老犬にキャベツを与えても大丈夫!適量や注意点を犬の管理栄養士が解説

COLUMN

キャベツは、犬のおやつやご飯のトッピングとして取り入れやすい身近な野菜です。

成犬の頃から愛犬に与えていたというママさん・パパさんも多いのではないでしょうか。

しかし、年齢を重ねて老犬になると、「これまでと同じようにキャベツを与えても大丈夫?」「生のままでも平気?」と気になることもありますよね。

キャベツは老犬も食べることができますが、年齢による体の変化に合わせて、量や与え方には配慮が必要です。

この記事では、老犬にキャベツを与える量や与え方の注意点を犬の管理栄養士が解説します。

キャベツの主な栄養素

キャベツは、生でも加熱しても老犬が食べられる野菜です。

キャベツは約93%が水分で、100gあたり23kcalと低カロリーですが、食物繊維やビタミン、ミネラルなども含まれています。

生のキャベツ100gあたりに含まれる主な栄養素は、以下の通りです。

【キャベツの主な栄養素】

  • 食物繊維:1.8g
    …腸内環境や便通の健康維持に役立つ
  • カリウム:190mg
    …神経や筋肉の働き、体内の水分バランスに関わる
  • ビタミンK:79μg
    …正常な血液凝固や骨の代謝に関わる
  • ビタミンC:38mg
    …抗酸化作用をもち、コラーゲンの生成にも関わる
  • 葉酸:66μg
    …DNAの合成や赤血球の形成に関わる

さまざまな栄養素を含むキャベツは、上手に活用することで老犬の健康維持に役立ちます。

老犬がキャベツを食べるメリット

キャベツには、老犬の食事に活用できる特徴がいくつかあります。

愛犬の体調や体型、普段の食事などを考えながら取り入れましょう。

食事から水分を補える

キャベツは約93%が水分のため、食事から水分を補うことができます。

老犬は加齢に伴って水分調節の仕組みに変化が起こり、喉の渇きを感じる反応が鈍くなります。

また、足腰が弱くなったことで水を飲みに行く回数が減るなど、生活面の変化から十分な水分を摂れていない老犬も珍しくありません。

いつもの食事にキャベツを少量取り入れることは、飲み水以外から水分を補う方法のひとつになるでしょう。

もちろん、キャベツだけで必要な水分をまかなえるわけではないため、いつでも新鮮な水を飲める環境を整えておくことが基本です。

低カロリーで体重管理中にも取り入れやすい

生のキャベツは100gあたり23kcalと低カロリーです。

老犬になると活動量や必要なエネルギー量が変化するほか、代謝の働きも低下して体重が増えやすくなることも珍しくありません。

キャベツはカロリーを大きく増やさずに食事へプラスできるため、体重管理が必要な老犬にも使いやすいでしょう。

食物繊維も適度に含まれているため、満腹感の維持にも役立ちます。

ただし、痩せている老犬や食事量が落ちている老犬では、キャベツでお腹を満たしてしまうのは逆効果になるため注意が必要です。

老犬が1日に食べられるキャベツの量

体の大きさ 目安量(上限) 葉の目安
超小型犬(体重4kg未満) 約38g 葉3/4枚
小型犬(体重4~10kg未満) 約50g 葉1枚
中型犬(体重10~25kg未満) 約100g 葉2枚
大型犬(体重25kg以上) 約150g 葉3枚

