老犬に柿を食べさせても大丈夫?与えていい量や注意点を犬の管理栄養士が解説
秋になると旬を迎える柿。甘くておいしい柿ですが、食べていると愛犬の熱い視線にいたたまれなくなり、おすそ分けをしてあげたくなりますよね。
しかし、老犬になると加齢によって体にさまざまな変化が起こるため、「老犬に柿をあげても大丈夫?」と気になるママさん・パパさんも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、老犬に柿を与えてもいいのかをはじめ、与えるメリットや1日に与えていい量、注意点を犬の管理栄養士が解説します。
適量であれば老犬に柿を与えても大丈夫!

結論から言うと、適量であれば老犬が柿を食べても大丈夫です。
柿の果肉には、犬が中毒を起こすような有害な成分は含まれていません。
柿は水分を多く含むほか、必須アミノ酸10種やビタミンC、ポリフェノール、食物繊維、果糖など、老犬の健康維持に役立つさまざまな栄養が含まれています。
もちろん、与えすぎれば肥満の原因になりますが、おやつやトッピングなどで適量を与える分にはメリットのほうが多い果物ですよ。
老犬に柿を与える3つのメリット

では、老犬に柿を与えることは、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここで詳しく見ていきましょう。
水分補給をサポート

柿は83.1%が水分なので、老犬の水分補給のサポートになります。
老犬になると、体の水分量を調整する腎臓やホルモンバランスの機能が低下したり、足腰の痛みや筋力低下で、水飲み場までの移動や水を飲む姿勢の維持が負担になることも少なくありません。
そのため、老犬では水を飲む量が減りがちで、隠れ脱水を起こしやすいため注意が必要です。
もちろん、柿だけで十分な水分補給ができるわけではありませんが、柿を食べるだけで自然に水分を摂れるのは老犬にとってもメリットでしょう。
ポリフェノールやβ-カロテンを含み老犬の健康維持に役立つ

柿には、ポリフェノールやβ-カロテン、ビタミンCなどの抗酸化に関わる成分が豊富に含まれており、老犬の健康維持に役立ちます。
老犬は加齢にともない、体のさまざまな機能が少しずつ低下していきますが、その中には抗酸化防御機構の働きも含まれます。
体内で活性酸素が増えすぎてしまうと、細胞や組織にダメージ(酸化ストレス)を与え、老化をはじめとするさまざまな不調につながってしまうのです。
もちろん、柿を食べたからといって老化を防いだり、病気を予防したりできるわけではありません。
しかし、こうした酸化ストレスから体を守る働きに関わる成分を取り入れることは、老犬の健康維持を栄養面からサポートできるでしょう。
食欲が落ちた老犬でも食べやすい

柿は甘みがあり、食欲が落ちた老犬でも食べやすいでしょう。
老犬になると、嗅覚の低下や噛む力の低下、口腔内トラブル、内臓機能の衰えなどで食欲が低下しがちです。
特にドライフードだけでは食べにくくなり、甘みの感じられる水分の多い食べ物を好む老犬も少なくありません。
犬はもともと自然な甘みを好む傾向にあります。そのため、柿の甘みが食事への興味につながるでしょう。
老犬が1日に食べてもいい柿の量

柿は老犬にメリットのある果物ですが、与えすぎは肥満や栄養バランスの偏りにつながります。
柿を与えるときは、愛犬が1日に必要なカロリーの10%以内の量にとどめましょう。
以下に、愛犬の体重や状態、柿の100gあたりのカロリー(63kcal※)を入力すると、自動で10%の量が算出されるので参考にしてください。
体重
kg
状態
おやつ・トッピング100g/mlあたりのカロリー
kcal
1日あたりに必要なカロリー:
— kcal
おやつ・トッピングの許容量(10%):
— kcal
おやつ・トッピングの目安量:
— g / ml
上記を目安に、愛犬の体調や便の状態を見ながら調整しましょう。
また、干し柿の場合はカロリーが大幅に変わるため、パッケージに記載されているカロリーを入力してくださいね。
カロリーの計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
老犬に柿を与えるときの注意点

