老犬に牛乳を与えても大丈夫?おすすめできない理由と注意点を専門家が解説
愛犬が老犬になると、食事量が減ったり体重が落ちたりして、「少しでも栄養のあるものを与えたい」と思うようになりますよね。
牛乳は身近で栄養価が高いイメージがあるため、老犬の栄養補給や水分補給に使えないかと考えることもあるでしょう。
私も4匹の高齢の愛犬たちと暮らしていたので、そうした気持ちはよくわかります。
しかし、「老犬」ということを考えると、牛乳を与えることは控えたほうがいいでしょう。
この記事では、老犬に牛乳を与えることがおすすめできない理由や注意点について犬の管理栄養士が解説します。
老犬に牛乳を与えるのは控えよう!おすすめできない2つの理由

牛乳は、人間にとって栄養価の高い飲み物ですが、老犬にも合うとは限りません。
もちろん、牛乳には犬にとって有害な物質が含まれているわけではなく、飲んでも問題のない犬もいます。
しかし、老犬では体調不良につながるリスクがあり、控えたほうが安心です。
ここでは、老犬に牛乳を与えることがおすすめできない理由を見ていきましょう。
犬は乳糖をうまく分解できないことが多い

牛乳には「乳糖(ラクトース)」という糖類が含まれますが、犬はこの乳糖をうまく分解できない(=乳糖不耐症)ことも珍しくありません。
乳糖を分解するための「ラクターゼ」という消化酵素は、母乳を飲んでいる子犬の時期にたくさん分泌されます。
しかし、母乳を必要としなくなる時期になるとラクターゼの分泌が大幅に減少するため、牛乳を飲むことで消化不良を起こし、下痢や嘔吐を引き起こしやすくなるのです。
老犬は下痢や嘔吐そのものが体に大きな負担となる

老犬に牛乳をおすすめできないのは、下痢や嘔吐を起こしたときの負担が大きいからです。
下痢や嘔吐を起こせば、水分が失われて脱水につながったり、体力を消耗したりする恐れがあり、老犬にとって大きな負担になりかねません。
また、若い犬であれば一時的な不調で済むこともありますが、老犬では回復に時間がかかったり、持病に影響することもあります。
そうしたリスクを考えると、積極的に牛乳を与える必要はないでしょう。
老犬の牛乳に関するよくある誤解

SNSやネット上で、「こうすれば牛乳を与えても大丈夫」「こうして牛乳を飲ませてる」といった情報を目にすることもあるでしょう。
しかし、老犬の体質や体調はそれぞれ異なり、見かけた情報をそのまま参考にするのは注意が必要です。
ここでは、老犬の牛乳に関するよくある誤解について見ておきましょう。
水で薄めれば大丈夫

牛乳を水で薄めても、乳糖がなくなるわけではありません。
たとえば、牛乳50mlに水を50ml加えたところで、牛乳50ml分の乳糖を摂取することには変わらないのです。
水で薄まったような感覚にはなりますが、薄めた牛乳であっても下痢や嘔吐のリスクはあるので与えないようにしましょう。
少量なら大丈夫

牛乳は、少量であれば大丈夫というわけではありません。
確かに、牛乳を飲んでも問題のない犬もいます。しかし、乳糖をどの程度分解できるかには個体差があり、少量でも負担になることもあります。
特に老犬はその日の体調によっても反応が変わるため、牛乳は控えたほうが安心です。
若い頃に飲んでいたから大丈夫

若い頃に牛乳を飲んでいて問題がなかった犬でも、老犬になってからも同じように飲めるとは限りません。
犬は年齢を重ねるにつれて胃腸の働きが低下し、若い頃は問題なく受け入れられていた食べ物や飲み物でも、胃腸に負担がかかって消化不良を起こしたり、アレルギー反応を起こすこともあります。
【乳糖不耐症と食物アレルギー】
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そのため、若い頃は牛乳を飲めていたとしても、老犬は慎重に考えることが大切です。
老犬に牛乳を与えるなら犬用ミルクを選ぼう

