シニア犬の涙やけの原因は?自宅でできるケア方法を紹介

COLUMN

「最近、愛犬の目の周りが赤茶色になってきて心配…」
「年をとってから涙の量が増えたけれど、病気じゃないかな?」

シニア犬と暮らすなかで、このような症状にお悩みのママさんパパさんもいるのではないでしょうか。

シニア犬の涙やけは、加齢に伴う自然な変化のほかに、食事や病気などさまざまな原因で起こります。

愛犬の目元をきれいな状態に保つには、原因を正しく見極めて適切なケアを続けることが大切です。

本記事では、元トリマーの私がシニア犬に涙やけが起こる原因から、自宅でできるケア方法まで解説します。

涙やけとは?

涙やけとは、あふれ出た涙が目の周りの被毛に付着したまま時間が経ち、赤茶色に変色する症状です。

涙に含まれるポルフィリンという成分が、紫外線や空気に触れて酸化することで被毛が赤茶色に変色するとされています。

とくに被毛が白い犬や色の薄い犬は、涙やけが目立ちやすいといえるでしょう。

涙やけは被毛の変色だけでなく、雑菌が繁殖しやすく、ニオイや皮膚トラブルの原因にもなりかねません

ただの汚れだと放置せず、まずは涙があふれる原因を正しく見極めることが不可欠です。

シニア犬に涙やけが起こる4つの主な原因

シニア犬の目元に涙やけが増えるのには、以下のような原因が考えられます。

  • 加齢に伴う涙の量や質の変化
  • 涙の排出経路の異常や鼻涙管のトラブル
  • 毎日の食事やアレルギーによる影響
  • 目の病気や遺伝的要因が隠れているケース

それぞれの原因について、詳しく確認していきましょう。

原因①加齢に伴う涙の量や質の変化

シニア犬の涙やけは、加齢に伴う涙の変化によって起こるケースが珍しくありません。

年齢を重ねると、涙の分泌量や成分のバランスが変化しやすいとされています。

若いころは適度な水分と油分が混ざり合った涙が分泌されており、目の表面をきれいに保っていることがほとんどです。

しかし、高齢になると油分の分泌が減り、涙がサラサラになって目の外へあふれやすくなる場合があります

あふれ出た涙が目の周りの被毛に付着したまま時間が経つと、涙やけとなるのです。

愛犬の目の周りが常に濡れている場合は、加齢による涙の変化を疑いましょう。

原因②涙の排出経路の異常や鼻涙管のトラブル

涙を排出する経路に異常が起きることも、涙やけを引き起こす原因に挙げられます。

鼻涙管と呼ばれる涙の通り道が詰まると、涙が鼻へ抜けにくくなり、目の外へあふれやすくなります

鼻涙管が詰まってしまう主な原因は、以下のとおりです。

  • 加齢によって鼻涙管が細くなっている
  • 目やにやホコリが管の中に詰まっている
  • 鼻炎などの炎症が鼻涙管まで広がっている
  • 生まれつき鼻涙管の構造が狭くなっている

通り道が狭くなったり詰まったりすると作られた涙が正常に流れず、常に涙があふれ続ける状態となり、涙やけの悪化につながります。

愛犬の目元が常に濡れていたり、目やにが多かったりするときは、鼻涙管のトラブルかもしれません。

原因③毎日の食事やアレルギーによる影響

毎日の食事やアレルギー反応も、涙やけを悪化させる原因の1つです。

たとえば、質の低いお肉が原材料のフードや添加物が多く使われているフードを食べ続けると、消化不良を起こし、老廃物が涙となって排出されやすくなる場合があります

また、アレルギーのある食品を摂取すると、過剰なアレルギー反応によって、涙が多くなりやすいとされています。

食物アレルギーは、これまで平気だった食材でも、突然症状が出ることがあるので注意が必要です。

涙やけが気になるときは、普段の食事を見直してみてください。

原因④目の病気や遺伝的要因が隠れているケース

目の病気が、シニア犬の涙やけの原因になっている場合もあります。

目に痛みや不快感があると、刺激から目を守ろうとして涙の量が過剰に増えやすくなります

涙やけの原因として考えられる主な目のトラブルは、以下の通りです。

  • 角膜炎や結膜炎による目の表面の炎症
  • 白内障や緑内障などの目の病気
  • 逆さまつ毛による眼球への刺激
  • まぶたの形状の異常による摩擦

上記のような病気や異常がある場合、涙が止まらなくなり目元が常に濡れてしまいます。

目を頻繁にこすったり、痛がってまばたきが増えたりする場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

老犬の目やにが増えた?考えられる病気と治療を獣医師が解説

シニア犬の涙やけを改善する自宅ケアの方法

シニア犬の涙やけは、自宅でのケアを続けると、改善する可能性があります。

愛犬の目元をきれいな状態に保つための4つのケア方法は、以下のとおりです。

  • こまめに拭き取り目の周りを清潔に保つ
  • 目元の被毛を短めにカットする
  • 食事内容や水分補給を見直す
  • 日頃から目の状態を確認して異常を早期発見する