老犬に柿を与えるときは、注意してあげなければいけないこともあります。
ここでは、気をつけたいポイントを見ていきましょう。
食物アレルギーに注意する

初めて老犬に柿を与えるときは、ごく少量から始め、食べたあと30分~48時間は様子を見ましょう。
もし柿に食物アレルギーがあった場合、以下のような症状が見られるようになります。
【犬の食物アレルギーの主な症状】
- 皮膚の赤みや痒み
- 目の周りや口の周り、耳を痒がる
- 足先を執拗に舐めたりかじる
- 下痢や軟便、便の回数が増える
- 嘔吐
すべての症状が現れるわけではなく、老犬によって症状の軽い・重いは異なります。
こうした症状が見られたときは与えるのを控え、まずは獣医師に相談してください。
与えすぎない

柿は果糖が含まれるため、与えすぎないようにしましょう。
柿に含まれる糖質はエネルギー源になりますが、与えすぎればカロリーオーバーとなり、肥満の原因となってしまいます。
また、与えすぎは栄養バランスを崩すことにもつながるため、適量にとどめておくことが大切です。
皮や種は与えない

老犬に柿を与えるときは、必ず皮と種を取り除き、果肉の部分だけを与えましょう。
皮は果肉よりも硬く、消化の負担になることがあります。老犬は消化器官が衰えているため、下痢や嘔吐を起こすことも珍しくありません。
また、柿の種は喉に詰まったり、消化管内で詰まったりする危険があります。
腸で詰まれば腸閉塞を起こしてしまう可能性もあるため、絶対に与えない・誤飲しないように注意してください。
食べやすいように薄くスライスしたり細かく刻む

老犬に柿を与えるときは、薄くスライスしたり粗みじん切りのように細かく刻んでから与えましょう。
老犬では加齢によって噛む力や飲み込む力が低下しやすく、大きいまま与えると喉に詰まらせてしまうこともあります。
また、細かく刻むことで消化の負担にも配慮してあげることができますよ。
持病がある老犬は事前に獣医師に確認する

持病がある老犬に柿を与えるときは、事前に獣医師に相談しましょう。
柿にはさまざまな栄養素が含まれているため、病気の状態やステージによっては控えたほうがいい場合もあります。
特に、獣医師から栄養制限の指示が出ている場合は、自己判断せずに獣医師に確認してください。
老犬に柿を与えるときによくあるQ&A

ここでは、老犬に柿を与えるときによくある疑問を解決していきます。
Q1.老犬に干し柿を与えても大丈夫?
A.干し柿も、少量であれば老犬に与えることができます。
ただし、干し柿は水分が抜けて糖質やカロリーが凝縮されており、100gあたり約260kcalと生の柿より高カロリーです。
そのため、1日に与えていい量は生の甘柿とは異なるので、与える量は注意しましょう。
また、干し柿は粘り気が強いものも多く、噛む力や飲み込む力が低下した老犬では食べにくいことがあります。
与える場合は、細かく刻むなど十分に配慮してあげることが大切です。
Q2.渋柿を与えてもいい?
A.渋柿を与えることはおすすめできません。
渋柿や未熟な柿には渋み成分であるタンニンが多く含まれます。
大量に食べると胃腸に負担をかけたり、まれに胃石の原因になったりする可能性があるため、老犬には与えないようにしましょう。
なお、ペット記事の一部では「アルカロイド」という表現が使われることもありますが、渋柿で問題になる主な成分として一般的に知られているのはタンニンです。
Q3.老犬が柿の種を食べたらどうしたらいい?
A.老犬が柿の種を食べてしまった場合は、自分で吐かせようとせず、まずは動物病院に電話で相談しましょう。
自己判断で無理に吐かせると、吐く途中で喉に詰まらせてしまったり、食道を傷つけてしまうおそれもあります。
食べた量や愛犬の体格、現在の様子によって対応は異なるため、
- いつ食べたか
- 何粒食べたか
- 吐いていないか
- 元気や食欲はあるか
などを確認して伝えましょう。
まとめ

柿は、老犬の健康維持に役立つ果物です。
とはいえ、与えすぎれば肥満や栄養バランスの崩れにつながるため、おやつやトッピングの範囲内で与えるようにしましょう。
また、皮や種は取り除き、細かく刻んであげてくださいね。
<参考文献>
Nutrients「From Diospyros kaki L. (Persimmon) Phytochemical Profile and Health Impact to New Product Perspectives and Waste Valorization」
World J Gastrointest Endosc.「Review of the diagnosis and management of gastrointestinal bezoars」


















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