シニア犬はレバーを食べても大丈夫!与える量や注意点、メリットを紹介
犬が喜んで食べる人気のおやつと言えば、レバーですよね。
しかし、レバーは栄養価が高く健康維持に役立つ一方で、与えすぎると良くないと耳にすることもあります。
食事管理がより重要になるシニア犬には、「与えても大丈夫?」「どのくらい与えればいいの?」と不安になることもあるでしょう。
この記事では、犬の管理栄養士の私が、シニア犬にレバーを与える量やメリットなどを分かりやすく紹介します。
シニア犬にいつまでも元気でいてほしい!という方は、ぜひ参考にしてください。
シニア犬に加熱レバーを与えてもOK!でも、適量を守ることが大切

持病のないシニア犬に加熱したレバーを与えること自体は問題ありません。
ですが、レバーは栄養価や嗜好性が高い食材です。与えすぎによるリスクもあるため、必ず適量を守るようにしましょう。
特に注意したいのが、レバーに含まれるビタミンAの過剰摂取です。長期間にわたって過剰にレバーを食べ続けると、関節の痛みや便秘、皮膚トラブルなどを引き起こす可能性もあります。
また、レバーにはリンも多く含まれており、腎臓機能が低下したシニア犬には負担となってしまう恐れも。
シニア犬にレバーを与えるときは、1日の目安量を参考にしてください。また、アレルギーを起こす可能性も考えて、初めて与えるときは少量ずつ試すようにしましょう。
レバーは主食にはならないので、おやつやトッピング程度の量に留めることが大切です。
シニア犬にレバーを与える5つのメリット

シニア犬にレバーを与えるメリットは、シニア期に特に必要な栄養を美味しく補給できるところです。ここで詳しく解説していきます。
1. 鉄分が豊富で貧血対策や体力維持に役立つ

レバーに含まれる豊富な鉄分は、赤血球の生成を助け、シニア犬の貧血対策や体力維持に役立ちます。
鉄分は、すでに血液検査で貧血と言われているシニア犬にはもちろんですが、そうでないシニア犬にも実は大切な栄養素です。
なぜならシニア期は、加齢によって栄養の吸収力が低下しやすく、貧血を起こしやすい状態になっているから。
また、持病として腎臓病や慢性炎症を抱えている場合も、赤血球の産生が落ちて貧血につながることがあるため、鉄分の適切な補給が大切です。
2. ビタミンAが豊富で皮膚の健康維持を支える

レバーに含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜の健康、免疫力の維持に欠かせません。犬用の皮膚ケアサプリメントにレバーが配合されることもあるほど、ビタミンAを豊富に含んでいます。
シニア犬は、加齢によるターンオーバーの乱れなど、様々な理由で皮膚トラブルを起こしやすい状態です。
前述の通りビタミンAの過剰摂取には注意が必要ですが、おやつなどで適量補えるとうれしいですよね。
3.ビタミンB群が筋肉維持を助け、疲れやすさをサポート

レバーに含まれる豊富なタンパク質は、筋肉量の維持に役立ちます。またビタミンB群は、摂取した栄養を効率よくエネルギーへ変換するうえで欠かせません。
シニア犬は、筋肉量の低下や内臓機能の衰えなどの様々な理由から疲れやすい状態です。タンパク質やビタミンB群が、疲労回復をサポートしてくれるでしょう。
4.コリン含有でシニア期に低下しやすい肝機能にうれしい

レバーに豊富に含まれているコリンは、脂肪の代謝を助けることで、肝臓の負担軽減をサポートします。
シニア犬は加齢により肝臓の処理能力が落ちやすくなっているため、日頃から意識してあげることが大切です。
またコリンは、認知機能や運動機能の健康維持にも関係しています。シニア犬にとって貴重な栄養素のひとつと言えるでしょう。
5.アミノ酸が豊富で犬が本能的に好む美味しさ

レバーは香りが強く、旨味を感じるアミノ酸が豊富な食材です。そのため、加齢により嗅覚や味覚が衰えてきたシニア犬にも喜ばれやすいでしょう。
また、犬の祖先である狼は、獲物を食べるときは栄養価の高い内臓から口をつけていました。このことからも、犬が本能的に求める味と言えます。
シニア犬にレバーを与えるときの目安量

