老犬に納豆を食べさせても大丈夫!メリットや量・注意点|専門家解説
納豆を食べていると、愛犬が食べたそうな熱視線を送ってくる…。そんな経験もあるのではないでしょうか。
独特のにおいがある納豆に、興味を持つ犬は少なくありません。しかし、老犬になったからこそ、納豆を食べさせてもいいのか気になりますね。
結論から言うと、老犬に納豆を与えても大丈夫です。私の高齢の愛犬たちも喜んで食べていましたよ。
納豆には良質なたんぱく質や発酵によって生まれた栄養成分が豊富に含まれており、適量を守れば老犬にメリットがあります。
ただし、老犬は消化機能や腎臓の機能など体のあちこちで働きが低下するため、与え方には注意も必要です。
この記事では、老犬が納豆を食べるメリットや与える量、注意点を犬の管理栄養士が解説します。
納豆に含まれる主な栄養素

納豆には、老犬の体づくりを支えるさまざまな栄養素がバランスよく含まれています。
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納豆は、蒸した大豆を納豆菌で発酵させて作られる食品です。
発酵の過程で納豆菌やナットウキナーゼなど、納豆ならではの成分が生まれるのも特徴です。
とはいえ、納豆だけで老犬に必要な栄養を補えるわけではないため、総合栄養食を基本として、納豆はトッピングやおやつとして取り入れましょう。
老犬が納豆を食べる5つのメリット

老犬にとって、納豆はさまざまな健康へのサポートが期待できます。
ここでは、老犬が納豆を食べる5つのメリットを見ていきましょう。
ミネラルの補給をサポート

納豆には、カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など、さまざまなミネラルが含まれています。
ミネラルは体内で作ることができないため、食事から摂取する必要がある栄養素です。
特に老犬では、加齢に伴って消化・吸収機能が低下しやすく、若い頃と同じように食べていても栄養の吸収効率そのものが落ちていることも珍しくありません。
納豆のように複数の栄養素を含む食品を普段の食事に少量取り入れることは、栄養を補うサポートに役立ちます。
筋肉の維持をサポート

納豆に含まれる大豆由来のたんぱく質は消化吸収がしやすく、筋肉や皮膚、内臓の健康維持に役立つ栄養素です。
老犬は筋肉の細胞そのものが減っていく「サルコペニア」と呼ばれる変化が起こりやすく、起立や歩行が徐々に困難になることもあります。
そのため、老犬では若い頃以上に、良質なたんぱく質を摂取することが大切です。
もちろん、数g程度の納豆を食べただけで筋肉の維持に必要なたんぱく質を十分に補えるわけではありませんが、少量でもたんぱく質を摂取できることはメリットといえるでしょう。
腸内環境の健康をサポート

納豆には、納豆菌や食物繊維が含まれており、腸内環境の健康サポートが期待できるでしょう。
腸は栄養を消化・吸収するだけでなく、多くの免疫細胞やリンパ組織が存在しており、体を守る免疫機能にも重要な役割を担っています。
また、近年は「腸皮膚相関」「腸脳相関」といわれるように、腸内環境は脳や皮膚をはじめ、全身の健康と深く関わっていることもわかっています。
老犬は腸内環境が乱れやすいため、腸内環境を健やかに保つことが大切です。
スムーズな排便をサポート

納豆は不溶性食物繊維が豊富なため、老犬の便通を整えるサポートにも役立ちます。
老犬では、若い頃より活動量や飲水量が減ったり、腸の動きが弱くなったりすることで、便が硬くなったり排便回数が減ったりすることも少なくありません。
不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸壁を刺激することで蠕動運動を促してくれるため、スムーズな排便をサポートしてくれるでしょう。
血液の健康維持が期待できる

