老犬の便秘にいい食べものは?おすすめ食材と注意点|専門家解説
老犬になると、さまざまな理由でうんちが出しづらくなります。
愛犬がうんちをしていないと、「便秘なのかな」と心配になりますよね。
お腹を「の」の字にマッサージしてみたり、運動をさせてみたりと、いろいろ試してみたのではないでしょうか。
老犬の便秘を放置すると、食欲低下や吐き気、嘔吐などにつながることもあるので注意が必要です。
この記事では、4匹の高齢愛犬と暮らしていた動物介護士の私が、老犬の便秘におすすめの食べものや動物病院を受診する目安について解説します。
老犬の便秘におすすめの食べもの(食材)

老犬の便秘対策に食べものを取り入れるときは、どの食材を選ぶかだけでなく、食べやすさにも配慮してあげることが大切です。
老犬は消化する力や噛む力、飲み込む力に個体差が大きいため、細かく刻む、つぶすなどの工夫をしましょう。
ここでは、老犬の便秘におすすめの食べものをご紹介します。
オクラ

オクラは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含み、便の状態を整えるのに取り入れやすい食材です。
切ったときに出る粘りにはペクチンなどの水溶性食物繊維が含まれ、便の水分を保つのに役立ちます。
与え方・注意点
ヘタや硬い部分を取り除いて加熱し、粘りごといつもの食事に混ぜるなどして与えましょう。
繊維が筋状に残りやすいため、老犬には細かく刻むか、たたいてなめらかにしてください。
ごぼう

ごぼうは食物繊維が豊富で、特に腸の動きを促す不溶性食物繊維を多く含む食材です。
また、腸内細菌のエサとなる、イヌリンやフラクトオリゴ糖なども含まれており、腸内環境の健康維持も期待できます。
与え方・注意点
土をよく洗い落としてやわらかくなるまで加熱し、繊維を断ち切るように細かく刻むか、すりつぶして少量を与えましょう。
ごぼうは繊維が硬く消化しにくいため、生のままや大きく切った状態では与えないようにしてください。
かぼちゃ

かぼちゃは食物繊維が豊富なうえ、β-カロテンやビタミンEなど、老犬に嬉しい抗酸化成分も含んでいます。
加熱すると甘みがでてやわらかくなり、つぶしたりペースト状にしたりしやすいため、噛む力が低下した老犬にも取り入れやすいでしょう。
与え方・注意点
種とワタを取り除いて、やわらかくなるまで加熱し、つぶしたりペースト状にして与えましょう。
しっかり加熱すれば皮も与えることができますよ。ただし、かぼちゃはカロリーもあるので、与えすぎないようにしてください。
さつまいも

さつまいもは食物繊維が豊富で、腸内細菌の栄養源になるオリゴ糖も含む食材です。
自然な甘みがあり犬の嗜好性も高いため、食欲にムラがある老犬にも取り入れやすいでしょう。
与え方・注意点
蒸す、焼く、茹でるなどして、中までしっかり加熱し、細かく刻んだり、つぶす、ペースト状にするなどして与えましょう。
皮は消化しにくいため、老犬では取り除いてから与えたほうが安心です。また、カロリーがあるので、与えすぎないようにしてください。
りんご

りんごは水分が多く、ペクチンなどの水溶性食物繊維を含む果物です。老犬に嬉しい抗酸化成分のポリフェノールやビタミンCも含まれています。
りんごの自然な甘みやシャリシャリとした食感を好む犬も多く、食欲が低下しがちな老犬でも食べてくれやすいでしょう。
与え方・注意点
種と芯を必ず取り除き、細かく刻む、すりおろす、やわらかく加熱するなど、愛犬の噛む力や飲み込む力に合わせて与えましょう。
すりおろせば皮も与えることができますが、皮には農薬やワックスが付いていることもあるので、皮も与えたい場合は無農薬や有機栽培されたりんごを選ぶことをおすすめします。
無糖のプレーンヨーグルト

無糖のプレーンヨーグルトには乳酸菌が含まれており、腸内環境を整えるサポートをしてくれます。
特に老犬は加齢とともに腸内の乳酸菌が減少することが分かっているため、乳酸菌は積極的に摂取したい成分の1つです。
与え方・注意点
砂糖や香料、果物ソースなどが入っていないプレーンタイプを選び、少量を与えましょう。
冷たいままではお腹を冷やして腹痛の原因となるため、与えるときは常温に戻すか、電子レンジで人肌程度に温めてください。
そもそも老犬は何日うんちが出ないと便秘?2日以上は要注意