シニア犬にレバーを与えるときの目安量を体重別にまとめました。
以下の表を目安に、愛犬の体型や活動量などに合わせて調整してください。初めてレバーを食べる場合は、ごく少量から始め、体調や便の様子を確認しながら適量を見極めることが大切です。
また、与える頻度は週に1〜2回程度に留めておきましょう。
| シニア犬の体重 | 1日の目安量 |
| 超小型犬(体重4kg未満) | 5g程度まで |
| 小型犬(体重4~10kg未満) | 10g程度まで |
| 中型犬(体重10~25kg未満) | 15g程度まで |
| 大型犬(体重25kg以上) | 20g程度 |
ちなみに、基本的におやつやトッピングの量は、愛犬が1日に必要なカロリーのうちの10%程度までです。
ただし、レバーは栄養が豊富なので「ほんの少量に留めておく」と覚えておくと良いでしょう。
シニア犬に手作りでレバーを与える方法

シニア犬にレバーを手作りで与える場合は、細菌感染のリスクを避けるために必ず十分に加熱してから与えましょう。
中の色が変わるくらいまでしっかりと火を通します。茹でる・蒸す・焼くなど、調理しやすい方法で構いませんが、油を使わず味付けもせずに仕上げてください。
火が通ったら、細かく刻んだりペースト状にすることで、噛む力が弱ったシニア犬でも食べやすくなります。
シニア犬におすすめのレバーのおやつ3選

ここでは、犬の管理栄養士の私が選んだおすすめのレバーのおやつを紹介します。
生のレバーはスーパーで手頃に手に入りますが、鮮度の良いものを見極める必要があったり、1度で食べきれないときには保存管理にも注意が必要です。
そのため私は、適量を簡単に与えやすい市販の犬用レバーおやつをおすすめしています。
おすすめ①【GREEN DOG&CAT Premium】 フリーズドライ鶏レバー

※画像参照元:公式サイト
兵庫県産の国産鶏レバーを急速冷凍したフリーズドライのおやつです。
手で簡単に崩れるので、そのままあげるのはもちろんのこと、トッピングとしても使いやすいですよ。
また「GREENDOG&CAT Premium」からは、馬レバーを使ったジャーキーも販売されています。アレルギー対策をしたいときはこちらもチェックしてみてください。
| 価格 / 内容量 | 1,100円 / 30g |
| 原材料 | 鶏レバー |
| 原産国 | 日本 |
| 成分値 | 成分値 保証分析値:粗タンパク質 74.5%以上、粗脂肪 12.0%以上、粗繊維 0.2%以下、粗灰分 6.7%以下、水分 4.0%以下 カロリー 420kcal/100g |
おすすめ②【KIWI KITCHENS】犬用 グラスフェッド ラムレバー トリーツ

※画像参照元:GREENDOG
食の安全性の高さが世界的に有名なニュージーランドのレバーのおやつです。
小型のシニア犬に使いやすい小粒タイプのフリーズドライになっています。
ラム・チキン・ビーフ・ベニソンとレバーの種類が豊富なので、愛犬の好みやアレルギーに合わせて選べますよ。
| 価格 / 内容量 | 2,497円 / 110g |
| 原材料 | 羊の肝臓 |
| 原産国 | ニュージーランド |
| 成分値 | 保証分析値:粗タンパク質 60%以上、粗脂肪 13%以上、粗繊維 3%以下、水分 5%以下 カロリー 410kcal/100g |
おすすめ③【プライムケイズ】プライムレバー

※画像参照元:GREENDOG
噛む力が低下したシニア犬でも食べやすい、ソーセージタイプのレバーのおやつです。
ソーセージといっても、原材料は国産鶏肉とでんぷんのみと、とってもシンプル。
無薬飼育の鶏肉を無添加で調理・保存しているので、シニア犬にも安心して与えられますね。
| 価格 / 内容量 | 770円 / 6本 |
| 原材料 | 無薬飼育鶏レバー、でんぷん |
| 原産国 | 日本 |
| 成分値 | (1本あたり)タンパク質 2.1g、脂質 0.4g、灰分 0.2g、ナトリウム 9.4mg、水分 10.1g 26.4kcal/1本 |
まとめ

レバーはシニア犬にうれしい栄養を豊富に含んでいるため、与えても問題のない食材です。
ただし、レバーに含まれるビタミンAやリンの過剰摂取は、シニア犬の大きな負担となる可能性があります。
おやつやトッピングとして、少量を与えるに留めておきましょう。
また、生のレバーを調理して与える際には、十分に加熱するように気をつけてください。
市販のレバーのおやつでも無添加で安全なものがたくさんあるので、そういったものでも喜んでくれるはずですよ。
シニア犬とレバーでおやつタイムを楽しんでくださいね。


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