納豆に含まれるナットウキナーゼは、血液の健康維持をサポートする働きが期待できます。
ナットウキナーゼは、血栓の主成分であるフィブリンを分解する働きがあることで知られており、人では血栓予防や血流改善など、さまざまな健康作用があることが分かってきました。
犬での研究はまだないため、同じような効果が得られるかは明らかになっていませんが、老犬では、加齢や運動量の低下などによって血流が滞りやすくなるため、血液の健康を意識することは大切です。
【自動計算機つき】老犬が1日に食べてもいい納豆の量
老犬に与える納豆は、1日の摂取カロリーの10%程度(多くても20%以内)を目安にしましょう。
納豆は栄養価の高い食品ですが、総合栄養食ではないため、与えすぎると栄養バランスが崩れる可能性があります。
下記に、愛犬の体重や状態、納豆の100gあたりのカロリー(184kcal)を入力すると、1日に食べてもいい納豆の上限量が自動で算出されます。
体重
kg
状態
おやつ・トッピング100g/mlあたりのカロリー
kcal
1日あたりに必要なカロリー:
— kcal
おやつ・トッピングの許容量(10%):
— kcal
おやつ・トッピングの目安量:
— g / ml
ただし、上記で算出された数字は、あくまでも主食以外のカロリーをすべて納豆にあてた場合です。
ほかにおやつやトッピングを与える場合は、それらのカロリーも含めて1日の摂取カロリーの10%程度に収まるように調整しましょう。
カロリーの計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
老犬に与える納豆の選び方

老犬に与える納豆は、味付けされていないものを選びましょう。
食べやすさを重視するなら、小粒納豆やひきわり納豆がおすすめです。噛む力が弱くなった老犬や、粒を丸飲みしやすい犬でも取り入れやすいでしょう。
また、犬用にはフリーズドライ納豆や乾燥納豆、納豆ふりかけなどもありますよ。
老犬に納豆を与えるときの注意点

納豆は老犬にメリットのある食品ですが、注意しなければいけないこともあります。
大豆アレルギーに注意する

老犬に納豆を初めて食べさせる場合は、アレルギーがないか確認するためにも、ごく少量から試しましょう。
納豆に食物アレルギーがある場合、食べてから30分~48時間に以下のような症状が見られます。
【犬の食物アレルギーの主な症状】
- 皮膚の赤みや痒み
- 目の周りや口の周り、耳を痒がる
- 足先を執拗に舐めたりかじる
- 下痢や軟便、便の回数が増える
- 嘔吐
症状には個体差がありますが、上記のような症状が見られたときは与えるのをやめ、獣医師に相談することが大切です。
タレ・からし・ネギなどは与えない

老犬に与える納豆には、タレやからし、ネギなどは入れないようにしましょう。もちろん、キムチなどもNGです。
特にネギ類は犬が食べると中毒を起こす可能性があるため、絶対に与えないようにしてください。
腎臓病など獣医師から栄養制限の指示がある老犬には自己判断で与えない

納豆にはさまざまな栄養素が含まれているため、獣医師から栄養素の制限を指示されている場合は自己判断で与えないようにしましょう。
特に腎臓病や肝臓病などで療法食を食べている場合は注意が必要です。
病気があると納豆を食べてはいけない、というわけではありませんが、何らかの栄養制限を受けている場合は、事前にかかりつけの獣医師に確認してから与えると安心です。
老犬に納豆を与えるときのよくあるQ&A

ここでは、老犬に納豆を与えるときによくある疑問についてお答えしていきます。
Q1.納豆を毎日与えても大丈夫?
A.適量であれば、老犬に毎日納豆を与えても大丈夫です。
愛犬の便の状態や食欲、体調などをチェックしながら取り入れましょう。
Q2.納豆のネバネバは洗い流してもいい?
A.ネバネバを嫌がる老犬では、洗い流しても問題ありません。
ネバネバの主成分であるポリグルタミン酸などは洗い流すことで減りますが、ナットウキナーゼはネバネバ部分だけに存在するわけではないため、軽く洗った程度ではすべてが失われるわけではないので安心してください。
ただし、ネバネバを嫌がらず問題なく食べられる場合は、洗わずにそのまま与えたほうが、納豆に含まれる成分をよりそのまま摂取できます。
Q3.与えるときは刻んだほうがいい?
A.そのまま食べられる老犬であれば刻まなくても問題はありません。
とはいえ、細かくすることで老犬が食べやすくなるほか、消化しやすくなるメリットもあります。
まとめ

納豆を好きな犬も多いように、納豆は老犬の食事に取り入れやすく、いつものごはんに変化をつけたいときにも使いやすい食品です。
また、納豆に含まれるさまざまな栄養成分は、老犬の健康維持にも役立ってくれるでしょう。
食事の楽しみは、老犬のQOLにも関わるものです。食べられるものの選択肢が増えることは、食欲が落ちたときや食事に飽きてしまったときの対策にも役立ちますよ。
愛犬の毎日の食事や健康サポートに、納豆を上手に活用していきましょう。
<参考文献>
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
・Merck Veterinary Manual「Nutritional Requirements of Small Animals」














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