シニア犬がおやつしか食べないのはなぜ?原因とすぐに試せる4つの対処法

COLUMN

「ドッグフードを出しても、おやつしか食べてくれない。」
「おやつばかり食べていると、栄養不足にならないか不安」

このようにシニア犬の食事に関して悩んでいるママさんパパさんもいるのではないでしょうか。

老犬がおやつしか食べない原因は、加齢による衰えや病気が関係しています。

そのため、おやつしか食べないことを単なるわがままと決めつけず、まずは食べない理由を見極めることが欠かせません。

本記事では、シニア犬がおやつしか食べない原因から危険な病気のサイン、具体的な対処法まで解説します。

シニア犬がおやつしか食べないときに考えられる4つの原因

シニア犬が主食を食べずおやつばかり好むときは、加齢や体調の変化などさまざまな原因が考えられます。

ここからは、シニア犬がご飯を残しておやつしか食べない主な理由を4つ紹介します。

①加齢による嗅覚の衰え

シニア犬になると、嗅覚が鈍くなるとされています。

食べ物を口にするか判断する際、犬は味覚よりもニオイの強さで確かめるため、嗅覚が鈍くなるとドッグフードへの反応が悪くなる場合があります。

おやつはドッグフードよりも強い香りを放つため、感覚が衰えた犬でも食べ物として認識しやすいと言えるでしょう。

②歯周病や口内炎など口のトラブル

ドッグフードを残して特定のおやつばかり欲しがる場合、口の中に痛みを抱えている可能性があります。

口のトラブルの場合、硬いドライフードを噛むと痛みを感じるため、噛まずに飲み込めるやわらかいおやつを好んでいると考えられます。

シニア犬によく見られる口のトラブルは、以下のとおりです。

  • 歯周病
  • 口内炎
  • 歯のぐらつき

口内に異常がある場合はケガの悪化を防ぐため、無理に食べさせず動物病院で診察を受けてください。

③運動不足や内臓機能の衰えによる食欲低下

老犬になって運動量や内臓の機能が低下すると、基礎代謝が落ちて一日の消費カロリーが減るため、食欲が落ちることがあります。

おやつは主食に比べてニオイが強く、味も濃いため、食欲が低下していても食べる犬が多いでしょう。

加齢による食欲低下の場合は、日常生活で次のようなサインが見られます。

  • 散歩に行きたがらず寝ている時間が増えた
  • おやつを見せても以前ほど喜ばない
  • ご飯の途中で食べるのをやめてしまう

上記のようなサインが見られたときは、運動不足や内臓機能の衰えを疑いましょう。

④「食べなければおやつがもらえる」という学習行動

ドッグフードを残した際にママさんパパさんがすぐおやつを与え続けると、犬は「ご飯を食べずに我慢して待っていれば、おやつをもらえる」と学習します。

とくに老犬は運動量や内臓機能の低下により強い空腹を感じにくいため、おいしいおやつだけ食べたいと感じ、主食を拒否する傾向が強くなります。

おやつ中心の食生活は深刻な栄養不足を招くため、安易に与えすぎないようにしましょう。

老犬がご飯を食べないのはなぜ?原因と対処法を獣医師が解説

シニア犬がおやつしか食べないのは病気?受診を考える目安

シニア犬がおやつしか食べない状況は、単なる選り好みではなく病気が原因の可能性もあります。

ここからは、病院へ行くべき危険な3つのサインを解説します。

おやつへの反応はあるが元気がなく体重が減っている場合

おやつへの反応はあるものの、以前より元気がなく体重が減っている場合は、病気が原因で栄養を吸収できていない可能性があります

腫瘍や内臓のトラブルを抱えている犬は、いくら食べても栄養の吸収効率が低下し、体重減少が進むとされています。

具体的には、以下のようなサインに注意しましょう。

  • 背骨や肋骨が目立って浮き出てきた
  • 散歩に誘っても行きたがらず寝てばかりいる
  • 毛艶が悪くなりパサついている

上記のような症状が見られた場合、食べているから大丈夫と判断せず、体重や活動量の変化を記録して獣医師に相談しましょう。

下痢・嘔吐・多飲多尿などほかの症状が見られる場合

ご飯を食べないだけでなく、下痢や嘔吐、水の飲み方の異変など、ほかの症状が見られる場合は、消化器官または腎臓のトラブルの疑いがあります。

症状別に考えられる病気は、以下のとおりです。

見られる症状 考えられる病気
下痢・嘔吐が続く 胃腸炎や誤飲、膵炎などの消化器トラブル
水を大量に飲む 腎臓病や糖尿病、ホルモンの病気
咳をする・息が荒い 心臓病や気管支炎など呼吸器の不調