犬の便秘は、うんちが出ていない日数だけでは判断できません。
排便回数には個体差があり、食事量や食事内容によっては、健康でも毎日うんちをしない犬もいます。
ただし、前回のうんちから48時間経っても次のうんちが出ない場合は、便秘の可能性を疑いましょう。
特に、毎日うんちしていた老犬が、2日以上うんちをしない場合は注意が必要です。
また、便秘は「まったく出ない状態」だけを指すものではありません。
普段より硬く乾燥したうんちが出る、排便に時間がかかるといった様子も便秘で見られることがありますよ。
老犬が便秘になる主な原因5つ

老犬の便秘は珍しいことではありませんが、なぜ便秘になるのか知っておくことは大切です。
中には早急に治療が必要な病気が原因になっていることもあるため、単なる加齢の変化と決めつけないようにしましょう。
水分不足
体内の水分が不足すると、大腸で便から吸収される水分が増え、硬く乾燥したうんちになりやすくなります。
便が大腸内に長くとどまるほど水分が失われ、さらに排出しにくくなるという悪循環に陥ることも少なくありません。
老犬では、のどの渇きを感じにくくなるだけでなく、足腰の衰えや関節の痛みによって、水飲み場まで移動する回数が減りがちです。
また、器の高さが体に合わず、飲みたくても十分に飲めていないという可能性もあります。
食事量や食物繊維の不足
食事量が減ると、便の材料になるものも少なくなるため、うんちの量や排便回数が減ります。
老犬では、食欲の低下や一度に食べられる量の減少によって、十分な量の食事をとれていないことも珍しくありません。
また、食物繊維が少なすぎる食事では、便のかさや大腸への刺激が不足し、排便しにくくなる場合があります。
食物繊維のとりすぎ
食物繊維は、とりすぎでも便秘になることがあります。
特に不溶性食物繊維には適量であれば排便を助けてくれますが、とりすぎればうんちを硬くしたり大きくして、排出しづらくなります。
運動量や筋力の低下
老犬では、運動量や筋力が低下することで便秘を引き起こすことも珍しくありません。
運動量が減ると、消化管の動きが鈍くなります。さらに、うんちを出すには腹圧をかける力や、後ろ足で体を支える筋力が必要です。
老犬では腹筋や後肢の筋力が低下し、便意があっても十分に踏ん張れないことがあります。
病気や薬の影響
老犬では、便の通り道を狭くする病気や、大腸の動きに関わる神経・筋肉の異常によって便秘になることもあります。
特に高齢の未去勢のオス犬では、前立腺の腫大や会陰ヘルニアによって直腸が圧迫され、うんちが出にくくなることも珍しくありません。
また、一部の薬は副作用として便秘を起こすことがあります。
老犬の便秘対策では水分量も見直そう

犬が1日に必要とする水分量は、体重1kgあたり50ml程度が目安です。
老犬は水を飲む量が減ったり、水飲み場まで移動しにくくなったりすることがあるため、普段過ごしている場所の近くにも水を置き、無理なく飲めるようにしてあげましょう。
あまり水を飲まない場合は、ドライフードをふやかしたり、ウェットフードを取り入れるなど、食事から水分を補えるように工夫してあげることが大切です。
ただし、体重1kgあたり100ml以上飲む場合は、病気の可能性があるため、早めに動物病院を受診してください。
老犬の便秘で動物病院を受診する目安

老犬が2日以上うんちをしない場合は、動物病院を受診しましょう。
また、以下のような様子が見られる場合は、日数に関係なく早めの受診が必要です。
- 何度も排便姿勢をとるのに、うんちが出ない
- 硬く乾燥した便しか出ない
- 排便時に痛がる、鳴く
- 嘔吐がある
- お腹が張っている、触ると嫌がる
- 食欲や元気が低下している
- 異物を食べた可能性がある
便が大腸内に長くたまると、さらに硬くなり、自力で排出することが難しくなります。
老犬では体の負担になるため、自己判断で様子見をしないことが大切です。
まとめ

老犬の便秘にいい食べものは、食べれば必ず便秘が改善するわけではありません。
食材を取り入れる目的は、食物繊維や水分を補い、排便しやすい状態をつくることです。
老犬の便秘対策では、食材を取り入れるだけでなく、十分な水分を摂れるようにしたり、体調に合わせて無理のない範囲で体を動かしたりすることもあわせて行いましょう。

















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