老犬に魚はおすすめ?与えるメリットや注意点を犬の管理栄養士が解説
人間では魚は体にいいと言われていますが、老犬でも魚は健康に役立つのか気になっているのではないでしょうか。
また、魚にはいろいろな種類があり、どの魚を与えたらいいのか迷ってしまいますね。
老犬はほとんどの魚を食べることができますが、与えるときには注意が必要なこともあります。
そこでこの記事では、老犬に魚を与えるメリットやおすすめの魚、適量や注意点を犬の管理栄養士が解説します。
老犬に魚はおすすめ!魚はシニア期に嬉しい栄養素を含む

結論から言うと、適量であれば魚は老犬にメリットのある食材です。
魚にはさまざまな栄養素が含まれており、上手に取り入れればシニア期の健康維持にも役立ちます。
もちろん、魚だけを食べてればいいというものではありませんが、身近な食材なので、おやつやトッピング、手作りごはんの食材として取り入れやすいでしょう。
老犬に魚を与える3つのメリット

ここでは、老犬に魚を与えるメリットを見ていきましょう。
良質なたんぱく質が筋肉維持をサポート

魚には良質なたんぱく質が豊富に含まれており、老犬の筋肉維持のサポートに役立ちます。
たんぱく質、筋肉をつくる材料になる栄養素で、体内では筋肉の分解と合成が常に行われています。
しかし、食事から十分なたんぱく質を摂れないと、筋肉を維持するための材料が不足してしまうことも珍しくありません。
特に老犬は筋肉を合成する力が低下しており、筋肉量が落ちやすくなっているため、良質なたんぱく質をしっかり補ってあげることが大切なのです。
DHA・EPAがシニア期の健康維持に役立つ

魚には老犬の健康維持に嬉しいDHA・EPAが豊富に含まれています。
DHA・EPAは体内で作ることが難しい必須脂肪酸のひとつで、抗炎症作用や脳機能、皮膚・被毛の健康維持に関わる栄養素です。
老犬になると、関節トラブルや皮膚トラブル、認知機能の低下など、加齢によるさまざまな悩みが増えやすくなります。
そのため、そうした悩みに配慮したサプリメントでも、DHA・EPAを配合した製品は少なくありません。
魚からこうした成分も摂れるのは、毎日の健康維持に役立てることができるでしょう。
嗜好性が高く食欲が落ちた老犬でも食べやすい

魚は加熱することで香りが引き出されやすく、嗜好性も高いため、食欲が落ちた老犬でも食べやすい食材です。
老犬になると、加齢によって嗅覚や食欲が低下したり好みの変化が起きて、今まで食べていたドッグフードを急に食べなくなることも珍しくありません。
そんなときに、魚を少量トッピングしたり、魚のゆで汁で香りをつけたりすると、食事への興味につながることがあります。
また、魚は加熱すると身がほぐれやすいため、噛む力が弱くなった老犬にも与えやすいでしょう。
老犬におすすめの魚一覧

老犬に魚を与えるときは、魚の種類ごとの特徴を知って選ぶといいでしょう。
【老犬におすすめの魚】
- たら
…脂質が少なく、淡白な白身魚。味や香りのクセが少ないため、魚に慣れていない老犬にも使いやすい - たい
…淡白でクセが少ない白身魚。魚特有のにおいが強すぎない - かれい
…あっさりした白身魚。身がやわらかい - ひらめ
淡白でクセが少なく、脂質も比較的控えめな白身魚。魚のにおいが苦手な犬にも試しやすい - さけ
…DHA・EPAやアスタキサンチンを豊富に含む。加熱すると香りが立ちやすい - かつお
…香りが強い赤身魚。少量でもフードに風味を加えやすい - まぐろ
…赤身は高たんぱくで脂質が少なめ - いわし
…DHA・EPAを豊富に含む青魚。青魚特有の香りがあり、白身魚より脂質が多め - あじ
…DHA・EPAを豊富に含む青魚。青魚の中では香りが強すぎず、使いやすい - さば
…DHA・EPAを豊富に含む青魚。香りが強い - ぶり
…香りが出やすい魚。脂質がやや多めなので少量向き - しらす
…小さくやわらかい小魚。塩分が多いものは避ける
DHA・EPAは魚全般に含まれますが、含有量は魚の種類によって大きく異なります。
白身魚は青魚ほど多くないため、DHA・EPAを意識したい場合は、さけ・まぐろ・いわし・あじ・さばなどが選択肢になるでしょう。
おやつやトッピングで老犬が1日に食べてもいい魚の量