これらの症状が見られる場合は、おやつを食べる元気があっても、体の中で病気が進行している可能性があります

早めに動物病院を受診しましょう。

おやつも食べなくなり水分摂取量が減っている場合

今まで食べていたおやつさえ口にしなくなり、水の摂取量も減っている場合、脱水や低血糖を起こす恐れがあります。

脱水や低血糖は短時間で命に関わる状態になる可能性が高く、すぐに動物病院へ連絡する必要があります。

治療で苦痛を取り除ける場合もあるので、自己判断で様子を見ず、獣医師の助けを借りることが大切です。

シニア犬がおやつしか食べないときに試したい4つの対処法

老犬がおやつばかり食べて主食を残す場合は、毎日の食事内容や与える環境を見直しましょう。

犬の体調や年齢に合わせた工夫を取り入れると、ドッグフードを食べてくれる可能性があります。

ここからは、ご飯を食べないシニア犬に対してママさんパパさんが試すべき対処法を4つ解説します。

①フードを人肌に温めて香りを引き立てる

ドッグフードとヨークシャーテリア

シニア犬がいつものフードを残すときは、ご飯を人肌程度に温める方法がおすすめです。

老犬は嗅覚が衰えているため、人肌に温めて食べ物の香りを強くすると、食欲を増進できます

ドライフードを温めて与える手順は、以下のとおりです。

  • 耐熱皿に1食分のドッグフードを移す
  • 電子レンジを使い10秒から20秒ほど短時間だけ加熱する
  • 指で触って温度を確認する

ご飯を温めすぎると、犬が口内にやけどを負う危険があります。

必ず、35度前後の人肌に調整してから与えてみてください。

②ドライフードをふやかして食感をやわらかくする

硬いドライフードを嫌がる場合は、水分を含ませて食感をやわらかくしてみましょう。

シニア犬は歯周病や筋力の低下により噛む力が弱っており、硬い粒を噛むのを嫌がる傾向があります。

そのため、硬いドライフードをやわらかくすると、食べてくれる可能性が高くなります。

ドッグフードをやわらかくふやかす方法は、以下のとおりです。

  • ぬるま湯を入れる
  • 犬用のミルクをかける
  • 肉のゆで汁を加える

熱湯を使用すると、熱に弱い栄養素が壊れてしまう可能性があるため、必ず人肌程度のぬるま湯を使用してください。

犬用のミルクや肉のゆで汁は、ドッグフードに風味が足されるため、愛犬の食いつきがよくなるでしょう。

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③1回の食事量を減らして与える回数を増やす

老犬になると胃腸の働きが衰えるため、若い頃のように一度にたくさんのご飯を消化できません。

そのため、1回の食事量が多いと食べきれずに残すことがあります。

今まで1日2回だった食事を3回から4回に分けて少量ずつ与えれば、胃腸が一度に処理するフードの量が減るため、食後の胃もたれや消化不良を防げます

さらに、食事と食事の間隔が短くなれば、空腹による嘔吐を防ぐことにもつながるでしょう。

無理にたくさん食べさせようとせず、愛犬のペースに合わせて食事のスケジュールを調整してみてください。

④食器の高さや食事環境を整えて負担を減らす

ご飯を食べたがらない場合は、犬が食事をとる際の姿勢や周囲の環境を見直してみてください

シニア犬は首や腰の関節に痛みを抱えているケースが多く、頭を低く下げる姿勢を嫌がる場合があります。

愛犬が楽な姿勢でご飯を食べられるように、次のような工夫を検討しましょう。

  • 食器台を使って高さを出す
  • フローリングにマットを敷いて足元の滑りを防止する
  • 浅い食器に変更する

ご飯を食べる体勢が辛そうな愛犬には、ぜひ上記の工夫を試してみてください。

シニア犬がおやつしか食べないときによくある質問

Q&Aとチワワ

