまうことがあります。
大きいままでは喉や食道に詰まらせてしまうこともあるので、詰まらせない大きさにしてあげることが大切です。
また、細かくすることは消化の負担も軽減できるため、愛犬の口の状態や食べ方に合わせて、形を調整してください。
獣医師から栄養制限の指示を受けている場合は自己判断で与えない

腎臓病や糖尿病などで、獣医師から栄養制限の指示を受けている老犬には、自己判断で梨を与えないようにしましょう。
梨にはカリウムや糖質などが含まれているため、病気の種類や検査値によっては治療に影響することがあります。
栄養制限をしている場合は、事前に「梨を与えてよいか」「どのくらいならよいか」をかかりつけの獣医師に確認してください。
老犬に梨を与えるときのよくあるQ&A

ここでは、老犬に梨を与えるときによくある疑問をQ&A形式で解説します。
Q1.梨は毎日与えても大丈夫?
A.適量であれば、梨を毎日与えても問題はありません。
ただし、便がゆるくなる、食事量が落ちるなどの変化がみられた場合は、量や頻度を見直してください。
Q2.和梨と洋梨はどちらが老犬におすすめ?
A.愛犬が好きなほうを選んであげましょう。
和梨は水分が多く、シャリシャリとした食感が特徴です。一方、洋梨は和梨よりやわらかい食感のものが多いため、噛む力が弱くなった老犬には食べやすいかもしれません。
ただし、洋梨は和梨より食物繊維やソルビトール、カロリーがやや多いため、与える量には注意してください。
まとめ

梨は、老犬の水分補給や食欲、排便のサポートにも役立つ果物です。
梨が旬の時期には、いつものおやつに取り入れることで、食事の楽しみを増やすことにもつながるでしょう。
与える量や食べやすさに気をつけながら、梨を上手に活用してみてくださいね。
<参考文献>
※:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
※1:農林水産省「主な果物の健康機能性」
※2:NIH-AARP Diet and Health Study「Fruit and vegetable intake and head and neck cancer risk in a large United States prospective cohort study」














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