魚は老犬にとってメリットのある食材ですが、与えすぎれば栄養バランスの崩れや肥満につながります。
そのため、魚をおやつやトッピングで与える場合は1日に必要なカロリーの10%以内にとどめましょう。
以下に、愛犬の体重や状態、与える魚の100gあたりのカロリーを入力すると、自動で10%量が計算されるので参考にしてください。
| 【焼いた魚のカロリー】加熱後・味付けなし・可食部100gあたり さけ:160kcal、まぐろ:202kcal、いわし:199kcal、さば:174kcal、たら:103kcal ※魚の種類や部位、調理方法によってカロリーは変わるため、入力用の目安として使用してください。 ※参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 |
上記はあくまでも目安です。
愛犬の体調や便の状態を見ながら与える量を調整しましょう。
なお、おやつやトッピングを与える場合は、そのカロリー分のフード量を減らすようにしてください。
老犬に魚を与えるときの注意点

魚は老犬に取り入れやすい食材ですが、与え方によっては体の負担になってしまうこともあります。
ここでは、老犬に魚を与えるときの注意点を見ていきましょう。
食物アレルギーに注意する

老犬に魚を初めて与える場合は、ごく少量から試して30分~48時間は様子を見ましょう。
魚に食物アレルギーがあった場合、以下のような症状が見られることがあります。
【犬の食物アレルギーの主な症状】
- 皮膚の赤みや痒み
- 目の周りや口の周り、耳を痒がる
- 足先を執拗に舐めたりかじる
- 下痢や軟便、便の回数が増える
- 嘔吐
症状の現れ方は個体差もありますが、上記のような症状が1つでも見られる場合は与え続けずに、獣医師に相談してください。
必ず加熱して与える

老犬に魚を与えるときは、必ず加熱してから与えましょう。
生魚には細菌や寄生虫が付着している可能性があり、免疫力が低下しやすい老犬では食中毒のリスクが高まります。
また、刺身のように生で食べられる魚であっても、老犬は加熱してから与えたほうが安心です。
魚は加熱することで香りが立ちやすくなったり、身がほぐれやすくなったりするので、老犬の食べやすさという点からも加熱してあげましょう。
加熱する際は、油を引かずに焼いたり、茹でる・蒸す・レンジで加熱するなどの方法がおすすめです。
骨をしっかり取り除く

老犬に魚を与えるときは、骨をしっかり取り除いてから与えましょう。加熱後に身をほぐしながら、丁寧に確認するのが安心です。
魚の骨は細く鋭いものが多く、喉や食道に刺さる危険があります。
特に老犬は、噛む力や飲み込む力が若い頃より低下していることもあるため注意が必要です。
ただし、圧力鍋で長時間加熱した魚や、骨までやわらかく加工された魚の缶詰であれば、骨まで食べても問題はありません。
持病がある老犬は事前に獣医師に確認する

持病がある場合は、魚を与える前に獣医師へ相談しましょう。
魚はさまざまな栄養素が含まれており、病気の種類やステージによっては避けたほうがいい場合もあります。
また、すでに療法食を食べている老犬では、少量のトッピングでも治療に影響することもあるため、必ず獣医師に確認してください。
まとめ

魚は、老犬の健康維持に役立つ身近な食材です。
香りが立ちやすく身もほぐれやすいため、老犬も食べやすいでしょう。
魚には、たらのように淡白なものから、さばのように香りが強いものまでさまざまな種類があります。
愛犬の好みに合わせて選べるのも魚の魅力のひとつです。
注意したいポイントに気をつけながら、上手に活用してくださいね。

















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