老犬に牛乳を与えたいと思うのは、栄養補給や水分補給のためなのではないでしょうか。
牛乳なら飲んでくれそうな気がしますよね。
牛乳を与えるのであれば、人間用の牛乳ではなく、犬用に作られた牛乳や犬用ミルクを選ぶといいでしょう。
犬用の牛乳やミルクは、犬が飲むことが前提なので、乳糖に配慮されています。
また、老犬向けのものであれば、老犬の体に合わせた栄養設計になっていることも珍しくありません。
もちろん、犬用ミルクであっても、初めて与える場合は少量から試し、便の状態や嘔吐の有無、元気や食欲に変化がないかを確認しましょう。
老犬に与えられる乳製品

牛乳は老犬におすすめできる飲み物ではありませんが、乳製品のすべてを避けなければいけないわけではありません。
種類や加工方法によっては、牛乳よりも老犬に取り入れやすいものもたくさんあります。
ここでは、老犬に与えられる乳製品をご紹介します。
ヨーグルト

ヨーグルトは、発酵の過程で乳糖が一部分解されるほか、乳酸菌には乳糖の分解をサポートする働きがあるため、乳糖不耐症が起こりにくいことでも知られています。
ただし、乳糖がまったく含まれていないというわけではなく、食物アレルギーの心配もあるため、老犬に初めて与えるときは少量にとどめ様子を見てあげましょう。
老犬に与えるヨーグルトは、砂糖や人工甘味料、果物ソースなどが入っていない、無糖のプレーンヨーグルトを選んでくださいね。
ヨーグルトについて詳しくは、以下の記事で詳しく解説しています。
チーズ

チーズは牛乳を原料としていますが、乳酸菌や酵素で固めるという製造工程で、ほとんどの乳糖が分解されています。
もちろん、ほんのわずかな乳糖にも反応してしまう老犬や、乳製品アレルギーの老犬もいるため、初めて与えるときは少量から試す必要はあります。
しかし、チーズは栄養が豊富で嗜好性も高いため、食欲が落ちている老犬の栄養補助や、薬を飲ませるときの投薬補助にも活用しやすいでしょう。
老犬に与えるチーズは、モッツァレラチーズやリコッタチーズ、マスカルポーネなど塩分が低いものを選ぶことが大切です。
チーズについては、以下の記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてくださいね。
ヤギミルク

乳糖が少ないとよく言われているヤギミルクですが、これについては明確な根拠がないため、定かではありません。
しかし、ヤギミルクは牛乳とタンパク質の構造が異なるため、消化吸収が良くて胃腸に負担がかかりにくく、下痢や嘔吐を起こしにくいというメリットがあります。
また、牛乳よりもミネラルやアミノ酸、タウリンなどの量が多いため、老犬の栄養補助に役立ちます。
犬用ミルクとしても販売されているので、選びやすいでしょう。
全脂肪タイプと低脂肪(脱脂)タイプの選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
豆乳

豆乳は乳製品ではありませんが、大豆から作られているため乳糖を含まず、乳糖が心配な場合でも試しやすいでしょう。
ただし、大豆アレルギーの場合は与えられないので注意してください。
老犬に与える豆乳は、砂糖や塩、香料などが加えられていない、無調整豆乳を選びましょう。
まとめ

牛乳は身近で栄養価が高いイメージのある飲み物ですが、老犬に積極的に与える必要はありません。
特に高齢になると、少しの下痢や嘔吐でも体力を消耗しやすいため、あえて牛乳を選ぶメリットはないでしょう。
老犬が飲んでくれそうなものを探している場合は、犬用のミルクを選んだほうが安心です。
とはいえ、乳製品にアレルギーがある可能性もあるため、まずは少量で様子を見てあげてくださいね。
















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