老犬の暑さ対策はどうする?室内・散歩でできることと熱中症のサイン
気温が高くなってくると、老犬が暑さで体調を崩さないか心配になりますよね。
異常気象の影響で近年はこれまで以上に厳しい暑さが続き、室内にいても熱中症になることがあるため、「家の中なら大丈夫」とは言えません。
熱中症は命にかかわることもあり、十分な暑さ対策を行うことが大切です。
特に老犬は暑さの影響を受けやすくなるため、若い頃よりも配慮してあげる必要があります。
この記事では、4匹の高齢愛犬と暮らしていた動物介護士の私が、老犬の暑さ対策や熱中症のサインについて解説します。
老犬は暑さに弱い!若い犬よりも暑さ対策が必要な理由

犬は人のように全身から汗をかいて体温を下げることができないため、パンティングによって体にたまった熱を逃がしています。
しかし、老犬になると心肺機能や体温調節機能が低下して熱を逃がしにくくなるため、若い頃は問題なく過ごせていた気温や湿度でも体温が上がりやすく、暑さによる負担が大きくなるのです。
また、老犬は暑さに対する反応が鈍くなり、自分から涼しい場所へ移動したり、水を飲んだりしないことも珍しくありません。
足腰が弱った老犬では、暑いと感じても涼しい場所へ自分で移動できないこともあるでしょう。
さらに、認知機能が低下していると、暑さを避けたり水を飲みに行ったりする行動自体がうまく行えないこともあります。
体内に熱がこもって体温が上がった状態が続くと熱中症を起こしやすくなり、場合によっては命にかかわることもあるため注意が必要です。
特に老犬では重症化しやすいため、暑さ対策は欠かせません。
【室内編】老犬の暑さ対策5つ

では、老犬の暑さ対策はどうしたらよいのでしょうか。ここから順に見ていきましょう。
①室温と湿度を調整する

老犬の暑さ対策では、エアコンを使用して室温と湿度を調整しましょう。
湿度が高いとパンティングによる熱の放出が妨げられるため、気温がそれほど高くなくても熱中症のリスクが高まります。
【老犬が過ごしやすい室温・湿度の目安】
- 室温…25℃前後
- 湿度…50%程度
ただし、快適に過ごせる室温には個体差があるため、愛犬の様子を見ながらちょうどいい温度を見つけてあげてくださいね。
また、温湿度計は愛犬が生活する低い位置に設置することが大切です。
②寝床に直射日光が当たらないようにする

寝床は、窓から差し込む直射日光が当たらない場所に置きましょう。
寝床に日光が当たると温度が上がり、そこで休む老犬の体に熱がこもりやすくなります。
特に、自分で涼しい場所へ移動することが難しい老犬や寝たきりの老犬では、長時間日差しを浴び続けてしまうことにもなりかねません。
寝床を窓から離すほか、カーテンやブラインドで日差しを遮り、直射日光が当たらない場所で休めるようにしてあげることが大切です。
留守番をさせるときは、時間帯による日差しの変化も考えて、あらかじめカーテンを閉めておくといいでしょう。
③冷感グッズを用意する

冷感マットやアルミプレートなどを用意し、老犬が暑いときに自分で体を冷やせるようにしましょう。
ただし、冷えすぎたときに離れられるよう、通常のベッドや何も敷いていない場所も選べるようにしておくことが大切です。
また、冷感グッズだけで熱中症を防げるわけではないため、エアコンなどによる室温管理もあわせて行ってください。
とはいえ、冷感グッズは留守中の停電対策にも役立ちます。
留守番中に停電するとエアコンが止まり室温が急激に上がるおそれがありますが、停電時にも使える冷感グッズがあれば、暑さをしのぐ助けにはなるでしょう。
④複数個所に水を置く

老犬がいつでも水を飲めるよう、寝床や普段過ごす場所の近くなど、複数箇所に水を置きましょう。
老犬になると関節などに痛みを抱えていることも多く、水飲み場までの移動が負担になって、水を飲む回数が減ることも少なくありません。
また、留守番中に器を倒して水をこぼしたりしても、別の場所に水があれば水分を摂ることができます。
⑤食事からも無理なく水分を補う

老犬は、加齢によって喉の渇きを感じ取る感覚が鈍くなるため、食事からの水分摂取も意識しましょう。
ドライフードにぬるま湯を加えてふやかしたり、ウェットフードを取り入れたりすれば、食事と一緒に無理なく水分を補えます。
また、水分を含んだ食事は香りが立ちやすくやわらかいため、老犬の食べやすさにも配慮してあげられますよ。
【散歩・屋外編】老犬の暑さ対策4つ

