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関節ケアの重要性 – 高齢犬のための関節ケアサプリメントとマッサージ法

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痛みを我慢して動かなくなる前に。プラチナドッグの関節を守るには、毎日の暮らし方・正しいマッサージ・信頼できるサプリメントの三本柱が大切です。今日から無理なく続けられる関節ケアを始めましょう。

はじめに

「最近ジャンプをしなくなった」「散歩の出だしでぎこちない」「帰宅後にぐったりしている」——プラチナ期の愛犬に増えるサインの多くは、関節の違和感や痛みと関係しています。関節の健康は、ただ歩く・座るだけでなく、睡眠の質や食欲、性格の変化にまで影響する“生活の土台”。だからこそ、早めのケアで悪化を防ぎ、動きやすい体を取り戻すことが重要です。

※本記事は一般的な情報です。急な痛み・跛行・腫れ・発熱などがある場合は、自己判断せず速やかに受診してください。

関節トラブルのサイン

  • 立ち上がり・歩き始めに時間がかかる、後ろ足がふらつく
  • 階段や段差、ソファの上り下りをためらう
  • 歩幅が狭くなる、左右どちらかに体重をかける
  • 散歩の距離が短くなる、途中で座り込む
  • 触ると嫌がる部位がある、寝返りが少ない
  • 運動後に強い疲労感、夜間に落ち着かない

小さな変化が重なるほどサインの信頼度は上がります。動画で歩様を記録しておくと、受診時にも役立ちます。

プラチナ期に関節が弱くなる理由

関節は、骨・軟骨・滑膜・靱帯・筋肉が連携して機能します。加齢に伴い軟骨の弾力が低下し、関節液の潤滑性や量も変化します。筋肉量が落ちれば関節の支持力が下がり、体重管理が不十分だと関節面への負荷が増加。若い頃のケガや過度な運動歴、犬種特有のリスク(小型犬の膝蓋骨脱臼傾向、大型犬の股関節形成不全素因など)も、プラチナ期の不調として現れやすくなります。

毎日できる環境&生活の工夫

床・段差・滑り対策

フローリングにはノンスリップマットを敷き、よく通る動線を最優先で整えます。階段やソファにはスロープを設置し、ジャンプ動作を避けるだけでも痛みの再燃を抑えられます。

寝床の最適化

体圧分散に優れた厚めのベッドを選び、出入りは低い縁の側から。冷えはこわばりを助長するため、冬場は断熱マットや毛布で下からの冷気を遮断します。

体重管理と食事

わずか1kgの増減でも小型犬の関節負担は大きく変わります。適正体重を保ちつつ、良質なたんぱく質とオメガ3脂肪酸、抗酸化成分を意識して摂取しましょう。

関節ケアサプリメントの選び方

サプリメントは「魔法の薬」ではありませんが、食事と環境調整と組み合わせることで、関節の負担軽減や快適さの向上に寄与します。選定のポイントは以下の通りです。

代表的な成分

  • グルコサミン/コンドロイチン:軟骨の主要構成成分を補い、関節のクッション性をサポート。
  • MSM(メチルサルフォニルメタン):含硫アミノ酸の供給源として軟部組織の代謝を後押し。
  • オメガ3脂肪酸(EPA/DHA):食事からの摂取でバランスを整え、健やかな関節環境に。
  • 緑イ貝抽出物(GLM):多様な脂肪酸やグリコサミノグリカンを含み、関節の滑らかさに寄与。
  • ヒアルロン酸/コラーゲン:関節液の潤い・軟骨の弾力をサポート。
  • ビタミンC・E、アスタキサンチン:抗酸化サポートで関節周辺のコンディション維持に。

選ぶ際のチェックポイント

  • 原材料と含有量が明記されているか(1日量あたりの成分量)
  • 錠剤・粉末・リキッドなど、愛犬が続けやすい剤形か
  • 体重別の用量目安が明確か、嗜好性が高いか
  • 既往症や服薬との相互作用に注意(主治医に相談)

導入から2〜4週間は反応を観察し、合わない場合は無理に継続しないこと。“効くまで続ける”より“続けられる方法で最適化する”がコツです。

自宅でできるやさしいマッサージ法

マッサージは血行促進・筋緊張の緩和・痛みの知覚緩和に役立ちます。痛がる部位に無理をせず、短時間・高頻度で行いましょう。以下は基本の流れです。

1)ウォームアップ(全身をゆるめる)

手のひら全体で背中から腰、肩甲骨まわり、太ももを大きくゆっくり撫でます(エフルラージュ)。30〜60秒。呼吸が深くなるリズムで。

2)局所ほぐし(コリをやわらげる)

筋肉の走行に沿って軽くつまむ・押す(ペトリサージュ)。肩・腰・大腿の厚みのあるところを中心に、痛みが出ない圧で各30秒程度。

3)関節まわりの可動(やさしいROM)

肘・膝・股・肩を、痛みの出ない範囲で曲げ伸ばし。1関節につき5〜8回。可動域の端で止めず、スムーズに往復させます。

4)クールダウン(再び全身を撫でる)

最初と同じく大きく撫で、リラックスして終了。終わったあとに水分補給と数分の安静を。

禁忌:炎症が強い急性期、術後直後、発熱、皮膚疾患の悪化部位、腫瘍部位への直接刺激は避けてください。迷ったら実施前に獣医師に確認を。

無理なく続ける運動メニュー

短時間×高頻度が基本。1回10〜15分を1日2〜3回に分けると、関節への負担を抑えつつ筋力・可動性を維持できます。

  • 平坦路のゆっくり散歩(におい嗅ぎOKで気分転換も)
  • 8の字歩行・S字歩行で体幹と関節の協調性UP
  • 前肢・後肢の体重移動(おやつで誘導して静止)
  • バランスクッションや厚手マット上での立位保持(数十秒)

痛みが出たら即中止し、次回は負荷を一段下げます。運動前後の軽いマッサージと保温で、こわばりを予防しましょう。

受診の目安と注意点

  • 急に片足を浮かせる、泣き声を上げる、腫れや熱感がある
  • 数日たっても跛行が続く、夜間に落ち着かない
  • サプリや市販薬を始めたい/変更したい
  • 体重が短期間で増減している、元気食欲の明らかな低下

診察時は、歩き始め・方向転換・段差の動画や、実施中のサプリ・フードの情報を持参すると評価がスムーズです。

まとめ

関節ケアは「環境の見直し」「体重・栄養の最適化」「やさしい運動」「継続できるマッサージ」「適切なサプリ」の組み合わせが要です。どれか一つではなく、愛犬に合ったバランスで重ねるほど、歩きやすさや表情の変化につながります。今日できる一歩から始め、プラチナドッグの毎日に“動ける喜び”を取り戻していきましょう。

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