ここからは、おやつしか食べないシニア犬に関してよくある5つの疑問に回答します。

Q. ご飯を食べないときに下げる対応は老犬にも有効ですか?

A. ご飯を下げる方法は若い犬には有効ですが、老犬にはおすすめできません

体力が低下しているシニア犬は、絶食による体への負担が大きくなります。

若い頃は一食抜いて空腹にさせても平気ですが、老犬の場合は低血糖や脱水症状を引き起こす危険があります。

愛犬の体調を最優先に考えて、時間を空けてから再び与えるなどの工夫を試してみてください。

Q. 手作り食だけ与え続けても問題ありませんか?

A. ドッグフードを食べないからといって、長期間手作り食だけで続けるのはおすすめできません

総合栄養食のドッグフードと比べて、手作り食は完璧な栄養バランスを保つのが難しいといえます。

一時的に食欲を刺激する目的ならば、手作り食は効果的です。

しかし、健康寿命を延ばすためには主食に総合栄養食を選び、手作りのおかずを添える形がよいでしょう。

Q. 何日くらいご飯を食べなければ受診すべきですか?

A. 丸一日以上ほとんど食べない状態が続く場合、受診を検討しましょう

シニア犬は若い犬よりも体力の低下が早く、脱水や低血糖のリスクが高くなります。

愛犬の様子が普段と違うと感じたときは、迷わずに獣医師へ相談することが、愛犬の健康につながります。

Q. 食事におやつなどをトッピングしてもいいですか?

A. 食欲を引き出す方法として、いつものフードにおやつをトッピングするのはおすすめです。

ただし、トッピングを与える際は以下のルールを守る必要があります。

  • トッピングの量は一日の必要カロリーの一割以内に抑える
  • 主食のドッグフードを少し減らす
  • トッピングは野菜などの健康的な食材にする
  • 必ず最初からおやつを混ぜた状態で犬の目の前に出す

ご飯を食べない様子を見てからおやつを追加する対応は、犬が「ご飯を我慢して待てばおやつをもらえる」と勘違いする原因になります。

トッピングをする際は、初めからフードに混ぜた状態で与えましょう。

Q.おやつしか食べない状態が続くとどのようなリスクがありますか?

A. おやつしか食べない状態が続くと、栄養不足になり、シニア犬の健康寿命を縮める可能性があります

市販のおやつは食いつきを良くする目的で作られており、必要な栄養素が根本的に足りていません。

タンパク質不足が続くと筋力低下が進み、活動量が減る可能性があります。

また、ビタミンやミネラルが欠乏すると免疫力が低下し、病気の原因となります。

おやつはあくまで間食であり、主食の代わりにはならない点を理解しておきましょう。

まとめ|シニア犬がおやつしか食べない時は焦らず工夫と体調確認を

シニア犬がおやつしか食べない状況には、必ず何らかの理由が隠れています。

  • 加齢による感覚の衰えや口のトラブル、学習行動などが原因として考えられる
  • 体重の減少や下痢、嘔吐などが見られる場合は、早めに動物病院を受診する
  • フードを温めたり食事環境を整えたりして、犬の負担を減らす工夫を試す

おやつ中心の食生活が続くと栄養不足を招き、老犬の健康寿命を縮めるリスクが高まります。

もし、異変を感じたときは自己判断で様子を見ずに、速やかに獣医師へ相談しましょう。

シニア犬が朝ごはんを食べないときに確認したいポイント7つ|原因・対処・病院の目安

さかもとはるか

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元犬の訓練士・ペットライター 犬のしつけ・ケア・グッズ紹介などを中心に、現場経験を活かした記事制作が得意。 愛犬・愛猫・デグーたちと暮らし、ペットとの暮らし...

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