老犬との散歩や外出では、室内とは異なる暑さへの配慮が必要です。
①涼しい時間帯を選ぶ

夏の散歩は、日中を避けて気温が低い早朝や日が沈んだあとの時間帯に行いましょう。
暑い環境での運動は体温を上昇させ、熱中症を引き起こす原因になります。
ただし、朝晩でも気温や湿度が高い日はあるため、時間帯だけで判断するのは禁物です。
散歩へ出る前にその日の気温や湿度を確認し、暑さが厳しい日は散歩を控えましょう。
②散歩前に地面の温度を確認する

散歩へ出る前に、自分の手の甲を地面に数秒当て、地面の温度を確認しましょう。
アスファルトやコンクリートは日差しによって熱くなります。
外気温が下がり始めた夕方でも、熱が残っていることは珍しくありません。
熱くなった地面を歩かせると老犬が肉球をやけどする可能性があるのはもちろん、体が低い位置にある犬は路面からの照り返しで体温も上がりやすくなります。
地面が熱いときは十分に冷めるまで待つか、土や芝生など比較的熱を持ちにくい場所を選びましょう。
③休憩や水分補給を取り入れる

夏場の老犬との散歩は、途中で日陰に入るなどして、こまめに休憩を取りながら行いましょう。
また、携帯用の水を持参し、いつでも水分を補給できるようにしておくことも大切です。
歩く速度が落ちる、パンティングが激しくなる、立ち止まるなどの様子が見られたら、日陰で休ませてあげましょう。
④カート内の熱にも注意する
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老犬をカートに乗せるときは、カバーを閉め切らず、風が通るようにしましょう。
日よけのカバーは直射日光を遮るのに役立ちますが、閉め切ると風が通りにくくなり、内部に熱がこもることがあります。
また、カート用のレインカバーは全体をビニールで覆うものが多く、熱や湿気がこもりやすいため注意が必要です。
カバーを使用するときは、愛犬の様子をこまめに確認してあげてくださいね。
すぐに動物病院へ!老犬の熱中症のサインと応急処置

熱中症が疑われるときは、すぐに動物病院へ連絡して指示を仰いでください。熱中症は、短時間で状態が悪化することも珍しくありません。
回復して落ち着いたように見えても、体内では臓器へのダメージが進んでいる可能性があるため、自己判断で様子を見ずに受診することが大切です。
ここでは、老犬の熱中症のサインと応急処置について見ておきましょう。
老犬の熱中症のサイン
老犬に以下のような様子が見られたら、熱中症が疑われます。
【初期症状】
・激しいパンティングが続く
・体が熱い(体温が40℃以上ある)
・舌の色や歯茎が赤い
・目の充血
・落ち着きがない
・よだれが多く出る
・動きたがらない
【中期~重度症状】
・ぐったりする
・足元がふらつく
・舌の色や口の中が青紫色になる
・嘔吐や下痢
・震え
・呼吸が苦しそう
・鼻や口、肛門などから出血する
・意識がもうろうとする・意識がない
・けいれん
症状の現れ方には個体差がありますが、初期症状でも様子を見るのは危険です。
熱中症が疑われるときの応急処置
熱中症が疑われたら、すぐに涼しい場所へ移動させ、動物病院へ連絡して指示を仰ぎましょう。
受診までの間は、犬の体よりも冷たい水を全身にかけ、扇風機やエアコンの風を当てて冷やします。
保冷剤がある場合は、首や脇の下、足の付け根など、太い血管がある場所に、タオルで包んだ保冷剤を当てましょう。
また、老犬が自分で水を飲める場合は与えても構いませんが、無理に飲ませるのはNGです。
応急処置を行ったら、冷やしながら動物病院へ向かってください。
まとめ

老犬は若い頃よりも暑さの影響を受けやすいため、室内でも散歩中でも、その子の状態に合わせた対策が欠かせません。
ただし、暑さ対策をしていても熱中症を完全に防げるとは限らないため、普段との違いを見逃さないことも大切です。
熱中症が疑われるときは、すぐに動物病院へ連絡し、指示を仰ぎながら応急処置を行いましょう。
<参考文献>
Risk Factors for Severe and Fatal Heat-Related Illness in UK Dogs-A VetCompass Study
Pathophysiology of heatstroke in dogs – revisited
Proposing the VetCompass clinical grading tool for heat-related illness in dogs
Post-exercise management of exertional hyperthermia in dogs participating in dog sport (canicross) events in the UK
Cooling Methods Used to Manage Heat-Related Illness in Dogs Presented to Primary Care Veterinary Practices during 2016–2018 in the UK


















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