シニア犬のダイエットフードはどう選ぶ?おすすめの栄養基準と注意点
愛犬のためにダイエットフードを探していても、シニア犬向けの商品は種類が多く、どれを選べばいいのか迷いますよね。
「シニア犬におすすめ」と紹介されているフードを選ぶのは簡単ですが、その商品が愛犬に合うとは限りません。
シニア犬は、年齢や体格だけでなく、筋肉量や食欲、噛む力、持病などによっても適したフードは異なります。
だからこそ、「どの商品がおすすめか」だけでなく、愛犬にはどんなダイエットフードが合うのかを判断できることが大切です。
この記事では、シニア犬におすすめのダイエットフードの選び方と、与え方や注意点を犬の管理栄養士が解説します。
まずシニア犬にダイエットフードが必要か確認しよう

シニア犬のダイエットフードを選ぶ前に、まず本当に減量が必要な状態なのかを確認することが大切です。
体重だけで肥満と判断しない

犬の適正体重は、犬種だけでなく骨格や体格によっても異なります。
たとえば同じ犬種でも、骨格が大きい犬と小さい犬では適正体重が違うため、「○kgを超えたから肥満」と言うことはできません。
BCS(ボディコンディションスコア)で体型を確認する

シニア犬の肥満度を確認するのに役立つのが、BCS(ボディコンディションスコア)です。
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BCSでは体重ではなく、触った感覚と見た目から体脂肪のつき方を確認します。
ただし、最初は判断が難しいため、動物病院で獣医師に愛犬のBCSを確認してもらい、あわせて触り方を教えてもらうといいでしょう。
なお、BCS5(肥満)にあてはまる場合は、獣医師の指導のもと減量を行う必要があります。
体重が増えたり太って見えるのは病気の可能性もある

食事量が変わっていないのに体重が増えたり、太って見えるようになった場合は、病気が関係していることも珍しくありません。
たとえば、甲状腺機能低下症では代謝が低下して体重が増えやすくなり、クッシング症候群では腹部に脂肪がついたり筋肉が弱くなったりすることで、太って見えることがあります。
特にクッシング症候群は、初期では食欲があることも多く、見た目で病気であることに気づきにくいのが特徴です。
そのため、シニア犬のダイエットを始める前には、一度動物病院で体の状態を確認してもらうと安心です。
シニア犬におすすめのダイエットフードの選び方

シニア犬のダイエットフードを選ぶときは、年齢による体の変化に配慮することが大切です。
成犬の頃と同じ基準で選んでしまうと、今の体の状態に合わず、体の負担になってしまうこともあります。
シニア犬が無理なく体重管理をできるように、シニア犬ならではの選び方を押さえておきましょう。
主原料が肉や魚のものを選ぶ

ダイエットフードに限りませんが、主原料に肉や魚などの良質なたんぱく質が使用されているものを選びましょう。
| 【良質なたんぱく質とは】 必須アミノ酸をバランスよく含み、消化しやすく、体内で利用されやすいたんぱく質のこと。代表的な食材は肉や魚、卵など |
たんぱく質は、筋肉や皮膚、被毛など体をつくったり、維持するために欠かせない栄養素です。
また、犬は限りなく肉食に近い雑食という食性を持つため、肉や魚などの動物性たんぱく質の消化・利用を得意としています。
原材料表示は配合量の多い順に記載されているため、最初のほうに肉や魚があるかを確認してみましょう。
ただし、肉や魚が主原料だからといって、必ずしもたんぱく質量が多いとは限りません。保証成分のたんぱく質量もあわせて確認することが大切です。
たんぱく質をしっかり摂れるものを選ぶ

シニア犬のダイエットフードは、たんぱく質をしっかり摂れるものを選びましょう。数値的には、たんぱく質量が25%以上のものがおすすめです。
年齢を重ねると、たんぱく質の合成低下など加齢に伴う体の変化によって、筋肉量が減少しやすくなります。
さらに、ダイエットのために食事量を減らすと、たんぱく質の摂取量まで減って筋肉の減少につながるため、十分なたんぱく質が摂れるフードを選ぶことが大切です。
ただし、腎臓病や肝臓病などでたんぱく質の制限を指示されている場合は、かかりつけの獣医師の指示を優先してください。
脂質が高すぎないものを選ぶ

シニア犬のダイエットフードは、脂質が高すぎないものが基本です。数値的には、脂質量は10%以下のものを選ぶといいでしょう。
ただし、脂質は低ければ低いほどいいというものでもありません。
脂質はエネルギー源になるだけでなく、脂質が不足すると、必須脂肪酸が不足して皮膚や被毛の状態が悪くなったり、脂溶性ビタミンの吸収に影響したりすることがあります。
また、必須脂肪酸は炎症反応や免疫機能の調節にも関わるため、極端な脂質制限は避けることが大切です。
繊維質を適度に含むものを選ぶ

食事量を極端に減らさずに満足感を得やすくするよう、食物繊維を適度に含むフードがおすすめです。数値的には、繊維質量が5%以上程度です。
食物繊維を適度に含むフードは、食事のかさを保ちながらフード全体のカロリーを抑えやすいほか、便通を整えたり、腸内細菌のエサとなって腸内環境の維持をサポートしたりする働きがあります。
シニア犬では、飲水量や活動量の低下、関節の痛みで排便姿勢をとりにくくなる、加齢に伴って腸の働きが低下するなど、さまざまな要因で排便がスムーズにいかなくなることも少なくありません。
そのため、体重管理だけでなく排便や腸内環境への配慮という点でも、食物繊維を適度に含むフードはメリットがあります。
ただし、繊維質が多すぎると便が硬くなったり、必要な栄養素の消化・吸収に影響したりすることもあるため、愛犬の便の状態を確認しながら与えることが大切です。
低カロリーだけで選ばない

