老犬に大根を与えても大丈夫?与える量や注意点を犬の管理栄養士が解説

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大根は犬が食べられる野菜として知られていますが、「老犬にも与えて大丈夫?」「消化の負担にならない?」「生のままでもいい?」と気になる飼い主さんもいるでしょう。

若い犬では問題なく食べられる食材でも、老犬では噛む力や飲み込む力、消化機能の低下によって、与え方に注意が必要なことがあります。

そこでこの記事では、老犬に大根を与えるメリットや量の目安、注意点を犬の管理栄養士が解説します。

老犬に大根を与えても大丈夫!ただし与え方には注意が必要

結論から言うと、適量であれば老犬に大根を与えても問題ありません

ただし、老犬は歯が弱くなっていたり、飲み込む力が落ちていたり、少しの食事の変化で便がゆるくなることもあり、与え方には注意が必要です。

もちろん、大根に限った話ではないため過剰に心配する必要はありませんが、成犬と同じように考えないようにしましょう。

老犬に大根を与えるメリット3つ

大根は特別栄養価が高い野菜ではありませんが、上手に活用することで老犬の健康維持に役立ちます。

最初に、老犬に大根を与えるメリットについて見ていきましょう。

水分補給に役立つ

大根は約95%が水分なので、あまり水を飲まない老犬や夏場の水分補給に役立ちます

老犬になると、加齢による変化によって、水を飲む量が減っていることも珍しくありません。

【老犬の飲水量が減りやすい理由】

  • 喉の渇きを知らせる脳の機能の低下
  • 体内の水分量を調整する機能の低下
  • 足腰の衰えなどで水を飲みに行く回数が減る
  • 水を飲む姿勢の維持が難しい など

特にドライフード中心の食事では、食事から摂れる水分量が少なくなります。

水分が十分に摂れていないと体調不良の原因になることもあるため、老犬では水分を摂ってもらうことを意識することが大切です。

大根であれば、おやつ感覚で与えるのはもちろん、フードのトッピングにも使いやすいでしょう。

消化をサポートしてくれる

大根には、でんぷんの分解を助けるアミラーゼをはじめ、消化を助けるさまざまな酵素が含まれており、老犬の消化のサポートに役立ちます

老犬になると、消化器の働きが低下しやすく、食べたものを十分に消化・吸収できないことも少なくありません。

【大根に含まれる主な酵素】

  • アミラーゼ(ジアスターゼ)
    …でんぷんの分解を助ける
  • プロテアーゼ
    …タンパク質の分解を助ける
  • リパーゼ
    …脂肪の分解を助ける
  • オキシダーゼ
    …発がん性物質の分解を助ける