基本的に、老犬におやつやトッピングを与えるときは、その犬が1日に必要なカロリーの10%程度が目安です。

しかし、キャベツは100gあたり23kcalと低カロリーなため、10%を基準に計算するとかなり多い量になってしまうため、上記の表を目安にしてください。

たとえば、体重5kgの避妊済み老犬では、約143gものキャベツを食べてもいいことになり、それだけでお腹いっぱいになってしまうでしょう。

また、キャベツには食物繊維が含まれているため、一度にたくさん食べるとお腹が張ったり、軟便や下痢を起こしたりすることがあります。

そのため、キャベツはカロリーだけで量を決めず、上記の表を目安に、愛犬の体調や便の状態を見ながら調整してください。

老犬には生キャベツと加熱キャベツのどちらがいい?基本は加熱がおすすめ

キャベツは生でも加熱しても食べられますが、老犬には基本的に加熱したキャベツがおすすめです。

生のキャベツは、ビタミンCや葉酸など熱に弱い栄養素を損なわずに摂れる一方、繊維が硬く、消化機能が低下している老犬には負担になることがあります。

加熱することで葉や繊維がやわらかくなるため、消化の負担にも配慮できるでしょう。

また、加熱するとビタミンCや葉酸など熱に弱い栄養素は減少しますが、細胞壁がやわらかくなることで、β-カロテンなど一部の栄養素は体内で利用しやすくなります。

とはいえ、まだシニア期に入ったばかりで、歯や胃腸の状態に問題がない老犬では、必ずしも加熱する必要はありません。

特に食欲旺盛な老犬の場合は、加熱するとカサが減って物足りなく感じることもあるため、生のキャベツを細かく刻んで与えるといいでしょう。

生か加熱かは、愛犬の状態に合わせて使い分けてあげることが大切です。

老犬にキャベツを与えるときの注意点

老犬にキャベツを与えるときは、配慮してあげたいこともあります。

ここでは、老犬にキャベツを与えるときの注意点を見ていきましょう。

食物アレルギーに注意する

キャベツを初めて老犬に与える場合は、少量から試し、食物アレルギーが起こらないか様子を見てあげましょう。

キャベツは食物アレルギーが起きやすい食材ではありませんが、何で食物アレルギーが起こるかは個体差があります。

食べてから30分~48時間のうちに、以下のような症状がないか確認してください。

  • 皮膚の赤みやかゆみ
  • 目の周りや口の周り、耳をかゆがる
  • 足先を執拗に舐めたりかじる
  • 下痢や軟便
  • 排便回数が増える
  • 嘔吐

ただし、老犬の場合はほかの体調不良が重なることもあり、食物アレルギーだけが原因とは限りません。

そのため、こうした症状が見られたときは、自己判断せずに獣医師に相談しましょう。

芯や葉は細かく刻んで食べやすくする

老犬にキャベツを与えるときは、葉も芯もそのままではなく、細かく刻んであげましょう。

キャベツは食物繊維を多く含みますが、犬は植物の細胞壁を十分に分解することができません。

大きなままよりも、細かく刻んだり加熱したりすることで、消化の負担に配慮できます。

また、芯は葉よりも硬く、喉につまらせるおそれもあります。粗みじん切りのように、細かく刻んでから与えたほうが安心です。

持病がある老犬は獣医師に確認してから与える

持病がある老犬は、キャベツを与える前にかかりつけの獣医師に確認しましょう。

生のキャベツには、アブラナ科野菜に含まれる「ゴイトロゲン」と呼ばれる成分が含まれており、甲状腺ホルモンの合成に影響することがあります。

そのため、甲状腺機能低下症の老犬では注意が必要です。ただし、ゴイトロゲンは加熱することで失活しやすいという特徴があるため、食べてもいいと言われた場合は加熱して与えるといいでしょう。

また、キャベツにはさまざまな栄養素が含まれているため、特定の栄養素の制限が必要な老犬では、控えたほうがいい場合もあります、

キャベツは水分が多く栄養密度が高くないとはいえ、かかりつけの獣医師に確認したほうが安心です。

まとめ

キャベツは水分を補いやすく、低カロリーで老犬の食事に取り入れやすい野菜です。

キャベツの甘みを好きな犬も多く、喜んで食べてくれるでしょう。

ただし、老犬では消化機能が低下しているため、基本的には加熱して、細かく刻んでから与えるようにしてください。

また、キャベツは低カロリーだからといって多く与えていいわけではありません。

主食とのバランスを崩さないよう量に注意しながら、上手に活用しましょう。

たかだなつき(高田菜月)

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4匹の愛犬と暮らすペット専門ライター×ペットの専門家。長年人間の介護に携わっていたが、愛犬の介護をきっかけにペット専門ライターに転身。犬の飼育歴は20年以上...

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