それぞれのケア方法について、確認していきましょう。

こまめに拭き取り目の周りを清潔に保つ

涙やけを改善するには、あふれ出た涙をこまめに拭き取ることが大切です。

涙が被毛に付着したまま時間が経つと、細菌が繁殖して変色し、涙やけの原因となります。

愛犬の目元を清潔に保つためのケア手順は、以下のとおりです。

  1. 清潔なコットンやガーゼをぬるま湯で湿らせる
  2. 目元の汚れを優しく押さえるように拭き取る
  3. 乾いたコットンで被毛の水分をしっかり拭き取る

強くこすると皮膚が傷つく恐れがあるため、優しく拭うようにしてください。

また、水分が残っていると細菌が増殖し、涙やけが悪化する原因になるため、最後に乾いたコットンで拭き取る工程は欠かせません

愛犬の負担にならない範囲で、こまめなケアを日々の習慣にしていきましょう。

目元の被毛を短めにカットする

目元の被毛を短めにカットするのも、涙やけの改善に効果的です。

目の周りの毛が長いと、あふれた涙が毛に留まり、変色が進みやすくなります。

また、被毛が目を刺激して、涙を多くしているケースも少なくありません。

被毛を短く整えておけば、涙が付着する面積を減らし、目への刺激を軽減できる可能性があります

さらに、被毛が短ければ拭き取りのお手入れもスムーズになり、清潔な状態を維持しやすくなるでしょう。

目の周りのカットは、自宅で行うとケガをする恐れがあるため、無理をせずにトリミングサロンなどのプロを頼ることをおすすめします。

食事内容や水分補給を見直す

食事内容や水分補給を見直すと、体の内側から涙やけを改善できる可能性があります。

消化に良い食事や十分な水分は、老廃物の排出を促して涙の質を改善する効果を期待できます

シニア犬の食事と水分の見直し方を、以下の表にまとめました。

見直すポイント 具体的な対策
フードの原材料 良質なたんぱく質を含む消化の良いものを選ぶ
添加物の有無 保存料や着色料が含まれていないフードへ切り替える
水分補給の頻度 飲み水を複数箇所に置くなどして飲む量を増やす

愛犬の体調に合わせて、食事内容と水分補給を見直してみてください。

日頃から目の状態を確認して異常を早期発見する

涙やけの原因には、目の病気や鼻涙管のトラブルが隠れているケースがあるため、日頃から目の状態のチェックも欠かせません

毎日のスキンシップのなかで確認したい項目は、以下のとおりです。

  • 涙の量や目やにの色が急に変わっていないか
  • 目を気にして前足で頻繁にこすっていないか
  • まぶたが赤く腫れたり痛がったりしていないか
  • 目の周りを触られるのを極端に嫌がっていないか

目の病気は進行が早いため、放置すると取り返しのつかない事態になりかねません。

上記のようなサインがみられるときは、無理に自宅でケアを続けず、早めに動物病院へ相談するようにしましょう。

目のケアのこと、改めて考えてみませんか?

シニア犬の涙やけに関するよくある疑問

ここからは、シニア犬の涙やけに関するよくある3つの疑問について、回答していきます。

Q. 目元のケアに人間用のウェットティッシュを使ってもいい?

シニア犬の目元ケアに、人間用のウェットティッシュは使わないでください

人間用の製品にはアルコールや香料が含まれており、犬の皮膚にとって刺激が強いといえます。

犬の皮膚は人よりも薄く、刺激の強い成分で拭くと目元が炎症を起こす恐れがあります。

また、アルコール成分が目に入ると、失明などのトラブルにつながりかねません。

愛犬の目元を拭くときは、必ず犬用製品か、ぬるま湯で湿らせたコットンを使ってくださいね。

Q. 涙やけは完治することがある?

涙やけが完治するかどうかは、原因によって異なります

食事が関係している場合は、フードの変更で改善を期待できるかもしれません。

また、鼻涙管の詰まりが原因であれば、動物病院での処置で治る可能性があります。

一方で、加齢による涙の質の変化が原因のときは、完全に治すのは困難とされています。

完治が難しい場合でも、毎日のこまめなケアで悪化を防げるため、日々のケアを継続しましょう。

Q. 動物病院は受診すべき?

愛犬に涙やけだけでなく、以下のような様子も見られる場合は、動物病院を受診しましょう。

  • 目が充血している
  • 目を頻繁に気にしている
  • 黄色や緑色の目やにが出ている
  • 数か月ケアしても改善されない

上記のような症状は、目の病気のサインです。

目の病気が涙やけの原因となっている場合、適切な治療を受けなければ改善しません

そのため、少しでも気になる様子があれば、かかりつけの獣医師に相談してみてください。

まとめ|シニア犬の涙やけは原因を見極めてケアしよう

涙やけは、加齢や鼻涙管の詰まり、病気などが原因として考えられます。

シニア犬の涙やけを改善するには、愛犬の体調やペースに合わせた日々のケアを継続することが大切です。

  • あふれた涙をこまめに拭き取る
  • 食事内容や水分補給を見直す
  • ケアには犬用製品か、ぬるま湯で湿らせたコットンを使う
  • 目の充血や異常がみられる場合は、早めに動物病院を受診する

ただの涙やけに見えても、背後に深刻な目の病気が隠れているケースも考えられます。

少しでも愛犬の様子に違和感を覚えたら、早めに動物病院を受診しましょう。

さかもとはるか

2,428 views

元犬の訓練士・ペットライター 犬のしつけ・ケア・グッズ紹介などを中心に、現場経験を活かした記事制作が得意。 愛犬・愛猫・デグーたちと暮らし、ペットとの暮らし...

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。