ただし、これらの酵素は熱に弱いため、酵素の働きを活かしたい場合は大根おろしにして与えましょう。

低カロリーでかさ増しやトッピングに使いやすい

大根は、100gあたり約15kcalと低カロリーなので、たくさん食べたい老犬の食事のかさ増しや、トッピングに使いやすい野菜です。

老犬になると、基礎代謝の低下や運動量の低下によって、太りやすくなります。

体重管理が必要な場合では、食事量を調整する必要がありますが、量を減らすことで物足りなさを感じる老犬も珍しくありません。

そんなときに、やわらかく煮た大根を細かく刻んでフードに混ぜると、食事のボリュームを増やしてあげることができます。

大根は味のクセが少ないため、いつものフードにも合わせやすいでしょう。

老犬が1日に食べてもいい大根の量

おやつやトッピングを与えるときは、その犬が1日に必要なカロリーの10%程度にとどめることが基本です。

しかし、大根はカロリーが低く、カロリーを基準に与えてしまうと体重5kgの老犬で約200g(1/5本程度)も食べられることになってしまいます。

体重 10%量の目安
2kg 約100g
4kg 約170g
6kg 約230g
8kg 約280g
10kg 約340g

その結果、大根でお腹がいっぱいになって主食が食べられなくなったり、水分でお腹が緩くなったりすることもあり、現実的ではありません。

そのため、老犬に大根を与えるときは、上記の量の1/4~1/3程度にとどめておいたほうが安心です。愛犬の体調や便の状態を見ながら、調整してあげてくださいね。

カロリー計算の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

シニア犬の1日のカロリーは?老犬の年齢・体重別の目安と活動係数を解説

老犬に大根を与えるときの注意点

老犬は加齢によって、体にさまざまな変化が起きています。そのため、大根を与えるときは配慮してあげたいことも。

ここでは、老犬に大根を与えるときの注意点を見ていきましょう。

食物アレルギーに注意する

大根は食物アレルギーを起こしやすい野菜ではありませんが、老犬に初めて大根を与えるときは、少量で試して食後の様子を確認しましょう。

もし大根に食物アレルギーがあった場合、食べてから30分~48時間以内に以下のような症状が見られます

【犬の食物アレルギーの主な症状】

  • 皮膚の赤みやかゆみ
  • 目や口の周り、耳をかゆがる
  • 足先をずっと舐めたりかんだりする
  • 下痢や軟便、嘔吐
  • 排便回数が増える

症状の現れ方は個体差がありますが、大根を食べたあとに変化がみられるときは獣医師に相談してください。

喉に詰まらせないように細かく刻んだりすりおろす

大根は、細かく刻んだりすりおろしてから与えましょう。

大根は生でも与えることができますが、老犬では消化に負担がかかりやすくなります。

そのため、生で与えるときはすりおろしてから与えたほうが安心です。

また、やわらかく煮た大根であっても、飲み込む力が低下している老犬では喉に詰まらせてしまう危険性も。

粗みじん切りにしたり、つぶして与える、薄くスライスするなど、安全に食べられる状態にしてあげてくださいね。

なお、1cm角のカットは喉に詰まらせる可能性があるため、避けましょう。

味付けした大根は与えない

老犬に大根を与えるときは、しょうゆやみりんなどの調味料で味付けしたものは与えないようにしてください。

おでんの大根なども注意が必要です。

味付けしたものは塩分が多くなりすぎたり、アルコール分が含まれていたりと、老犬の負担になってしまうことがあります

もちろん、かつお節や昆布で出汁を取っただけの大根であれば与えても大丈夫ですよ。

生で与えるときは辛みが少ない部分を使う

大根おろしで与える場合は、辛みの少ない葉に近い上の部分を使うのがおすすめです。

大根は部位によって辛み成分の含有量が異なり、先端に近い下の部分になるほど辛みが強くなります

そのため、下の部分で大根おろしにして老犬に与えるのは、控えたほうがいいでしょう。

大根の辛みはイソチオシアネートという成分によるもので、野菜の多くに含まれており、食べても問題はありません。

しかし、老犬では胃腸が弱っているため、大根の豊富な辛み成分が刺激となってしまうことがあります

加熱すると辛みはほとんどなくなるため、やわらかく煮た大根を与える場合は部位を気にする必要はありませんよ。

持病がある老犬は獣医師に相談してから与える

持病がある老犬は、事前に獣医師に相談してから与えたほうが安心です。

大根そのものが持病のある老犬に悪いというわけではありません。

しかし、病気の種類や進行度、飲んでいる薬、現在の食事内容によって、与えてよいかどうかは変わります。

特に、療法食を指示されている場合では、治療に影響することもあるため、必ずかかりつけの獣医師に確認してください。

老犬の大根に関するよくあるQ&A

ここでは、老犬に大根を与えるときによくある疑問をQ&A形式で解説します。

Q1.切り干し大根を与えてもいい?

A.切り干し大根を与えても問題はありません。

ただし、切り干し大根は大根を乾燥させた食品で、生の大根よりも水分が少なく、成分が凝縮されています。

乾燥したままでは硬く、喉に引っかかったり消化に負担がかかるため、そのまま与えるのは避けてください。

老犬に与えるときは、しっかり水で戻し、やわらかく加熱したうえで細かく刻んでから与えましょう。

Q2.老犬は大根の葉を食べられる?

A.老犬も大根の葉を食べることはできます。

ただし、白い根の部分よりも繊維が多く、葉や茎に硬さがあるため、老犬に与える場合は加熱してから細かく刻んで食べさせてあげましょう。

大根の葉にはβ-カロテンやカルシウムなどの栄養素が豊富に含まれているので、上手に活用してみてくださいね。

Q3.大根の皮は与えないほうがいい?

A.よく洗ってすりおろすのであれば、大根の皮を少量与えても問題はありません。

皮は硬く、繊維が多い部分です。細かく刻んだだけでは、歯が弱い老犬や胃腸が弱い老犬には負担になってしまうため、必ずすりおろしてから与えましょう。

また、皮の表面には土や汚れが残っていることもあるので、皮ごと使う場合はしっかりと洗うことが大切です。

まとめ

大根は、老犬の食事にも取り入れやすい身近な野菜です。

水分が多く、さっぱりとした味わいなので、おやつやトッピングにも使いやすいでしょう。

老犬の食事は、栄養を摂るためだけのものではなく、毎日の楽しみのひとつでもあります。

愛犬が喜んで食べてくれるなら、大根を上手に活用しましょう。

たかだなつき(高田菜月)

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4匹の愛犬と暮らすペット専門ライター×ペットの専門家。長年人間の介護に携わっていたが、愛犬の介護をきっかけにペット専門ライターに転身。犬の飼育歴は20年以上...

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