シニア犬のダイエットフードを選ぶときは、カロリーの低さだけを基準にしないようにしましょう。
カロリーが低いフードほど1日の給餌量は多くなり、カロリーが高いフードほど給餌量は少なくなります。
たくさん食べたいシニア犬もいれば、あまり量を食べられないシニア犬もいるため、愛犬が無理なく食べきれる給餌量かどうかも確認して選ぶことが大切です。
愛犬が食べやすいものを選ぶ

粒の大きさや硬さ、フードの形状など、愛犬が食べやすいものを選ぶことも大切です。
シニア犬では、歯周病や歯の欠損、噛む力や飲み込む力の低下などのトラブルを抱えていることも少なくありません。
そのため、小粒のドライフードやセミモイストフード、やわらかいウェットフードなど、食べやすいフードがいいでしょう。
シニア犬のダイエットフード|おすすめの与え方と注意点

シニア犬のダイエットでは、フードの選び方だけでなく、与え方にも気をつけたいポイントがあります。
せっかく愛犬に合ったダイエットフードを選んでも、与え方によっては思うように体重管理ができないことも珍しくありません。
フードの切り替えは時間をかけて行う

ダイエットフードへ変更するときは、これまでのフードに1割ずつ混ぜながら、10日~2週間ほどかけてゆっくりと切り替えましょう。
急にフードを変更すると、お腹が新しいフードに驚いて、下痢や軟便、嘔吐などを引き起こすこともあります。
特にシニア犬は、年齢や体調によって消化機能に個体差が大きいため、便や食欲の様子を見ながらゆっくり切り替えることが大切です。
途中で便がゆるくなったり、食欲が落ちたりした場合は、切り替えのペースを戻すなどして調整してください。
【自動計算機で簡単!】愛犬に合った給餌量で与える
※計算結果は目安です。体型や活動量に合わせて調整してください。
1日あたりのフード必要量
— g
2回に分けた場合:— g/回
3回に分けた場合:— g/回
4回に分けた場合:— g/回
1日あたりに必要なカロリー
— kcal
上記に、愛犬とドッグフードの情報を入力すると、1日の給餌量目安が自動で算出されるので参考にしてください。
ドッグフードのパッケージには大まかな体重ごとの給餌量目安が記載されていますが、犬の状態によって給餌量は大きく異なります。
そのため、愛犬に合った量を、g単位で正確に計って与えることが大切です。
ただし、ここで出た数字もあくまでも目安です。
代謝の働きや運動量など個体差があるため、1週間に1回は体重やBCSの変化を見ながら調整してください。
おやつやトッピングも含めて管理する

シニア犬のダイエットは、フードだけでなく、おやつやトッピングも含めた1日の総摂取カロリーで考えることが大切です。
主食の量をきちんと調整していても、おやつやトッピングのカロリーは忘れられていることも珍しくありません。
おやつやトッピングの量は、愛犬が1日に必要なカロリーの10%程度(多くても20%まで)のカロリー分にし、その分主食のフード量を減らしましょう。
特にシニア犬では、投薬のためのおやつや食欲を高めるためのトッピングを使うことも多いですよね。
また、家族それぞれが別々におやつを与えていると、カロリーを把握することが難しくなるため、1日に与えるおやつ量を袋などにとりわけ、家族で共有することをおすすめします。
食事回数を3回以上にする

シニア犬では、1日の食事量を3回以上に分けて与えましょう。
ダイエットフードはカロリーを抑えて設計されている傾向にあり、必要なエネルギーを確保するために1日の給餌量が多くなっています。
特にシニア犬では、一度にたくさん食べられなかったり、食べられたとしても消化の負担が大きくなるため、食事の回数を増やしてあげることが大切です。
また、食事の間隔が短くなることで空腹時間を減らしやすく、ダイエット中の物足りなさを和らげることにもつながりますよ。
シニア犬のダイエットで食事量を減らしすぎるのはNG!

早く痩せさせたいからといって、フードの量を極端に減らすのはおすすめできません。
摂取カロリーを大きく減らしすぎると、脂肪だけでなく筋肉まで落ちやすくなります。
筋肉量が減ると、普段の生活で消費するエネルギーも少なくなるため、以前より少ない食事量でも体重が減りにくくなってしまうのです。
また、フードの量を減らしすぎると、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養素まで不足する可能性があります。
特にシニア犬は筋肉量が低下しやすい状態のため、食べる量を減らすのではなく、必要な栄養を確保することを意識しましょう。
体重を落とすペースは犬の状態によっても異なるため、獣医師に確認しながら進めていくのがおすすめです。
まとめ

シニア犬のダイエットフードは、低カロリーというだけで選ばず、愛犬の今の状態に合っているかを基準に選ぶことが大切です。
また、「ダイエット用」のフードでも、栄養設計は商品によって異なります。
おすすめ商品だけで決めるのではなく、愛犬の好みや食べやすさなど、愛犬に合ったフードを選んであげてくださいね。
<参考文献>
・VCA「Following a Weight Loss Plan for Dogs」
・AAHA「Nutrition」
・Royal Canin「What’s new in terms of weight management?」















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